私は鶏が大好きですが、胸肉、ササミは嫌いで自分から食べようと思ったことはこの人生でも数回ぐらいしかないはず。
でも全く食べないわけじゃなくて、鶏まるごと一匹グリルしたものや、タンドリチキンみたいに半身が一人前、あるいは大好きな海南チキンみたいなものは、胸肉は食べたくなくても食べる。あるいは低温調理の実験で何度か使った程度。
ところが「所さんの目がテン」を見てからは、自分もジジーになったし、美味しく食べられるのなら積極的に食べようと思うようになりました。
ということで、胸肉とササミを買ってきて、調理実験。
ササミですが、スーパーで買ってきたものにびっくり。ササミって結構あの形が大事だと思うんですが、その形も崩れてグチャグチャになったものばかりなのね。筋を抜いた時に形が崩れたのならわかるけれど、筋は付いたままだし、どうも解体時にグチャグチャにしちゃうんでしょうね。素人がやっているんだろうか。でもパックの上のほうには形がきれいなものを並べてある。ったくも~。
まずはササミを焼いてみることにしました。
筋を抜いてから、醤油、酒、みりん、そして冷凍柚子を摺っておいたタレに浸けること30分。それに小麦粉をまぶしてをフライパンで焼いて、最後にそのタレを絡ませる。食べるときには、柚子をたっぷり絞って掛けてみました。
美味しい~~。日本の味だ~~~。結構しっかり焼いたのにパサつく感じはなくて、歯ごたえはしっかりあって良い感じ。漬けておいたから水分を吸い込んでいたのか、これなら全く問題なし。自分が今まで持っていたパサパサのイメージは簡単に吹っ飛びました。
で、今回面白い初体験をしたのですが、ヨメサンが「この白い筋が美味しいのよ。知ってた?」と言い出した。実はササミは嫌いと言いつつ、母の店でバイトをしていた時にササミの筋抜きは毎日の仕事でササミとの付き合いは長いのだけれど、まさかあの白い筋を食べるなんて想像さえしていませんでした。
でも美味しいと言われれば試さない手はないわけで、全てのササミの筋を今回一緒に漬けて、その筋だけはしっかり焼いてみたのです。それが写真の中の真ん中にあるもの。
美味しいぃ~~~~~。コリコリしてて酒の肴には最高~!
さすがヨメサンは九州女。こういうのを良く知っていると関心しました。これもそうだけれど、鶏の脚だとか、首だとか、普通なら捨てるかスープを取るか犬の餌にするようなところでも美味しく食べる術を知っている。豚足やホルモンもそうだけれど、やっぱ東京と文化が違うんでしょうね。でも美味しいものは美味しい。
このササミならたまには良いなと思いました。
次に試したのがいつもの低温調理。低温調理の実験で胸肉を使ったことは何度もありますが、ササミを使うのは初めて。形が壊れているものばかりですので、まとめて丸めてハムみたいにしようと思ったのですが、まずはそのまま、少量の塩、砂糖、酒、水、微量の醤油を入れて混ぜあわせ、それらをしっかり吸収したところで袋に入れて密封。
これをまずは鍋の沸騰したお湯につけて約一分。その後、水を入れて温度を62-65度に調整。そして大体その温度を保てるようにしながら約30分。薄く広げて袋に入っているので、時間的にはこれで十分なはず。(ちなみに炊飯器の「保温機能」を使うときには温度が高い(70度ぐらいか)ので注意。長く入れると水分が出てしまう。この5-7度の違いってかなり大きい)
あれだけ酒や水を吸収させておいたのに、ほとんど汁が出ていない状態。低温調理って本当に不思議。
さて、これをどういう風に食べるか。素材がどんなものか知りたいので、ましてや手の込んだことなど私には出来ないので、冷蔵庫に入っているものでいろいろ試してみました。味は薄く付いていますからこのままでも問題ないし、冷やしてサラダと合わせるならこれで十分なはず。コチジャンをつけてみたり、マヨネーズで食べてみたり、まぁ、どういう食べ方をしても良いと思いました。しっとりしていて、なんだかササミじゃないみたいだけれど、健康的にタンパク質を摂るという意味では良い感じ。
でもまた食べたいって感じではないのね。(笑)
ところがですね、シンプルに柚子胡椒をつけて食べてみたら、こりゃうまい!と思いました。
それと冷蔵庫に入っていた「九条のねぎ塩ドレッシング」。これで食べたら激旨!!ササミが美味しいというよりこのドレッシングって異常なほど美味しい。調べてみたらこれって巷ではかなりの評判なんですね。これで焼いたタンを食べたら半端じゃ無いと思う(その内、タンを買ってきます 笑)。これを買っておいたのはヨメサンですが、どうしてこれが美味しいと知っていたんだろうか。不思議だ・・・・
こんなものがゴールドコーストで売っているとはびっくり。ゴーゴーマートですが、流石だわ。旭ポン酢(家庭の鍋料理も料亭の味になる 笑)も売っている店ですが、こういうちょっとしたことに拘ってくれる日本食料品店って本当にありがたい。
これでササミは使い終わりましたが、胸肉とモモ肉が残っています。これはこれでこれまた低温調理実験をするか、堺正章が司会をやっている「世界一受けたい授業」で見たチキンナゲットを作ろうと思っているのですが、日が変わって今日、ヨメサンが「胸肉を使っても良い?」と聞いてきた。
私に聞く必要もないのだけれど、私がいろいろ実験をするために買ってきたのを知っているので、勝手に使うとまずいと思ったのでしょう。当然、「どうぞ~~~」ということになって、ヨメサンが胸肉で晩御飯を作った。
なんつーか、プロや家庭の奥さんに、ジジーの気まぐれ料理が勝てるわけがないと思いましたわ。すげー美味しかった。悔しいほど。
どうやったの?と聞いたら、私が生ジュース用に買っておいたオレンジを絞り、それに酒を合わせ、塩コショウしておいた胸肉を漬け込んで、それに小麦粉をまぶして焼いただけ。ソースは漬け汁に炒めた玉ねぎを混ぜ、最後にバターを投入し乳化させる。ただそれだけだそうです。胸肉も全くパサつく感じは無し。焼くときの温度と時間なんでしょうねぇ。なんでオーストラリアの店に出てくる胸肉やササミはあんなにパッサパサなんだろうか。ああいうのが好きなのか。
上部に見えるのはジャガイモを茹で、軽く潰して塩コショウ、市販のピザ用チーズと、粉のパルメザンチーズを混ぜ、それをこれまた焼いただけのもの。これも美味しかった。
これって今まで30年近い夫婦生活で食べた覚えがなくて、どうしてこれを今まで作らなかったの?と聞いたら、私が胸肉が嫌いなこと、ジャガイモも嫌いなことを知っていたからだそうです。でもこのジャガイモは今までに何度か作ったことがあるとのこと。「気が付かなかったの?」と突っ込まれそうなので、ああ、そういえば食べたっけね、と誤魔化すのがやっと。(笑)
こういう料理をさほど考えることもなく、冷蔵庫にある材料で、チャチャッとつくる女性って凄いと思いましたわ。頭のなかのデータベースには一体どういうデータが入っているんだろうか。またそのデータをすぐに引き出して使えるって、これまた不思議。こういうことを簡単にやるくせに、どうして携帯電話の通話料とか、銀行に入っているキャッシュの管理とかまるで出来ないのかが不思議。
女性って不可解な生き物だわ。
さて、明日はチキンナゲットを作りましょうか。胸肉はぶつ切り。モモ肉はミンチにして、小麦粉と混ぜて練る。それをまたフリッターの衣を付けるような感じで揚げるだけ。
明日はチキンナゲットを作るよとヨメサンに言ったところ、「そうね、せっかく買ったフードプロセッサーを使わないとね」と言われてしまった。
完全に読まれているのが悔しい・・・・・・・・・