日本とオーストラリアの違い

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昨日は明け方まで息子たちと3人で朝まで討論会をひらいたのは前の日記に書きましたが、その話の中で次男坊から興味深い話を聞きました。

次男坊はまだ社会人2年にも満たないですが、アメリカに本社があり、支社は世界中にある会社のオーストラリア支社に務めています。

そこには支社間の交流、人事異動もあるわけで、日本から来た人がこういうことを言っていたと。

新入社員レベルが日本とオーストラリアは随分違って、オーストラリアは馬鹿ばかりだそうです。仕事柄、日本の場合は学生時代から資格を取ったり、また幾つもの難関を通り過ぎてきた者だけが採用対象となる。ところがオーストラリアは次男坊がそうであるように、その専門分野の勉強を大学、大学院でしたことも無い、もちろん必要な資格も持っていないようなド素人でさえも採用対象で入社してくる。日本は現物買いで、オーストラリアは先物買い。(笑)

これじゃ仕事内容に対する理解度も違うし、日本ではふるいに掛けられて入って来た者と、オーストラリアではこれからふるいに掛けられる者との差みたいのがあるんでしょう。オーストラリアの「平」は全く使い物にならないとのこと。

ところがですね、トップクラスは逆転するというのだそうです。オーストラリアのトップの頭の切れ、決断力、総合的な能力は日本のそれの遥かに上を行っているらしい。

へーーと思いますよね。私に言わせれば所詮オーストラリアはオーストラリアなんだろうぐらいに思っていましたが、そうではないとのこと。

なんでそんなことが起きるのか次男坊に聞いたところ、当たり前だと思うよ、とのこと。

彼も日本人の仕事ぶりは見ているわけで、確かにできるやつは多いと。しかしそこに大きな違いがあると言います。日本は極端に言うと「合議制」が残っていて、それぞれがそれぞれを気にしながら仕事をしていると。ところがオーストラリアは「馬鹿」かもしれないけれど、どんどん突っ走る人が多いと。だから駄目な奴は当然落伍していくけれど、勝ち残った人の能力は飛び抜けていると言うんです。

なるほどねぇと思いました。

またクライアントにもその差があると。日本企業はネチネチとあの手この手で数字をいじることにこだわりがあるけれど、オーストラリアのクライアントはあっけカランとしていて、良いものは良い、駄目なものは駄目とすぐ受け入れると。また何か問題点が見つかった時にも、日本企業の場合は、それを誰にどう言うか、それをまず考えないと「メンツ」とか「立場」があるので非常に面倒だそう。オーストラリア企業では責任者にそのまま伝えればそれで終わり。じゃぁどうしましょうとすぐ答えが出るんだそうです。

次男坊曰く、合議制が悪いわけじゃなくて、日本人は「会社を自分のこととして考える傾向」が非常に強く、一生懸命であるが故に「皆と相談する」「他の意見を聞く」「仲間の立場を考える」ということが起きると。

逆にオーストラリアは会社に忠誠を誓う人は皆無で、自分が中心。だから駄目なものは駄目で、それを隠したりいじくり回すと「自分の経歴に傷がつく」と考える。例えば、上司に隠蔽工作を提案された場合、日本はそれに乗ってしまう傾向があるけれど、オーストラリアの場合は「冗談じゃない」「俺にそんなことをさせるな」という方向に動く。「刑務所に入るならあんた一人で入れ」という考え方だそうです。

面白いですよね。日本は共同責任みたいな考え方が根底にあるから、自分の失敗は皆の失敗だし、手抜きは一切せずに頑張ろうという意識が働くのでしょう。それは仲間のためであり会社のためであり、そして自分のためになると。

でもそれだと伸びないというが次男坊の考え方です。「自分が何よりも大事」と信じるから人は自由に伸びれるのだという。そしてオーストラリア人は「自分がいくら稼げるか」それしか考えていないと断言します。

そんなもんかなぁ、と思いますが、自分が大事ということは「俺の手柄は俺の手柄」であるのと同時に「俺の失敗は俺の責任」ってことになるわけで、その良さも間違いなくあると思いました。

面白かったのは、「ところでお前はまだ入社二年も経っていない新人同様で、つまりお前も馬鹿だと言われたってことだろ?」と聞いたんですよ。ところが彼いわく「俺は違うよ。もう管理職だし」と、全く自分のこととは思っていないのね。

ああ、次男坊の中身は間違いなくオーストラリア人だと思った。 (笑)

この自信過剰が活力の源、不屈の精神に繋がるのかもね。

この自信過剰ってのはあちこちに見ることが出来て、何でも「自分はできる」という人が結構多いのね。私自身が経験してびっくりしたのが、随分前だけれどまだ仕事をしているころ、オフィスでスタッフの募集をしたんですよ。条件は「日本語ができる」「PCを扱える」ということだったんですが、応募してきた人の面接をしてびっくり。

「おっはよーございまーす」「こんにーちわーー」レベルの日本語しかわからない人が来る。PCも人差し指打法で、どうにか入力ができるレベル。日本語で文章なんか一切打てない。こういう人が7-8割。

ま、ダメ元で来るんでしょうが、日本だとこういうことはまずあり得ませんよね。だから結局知り合いのつてを使ったり、人材派遣、紹介を通さないと駄目だったり。

日常生活でもそうで、何か注文したり職人に修理を頼んだりすると、「ノープロブレム」という返事がすぐ返ってくる。でも全くダメなんてことが起きたり、職人の場合は出来上がりがめちゃくちゃで他のプロを探してやり直ししなくちゃならなかったり。これは大会社のサービスマンも似たり寄ったりで、家の電話回線の修理に来たやつが結局めちゃくちゃにして俺には出来ないと途中で投げたり。

オーストラリアには日本で言う「職人」が極めて少ないと感じます。いや、普通に自分の仕事を全うできる人が少ないというべきか。だからたまにまともな人に出会うと半端じゃなく感激したり。例えばテレビが故障したとするでしょ。日本だとすぐメーカーなり販売店の人が来て直すじゃないですか。こちらはそんなサービスはなくて、サービスセンターまで送れっていうんですよ。今の薄型テレビならまだしも、ブラウン管で37インチとか一人では持ち上がらないようなものをどうやって送る?だからしょうがないんで、メーカーとも関係ない街の修理屋に持ち込んだり。その持って行くんだって大騒ぎですよ。

万事がこれ。でも皆さんプラス思考なのは間違いがないんでしょう。私がプラス思考を嫌うのはこれが理由。(笑)

でも個人レベルではすごい人がたくさんいるのね。自分で修理するなんて人はいくらでもいて、特に家のことは自分でやるのは普通みたいね。水道でもなんでも自分で直しちゃう。中には家を建てるぐらいのことをやる人も居て、一間増やしたり、二階を増設したり。だからハンディマンというなんでも出来る人が芝刈りから水道からなんでもやりますというサービスが結構ある。こういう人で良い人を数人知っていると助かります。

でもま、年月とともに多少は良くなったような気がしないでもありませんが、基本的には日本とは全く違う国。

 

 
    

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