行方不明のMH370便に関する合理的な説

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全く進展しないマレーシア機の行方不明事件ですが、フェイスブックで「合理的な説」を知りました。非常に単純といえば単純ですが、納得してしまった。

「MH370便に関する合理的な説」カナダ人パイロットが提示   ← クリック

ニュースはいつ削除されるかわかりませんので、内容を転載します。

「MH370便に関する合理的な説」カナダ人パイロットが提示

20年の経験をもつカナダ人の上級パイロットが、自らの経験から、行方不明になったマレーシア航空MH370便の行動に関する「非常にシンプルな説」を提示している。

[筆者はカナダ上級免許(Canadian Class-1 instrumented-rated pilot for multi-engine planes)所持者として20年の経験をもつパイロット。以下は、同氏のGoogle+に掲載されていた文章をWIRED USが許可を得て公開したもの]

行方不明になったマレーシア航空MH370便については、すでにさまざまな詳細が報じられている。満席の北京行きボーイング777型機は、クアラルンプールを夜半に離陸した。約1時間後、ヴェトナム沖の上空で、機影が管制レーダーから消えた。つまり、ATCトランスポンダーと二次レーダーが遮断されたということだ。失踪2日後になって、一次レーダーであるマレーシア軍のレーダーが、機体がマレー半島を超えて南西に向かい、マラッカ海峡に進んだことを捉えていたと報じられた。

この左折が、今回の鍵だ。ザハリ・アフマド・シャー機長は、18,000時間の飛行経験をもつ熟練した上級パイロットだ。われわれのような古参パイロットは、飛行中には常に、緊急事態に備えて、最も近い避難空港を意識し続けるよう訓練されている。シャー機長は、なんらかの緊急事態が生じた結果、マレーシア北部のランカウイ島にあるランカウイ国際空港への直行ルートをとったと筆者は考えている。海上からアプローチ可能で、障害物のない3,962mの滑走路がある空港だ。「Google Earth」で見るとここだ。

機長は、クアラルンプールへは引き返さなかった。約2,440mの山脈を超えなければならないとわかっていたからだ。火災が生じてトランスポンダーと通信が喪失したという仮説は、筆者にとっては完全につじつまが合う。最も可能性が高いのは、漏電による火災だ。火事の場合の初期対応は、メインバス(主要な回路)を遮断してから、回路をひとつづつ回復させ、問題の回路を分離することだ。主要な回路が遮断されると、トランスポンダー等も停止される。パイロットたちは昔から、このような状況では、「Aviate、Navigate、Communicate(飛行、操縦、最後に連絡)」という優先順位で行動せよと教えられている。

離陸時のタイヤ破裂から生じた火災の可能性

火事には2種類ある。漏電による火災はそれほど勢いよく広がらず、機能不全をもたらす煙がすぐに発生する場合もあれば、発生しない場合もある。一方、たとえば前輪の着陸用タイヤのひとつが離陸時に過熱し、着火して、ゆっくりと燃えていった可能性もある。これは、タイヤの空気圧が足りない場合に発生し得る火災だ。

離陸時のタイヤ破裂から生じた火災によって墜落した事故には、1991年に起きた有名なナイジェリア航空2120便の例がある。タイヤによる火災が起きると、飛行機を機能不全に陥らせる恐ろしい煙が発生する(同事故では、タイヤ破裂に気付かず着陸装置を機内に格納。ランディングギアが火種となり、主脚格納庫にあった油圧装置・電気系統・操縦ケーブルが焼損、中央燃料タンクの隔壁も焼けて燃料が漏れだした。さらに、格納部の天井にあった客室の床も火災で脆くなり、緊急着陸のために主脚を出したときに機体は崩壊、乗客達は座席ごと2000mの高さから放り出された)。

煙が出始めた場合、パイロットたちは多くの場合、フィルター付きの防煙フードを使用できる。ただし、煙の発生程度にもよるが、数分間しか役に立たない。筆者はフライトのときは必ず防煙フードをフライトバッグに携行していた。いまでも、飛行機に乗るときはかばんに常備している。

乗務員たちは煙に巻かれて操縦不能になり、おそらく機体は「George」(自動操縦装置)によって飛行を続けたものの、燃料が切れるか、火災によって操縦機器が破壊され、墜落した、と筆者は考える。

ランカウイ国際空港に進路を取った場合、残りの燃料は6時間強だったと見られる。これは、インマルサット衛星がとらえていた、パイロットが最後に交信を行ってから6時間ほど飛行を続けたというデータと合致する。

1998年の事故

パイロットが航空管制に送信した最後の言葉「おやすみ」というのは、管制に対して通常行われる挨拶だ。つまり彼らはこのとき、異常に気がついていなかったと見られる。しかしその通信の前に、すでにACARS(運航情報を自動的に提供するシステム)が停止していたらしい。ACARSが意図的に遮断されたという説もあるが、指摘されているとおり、ACARSを動作不能にすることは簡単ではない。この点により、手動でシステムが切られたのではなく、電気機器の問題や漏電による火災という可能性の方がより高い、と筆者は考える。パイロットたちはACARSの停止に気がついていなかったと思われるのだ。

飛行高度が不自然に変動しているという報道については、それがトランスポンダーによるデータではなく、約320km離れた一次レーダーによるデータであるということを考えるべきだ。こうした読み取りは、多くの空電雑音によって影響を受けた可能性があり、正確な情報だと確信することはできないと思う。

だが、これらのデータが正しいとしてみた場合、機長が最後の努力を行った可能性もある。つまり、まずは酸素濃度が低い上層に行こうとして約14,000m上昇し、火災を鎮圧しようとしたのかもしれない。これはあり得るシナリオだ。ただし、上空14,000mの地点で機体を安定させることは難しい。飛行エンベロープは非常に狭く、制御を失って失速する可能性は高い。一次レーダー情報によれば、機体は運転可能な範囲の上限で飛行している。その後で起こった急速な降下速度は、ストール(失速)によるものだった可能性があり、ついでリカヴァリー操作によって7,620mの高度に回復したのかもしれない。機長は炎を消そうとして急降下した可能性さえある。

一方で、ハイジャックされたケースで14,000m上昇するという可能性は意味をなさないと筆者は考える。

不思議なことに、メディアはパイロットの視点を尋ねようとしない。何か問題が起こったときに、パイロットならどうするのか? Google Earthを使って筆者は、30秒間でランカウイ国際空港を特定した。ズームインして滑走路の長さを確認し、ここだと思った。彼は何回かこの空港を使った経験があったかもしれない。

機長の勇敢さを示す例として、1998年のスイス航空111便の墜落事故がある。機内に火災が発生し、近くの空港に緊急着陸しようと奮闘したが、最終的には大西洋に墜落した事故だ。ちなみにこのときも、乗員が主要回路を遮断しため、トランスポンダーと通信機能は止められていた(同事故では、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港をスイスに向かって離陸してから約1時間後に、機内で火災を検知。緊急着陸が許可されたカナダのハリファックス国際空港まで15分という地点まで近づいたが、着陸準備をしているうちにコックピット内部に火が広がり、操縦困難になって大西洋に落下した。ただし同機の場合は、煙を検知した早い地点で管制と連絡を取っている)。

転載 終わり

上の図を見るとストーリーが見えてきますね。異常に気がついた機長は反転して近くのランカウイに向かった。しかし着陸することは出来ずに、そのまま自動操縦が効いていたのか飛行機はほぼ直線で進み、モルジブの方向へ向かった。モルジブでの目撃証言が多数あるようですが、それが正しいのかもね。

で、着水地点はその延長線上にある赤の海域。

あの海域は調べたのだろうか。

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