確率の話 相場

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FXや先物の自動売買に関してはかなり難しいと私は考えているのですが、でも小さな小さな期待は捨てきれずたまにいろいろ調べています。もしそれで勝てるならこんな楽なことはありませんから。

で、面白い集団を見つけました。

自動売買システムを開発している人がいまして、でも勝ったり負けたりでなかなか思うような結果が出ない。勝率は50%程度の様子。ところがですね、彼はあることに気がついた。負けが数度続いた後は勝つ確率が上がると。

これで盛り上がっています。

そのサイトを紹介するのはちょっとはばかれますし、その必要もないと思いますので書きませんがこういう確率を全く理解していないリーダーに集まる方々ってかわいそうだと思いました。そのEA(自動売買システム)を動かして、負けがX回続くのを待ち、その後のサインで何十枚、何百枚という大きなポジションを持つというやり方で、それで何百万稼いだなんて話で盛り上がっていますが、本当にそうなのでしょうか。

こういう確率の考え方ってカジノ必勝法を学ぶと必ず出てくる考え方なんですね。実は私もこれにはまったことがあります。カジノは昔から嫌いじゃありませんでしたから(でも競馬競輪は一切やらなかったし、今は一切カジノにも行きません)。

例えばルーレット。赤黒、前半後半、奇数偶数など、ほぼ勝率50%のゲームがありますが、これならマーチンゲール、つまり負けたら倍賭ける方法を取ればいつか勝てる。実際には親の総取り(0、00)があり、またこれはアメリカンタイプ、ヨーロピアンタイプで違うのですが、まぁ、勝率は50%弱。

それでも1賭けて負けたら次は2というように、4,8、16、32、64、128と賭け金を倍々にしていけば資金がある限り、あるいはカジノがそれを許す限り(それぞれのテーブルには上限がある)必ずいつか勝てるわけですね。でもその資金量たるやほぼ無限に必要で、現実的ではない。

そこで誰しもが考えるのが、では3回、4回、赤が続いた後に黒に賭ければ勝つ確率があがるだろうし、そこを基点としてマーチンゲール、倍々をやっていけば良いだろうと。今回見つけたあるグループはEAのサインを基にそれをやっているわけです。

これのおかしい点ってわかりますでしょうか。

確率を計算する場合に、二つのケースの違いを考えないとなりませんよね。例えば福引だとします。

① ハズレ玉、当たり玉はもう次からは使わないケース。

② ハズレ玉、当たり玉、共にまた箱に戻すケース。

①のケースですと、ハズレ玉が出続ければ箱の中に残る当たり玉の割合は増えるわけですから、次に引く人の勝率が上がるのは間違いがありませんね。

でも②のケースは使った玉を箱に戻すわけですから、箱の中の当たり玉の割合は常に同じ。つまり、ハズレ玉が何度続けて出ようが、次の当たり玉が出る確率は変わらない。

今回見つけたあるグループはこの違いに気がついていないってことです。EAのサインが数回負けるのを待って、その後、大きなポジションを取るという方法。これは①のケースの考え方なんですね。負けが続けば次は勝つ確率が上がると信じている。

結局は福引で言えば箱の中のハズレ玉と当たり玉の割合が同じである限り勝率に変わりがないし、EAのサインも結局はそのEAが元々持つ勝率から逃れることはできないってこと。

もしこれで勝てるなら、世界中のカジノはもう潰されてるだろうし、よっぽどアホなEA(自動売買システム)じゃない限り負けるはずがないことになります。

ただ、マーチンゲールが有効なのは元の勝率が高い場合。例えば勝率が80%だとすればマーチンゲールはかなり有効で、負けたら次は大きく張っても怖くない。でもその80%の勝率には必ずブレがあるわけで、確率的には、負けたら倍々という手法を取っているとそれだけの勝率があってもいつか恐ろしいことが起こるのはわかりきったこと。

勝率が異常に高い売買システムやトレーダーはいますが、多くはナンピン、マーチンゲールを使っている。これが現状じゃないでしょうか。でも負けるときが凄いのね。

そもそもこれで儲かるというような自動売買システムがあるのなら、どうしてそれを他人に、しかもせいぜい数万円程度の捨て値で売るのでしょうか。それでも使えるものがあるかもしれないとそういうものに期待する人が多いのが私には不思議。

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