オーストラリアでどう子供を育てるのか、ご相談がありました。
要約しますと
○ 現在、子供はゴールドコーストに留学中(カレッジ)
○ 語学に弱い
○ 就職の問題
○ 財産保全の為に金(ゴールド)を持ちたい
○ 将来一緒に住みたいけれど親にはビザがない
これらのことって海外に留学させている子供を持つ親の共通する悩みだろうと思いますが、どう解決、有利に持っていけばいいのか。難しいですよね。
まず、この方はお子さんが語学に弱く、学校で辛くて仕方が無い様子だとのこと。私はこれを読んで「大丈夫かもしれない」なんて無責任ですが感じました。海外に子供を留学させて、「どうにかやってるよ」「楽しいよ」なんて子供が言ったとすればかなり危ないと私は思うんです。現地の子供でさえ授業に追いつくために図書館に入り浸りの子がいるぐらいなのに、留学生が学生生活を楽しめるはずがないんですね。「もう死にそうだ~」と子供が言うとしたらしっかり頑張っている証拠だと思うんです。「楽しいよ」なんていう留学はどういう留学なのか簡単に想像できます。
ということで、語学が辛くて仕方が無いように見えるお子さんは、今、間違いなく頑張っている証拠ですし、それをどうにか超えてしまえば将来が楽しみだと感じます。理系とのことですが、是非見守ってたとえ数年多く掛かろうともきっちり大学を卒業できるようにサポートして欲しいと思います。我が家の長男ですが本来なら3年で卒業できるのに6年も掛かっています。いや、まだ卒業してません。(笑)
さて就職ですが、ここですよねぇ、問題は。
まず就職を有利にする大学、地域があるかということですが、間違いなくあると思います。
オーストラリアの場合は、私が思うに学校の差というのは日本ほどはないと思っています。でも間違いなくある。ただ大事なのはどんな成績を取ったのかってところ。トップ大学のビリッけつより三流大学の上位クラスにぶら下がっていたほうが就職には有利だと息子達は言います。ただし、企業は即使える人材を求める傾向が強く、新入社員を育てる考え方は非常に希薄で、それをするのは大企業だけと言っても良く、新卒の就職戦線はかなり厳しいと聞いています。
そして質問した方は良くわかっていらっしゃるようですが、学生時代に経験するインターンシップが非常に重要で、中には良いインターンシップを経験するために留年する子もいるぐらい。
でもこのインターンシップを取るのも就職と同じくらい難しいんですよね。ましてや外国人で就労ビザを持っていないとなると、それがインターンシップ、就職の障害になりえる。出来る子、使える子は企業が就労ビザを問題なく取ってくれますが、とりあえず良い就職先が決まるまでローカルの中小企業で・・なんて思ってもビザがネックになって簡単に就職することができない。
ゴールドコーストは住むには良いところですが、ここには産業らしい産業もなく、リゾートでしかないんですね。ですから学校をここで出てもどこか外へ出て行くのが普通。また就職に関する情報も現地と同じってわけにもいかないでしょうし、やはり大都市の方が有利だと私は考えています。ただし、大都市の学生生活はどうかと考えた場合、どうなんでしょうね。
就職ですが、オーストラリアに拘るのかどうかが問題になってくると思います。世界ではやっぱり伸びている国、地域があるわけで、そちらの方で就職するのはどうか?例えばこのブログでも話の中心になっているマレーシアですが、オーストラリアの学生のインターンシップ、就職は楽だと子供たちに聞いたことがあります。香港はそれに続くとのこと。また、オーストラリア企業に就職しても勤務地がどこになるかはわからず、海外に出される可能性も少なくない。特に東南アジアとオーストラリアは一般的に商圏は同じと捉えられていることを忘れてはならないと思います。
欧米を狙っている方々はアジアでの就職を嫌う傾向がありますが、私はそれはステップアップの途中であると考えれば何の問題もないと思うわけで、アジアで仕事を経験するのは決して悪くないでしょう。もしそれを嫌がって結局まともな就職も出来ずにアルバイトばかりしているんじゃ意味が無いですから(ビザがないとそれも出来ない)。
お嬢様ということですが、理系のどんな方面に進むんでしょう。
オーストラリアで将来一緒に住みたい夢があるようですが、オーストラリアの永住権に関して調べていらっしゃるのでしょうか。もしお嬢様の進む方面がオーストラリアが欲しいと思っている職種であり、その経験もあり(国は関係なく3,4年で十分)、歳も若く、英語も堪能であれば永住権の申請が出来るはず。またマレーシアでも香港でも仕事の経験を積んでいれば、オーストラリアの企業でも是非来てくれという話はあるでしょう。ポッと出の卒業生とは雲泥の差かもしれません。また大学院を出ていればその可能性は上がるはず。どうにかお嬢様が若いうちに永住権を確保してしまえば(歳を取れば取るほど難しい)、親の呼び寄せも可能ですので、将来的にご一緒に住むことも可能ですね。あるいは資産、収入に余裕があれば退職者ビザを取ってしまうという手もある。
まぁ、口で言うのは簡単ですが、その道を狙って進むしかないんじゃないでしょうか。
それと金(ゴールド)ですが、パース造幣局で金を買って預ってもらう方法があるというのを私は知りませんでした。またANZ銀行の預金ですが、将来的に外人口座凍結の可能性も心配なさっている様子。これらのことから、日本に、そして世界に大きな事件が起きることを想定なさっていると思うのですが、私としてはそれが起こったにしても、金(ゴールド)の現物を持っていたり、オーストラリアの銀行の口座凍結を心配することはないんじゃないかと思っています。
想像でしかありませんが、アジアのかの国ならあり得るかもしれませんが、オーストラリアは非常に人道的な考え方を持っている国で、かつての白豪主義の反動があると私は思っているのですが、人権を非常に重んじる国。だから口座凍結なんて世界の他の国で起きてもオーストラリアでは起きないと思うのです。また金(ゴールド)の現物を持つ必要性というのが私にはよくわかりません。もし世界中がパニックになるような大事件が起きるのを想定するとしたら、うーーむ、国に預けておくのは良いことなのかもしれませんが、どうなんでしょうね。でも心配なら一定の資産をそうやって持つのも良いのでしょう。それで安心を手に入れることが出来るのなら理屈は関係ないと思います。
あと、事の発端は原発への不安であるようですが、オーストラリアへ来ることと、日本を脱出することとどちらに重きをおくのはしっかり考える必要があると思います。原発が原因なのに、オーストラリアじゃなきゃイヤだってのもおかしなもんで、他の国では駄目なのかどうか。
このブログでいつも書いていますが、マレーシアは良いところだと思います。ただ世の中にはアジアはどうも苦手って人も少なくありませんからなんとも言えませんが、海外脱出が最優先事項であるならば、その先がまずはマレーシアというのは全く問題がないんじゃないでしょうか。マレーシアはあくまで中継地であると考えることが出来ます。
その理由は何度も書いていますが
○ MM2Hという居住ビザが比較的簡単に手に入る。
○ 10年間有効で、10年毎に無条件で更新できるとされる。
○ MM2Hビザは放っておいても失効しない ← ここが非常に大事
○ 海外所得、金融所得に対して所得税が掛からない。(つまりほとんどの人は無税ってこと)
○ 生活費が安い。
とりあえずマレーシアに拠点を移し、お子さんは他国に留学でも良いでしょうし、マレーシアにも良い大学はあるようです。身近に置きながら大学を出て、大学院は欧米でというのもアリでしょう。
オーストラリアにはマレーシア人の移住者がかなりの数居ます。多分日本人より多いと思います。ですからどうしてもオーストラリアが良いとなれば、彼らのようにオーストラリア移住を狙えば良いんじゃないでしょうか(お嬢さんが取る)。それと、オーストラリアの永住権取得にはお金が掛かるというのは、そういうビザもあるということで、多くの移住者は資産も何もない若者が中心であることを忘れてはならないと思います。
永住は簡単にできないのが当たり前と考えるべきで、みなさん何年越しで作戦を練って永住権獲得を狙っています。でもみんなそうやって来ているのだから、誰にでも出来ることなのかもしれないです。
私の頭で考えているのはこの程度のことです。お役に立てたかどうかわかりません。申し訳ないです。