今年もお世話になりました

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皆様、今年もお世話になりました。本当に感謝しています。

このブログも来年で5年目に入ります。月日が経つのは早いもんで、マレーシアに渡ろうと考えてからもうそんなに経つなんて信じられません。MM2Hのビザはとっくに取得しており、まさかこのまま更新を迎えるなんてことはないと思いますが、さぁてどうなりますか。

私はへそ曲がり、天邪鬼と昔から言われておりまして、でも自分でもそうでありたいと努力をしてきました。他人とは違う視線を常に持つという訓練のたまものです。な~~んてね。(笑)

実際に、象を盲目の7人が触って象をどういう生き物か述べるとそれぞれがまるで違った説明をする例えの通りの事がこの世の中では普通で、また私が生きてきた歴史の中で「大衆は常に間違える」という相場の格言がありますが、その通りだと思うことが非常に多かったです。

また私自身、ずーーっと中小企業のオヤジでしかなく、大通りを歩くより裏通りをセコセコ歩きながら商売のネタを探すような生き方をしてきましたら、そういうへそ曲がりの考え方、見方が身についたのでしょう。まぁ、野良犬みたいなもんかもしれませんね。だから世の中の日のあたるところばかり歩いてきた人たちの一般常識とはちょっと違う見方を結構します。

このブログはマレーシアだけではなくオーストラリア、海外生活一般のジャンルに登録されていますが、これに関係する話でも私はへそ曲がりにならざるを得ないとずーっと考えています。

答えは簡単。

多くの人は冷静さを忘れて盛り上がっているか、やっと手に入れた幸せを謳歌し、みなさんもいかがですか?という方々がほとんどだからです。

でも海外生活ってそんなに簡単なのか?という点において、オーストラリアや昔アメリカで見聞きしたことから考えますと、そうは簡単にはいかないという結論を出すしかないのです。旅行の延長線でしかない長期滞在、ロングステイなら全く問題がないと思います。イヤになれば帰ればいいだけのことで、旅行よりちょっと滞在期間が長くなっただけみたいなもんですから。

でも移住とか永住、小さな子供を連れて長期に渡って海外で生活をするとなると、それなりの準備がないと、かなりうまくないことがかなりの確率で起こるのをこの目で見、体験してきました。これもまた世界で通用する職業、稼ぐ手立てを持っているなら話は別ですが、金利や投資で生きていこうなんて、昨日までそんなことをしたことも無い人が突然海外に出て投資家になってもどうにもならないのが現実だと思います。

またインフレの怖さに関しても書きました。政府が発表するインフレ率なんてのは我々の生活に直接関係ないのは誰でも知っている通りで、生活観として感じるインフレが本物であると思うし、それは政府発表の率とは大きく異なります。また、生活が向上してくれば、誰も自分専用の電話を持つなんて考えられなかった20年前と今ではまるで違うのと同じように、また、若い頃はポンコツの小型車でよかったけれど子供も大きくなってくればSUVも欲しくなる。またベンツだBMWだと欲しい車が変わってくるのも普通。家だって子供が育つに連れて大きくしないと駄目。そして子供の教育費を加えると、若い頃、そして子供が小さい頃の3倍4倍の経費が単に生きていくだけでもかかるわけです。

老人とて同じで、退職したから質素に生きようなんて思っても、病気になったらどうするのか?アメリカにみたいに大病に掛かったら自宅を売るのが普通なんて酷い環境に住むことはないにしろ、社会保障としての保険も使えない、その他のセーフティネットもまるで無い世界で本当に自由に楽しく生きていけるのか。

日本で生きるのだって大変。だからと言って海外に出たら本当に青い鳥がいて、生活は楽に、楽しくなるのだろうか?

そうは簡単に行かないんじゃないの?というのが私の考えで、私はこのネットの中を見回しても、そういう観点から海外生活に関して書いているブログもなければ書籍も無いに等しいと思っています。

なぜ?

まだそういう段階に達していない人が多いからというのが大きな理由だと思います。つまり、マラソンで言えばスタートしてまだ5キロ10キロを走っている人たちの意見が巷に溢れていると思っています。では30キロを超えてきてもちゃんと楽しくルンルンで走っていられるのか、どうか。また、脱落する人はもう脱落してしまっていて、そういう人たちはなぜ帰らなければならなかったかをまず口にしないのが普通なんですね。そういうことは活字にもならない。言うとしたら、「まぁ、良い経験をしました」程度でしょう。ここは非常に重要な点だと思います。もう十分楽しんだとかもう飽きたなんて言って帰れる人は幸せだと思います。

私としては走ったからには完走したいですし、完走を目的として走り出したのであるならば誰にでも完走して欲しいと願っています。でも、走るのは楽しいですよ~~と言うスタートしたばかりの人の意見を聞いて、俺も走ろうと思って走って大丈夫なのか?フルマラソンを走りきれるのか。

私はそう簡単ではない思っています。その理由は自分自身もそうだったし、私が知っている限りのオーストラリアへ渡ってきた人たちの半数以上はいつのまにか消えていったから。消えたと言ってもロングステイヤーが帰るのとはわけが違います。移民として、オーストラリアの土になるつもりで渡ってきた人たちが消えていくんです。帰りたくて帰るんじゃない。

なんでそういうことになるのか?

それは最初のシミュレーションに問題があったから。また問題があるのはわかっていてもどうにかなると安易に考えたから。そして想像以上のインフレ、税金、また為替を含めた環境の変化を想定していなかった、またそれに耐えることも出来なかったということでしょう。いや、はっきり言えば(過去には想像できなかった未来に)必要なだけの収入を確保することが出来なかったからと言って良いと思っています。

そんなのは日本でも同じでしょう。でも日本に居れば日本人を守ってくれる国家がある。セイフティネットもある。そしてここも大事なところですが、どんな仕事でもやろうと思えばどうにでもなる。でも海外ではそれをあてに出来ない。起業・就職も簡単ではないし、思ったほどの収入を得るのが難しい。ここの違いだろうと思います。

また、帰る場所がある人は良いでしょう。また帰ってからやり直せる人も幸運だと言えます。

例えば私。日本にはもう遠い親族しか居ないし、資産もお金もない。退職者の年齢になっているのに、日本に逃げる様に帰らなければならなくなったとしたら一体どうなるのか?

とりあえずオーストラリアでは自宅もあるし、資産もありますが、それで死ぬまでハピーに生きていけるのかどうか。これは疑問です。あのリーマンショックには本当にびっくりしまして、もし私が持っている債券がリーマンだったら・・・と思うと冷や汗が出てきます。またその後に豪ドルが105円から55円まで落ちました。この恐怖も私が生まれて初めて経験した恐怖で、もう俺も終わりだ、日本には一生帰ることはできないとそのときは覚悟しました。

日本人で言えば、日本が危ないと海外に資産を持ち出したのに、円高で50円以下になったと想像してください。あるいは日本を早く脱出しようと思っているのに円安で180円になったと想像してください。

こういう動きは絶対にないとは言えませんし、実際に豪ドルで私はそれを体験したわけですが(当時豪ドルの下落の酷さは40億年に一度の確率だと言われていた)、ではそういう時代になったらどうやって生きるのか。どうサバイバルできるのか?私はここが大事だと思っていて、どんな世になっても生きていける様でありたいと、豪ドルの下落の時に思いました。

でもそうでありたいと思ってもそう簡単には行きませんし、中にはそんなサバイバル技術などないから環境に合わせて生きていくしかないという人も多いと思います。というか、それがこの年齢になると普通だと思います。

だとしたら、最初の夢、計画に変更を加えるとか(完全移住は止めてロングステイで様子を見る)か、あるいは万が一のことを考えて逃げ道を確保して置くなど考えられることはいくらでもあって、行けばどうにかなるだろうという考え方だけはうまくないと思うのです。オーストラリアに関して言えば、そういう安直な考えで渡ってきた人から消えて行ったと思います。私も同じで、このままじゃうまくないという時期は意外に早く来ました。でもまぁ、どうにか危機を脱出して生き延びていますが、これが実力だとか努力の賜物だとかこの歳になるとそういう自画自賛の考え方は薄れてきて、やっぱり運が良かったのだとしか思えないようになりました。

どんなに頑張ったところで最終的に駄目になるものは駄目になるわけで、明暗を分けるのは運でしかないと私は思うのですが、かといって、最初から運に任せるようでは運が逃げていくはず。

ま、そんな自身の体験、そしてオーストリアで見てきたことを基本にして考えると、昨今の海外移住ブームってインチキだとしか思えないわけです。

「貴方の為の外為」なんて文句で宣伝しているFXの会社がありますが、あれと似たようなものを感じるんですよ。海外に出れば幸せが待っている。青い鳥がいる。だから海外にでましょうと煽る人たちがいる。

そういう人たちが悪いとは私は思っていません。誰だって本当にそう思う時期はあるんですから。

でも大事なことは、我々が日本に住んでいるときに、その町で暮らしていて有頂天になったりワクワクしたりしなかったのと同じように、海外に住んでいても最初の内は驚き、喜びだったものがいつの日かそれは日常の当たり前の出来事となり、何も感激しなくなるはずなんです。そして、その時に今まで見えなかったものが見えてくる。これには5年から10年は掛かるのが普通だと思いますが、そういう人たちの視線で書いている体験談はかなり少ない。

また、楽しくないことを書けば、大多数の有頂天になっている人たちから嫌われる。それがわかっているから余計なことは言わない、書かないというのが普通でしょう。私だってブログだから書いていますが、面と向かってはここにいつも書いているようなことは言いません。(笑)

また、様々な理由で帰国することになっても、その理由をはっきり言う人は居ない。ましてやこんなブログのような公共性のある場所に書く人はいない。だから、どんどん大事なところが見えなくなるんだろうと思います。

そんな状態の世の中に一石を投じたいと思う私はただのお節介でしかないと思います。私だって20数年前に私みたいなことを偉そうにいうオヤジがいたとしても、話さえしたくないと思ったに違いありません。単に他人の夢を壊そうとするイヤミなジジーにしか思わなかったはず。

それでも書くというのは、書くことそのものが自己満足になっているんじゃないかと自分自身の内面をチェックしてみるのですが、私としてはやっぱりこんな話ばかり書きたくないというのが本音です。

ですので、来年からはもうこの手の書き方はするのはやめようと思うんです。ダボさんのおかげで気が付いたことがあると言ってくれる人もいますが、多分、大半はこの野郎、言いたいことを言いやがってと思っているでしょう。それに似たことは、まだマレーシアに行っていないのにすでにマレーシアの日本人村社会で体験済みです。(笑)

たった一人でも参考になったと思ってくれる人がいれば、私はその一人のために書いても良いと思っているくらいなんですが、でももう書くべきことは全て書きました。だからこの辺で私もそろそろお節介は止めようと思うのです。

適当に遊んで、飽きたら帰ろうと思っているロングステイヤーは本当に良いと思います。良いとこ取りで、嫌なことには近寄らない、好きなことだけピックアップしていれば良いんですから。でももっと長い目で海外生活を考えている方、いわゆる移住、永住を考える人もいるわけですが、そういう場合、決してロングステイヤーの視点で将来を見ないほうが良いと思います。

皆様、こんな偏屈オヤジのぼやきに似たブログに遊びに来てもらって本当に感謝しています。

どうも有り難うございました。

(喪中欠礼)

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