前立腺に関して

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

前立腺に関してちょっと書かせてもらいます。

女性は関係ないですが、ある程度の歳になると男性のかなりの%の人の前立腺の具合が悪くなる。それは尿の出が悪くなるということに代表されますが、その症状はなくても前立腺ガンが進行しているケースが多いというのは皆さんご存じの通り。80代ではなんと80%の男性に前立腺癌が見つかるとのこと。癌があることとそれが危険であるかどうかは別ですが、そういう割合であるというのは間違いがないようです。

で、血液検査の時に調べたら良いのがPSAという抗体の数値で、これが上がってくると癌の危険があるわけですが、「従来基準値は4.0mg/ml とされていましたが、最近は国際的に2.5ng/ml 以上が前立腺生検をお勧めする基準値となっています」とのこと。これはかなりの人が引っかかると思います。

ここで私の経験談なのですが、私は二回生検をしました。一度は日本で、次にオーストラリアでやって二度とも癌は見つからなかったものの、日本での検査は小さな針で4-6カ所から生体を取るだけでした。ミカンに小さな針を何本か刺して検査するだけで、癌があるかないかわかるのかどうかは疑問でしたが、日本の医師はおめでとうございますと私に言いました。

ところがオーストラリアの医師はその点非常に論理的で、日本の6倍である24カ所から生体を取り検査しましたが、それでも癌を見付けられない可能性は充分にあると言ったのは印象的です。

ただ、PSAの価が高くなるのは癌の可能性があるのとともに、肥大でも数値があがるのはご存じの通り。そして、触診、肥大度、PSA値の価とその変化等から、専門医としての経験上、癌の危険性があるのか肥大だけなのかがわかるようです。

私の場合は肥大がかなり進行しており、手術をすることになりました。この手術にもいろいろあるのですが、何十年と行われている前立腺肥大の手術の多くは TURPという非常に一般的な手術。これは肥大している一部分を掻き出すという手術ですが、それをオーストラリアで受けました。

これで前立腺肥大とはお別れだと喜んでいたのですが、手術後2年もしないうちにまた尿の出が段々と悪くなり、PSAの値も上がってきました。

で、いろいろ調べてみますと、この昔から広く行われているTURPという手術は、まさに前立腺の一部分を削り掻き出す手術で、残存部分の方が多いのが普通。再発することも多く、また合併症もあるケースがあるといわれています。また大きな前立腺肥大の場合には出血も多く手術が困難で、昔からその場合は開腹手術が行われている。

さてここで私は悩みました。また同じTURPを受けるのか。それにしても私の前立腺はかなり大きいのでまた一部分しか取れない、あるいは開腹手術という話しになる可能性もあり、何か他の方法がないか探してみました。

そこで出てきたのがHoLEPという手術。これは私が最初に手術する時にも画期的な手術だといわれていたのですが、オーストラリアではそれをする医師はおらず、また日本でも数えるぐらいの病院しかなく、私は従来のTURP法を選ばざるを得なかったという経緯があります。

ところが最近、この数年ですが、このHoLEPというレーザーを利用する治療が広く普及してきており、オーストラリアではまだ非常に希(私の近隣には無い)ではあるものの、日本に於いては広がりつつあるのがわかりました。

この古くからのTURPと新しいHoLEPの違いですが、肥大した前立腺を取り出す事に於いては同じものの、HoLEPの場合はミカンの皮から実を剥がすがごとく、中身を全て取りだしてしまいます。従来のTURPでは30-60%を削り出すとのこと。そして新しいHoLEPの方が合併症も少なく、また従来は開腹手術をしないとならない様な大きな肥大にも対応でき、なおかつ患者への負担も少なく、入院期間も短いという、あちこち調べた限りではこのHoLEP がTURPに劣る項目は見つかりません。

ただこのHoLEPがどこでも行われているかというと、そこまでは広まってはいない状態で、もし、手術をしようという話になったとしても、従来のTURP でやるという医者の方が今のところ多いので、それを頭に入れておくのは非常に大事だと思います。

私は近い将来このHoLEPを受けるつもりではおりますが、多くの男性が掛かる病気である前立腺肥大は今は若く、あるいは問題がない方々でも将来的には他人事ではないと思われます。そしてもし自分に、あるいは旦那さんがそういう状態になったとき、HoLEPという手術方法があるということを是非思い出していただきたいのです。

私が受けた従来の手術方法であるTURPは、痛い、中途半端、出血が多い、大きな肥大には対応できず、再発、合併症等がつきまとう方法であり、今では HoLEPという新しく様々な点で優位な手術方法が普及途中であるということを是非頭に入れて、その時が来た場合、お医者様と相談していただきたいと思いこれを書きました。

もし私が手術を受ける時にこのHoLEPがあれば、前立腺肥大で何年も悩むことは無かったかもしれません。

余談ですが、前立腺肥大と食生活はかなり深い関係があるといわれており、発症率ですが、日本人とアメリカ人は1:2であるとのこと。これは私も体験しており、一時期炭水化物を抜くダイエットをしていて肉食の生活を送っていたことがあるのですが、その時はPSAの価が急激に高くなり、尿の出が悪くなりました。また、酒を飲むのも良くないようで、私の場合は敏感なのか、酒を飲んだり、肉を大量に食べた次の日にはてきめんに尿の出が悪くなります。

多くの男性がかかる病気である前立腺肥大、前立腺癌、それを知るにはまず50歳を過ぎたらPSAの検査。そしてその数値によっては生検。肥大であれば手術。その時には是非HoLEPという方法が普及しつつあることを思い出してください。

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。