食欲がない・・・

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どうも日本から帰ってきてから食欲がわきません。

具合が悪いわけでもないし、精神的に悩みがあるとかそういうことでもないんです。

日本の食の凄さにやられたって感じかなぁ。

今まで何度も日本へ行っていますが、ヨメさんと一緒に帰ったのは今回を含めてたったの二回だけ。やっぱり一人で行くときとヨメさんと一緒ってのはかなり行動パターンも変わりますね。食事にしたってそうで、一人で行っていると誰か友人と一緒じゃない限り良いお店に行くことはないし、一人で入れるのはせいぜい寿司屋ぐらいなもの。あとはそこらで適当に食べちゃいますし。

でもヨメさんと一緒となれば、お互いの趣向もわかりますし、こういうときじゃないと行けない店ってあるわけで、また結婚する前、いつも二人で食べて飲んで遊んでいましたので今回そんなことも思い出していろんな店に行きました。

でも決して高くて良い店ばかり行っていた訳でもなくて、それどころか高級店には行きませんでした。でもそこらの店でも美味しかったからびっくりしているわけで、日本も変わったと思いました。

昔、関西の友達に「東京の食べ物は高くてまずい!」と言われると、冗談言うな~~といつも反論していましたが、いつのころからか私も関西に頻繁に行くようになって、関西の方が安くて美味しいのは間違いがないと思うようになりました。

そりゃ東京は世界の東京ですから、凄い店も集まっているわけですが、そういうのは別にして、ちょっと町を歩いていてそこらの店に入るとまずハズレなのが普通だと私は思っています。かつては美味しい店は探してちゃんと確保するものだと信じていました。

でも大阪でびっくりしたのは、そこらの知らない店に入ってもそこそこ美味しく安く食べられるってこと。こういうことって東京では「かつては」なかったんですね。

大阪は平均点が高いというべきなのかな。東京も凄い店は凄いけれど、そこらの店に入ったらアウト。

ところが今回の日本一時帰国ではもう東京はそうではないと思ったわけです。適当に入った店で美味しく食べられた。

もちろん今回の旅でもハズレの店にも当たりました。でも平均点がかなり上がっているのは間違いがないと思いました。一番びっくりしたのはどこにでもあるセブンイレブンです。あんなコンビニに売っているものまで美味しいのね。特におにぎりの美味しさにはたまげました。セブンイレブンの塩麹鮭おにぎりなんて絶品。今回は居酒屋や海産物専門店とか行って、最後に頼んだお握りのまずさに閉口したなんてこともあったのですが、コンビニのお握りって美味しくて安いのね。

それとどこにでもチーズかまぼことか売ってるじゃないですか。これは昔から好きなんですが、これが美味しいのなんの。熟成チーズ鱈なんてのも買ったのですが、これって綺麗に切って並べたらそのままでもお店でお金が取れるほど美味しいと思いました。その他、ちょっとしたお菓子、スナック類の味が昔とは比較にならないくらい向上しているのがわかって、今回はこれといった買い物はしなかったのですが、その手のスナック類を山のように買ってきました。

とにかく今の日本は我々が知っていた日本とは変わっていた。そして東京の食は大阪のそれに似てきたと感じました。美味しい店が増えているし、そこらの店に入っても平均点が上がっている。

ま、そんなこんなで日本の食べ物ってどうしてこんなに美味しいんだろうなんて夫婦で喜んでいたわけですが、オーストラリアに帰ってきてから気が抜けてしまった感じがします。なーんも食べたくないんですよ。買い物にも行って食材を溜め込まなくてはならないのに、買い物にも行く気がしないんです。頭に浮かぶのは日本のデパ地下。あれを思い出すとオーストラリアで食べたいものなんかないし、買い物にも行きたくなくなってしまいます。

ヨメさんはオーストラリアの食生活に文句を言ったことはこの21年、一度もないのですが、帰りの飛行機の中で私がヨメさんに聞いたんです。

「オーストラリアに日本より美味しい食べ物って何かあったっけ?」

これの答えが出てこないんですよ。二人で30分ぐらいあーでもない、こーでもないと話しましたが、結論は「日本より美味しいものは何もない」という結論。

これってわかってはいるわけですが、夫婦で真剣に話してこういう結論に達したことはいまだかつてありませんでした。また、日本から来た人たちが「オーストラリアってろくな食べ物がないね」なんて言うと、冗談じゃねーぞ、馬鹿やろーー、なんて思うわけですが、やっぱりここは素直に認めるしかなさそうです。

そんなこんなで、どうもこの2,3日、食欲がわきません。

と同時に料理をする気にもならないんです。

私にとってこれは結構大きな打撃で、私は私なりに趣味でいろいろ料理をやってきましたが、日本の技術の高さを思い出すともう馬鹿らしくて作る気にもならないんですよ。料理もいろいろできるわけじゃありませんが、せめて男の料理として何種類かは高得点の料理技術が欲しいわけで、お恥ずかしい話ですが、餃子と鶏のから揚げだけはちょっと自信がありました。特にから揚げに関してはどのお店よりも美味しいという自負がありました。

ところがですね。日本で鳥のから揚げこそ食べませんでしたが、大衆向けの、しかし内容は完璧に近いと思った河豚の専門店(とらふぐ亭)で食べたから揚げ。これのうまさがどうしても頭から離れません。もちろん河豚ですから鶏と違うわけですが、から揚げの技術がまるで違うと思ったんです。味付けも、衣も、油も、温度も、そして揚げ方、何から何まで違うのでしょう。どうしてから揚げがこんなに美味しく揚がるのか不思議なくらいでした。

それがこれ。写真から美味しさは伝わらないでしょうが、河豚の美味しさと同時に、から揚げの技術にびっくりしました。

餃子にしてもそうで、駅ビルの中の中華料理屋が美味しくて、そこの餃子も絶品でした。どうしたらあんな美味しい餃子が作れるのか不思議。

そりゃプロだから当たり前というでしょう。でも私も新橋の飲食店の家に生まれ育ったわけで、プロと素人の違いぐらいはわかるのと同時に、プロの料理人の現場をまったく知らないわけじゃありません。

でもあの美味しさがどこから生まれてくるのかが全く理解できないし、想像さえできないことに苛立ちがある。

わかることは、ま、私なんか所詮ド素人でなーんもわかっちゃいないってことだけ。

だから自分で料理をするのも馬鹿らしくなってきてしまいました。自分のやっていることの延長線上にすばらしいものがあるのが見えるから人は頑張るわけで、自分の延長線上には何も無いのがわかったらやる気は失せます。

今日も夕方まで食事らしい食事もしないでボーーっとしていました。でも何か食べないわけにもいかず、でも料理をする気も起きず、そしてそれはヨメさんも同じで、じゃぁ、どこか食べに行こうかという話になりました。

でも話は上に書いたのと同じで、食べたいものがないんです。どうせ・・・・と思うと一気に食欲も失せます。また今日は月曜というのも問題で、我々がよく行くお店は月曜日はお休みのところばかり。

さぁどうするどうする?と話はしますが、じゃぁ家で食べようという話にはならず、1時間以上、あの店は?この店は?と延々悩んでいました。

で、決まったのが、前回、サーファーズのマレーシアンチャイニーズのお店に行ってたいしたことがなく、そしてかなり高くて面白くなかったわけですが、その店の通りを挟んだ反対側にあったやっぱりマレーシアンチャイニーズの店に行こうかという話になりました。

ただ、サーファーズという町は観光客の町で、美味しいものが安く食べられる場所ではないのがはっきりしていますが、あの店はいつか必ず行くことになるだろうから、今日行こうぜということで話がまとまりました。

前回は店の外まで客で溢れていましたが、今日は暇。私たち以外に客はいませんでした。

まずはビールで乾杯した後にハイナンチキン。これは結構美味しくて、斜め向かいのマレーシアンチャイニーズの店よりか間違いなく美味しいと思います。

どういうわけかスイートサワーポーク。豚が美味しかった~。

トコブシの蒸し物。これ安くて良いと思いました。

野菜は食べたかったカイランがなく、ほうれん草。マレーシアっぽいあの味付け。

あと何を食べたっけ・・・・。最後の締めは私の大好物のチャーコイチャォ。これも美味しかったです。

ということで、食欲がない割にはしっかり食べてきました。^^

この店はかなり良いと思います。値段もまぁまぁ。決して高くはない。

ただ、マーメードビーチのイポーサテレストランと比べたらどうでしょう。あっちの方が間違いなく安いし、ハイナンチキンもあちらの方が美味しいと思いました。ただ、この店は生簀に入った生鮮物があるのでお客様を連れて行ったりするにはいいかも。

この店で偶然20年来の友人サミーと再会しました。彼はかつてはゴールドコーストハイウェイ沿いにあるタイ式の建物でブンガラヤという有名な店のオーナーでした。でもそこをかなり昔に手放して今はここにいるとのこと(オーナーではないみたい。共同経営者かな。)

昔話に花が咲きましたが、本当に月日が流れるのは早いということ、そして良いことばかりは続かないねみたいな話で、決して暗くはならないかったものの我々移民者の、わけのわからない外国で世の中の波に翻弄されながら生きる難しさみたいなのを改めて感じました。
                                 
今日、日本で買ったカメラ、ソニーのNEX-7を持ち出して初めて写してみましたが、結構難しいですね。シャッターを押せば簡単に写るというわけにはいかなさそう。最近は富士のX10ばかり使っていましたから、カメラって簡単に写せるもんだと思い込んでしまっているのかも。でも逆を言えば富士のX10って凄いカメラだと思います。簡単に写せて、写りも半端じゃないし。

(カメラの設定を見たら、なぜかISOが100固定になっていました。だからシャッタースピードが上がらず手振れだらけの写真になった。これから説明書を読んで使い方を覚えます。(笑)

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