性格によって思想が変わる

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最近、面白いことに気がついたんですよ。そんなの当たり前だと言われるかもしれないけれど、それぞれ個人が持つ思想って本来どうあるべきかと本人は一生懸命考えていても、実はそれは性格に依存するんじゃないかということ。

竹島への韓国大統領上陸、天皇への侮辱発言、尖閣の漁船衝突事件などから韓国や中国の話題が増えて、それが国の安全保障へと話が広がって、これからの日本はどうなるのかと皆が不安を感じたそんな時に安倍さんが出てきて「日本を取り戻そう」と言った。これはタイミングとしては抜群で、また積極的な政策もぶちまけて、多くの国民が安倍さん支持で動いた。

この動きに一躍買ったのはネットで、徐々に増えていた保守系のサイトが大賑わい。保守系のネットメディア(いつも紹介するところね)もバブルのように大きくなった。そしてパンデミックと言って良いほどのスピードで保守思想が広がり、韓国人は殺せというようなキチガイじみた主張をする団体まで会員を増やし、メディアで大々的に取り上げられるくらい大きくなり、新大久保辺りでのヘイストスピーチ、デモがエスカレートしてきた。

これと安倍さん支持が増えるのと重なるのね。

安倍さんの秋葉原での演説なんて凄いもんで、多くの老若男女が集まり日の丸があちこちにたなびいた。

まぁ、これって海外から見たら軍国主義の再来、安倍はナショナリストの大親分みたいに映るのは当たり前で、それが今でも続いているし、安倍支持というより安倍信者と呼ばれる人もどんどん生まれた。

それと共にネットの中では保守思想を叫ぶサイトが乱立し、思想なんて関係ないブログ、つまりこのブログがそうなんだけれどそういうブログでも保守思想をぶちまける人が増えてきた。

まぁ、それはそれで良いと思うんですよ。多くの人が今まで騙されていたと感じ、日教組にうまい具合に自虐史観を刷り込まれているのに気がつき、主要メディアは嘘、誇張、偏向、真実をあえて報道しないことに気がつき、事実を知りたいと思う人が特に若者の中で急激に増えてきたんですから。

ところがですねぇ、最近何度か書いていますが、その保守思想ってのがこれまた過激なんですわ。東京裁判は戦勝国による日本潰しの裁判、茶番であるのはその通りだと思うのだけれど、A級戦犯は全く悪いことをしていない、南京大虐殺も全くの捏造、慰安婦に関する中韓の言い分は全て嘘と信じる人が増えてきた。日韓併合は侵略でも植民地支配でもなく、日本の善意で発展したのだから有難いと思えと。そして日本を悪く言うのは中韓だけで、他のアジア諸国は日本に感謝していると。

どう思います?

まぁ、左に触れていたのが真ん中に戻るときに、ちょっと右に触れすぎかな?ぐらいに思っていたのですが、最近ちょっとそれじゃすまないくらいに過熱してるように感じます。私がアジアを回って聞いた話、ここにも書いたグアムでも斬首刑があったとか、そんな話をすると、それは嘘だ、捏造だ、根拠がないと凄い反撃を受けるんですよ。まぁ、それを言われれば私だって見たわけじゃないですが、40年も前のグアムと言えば戦争を体験した人がごっそりいるわけで、彼らの話が嘘だとは私には思えないわけですが、その聞き伝えは全く意味を成さないんですね。最近、日本軍が各地で現地人と仲良くしている写真、現地人が日の丸を振っている写真とか、そういうのばかり集めた写真集が出たりしましたので、それのみが真実だと信じる人が増えてしまった。また中国が今までプロパガンダで使っていた写真がいい加減で、全く関係ない事件の写真とか、そこに写っている被害者は日本人なのにそれを中国人として日本叩きに使っているのがどんどん明るみに出たんですね。だから、日本軍が悪いとされている証拠写真は全て捏造だということになった。もちろん殺戮、略奪なんて全く起きなかったと信じる人もいるくらい。

慰安婦もそうで、韓国が捏造、あるいは大げさに言っているのは根拠が無いという証拠が一杯出てきて、だからあれは違うんだじゃなくて、韓国が言うことは全て嘘ということになった。とにかく日本は清廉潔白で全く悪いことはしていないと。最近は言わなくなりましたが、昔よく言われましたよね、戦争を知らない世代が戦争を美化して戦争するって。それが今になってその通りの動きになっている。現代の問題点は、我々の世代ではいくらでも機会があった実際に戦争に行った人たちから直接話を聞く機会が今の若者にはないってこと。全て聞き伝えだから、中身はどうにでも変化してしまう。都合の悪い話は全て捏造。(どこかの国と同じ論法)

一体なんなんだこれはと思って、彼らを冷やそうと動いたのだけれど、反発が半端じゃないんですよ。

不思議だなぁと思いつつ、ネットの中の知り合いも最近強烈な言葉や差別用語を使って中韓批判を始めたし、違う見方があるんじゃないの?というと怒ること怒ること。

なんで突然みんな似たようなことを言い出して、似たような反応になるんだろうか。ここに私の興味が移りました。で、観察していると彼らが言っているのは思想じゃないというのに気がついた。中韓にガタガタ言われるのが面白くないだけなんですね。我慢していたのが切れた。だから真実なんて実はどうでも良くて、反撃したいだけ、彼らを認めたくないだけ。鬱憤を晴らしたいだけ。

それを指摘するとこれまた逆上するんですが、じゃぁ、南京大虐殺なんか無かったというのなら、幕府山事件をどう解釈しているのか聞かせてくれというと、そんな事件は知らないという。(笑)

お話にならないじゃないですか。

アジアの話も、ではどの国が日本によって独立したのか、連合国に宣戦布告はしたのか、一緒に戦ったのか、敗戦国はどこだとか、そういうことも知らない人がいるんですよ。でも中韓以外は日本に感謝しているんだと平気で言う。また多少中身がわかっていても私がここで何度か出した「アジアを開放した日本人の功績」に出てくるような内容どまり。

この程度の根拠で日本を美化し、悪いのは中韓だ。東京裁判も無効だと騒ぐ。こういう跳ね返りも中にはいるだろうってなもんじゃなくて、ごっそり増えてしまった。パール判事を信奉してる人は多いけれど、彼は本当に中立で正義を持った人で、日本に対してもなんでも良かったと言ってるわけじゃないのを知ってる人はほとんどいないのね。

中韓への苛立ちって、自分が今まで何も知らず自虐史観を持っていたことが許せないから、余計中韓が憎たらしくなるんでしょう。またアメリカ好きだったのが彼らの陰謀を知り、裏切られていたと思うような感覚もあるんでしょう。どちらにしても今まで秘めらていた鬱憤が爆発しているような人があちこちにウジャウジャいます。

左よりなNHK、完全な左派の朝日、毎日叩きも凄いもんで、解体しろ、潰せという主張が極々普通に話されている。これってヤフーのニュースに着くコメントもそうだし、首相の靖国参拝は控えるほうが望ましいなんていう政治家のブログやフェイスブックはすぐに炎上して、反日、売国奴呼ばわり。

これって、デモをやっていたのがいつの間にか暴徒化して、商店を滅茶苦茶にしたり、車をひっくり返して燃やしたり、まさに去年の中国での反日デモと全く同じように私には映ります。でも詳しい内容はわからないのね。外には反日、内には売国奴と叫んで怒りをぶちまけている。

これって思想じゃないですよね。感情をそのままぶつけているだけ。相手に反撃するのに、そこらにある石を拾って投げ返しているだけ。

でもねぇ、結構淡々と保守思想を書いている人も心の中は同じだと気がついたんですよ。こういう私も同じ穴の狢だと。感情論だといわれたくないから、色々調べて自己矛盾のないように考えるけれど、やっぱりそれはうるさい相手を打ち負かすためでしかない。本当に日本がどうあるべきか、あの戦争はなんだったのか、靖国ってなんなのか、それを考えているようで実は結構ずれてる。自己中なのがミエミエ。自分流の愛し方を他に押し付けたいだけ。

私を含めてこういう人たちの共通点としてTPP反対、新自由主義反対、市場原理主義反対、道州制反対、規制緩和反対ってのが多いのね。そして原発稼動賛成、憲法改正賛成、核武装賛成。秘密保護法案賛成。

なぜ?と聞くと日本を守るため、日本の発展のためというのね。でももっと深いものを見ていくと、日本がどうじゃこうじゃは言い訳でしかなくて、とにかく他人からガタガタ言われるのが嫌なのね。ああしろこうしろと言われるのが大嫌い。外圧で変わるのが嫌。ま、その辺は保守の特徴だと思うし、プライドをはるかに通り越したナルシズムも見え隠れするのね。自分は常に正しい、悪いのはお前。好戦的だから相手を殴るのも平気だし、自分が多少は殴られても許容範囲。だから自衛隊とか軍隊とか大好きだし、戦闘機やミサイル、戦車を見るのも好き。原爆も好き、欲しい。原発なんか全然怖くない。放射能なんてたいした害がない。戦争?やるならやってやろうじゃないか。

こういう傾向があるのね。石原前都知事もそうでしょ。

これって思想じゃないと私は思うんですよ。単に性格的なものでしかない。じゃぁ、それは何かというともしかしたらホルモンバランスだけかもしれない。

逆に、恐怖や不安に弱い人、あるいは感受性が強くて芸術家肌の人は、戦争は何が何でも反対、原発も反対、原爆廃絶、自衛隊は災難救助だけ、隣国とは仲良くすべき。靖国参拝なんてとんでもない。A級戦犯は分詞すべし。また上から押さえられることが大嫌いな人は、いつも政府批判、政治家は金でしか動かない、官僚は馬鹿、秘密保護法案=個人の権利の侵害を言う。

これも変でしょ。関係ない事柄でも共通点がある。

こういうことを考えると、真面目に思想の話をするのが馬鹿らしくなってきます。また自分自身の中にもそれがあるのがわかるから、考えることさえ無意味に思えてきます。結論は最初から決まっているんですから。

今、フト思ったのは、海外に出ると保守派が多いと言われるでしょ?日本を今まで以上に好きになるとか。これも根っこは同じのような気がするんですよ。気が弱くて自分で何も決められないような人が海外に出ます?やっぱりちょっと変わっているところがあるとか、自分に自信があるとか、一家言持っているとか、行動的であるとか。つまり海外に出るような人はそういう性格的な共通点があって、そしてそれはまさに多くの保守が持つ性格とそっくりだということ。だから海外には愛国主義者が多い。これは海外に出たからそうなるんじゃないと思います。もともとそういう性格で、そういう人だからどんどん海外に出て行く。これは政府批判が大好きな人も海外に多いけれど根っこは同じなのね。自分が強いから押さえつけられるのが我慢できない。権力には生理的に拒否反応を示す。この二者は言っていることは違っても性格が似てる。

そういうことを念頭に置いて、ネットでも書籍でも彼らの思想、主張を聞いてみると、それが思想なのか、単なる性格的なものなのかの違いがあるのもわかるのね。メディアに出てくる評論家や言論人も同じ。どれもこれもいい加減で適当なのは見えてくるし、その内、誰が本物の思想家、言論人なのかが見えてくるんでしょう。でも今のところ該当者なし。西部邁氏とか日下公人氏は有力候補かな。

また韓国も見え方が違ってきますよね。彼らの言うことのどこに真実があるのか、なんて真剣に耳を傾けるほうがおかしいというのもわかってくる。あれは国民性以外の何物でもなくて、性格、感情が表面に出ているだけ。併合を絶対に許せないのも簡単に理解できるし、なんでもかんでもウリオリジナルで韓国発祥だと言いたいのもよくわかる。韓国ドラマと同じで、やられたらやりかえす。復讐は善。復讐は家族にも及ぶ。やられたことは死んでも忘れない。敵討ちも善。人間関係とは上下関係のこと。プライドを傷つけられたら必ず切れる。勝つことに異常な執念がある。韓国ドラマにもこれらの共通点がある。

これは日本も全く同じで、ええかっこしぃだから静かにしていただけで、日韓併合を本当に侵略だったなんて考えているのは左翼か、東アジアの近現代史を知らない人ぐらいなもんかもしれない。日韓の歴史を知ってる多くの日本人はあれだけしてあげたのにと上から目線。あるいはそもそも彼らと付き合ったのが間違いとか。本音は違うけれど、対外的なことも考慮して「あれは侵略だった」という人もいる(私がそれ)。

要はあっちもこっちもいわゆるB層ばかりで、私も含めて知能はたいして高くもなくて、いろいろ理由をつけているけれど、実は感情、性格のまま動いているだけのような気がしてきます。自分が持つ思想や価値観の意義なんて理解せずにこれが正しいと信じているだけで、そもそも考えても答えを出すこともできない程度の低さなのかもしれない。好き嫌いでものを言ってるだけ。新興宗教にどっぷり浸かっているのと同じかも。

その点、やっぱり怖いと思うのは中国で、彼らは冷静に世界を見ながら長期戦略を立てているように感じます。そして単純な民衆をうまく使いこなしているし、外に対しては飴と鞭でジワジワと絞め殺す。これはアメリカもそうで、人民をどう扱うべきかをよーく知っているような気がします。世論作りもうまいし、謀略策略には年季が入っている。ただ、尻尾を出す間抜けさがあるのは私はアメリカだと思っていて、うまいことを言っても結構ばれるのね。その点、中国はばれるのがわかっているからしゃーしゃーと平気で口に出す。都合の悪いことはそんなことはなかったと断言して知らん顔。根本的には精神構造は似ている、というか中国が欧米的であると私は思うわけで、キッシンジャーが日本とは話が出来ないけれど中国とは出来ると言ったのがわかるような気がします。大人同士なのね。でも日本も韓国も似たような変に真面目でファンタジー好きなオコチャマなんでしょう。

そんな風に考えていくと、本当の思想家とか言論人って非常に数が少ないのがわかるわけで、いわゆるA層、C層はちゃんといるわけだから、耳を貸すとしたら彼らを探し出してしっかり理解できるようにならないと駄目なんだろうと思うわけです。でも、世の中に思想を言う人はそれなりにいて、日本はこうあるべきだ、TPPはどうじゃ、日韓関係はどうじゃと言うのも、実は俺の性格はこうだ、ああだとそれを並べているのと同じと考えると滑稽です。

さて、私が知っている中にまともなA層、C層はいるだろうか。そんな風に考えると全く自信がなくて、いろいろ思い浮かべても、所詮同じB層で、居場所がちょっと違うぐらいの違いしかないかもしれない。気になるのは上にも書いた西部邁氏とか日下公人氏かなぁ。というか、本物か?性格か?という見方で全部見ているわけじゃないから、まだ区別はつけられないのが現状。

でもま、多くの言論人だ思想家だってのも性格的に好きだ嫌いだ言っているだけで、本気で耳を傾けるべき人って非常に少ないというのがわかったのは収穫だと思うことにします。

私がここに書いていることもそういう意味では耳を傾ける価値なんか全くないということですが、いつかまともなA層、C層を見つけて、好き嫌いで取捨選択するのではなく、本物の思想らしい思想を持てる日が来るかもしれないので書き続けるつもりです。

今、フト頭に浮かんだ思想家。三島由紀夫。彼のことはつまみ食いしかしたことないので、今年はしっかりのめりこんでみるのも良いかも。

しかし、感情を殺すってことが、あるいは横に置いといて思考するということがいかに難しいことなのかがわかりました。だから世の中には宗教があって、大切にするべきものなのかもですね。自分を投げ出すところに宗教の真髄があると私は思っていて、それなくして教義を理解することは不可能。そして自分を投げ出すことが出来れば教義も必要ないのかもしれない。

己を捨てて初めて真理が見えるのだろうけれど、地球上の人類全てが己を捨てることができた世界ってどんななんだろうなぁ・・・・・

人類の進化ってそこまで行くんだろうか。タイムマシンで見てみたい。いやいや、見ないほうが良いか。己を捨てることに価値観を持つ人なんかいないと思うべきか。(笑)

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実はですねぇ、結局、性格が思想に影響していると気がついてから、それに注意しながらちょっとTPPのことを改めて勉強しなおしたんですよ。すると面白いもんで見え方がまるで違うのね。ただTPP反対は反対ですが、ISD条項もあって当たり前だと思うようになったし、ラチェット規定もないとまずいんじゃないの?って今は思うから不思議なもんです。また人的交流というのも安い労働力とか知的労働者がどんどん入ってきたらどうなるのさ、なんて思っていましたが、そういう心配がある内容じゃないみたいですね。こんな内容だったら全ての国が反対するでしょう。

アメリカに押し付けられるのが気に入らない、そして計り知れない不安に耐えられなかったからTPP反対を言い続けていた自分があったのがわかりました。でも日本がTPPを仕掛ける側ならどうだ?という見方をしたらまるで違うものが見えてきました。でも以前は、その日本が仕掛けるという発想さえ出来ませんでした。賛成と思うまでには至りません(農産物、医療医薬、保険等に不安が残るから)が随分考え方が変わりました。

アメリカへの怒りを消してTPPを眺めてみると、TPPを押し付けているのはアメリカじゃなくて、アメリカも標的になっているだけで、背後に動くものも良く見えるようになってきたのが不思議です。感情を野放しにすると、読みたくない文字文章は読み飛ばし、読みたいものだけ拾うようになるのね。

思想は性格が決めるという理屈に気がついたのはマジで凄い収穫かもしれません。(笑)

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いろいろ書きましたが、やっぱり最後はこの動画で締めくくらせてください。

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