「マレーシア・リンギット、対ドルで5年ぶり安値」&為替の変化にどう我々は対処するべきか

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米ドルが強いというかマレーシアリンギットが弱いというか、マレーシアリンギットが対米ドルで5年ぶりの安値とのこと。

マレーシア・リンギット、対ドルで5年ぶり安値-ドルに買い  ← クリック

チャートを見てみます。

USD/MYR Day Chart

日本円とマレーシアリンギットの動き。

JPY/MYR Day Chart

オーストラリアドルとはどうでしょうか。

AUD/MYR Day Chart

海外に出る場合、収入はどの通貨なのか、資産運用はどの通貨なのかいろいろ考えるわけですが、(日本を中心に考えた時)昔から「外貨投資」をしていた人たちは結構いて、その人達は胸をなでおろしているはずですね。でも保守的な考え方が強く「日本円にしがみついていた人たち」はかなりの心労があるのでしょう。でもその中でも「マレーシアに行くのだからマレーシアリンギットに替える」と考えていた人たちはまだ救われている。

為替の動きによって強いられる海外生活の変化って思いの外大きいのを皆さん感じているのではないでしょうか。またこれから海外に出ようとする人たちも「さてこれからどうするべきか」で悩んでいるはず。

でも私はこういう心配は「無駄」だと考えています。

例えば今の時点を見れば、円安はまだ続くだろうとか、米ドルは利上げ期待もあるしまだ上がるだろう、資源国は売られているし、(リンギット安にもかかわらず)マレーシアの輸出統計は2ヶ月連続の現象が見込まれているとか、それらを考えあわせればどうしたって「米ドル中心の外貨」を持たないと危険ではないかと考えるのが普通。近未来に関して言えば、今のトレンドは継続するであろうと私もそう思います。

でもこういう考え方って「評論家的な目線」であって、為替交換や相場に関しては素人、また海外在住者の生活に密着した視点から言うと「余計な心配」だと私は思うのです。「今の状況」を見ればトレンドが見えるわけですから、その方向で考えるのは常識ですが、ではトレンドはいつまで続くのでしょうか。

そんなことは誰にもわかりませんし、ではトレンドが変わった時にその変化に合わせられるのでしょうか。

普通の人達にはそんなことは無理なんですね。またやろうと思っても簡単ではない。

為替の変化を読みつつ、資産を米ドルじゃ、マレーシアリンギットじゃと替えられる人って「プロの域に達した人」だけじゃないでしょうか。普通は、「日本人が日本円だけで生活する」のと同じように、海外に出る時に「ある計画なり設計」をしても、その後、臨機応変にそれを変えていくなんてことはできないのが普通ですよね。そもそも通貨を替えてそのままにしておくことはありませんから、定期だ債権だ、あるいは不動産に投資していたら簡単には動かせません。

またそういう行動が簡単にできる人は、「株式市場に資産を投入する」のと同じことをしているってことですよね。ここで冷静な人なら「ハッとする」はずで、そもそも「そんな有利な運用ができるなら、俺ってもっと大金持ちになっていてもおかしくないんじゃない?」というところに気がつくはず。

でも大半はそうじゃないですよね。また今まで株式なり相場に手を出したことがある人なら「簡単には儲からない」のをよーーく知っているはずだし、それは為替だって同じだってこと。

つまり、現状分析をして、円を持っていては駄目だとか、米ドルにしようとか、いやいや安くなったマレーシアリンギットを中心にするべきだとか、それを言うのは、「今年の暮には日経平均はいくらになっているのか」議論と全く同じだってこと。

それはそれでやるのは良いと思います。また「少額」なら相場に手を出すのはボケ防止にも良いし、小遣い稼ぎも出来るかもしれない。

でもほとんどの金融資産を相場につぎ込めます?

為替交換ってそれと同じことですよね。だから「今後どうなるか」の予想を素人がしても何の意味もないと思うんですよ。俺の読みは絶対だと思っても「資産の多く」をそれに賭けるのはアホのやることですよね。でもそれと同じことを考えている自分がいるのを自覚することが大事だと思うわけです。

現在の動きって「結果」でしかなくて、「今はこういう状況」だというのは誰でも簡単にわかる。では「将来どう動くか?」と読み、「動いた時にどう対処するか」というのは誰にでもできることではないし、でももしそれがそこそこ可能なだとしたら、それだけで「莫大な資産を形成」することができるってことですよね。

現在を読む簡単さのままで「それが続くという前提で行動を起こす」のは、相場で言えば「トレンドフォロー型」で考え方そのものは間違いではないにしても、それでどうにかなるほど世の中簡単ではない。

だからやるとしたら「分散投資」だろうと思います。

あるいは「変化を受け入れる」か。私はこのタイプなのはいつも書いているとおりで「豪ドルと心中する」つもり。でもま、それを基本としてヘッジなりなんなりは考えますが、基本は「豪ドルと心中」です。

結局ですね、多くの人がそうであるように、「思惑」でも「予想」でも「専門家の話」でも「サイコロを転がして決めた」でも根拠はなんでも良いですが、「自分の生活とは全く関係のない通貨や商品を投資対象として選び」「大きな資産を動かして失敗した時」の心理的ダメージって半端じゃ無いんですね。「うまく行った時の喜び」が大きいのは間違いがありませんが、それってパチンコで777を出したのと同じで、あるいは株式にどっぷり使って、良い時もあったけれど結果的には・・・という多くのパターンのある一時期の出来事だと考えるべきだと私は思うんですよ。

「私は米ドルに変えて生き延びる事ができた」という人は、「私はXXXXで破綻した」と根っこは同じではないでしょうか。またこの数年の株式市場やドル・円で利益を出した人はかなりの数いますが、多くの人は鼻息が荒いのが普通。たった数年の間のいくつかの勝負に勝ったというだけのことなのに自信過剰になっている人が私の友人(過去に相場の経験は無いに等しい人)にもいます。こういう人の相場論議や予想を聞く必要なんか全く無いんですね。

つまり、為替の変化で利益を出す、生活を維持するなんて考えないほうが「心の平穏がある」と私は思うのです。若い人たちはどんどんチャレンジするべきでしょうが、ジジババもそうするべきとは私は全く思わないんですよ。

やっぱり基本は「為替が有利に動いたらその分貯金をしよう」「為替が不利に動いたら生活を切り詰めよう」であるのが結果的に「幸せな老後」を送る秘訣だと「私は」考えています。経験もろくにないのに「海千山千のプロ、狼がいる世界」にどうして大金を突っ込んで挑戦する必要があるのか。そこがポイントだと思います。

でもやっぱりどうにかしたいとチャレンジ精神がある人は、FXをちょっといじってみたら良いと思うんです。それも少額で。

もしそれで「俺には才能があるのかもしれない」と思うのであれば、額を順次増やしていく(でも負けたら必ず減額する)をするとか、あるいは「大事な資産」そのものは動かすことなく「ヘッジ」に手を出してみるとか。それが普通だと思うんですよ。でも「才能がない」と思ったら一切為替のことなんか考えるのは止めるべきですよね。「資産を米ドルに変えたほうが良いかな?」と考えるのは「今、トヨタの株を買えば儲かるかな?」と考えるのと全く同じだってこと。ましてや大金、最後の砦をそれに突っ込むことの異常さを考えるのは大事だと思うんですよ。

「雨が降ったら傘をさそう」「天気が良ければ散歩に出よう」

私はこれが一番自然であるし、ジジババの心の平穏を保つにはこれしかないと思っています。

私は相場のことをいつもこのブログに書いていますが、「皆さんやりましょうよ」と思っているわけではなくて、相場の世界もスポーツと同じで「ポテンシャル」を持っている人もいるんですね。このブログで知り合った方々の中には「相場は全くわからないしやろうとも思わない」という人が大半ですが、そんな中にも「この人ならうまくやれるんじゃないか」と私が感じる人もいるんです。また、「見込みが無い」ような人でも「諦めない」精神が強い人ならどうにかなると思っていますので、相場を覚えると「人生を変える」ことが出来ますから、書き続けています。

しかし大半の人に関しては「余計なことをしない方が幸せである」ことに早く気がつくべきですから、「ちょっとやってみればすぐわかる」という意味で、相場に手を出すのは良い勉強になると思っています。

ま、こんなことを書いても頭に血が上っている人には何を言っても無駄なのはわかっていますが、このチャートを良く見ながらじっくり考えてみて欲しいんです。相場は生き物であって、トレンドは間違いなく出てくるのだけれど、それが長続きはしないってこと。これの危険なところは、トレンドが誰にでも見えるようになったら「そろそろ終わりかもしれない」ってことなんですね。それが現実。

メインは日本円/リンギット。赤は米ドル/リンギット。緑は豪ドル/リンギット。どれが有利なのかはその時その時大きく変わっているのがわかると思います。それもたったこの5、6年の間です。この動きを読み、対処できるなら頑張ってやるべきですが、そもそもそれが分かる人ならすでに大金持ちになっているはず。でも「眠れる才能」があるかもしれませんからトライするのは良いと思いますが、「自分の資産をどの通貨にするべきか」のような大博打をするのは疑問です。

多分マレーシアのMM2Hの中でも、様々な話や予想がなされていると思いますが、「俺は米ドルに変えて良かったしこの流れは続く」という人は間違いなくいますでしょ?でもそんな話を聞いて心が動かされてしまうのは非常に危険だし、どれだけ偉い「評論家」が何を言ったにしろ、その評論家は世界的に有名な資産家になったのかどうかそれも考えるべきでしょう(この世界は結果が全てなのを忘れないこと)。逆に、そういう話には乗らずに「安いコンドに引っ越すことにしたよ」と言う人のほうが、私は「凄い!」「流石!」だと感じます。あるいは引き揚げを決めた人もいるでしょうが、金銭的な理由で引き揚げるから負けでもなんでもなくて、状況が変わったのに自分の夢、理想に固執したり、米ドルに替えれば大丈夫と思って「運を天に任せている」人の方こそがよっぽど問題だと思います。

相場の世界でまず覚えるべきことは「損切り」ですよね。でもこれが非常に難しい。「海外に出る」ということはどうしたって「為替という相場」と付き合わなければならないわけで、「海外生活における損切り」ってどういうことなのかをしっかり考えてみることは大切だと思います。そして損切りが出来ずに「最後に投げる」事になる人が世の中の大半だという現実も忘れるべきではないのではないでしょうか。そして「今度こそは」と対象を変え、またいつか損切り出来ずに大損。そしていつのまにやら舞台から消えていくのが普通。

このブログはランキングが出る日本ぶろぐ村の中の(なぜか)マレーシア情報というカテゴリーに登録してありますが、その中で(ジジババではありませんが)「移住失敗、撤退」を決めた方のブログが有ります。その方に対して「読みが浅い」のなんのと批判もあるようですが、では「自分の読みは深い」と思っている人がどれほどのものなのか、ここに落とし穴があると私は思うし、「撤退」を決めたその方は「損切りがうまい。たいしたもんだ」と私は感心しているぐらいです。

サバイバルゲームで生き残るには「勝ちを取りに行く」のではなくて「大負けしない」のが何よりも大事だと私は思っていて、リベンジのチャンスっていつか必ず回ってくるんじゃないでしょうか。

ついでにこの2年半の各国通貨の強弱がわかるチャートを出します。このたった2年半の間にどれほどの喜怒哀楽があったのかが、またそれにも強弱があるのもわかって本当に面白いと思います。

相場と向き合うというのは「収入の一つとして考える」分には良いと思いますが、わけもわからない他国の通貨に人生を賭けるのは一般人がやることじゃないと思っています。馬鹿な女房でも自分が愛した女だからしょうがないと思うのと同じで(笑)、自分が一生付き合う通貨を目先の思惑で決めるべきではないんじゃないでしょうか。離婚、再婚を繰り返すのが難しいのも、世の中を読みながら通貨をその都度乗り換えるのも簡単ではないと思います。

諦めちゃったほうがうまくいくことって色いろあるんじゃないでしょうか。(笑)

 

 
    

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