またまた嫌な話が出てきました。
豪ドルは「大幅に」下落する可能性、交易条件の悪化で=中銀総裁 ← クリック
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豪準備銀行(RBA)のスティーブンス総裁は29日、交易条件の悪化を考えると、豪ドルは将来のいずれかの時点で「大幅に」下落する可能性が高いとの見解を明らかにした。投資関連の会合で講演した。
総裁は、豪ドルが下落すれば、輸出関連セクターが恩恵を受けるとの認識も示した。
総裁は、豪ドル相場が「異例の高さ」に上昇していると発言。「国内のコスト・生産性の相対的な水準をみると、そうした為替レートには裏付けがない」と述べた。
さらに「交易条件は今後改善ではなく悪化する公算が大きい。このため、将来のある時点で豪ドルが今のレートから大幅に下落する可能性が極めて高い」と述べた。
総裁の発言を受け、豪ドルは一時1豪ドル=0.9541米ドルまで下落。豪ドルは、米量的緩和の縮小見送りなどの影響で過去2カ月で約8%上昇している。
オーストラリアでは鉱山投資が減速しており、RBAは以前から景気支援のため、豪ドル安が望ましいとの立場を示している。
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朝っぱらからこんな発言をするもんだから、結構な勢いで下がってます。
AUD/JPY 5分足
では日足は?
今の時点での大きなトレンドはどう見たって上。その中での小さな波動は下降中。
これを見ると陽転しても良さそうな場所。また逆にトレンドが変わって下がるとしたらやっぱりこの辺が重要な場所。短期オシレータがここで陽転すれば買い出撃のサインとなる。
こういう重要な発言って値動きをちゃんと見ながら言っているのが想像付きますね。大事な場所で言う。
で、この中銀総裁の発言ってよくよく読んでみれば、何のことは無い「豪ドルが下がってくれないと困る」って言ってるだけみたい。自ら「豪ドル安が望ましい」なんて白状しちゃってるし、大幅に下落する可能性の原因を「交易条件の悪化」としている。
交易条件の悪化ってなんだ?
海外との交易で一番影響があるのは為替のはずで、その為替に関しては「高すぎる」と言っている。
為替が高いと輸出には不利だし、海外から続いていた鉱山投資も減るのは間違いが無い。だから豪ドル安が望ましいというのはわかるけれど、だから「大幅に下落する可能性あり」ってわけがわからない。交易条件の悪化の説明がないし。
ま、このロイターのニュースからはとんちんかんな事を言い出したとしか思えず。
でもオーストラリアとしては円安は歓迎したくない、というかどの国も同じだと思うけれどそれだけ日本にとってはやっぱり良いことなんだと思うわけです。
ただ豪ドルの動きを見る場合、我々日本人はどうしても対日本円で見てしまうけれど、世界の中のオーストラリアを見る場合はどうしたって対米ドルで見ないと駄目。
では対米ドルでは?日足。豪ドルは強いですねぇ。対円より動きは強い。
やっぱり対円、対米ドルでもこれだけ強いのって困るんでしょうね。今日のこの中銀の総裁のいうのも悲鳴に聞こえてくる。
さて、どうなりますか。
オーストラリアって世界の経済の中心からちょっと外れているけれど、為替の中ではトップの仲間。取引高が半端じゃないのね。だからきっとどこぞやの国みたいに介入なんて出来ないのかもしれないと思ったり。また、そんなことをする時期でもないのだろうし、とりあえず、高すぎると表明。でも気持ちが走りすぎて、大幅に下落する可能性があるなんて口走ってしまった様子。(笑)
ただ、このまま放置ということもないと考えるべきで、金利の引き下げがその内あるのかも。今現在、2.5%という過去最低の政策金利。
巷の銀行を見て歩いても高い利子をつけて定期を集めようとしている感じは皆無。それどころか今までに無い低金利だから、住宅ローンも5%台で客集め。
住宅ローンがそんな利子だから、運用するほうは真っ青ですね。債券も安いし、困ったもんだ。
ちなみに9月の頭から今までの各通貨の相対的な動き。日米加が弱含みで、オセアニア欧州勢は強い。