やっぱり高金利通貨がいいなぁ

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どんな高金利で回る通貨だとしても大事なのは実質金利という話を書きました。で、実質金利で見るとどんな通貨も大差はないと。

でも本当にそうか?間違いない?と自分に問いかけてみると、実は私の答えは???。(笑)

まぁ、理論的に為替がどういうものなのかってのがロクスポわかっていない私の頭で何を考えたところで「下手な考え休むに似たり」で、確かな答えなんか出てくるはずが無し。では理論的に為替を理解したら何かわかるのか?

もしわかる人がいるのならその人はもうすでに世界の富のかなりの部分を手中に収めているはず。

わからんちんの頭で下手に考えても答えは出ない。と同時に理論を熟知していても未来はわからないという点で一緒のような気がしてきます。それじゃ学者や評論家、プロを馬鹿にすることになるけれど結果としてはそういうことなんじゃないでしょうか。そうじゃないとするなら世界の英知を集めているはずのトヨタもソニーも為替で損失は出さないでしょう。あるいは論理的に学んでも結果を比べると大差は無いような(プロの方、ごめんなさいね~)。

論理的な人が間違いなく出来ることは後講釈。

ということでピラミッドの末端を構成する底辺の無知な庶民としてはこういうときには「勘」を頼りにするのも悪くはないと思うわけで、また我々は無駄に歳を食ってるわけじゃなくて「勘」と言っても単なる「思いつき」とは違っていて、その理由付けは決してうまくないけれどそれでどうにかやってきたという実績があるわけです。また「勘」と事実は違っていても自分が信じていれば自分としてはハピーだし、人生って所詮そんなものかもしれないと思ったり。

で、やっぱり高金利の通貨って魅力があります。確かに実質金利を考えたらどんな通貨も似たような数値になるのかもしれないけれど、金利ってその国の思惑が根本にあるわけだからそれによる差も結構あるんじゃなかろうか。

まぁ気になる通貨ってそんなにないわけで、基本は円、米ドル、豪ドル、リンギット、そんな程度。あえて言えばシンガポールドルとかブラジルレアルとか、多分ユーロドルやイギリスポンド、スイスフランもウォッチングする必要があるのだろうけれど自分としては興味はなし。ただユーロドル/米ドルはデイトレの対象としてこれが一番と思うだけで、でも将来的にどういう風に動くかの興味は全くなし。

マレーシアに渡る身としてはリンギットの利回りが高いと嬉しいのですが、今の3%+アルファってのは私に言わせると全く妙味なし。そう感じる理由の一つとしては、その絶対的数値そのものの大きさが気に入らない。これはデフレだからキャッシュで持っていてもOKと言われようが金利がゼロと同じの日本円が気に入らないのと同じ。

それとやっぱり実質金利を考えた場合、リンギットの実質金利はマイナスじゃないかと思うわけ(逆に日本円はプラス)で、つまりかなり強力な投資奨励策を政府はとっていると私は読んでいます。金利を低く維持して、キャッシュで持たずに投資してくれという政府の強い意志があるように思うのです。その理由としてはこの4年間マレーシアウォッチングをしているだけで、物価はかなり上がっているように見えるし、猫も杓子も不動産投資、不動産開発に向かっている。これってマレーシアの経済状態がそこそこ良いし、一気に国の開発を進めようとしている様子。コンドミニアムを次々に建ているけれど、どうも私にはそれを実需として欲する層が見えてこないし、またあちこちに建てられるモールも同じで私にはとっくに需要を超えた供給が進んでいるように見えるんです。

ああいう開発って金額的にもまとまるし、建設業界、不動産業界にしても良いのでしょう。でもそこにあるべき需要が私には見えないんですよ。でも国のインフラを整備したり国としてのレベルを底上げするにはチャンスがあったらそれに乗るのは当たり前で、特に発展途上国にはそれが必要不可欠だと思うのです。でもそれって先進国の不動産や建設業界の伸びとは異質のもので、それを一緒に考えたらまずいだろうというのが私の主張。例えば湘南地区が注目されてマンションがどんどん建設され、飛ぶような勢いで売れているけど貴方もいかが?というのに似ているように思えるのです。

また世の中は金余りで、特にリーマンショック後は恐ろしい額のペーパーマネーが発行されてそれが行き場を失っているように思います。またリーマンショックそのものがお金の行き場が無くなって作り出されたマヤカシが剥げた結果のようにも見えます。BRICSの発展にしても、本当に発展しているのか、それとも発展しそうなところに集中的に資金を投入してもっと凄い発展があるような演出がされているようにも思えます。これを指摘する人は少なくないわけで、需要もないところで鬼のような建設ラッシュが始まったり、不動産の買いあさりでとんでもない値上がりが指摘されたりしているんじゃないでしょうか。

ただこの辺は、その国なり地域なりにいて経済の真の姿を感じ取れる環境にいればいろいろわかるのでしょうが、ただ単に数字だけ、それもなんらかの意図があって数字を選んで見せられた場合、我々はその地が本当に大きく発展しているように信じてしまう。これが今の新興国への投資の難しさじゃないかと思うんです。

でも私流の「投資」ってウォーレンバフェットみたいな古典的な投資理念で成功している人たちとは全く違う考え方で、理由はなんであろうと「動いているなら乗れ」というのを基本としています。これは素人の投資法としては間違っているとは思っていません。まず世の中のプロと違って情報一つ取ってもまともな情報は入らないし、入るスピードも遅い、またデータ分析をするだけの能力もない。従って将来の動きどころか現状でさえもはっきり把握するのは不可能だという前提が私にはあります。株も全く同じで、我々に情報が入ってきた頃にはもうすでに大きく動いた後。喜んで出撃すればプロたちの利益確定売りの餌食になるだけ。だから素人はもっと早く情報を得ようとして講演会に行ってみたり情報筋やコンサルタントからの情報を得ようと躍起になる。これは昔からよくあるパターンですよね。いつになってもそれの繰り返し。

でもそういう情報競争に乗ることを拒否するのが私の基本なんです。相場の格言に「相場のことは相場に聞け」というのがありますが、私はこれは真理だと思うし、それ以外の方法では何もわからないという前提で動いています。つまり、大きな買いが入って値が上がれば、何かあったのはその動きがそれを表しているわけで、実際に何があったのかわからなくてもその動きに乗るという手法。一体何があったのか確かめているうちに、一相場終わってしまうのが普通なんですね。BRICSや発展途上国への投資もそうで、発展を確認した頃ではもう遅いかもしれない。もちろんそこから大きく伸びる可能性もあって、まさに中国がその代表的な動きをしたわけですが、私としてはそういう大きなトレンドに乗るのって結構難しいと思っています。また大きなトレンドがそもそも少ないわけで、昔のような右肩上がりもありませんし、上げ下げの方向にかかわらず小さな目先の動きをとっていくのが実情に合っていると思っています。

だから私は「初動に乗る」ということを良くやっていました。まぁ、これはこれで騙されることも多いのですが、では我々ピラミッドの底辺の存在が確かな情報を手に入れられるのでしょうか。またそれを分析し判断する能力があるのでしょうか。多くの人は私のような考え方はせずに、テレビでもインターネットでも専門家の意見を聞き、講演会にも顔を出し、コンサルタントに高いお金を払って彼らと同じ視点で勉強しようとするのでしょう。でもそれの結果、投資効率が上がったという話は意外に少ない。というかそれで利益が出るのなら失敗する人はいないってことですよね。

ま、そういう考え方を持っていますので、マレーシアでもどこでも動いているのなら乗れば良いとは思うのです。でもそれって株式で言えば、体質改善も済ませて、あるいは新製品でも開発してこれから業績が伸びるであろう会社に乗るのとはちょっと違っていて、どうもわけがわからんけれど株価が上がり続ける「仕手株」に乗るのと同じに感じるのです。なぜなら、何度も書いているように実需が見えてこないから。

つまり私にとってのマレーシアの動きは、官民揃って仕手株を育ててそれの動きで全体の指標を押し上げているように見えるってことです。そしてそのお膳立てとして金利を低く抑えているし、インフレも日本のバブルがそうであったように誰しもが豊かになるような感じがするんですよね。で、マレーシアはそういう状態を作り出そうとしていて、今の時点ではまだインフレ抑制を考えてはいないように思えます。だから金利も低い。

これは私がマレーシアウォッチングをしていて感じる「勘」でしかありません。マレーシアは輸出立国の国に間違いはないと思うのですが、では実需としての貿易の伸びはどうなんでしょうか。貿易収支は?所得収支は?

まぁ、決して悪いとは思いませんが、私の目には不動産、建設で無理やり内需を引っ張り上げているようにしか見えません。そしてそこに実需は全く見えない。でもそれはそれとして大変うまく行っている思います。貿易立国なのに世界の不景気とは違う方向へ動いているのですからたしたもんです。

モールが増えていますが、小さいニュースですが出店場所が増えすぎて企業がそれに追いつけず、かつての有名モールから基幹テナントが撤退する動きがあるなんてのも見逃せないニュースだと思っています。当然、売り上げが追いついていないってことですよね。そして例えばツインタワービルの通りを一つ越えただけのアベニューKってありますよね。地下にLRTの駅があってツインタワーと地下で繋がっている。ああいう最高の場所がゴーストタウンになっているという現実。まぁ、コンドミニアムにしてもKLCC周辺の事情は特殊だといえば特殊なわけで、あの辺りを重点的にウォッチングしている私にはKLどころかマレーシア全体のことはわからないといえばわからない。でも私としてはあのKLCCの動きがマレーシアの動きを代表しているようにも思えるのです。つまりシャッター通りが増えているのにまだ建設を続けているように見えるってこと。またKLCCにしてもパビリオンにしても凄い人出ですよね。ミッドバレーも半端じゃない。ところがですね、私には異様に見えるんですよ。多いのは人だけで彼らは買い物袋を下げていないってこと。ミッドバレーではジャスコが安売りをするだけで恐ろしい混雑をするらしいですが、本当に国民の購買力の伸びが、箱物がどんどん出来る勢いと同じように凄いのかどうかが私には見えて来ません。

まぁ、そんなこんなでマレーシアの物価は上がっているし、生活レベルもどんどん上がっている、しかし巷で言うほどの実需に裏づけされた発展があるようには私には思えません。だからあのインフレならもっと金利が高くてもいいような感じがするのに、金利は以前よりまだ低いほうへ誘導されていて、失速しないようにどんどんガソリンをばら撒いている状態に見えます。バブルを作っている状態ですね。

つまり、少なくとも今の動きに乗るとするならば、それがバブルであろうとリンギットであるならば借金をして投資をするという方向性が正しいと思えるのです。そして多くの民衆、企業がその方向で動いている。こういう状況下でキャッシュを銀行へ入れておくのはうまくなかろうと私は思います。特に定期預金というのは経済というピラミッドの中において、最下層の民衆が得られるピラミッドの中の最低の利回りだからなおさらです。

定期で無いとすれば投資信託の方が良いんじゃないでしょうか。元本保証ではありませんが、今、好成績を出している投資信託は少なくなんじゃないですか?

ただ、私はバブルだと思っていますから、逃げ足の遅い人は用心が必要だと思うし、投資したらそれっきり放っておくタイプの人は近寄らないほうがいいんじゃないかという考え方です。ましてや売買が不透明で素人には難しい不動産売買は、「別荘を買った満足感」以上のものを得るのは難しいと思っています。もし純粋に不動産投資と思うならREITがマレーシアにもありますからそちらを検討するのも一つの選択肢かもしれませんよね。

とにかくそんな風に考えていますので、私は下手にマレーシアに手を出すと火傷をする可能性大だと思うわけです。他通貨で安心できる運用先があればそちらの方が良い。

たとえば?

ここで皆さん悩むわけですよね。代替案がない。(笑)

だからこそ私は何度も書くわけです。何にもしないほうが正解なこともあると。

日本円での保持では何も生みませんが、それはそう見えるだけであって、実質金利はアメリカよりもかなり上だという専門家もいますし、確かに円の保持を続けても円は増えませんが、後にそれを交換すると今より増える可能性(つまり円高)はあるかもしれないってことだと思います。

でもねぇ、円を持って寝かしておいてどうする?って思いますよねぇ。

ここでほとんど無視されていて話題にも乗りませんが、日本株ってどうなんでしょうね。またかなり下がってきていますが、配当をもらってそれの利回りを考えると5%程度に回る優良企業はかなりあるらしいじゃないですか。この辺をじっくり研究してみるのも面白いと思うんですがどうなんでしょうか。

前にも何度か書きましたが、今の日本は円高になると株が売られ、ちょっと円安になると待ってました~とばかりに買われますよね。私はどうもこれって投資家の錯覚じゃないかと思っていまして、確かに輸出企業はその通りでしょうが、日本全体を考えると、私は円高は買いのような気がします。つまり円高によって釣られて売られている内需型の優良企業で配当も良い会社なら今は買い時のような気がします。例えば?と聞かれると困るのですが、「高配当株」で検索するといろいろ出てきますし、そんなのを眺めていると何かアイデアが沸いてくるんじゃないでしょうか。

どちらにしましても、定期預金ではインフレ対策が精一杯でそれで食うなんてことは無理があるという考え方が基本の基本で、ましてやマレーシアリンギットの金利は低すぎると思う理由も書きました。では巷で言われるようにマレーシアの不動産はどうかという点に関しては、私がウォッチングしている範疇の、それも自分が欲しいと思うような中古不動産(コンドミニアム)は皆が言うほど値上がりしていないという事実(これはPopwallで調べています)があって、そんなことからマレーシアに住むのは住むにしても投資対象としては私は難しさしか感じないということ。

こういう話って本当に難しいし、また自分の考え方を表すのも簡単じゃないですね。私がアホで論理的に整理してうまく説明できない、いや、それ以上に私が論理的ではないということもあって本当に難しいです。またものの見方っていろいろあるわけで、違う方向から見ると違うように見えますし、自分の中にもそれがありますから、一方の見方を書いても事実は見えないどころか私の考え方さえもそれでは表せません。複数の方向から見た違う考え方、結論が導かれますし、最終的にはそれらを総合して考えるわけで、どう私の考えをお伝えしたらいいのか、ちょっと今途方にくれています。

まとめるのが下手糞ですから、それはそれで仕方がないとしてですが、金利に関して。

とにかく楽をして安定して、リスクも少なく儲けたいなんて我侭なことを考えるわけですが、私としてはやっぱり高金利の通貨に魅力を感じます。で、為替をいじるとなればどうしたって為替の変動にどう対処するかという大問題と向き合わなければなりませんよね。

結論から言うと、私はそれに関しては「諦め」ています。たとえ相場分析、未来予想がうまいとしても無理だと思っています。

例えば、マレーシアに住むとなればリンギットが必要ですよね。それをどう調達するかですが、大きなお金をリンギットに替えておいて、そこから生まれる利子なり配当を原資とするという考え方がありますし、この方法を選ぶ人は多いと思います。でも私はそれをしません。理由は上に書いたとおりで、リンギットで自分として納得できる利益を出せるとは思えないから。

では他通貨で利益を出して・・・・と考えた場合、日本円は何も生まない。でも円高が進むのであれば結果的に利益が出たのと同じこと。でもねぇ、そんなのはどうなるかわかりませんよねぇ。となるとやっぱり高利回りの通貨の方が、どうせ為替の変動に翻弄されるなら%が良いほうが良いと考えちゃいますよね。ここが素人の浅ましさだとは思うのですが、その考え方を変えるのはまず私には不可能です。将来どうなるかわからない利益より、とりあえず確定利回りは約束しましょうという方を選ぶのは仕方が無い。たとえそれが為替変動で結果的にマイナスになってもそちらを選ぶのが悲しいけれど本能で、それを乗り越えることは私には出来ません。

で、どの通貨が良い?

こうやって考えていくと私には豪ドルしか思いつかないんです。私が今オーストラリアにいるから、あるいは将来もここに住むから豪ドルなんだろうと良く言われます。そうじゃないですと何度もここに書いているのに、同じことを言われます。(笑) ←覚えておいてくださいよー

実際に私が日本を出たときは日本円が中心でした。社債ですが7%で回っていました。それから米ドルに換え、いつの頃からか豪ドルだけになりました。つまり、得られる金利を重視していたってこと。もちろん自分としては為替も見ていたつもりですが、それが成功したかというと疑問。

金利って複利で考えますと、多少の為替の変動はどうってことないんですね。私は7%に拘っていますが、実はこれのちゃんとした根拠ってなくて、多分この利回りならここから税金を払っても、インフレがあってもどうにかやっていけるんじゃないかという単なる推測でしかありません。また過去とか未来を考えるときに10年単位での考え方を良くするわけですが、この7%ってのは複利で考えると10年で二倍になる%なんですね。だから10年で為替が2分の1になってもトントンだとかわかりやすいでしょ?(笑)

だから多少為替が動いてもその%が吸収してくれますからやっぱり高利回りが嬉しい。もし低利回りで、なおかつ為替でもやられたら目も当てられませんから。まぁ、失敗したときの言い訳を考えながら投資対象を決めるみたいなところもありますが、失敗してもどうにかなるかもしれないという点で高利回りはやっぱり良いと思います。

ただ、高利回りということはインフレ率が高いのが普通。それも回りまわって為替の下げ圧力になりますよね。だから高金利に釣られると為替差損でやられる確率が高いと言われる。これは確かにインドネシアルピーの20%とか、かつてスケベ根性を出して大損した友人もいましたっけ。ところがですね、長い間豪ドルを見ていますと、高金利だから下げ圧力があるのではなくて、高金利だから買いが集まって上げ圧力になるという場面が多くあるんですね。

話が違うじゃないか~~。

ただし、長い歴史で見てみると、豪ドルは米ドルよりも高い1ドル400円だったわけです。それがあっという間に米ドルよりも安くなって、対米ドルでは60セント以下まで落ちたこともあるくらい。対円では皆さんご存知の通り2008年10月の24日に55円を割った。

こういうジェットコースターみたいな通貨でもいいのか?ってところが問題。でも今のところは、今のところはですよ。下がっても戻ってくるんですね。近年の動きとしては、高金利や資源の値上がりで買われる。ところが世界に何かがあるとそういう資金が本国に逃げるので一気に売られる。代表的なのがリーマンショックでヨーロッパ危機でも同じでした。でもまた少しずつ少しずつ持ち直す。そしてまたドカンと下がる。これの繰り返し。

こういう動きが定着しているのならそれに合わせてこちらも動くってことができるわけですが、同じパターンがいつまで続くのかは誰にもわからず。

ただ、金利だとか目先のことではなくて、そもそも国の安定性とか将来性ってどうなのよ?ってのをこの10年、主に考えるようになりました。50年後100年後に問題なく存在している国ってどこだろうと考えるわけです。となるとオーストラリアって上位に入ってくる国で、資源は豊富、農業大国だし、英語圏の自由主義社会、民主主義。そして先進国の一端でもあって、基本的には白人社会だから(これは大事かも)世界に大きなイノベーションが起きてもそれに乗れる。寄らば大樹の陰と考えるとオーストラリアはかなり高得点に思えるわけです。

で、通貨は国を表しますから豪ドルを持っていれば基本的に安全に思えます。まぁ、この辺の考え方はもともと持っているわけで、だからこそオーストラリアへ移住したし、私の子孫もどうにかなるだろうと思ったわけです。で、国外に出ても豪ドルを持つということはオーストラリアの影響をいい意味でも悪い意味でも受けるわけですが、安全性は高いだろうという判断です。なおかつオーストラリアの良さを享受しながら無税の国で生活ができればこんなうまい話はないんじゃないかと。(笑)

為替の動きは所詮どんな通貨でも切っても切れないわけですから、同じ苦労するなら豪ドルと苦労するのが良かろうという判断です。

で、為替の変動への対処ですが、生活に必要な額を交換するのは難しくないと思っています。それは円からリンギットでも同じで、例えば100万円ずつ時期を見計らって有利な値で交換する。これは前にもちょっと書きましたが、一番リンギットが安いところで交換して・・・とかそういうことは絶対に無理ですが、定期的に交換する場合、チャートを見てオシレータ系のインジケータ(わかります?)が低いところで交換する。高いところでは交換しないという約束を守るだけでかなり良い結果が出るはずです。

これも突き詰めれば、それができるくらいなら為替で巨額の利益を出せることになるのですが、考え方としては利益を出すという考え方ではなくて、例えば、昨日交換するより今日交換したほうが得でそれが出来ていれば十分という考え方です。でも明日はもっと有利かもしれないけれどそれは考えないということです。あるいはこれもまた「下手な考え休むに似たり」通りで、下手に予測をするぐらいならそれこそ毎日換えるという考え方がありますよね。いわゆるドルコスト平均法になるわけですが、ならせば移動平均の値で売買することになりますから、大きな得も無ければ損も無い。実際に毎日換える事はないにしろこの辺の考え方って結構大事だと思っています。

では、こういう生活費の交換ではなくて、大きな金額を交換する場合はどうするか、ここが問題ですね。

まず、上に書いたように、そもそも大きな金額を交換する必要があるのかという原点を吟味する必要があると思います。為替は難しいわけですから、自分の都合よく動かないのが普通と考えれば、下手に大きな金額を換えないという選択肢もあるんじゃないでしょうか。これはどの通貨だとしてもその通貨と心中するくらいのつもりが必要だという意味でもあります。これって理屈を超えた人の感情の分野の話になりますが、私が豪ドルと心中すると決めてからの心の平穏はかなりのものです。上がろうが下がろうが、構わない。その上下に自分も合わせて生きていこうという決心です。

なぜこんなことを言うかというと、もしこういう決心をもてない通貨に大きなお金を換えたら自分の精神状態ってどうなるか想像してもらいたいからです。私はマレーシアにロングステイはしようと思いますが、マレーシアと心中する気は全くないし、マレーシアという国やリンギットという通貨に不安がいっぱいです。そういう不安を抱えたまま、その価値を維持しようとする(為替変動に対処する)のはかなりの苦痛になるはずなんですね。心配の種がつきません。

これはマレーシアに対する思い入れの違いでもあると思います。私にとってはマレーシアは海のものとも山のものともわからず、またそもそも東南アジアの特殊性がまるでわかっていません。経済にしても生活そのものにしても自分が持っている価値観や基準とはかなり異質のものだというのはわかりますがその中で本当に平穏な暮らしが出来るのかどうかわからないのです。ということで、いつでも逃げられる体勢は崩さないつもり。だから当然大きなお金はマレーシアには持ち込みませんし、リンギットも必要な分だけの交換。

いつでもどんな通貨でも、動きに合わせてヘッジする能力があるのなら話は別だろうと思います。ただ私にはそれが出来るとは思えないのです。諦めています。

上に書いたように定期的に必要な100万円を換えるだけならいろいろ方法を取れるでしょう。でもそれって100万円だからできるわけで、例えばですが世の中の情勢を見ても、あるいはチャート分析を見ても、どうしてもここは売ったほうが良いと判断をしたとしても、大きなお金をその考え通りに動かせる人って少ないと思います。怖くて出来ません。これって100万円分の株を買うのなら簡単に意思決定はできるでしょうが、ではほぼ全部の財産をどの株に投資するか決めなければならない場面を想像してください。

大きな額の通貨乗り換え、あるいはヘッジするってそういうことなんですね。

でも世の中っていろんな人がいて、そういうことをいとも簡単に決定できる人もいる。実は私の父がそういうタイプで、全資産の通貨の乗り換えとか平気でやっちゃいます。これがまたうまいもんで、銀行の担当がどうしてそのタイミングがわかるんですか?なんて聞いていたこともありました。うちのオヤジは相場師でしたが(実業もやっていた)実は気が小さいタイプで、どうしてあんな大胆なことが出来たのか息子の私にもわからないところが多くあります。

でもねぇ、そういう決断が裏目に出ると恐ろしいことになるんですね。それの代表がやっぱりオヤジで、過去に相場で破産した経験もありますし、今から7,8年前かなぁ。お願いだからやらせてくれとお袋に頭を下げて、全財産株に突っ込んだんです。全財産ですよ。その話を聞いて馬鹿じゃないかと思いましたよ。許した母もおかしいと思った。で、結果は大失敗。その後のオヤジはやせ細って寝たきりでそのまま死ぬんじゃないかと思ったくらい。立ち直るのに1年以上掛かりました。

まぁ、その話は前にも書きましたが、相場師としてのオヤジの才能はあると思うのですが、何かが抜けているんですね。オヤジの昔からの口癖は「相場は簡単。でも自己管理が難しい。」でした。これは私も賛成で、まさに自己管理ができかったのがオヤジの敗因だったのだろうと思います。でもオヤジとしては負けたままで人生を終わるのがどうにも我慢できなかったんでしょうね。だから最後の勝負に出た。で、負けた。動機としては理解できますが、全財産張るというところが理解の外。かなりの高齢だし、老後のこともあるんだから5分の1でも10分の1でも良いはずで、とにかく「俺は勝った」という結果があればそれで十分だったろうと思うんですよ。またそういう額なら勝てたかもしれない。ところが全財産張っちゃうんですから、不思議です。

何でこんな話をしたかというと、為替で大きな額を換えるってこれと同じことだと思うからです。絶対にそうしなければならない理由があるのならまだしも、そうじゃない限り大きな金を動かすべきじゃないというのが小心者の私の考え方です。何もしないという選択肢もまんざら悪くないという点でもあります。

ヘッジにしても同じで、100万円のヘッジなら鼻歌ものかもしれませんが、ほぼ全財産のヘッジとなったらどうでしょう。ヘッジの経費も半端じゃなく大きいし、間違えたら取り返しのつかないことになります。そしてそういうことを考えながら生きていかなくてはならない老後だとしたら、あんまり面白くないですよね。

だから私は「諦める」という選択肢を選びました。何もしないということです。オーストラリアにいれば嫌でも豪ドルの力に左右されながら生きるわけですが、海外に住んでも豪ドルを選べば同じこと。良いにしろ悪いにしろその購買力に影響を受ける。でもマレーシアなら生活費は安い、税金も無いとなればどうにかなりそうです。

ただこの辺は投資としての良し悪しじゃなくて個人の生き方の問題ですから、正解は無いと思っています。

前にも書きましたが、私には一つの決まりがあります。それは

○ 自分が住みたいところ
○ お金が住みたいところ
○ 通貨の種類

これを明確に分けるということ。あえて関連付けないと言うべきでしょうか。

誰でも国外国内問わず住みやすい、住みたいと思う場所があると思いますし、それは年齢と共に変化するでしょうし、ロングステイで放浪することもあるかもしれません。お金ですが、お金も人間と同じように住みやすい場所があるはずなんですね。それはまず為替交換に制限が無く、交換手数料はメチャ安くて、ありとあらゆる金融商品が選べて、そして税金も安いところ。当然、政治も安定していて金融面で他国からの影響を受けない場所。そしてどの通貨でというのもそれをおいて置く場所や私の居場所とは全く関係がありません。安定して稼いでくれる通貨ならなんでもOK。

ですから日本人だから日本に住むとか、マレーシアに住むからお金はマレーシアに置くとか、通貨もリンギットにするとか、そういう考え方は全く持っていません。私という体がどこにあろうとお金は住みやすい場所を探して世界を駆け巡るかもしれませんし、逆にお金の場所、通貨は変わらず、私の住む場所がその時々変わる可能性もあると思います。今、オーストラリアにて、通貨は豪ドルというのは単なる偶然でしかありません。たまたまオーストラリアは住むにも良い場所で、通貨としては金利が高く決して弱い通貨ではないから豪ドルが良いというだけの話。

私としてはこういう基本的なことを押さえておけば、毎日上がったり下がったりする為替の行方を心配する必要は無いんじゃないかと思います。というか見張ってないと危なくてしょうがないような通貨を選ぼうとも思いません。

でも為替変動の影響は間違いなくあるわけですから、直接的なそれのヘッジはしないものの、他の稼ぎでそれを補おうと思うわけです。ヘッジにもいろいろあって、例えば現物株を持って空売りや指標先物でヘッジをするとか同類のものでするヘッジもあれば、ポートフォリオを組んで分散投資するようにAの損をBで補うという考え方もあって、為替変動に関しては何もしない代わりに、他方で頑張って儲けるという方法があっても良い訳ですね。で、何か面白い方法は無いか模索するのがこのブログのテーマの一つでもあるわけです。私としてはFXのデイトレを推奨していますが、近年出てきましたトラリピにしてもあるいはスワップ作戦とトラリピが合体したようなくるくるワイドみたいな新しい考え方もありますし、またそれらとテクニカル分析との合体も出来るかも知れず、難しいとは言いながらも、実は普通の事業に比べれば段違いに楽チンである相場の世界をもっと身近なものにしたいと思っています。

なんだかうまく説明できませんが、まぁ、こんな感じで・・・・

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