かなり期待して買ったマルチクッカーですが、どうも私には使いこなせないようで(と控えめに言ってみる)嫁に出すことにしました。
息子の友人で料理好きがいまして、ちょうど彼が遊びに来ましたので「もらってくれ」と頭を下げてお願いしました。(笑)
彼にどんな調理器具か一応説明したのですが、彼は「う~む、蒸し料理につかうぐらいですかね」と私と同じ意見を一発で言いました。わかってるじゃーーん(笑)。あまり嬉しそうな顔じゃなかったのが気がかりですが、ま、そんなもんでしょう。
そのマルチクッカーとはこれ。一台で8役するとの宣伝文句。
日本ではアマゾンでも売っているもの。ちょっと仕様が違いますが。
多分この調理器具って、独身の一人住まいとか、共働きの若者の夫婦には良いかもしれませんが、いろいろな調理器具を持っていて、また新たな機能が欲しいと思って買うと、結局は「いろいろ出来るものは何一つ得意なものがない」という世の中の決まりを再確認することになりそうです。
私がこの器具は駄目だと思った最大のポイントは、温度調節が「ちゃんと」出来ない点です。
一応温度調節可能になっていますが、その目盛りは温度調節というよりワット数、つまり火力の違いであることがわかりました。でも一応サーモスタットは付いている様で、設定した温度以上にはならないようですが、ではその設定温度に「すぐに達する」「維持する」機能はかなり弱い。
使ってみた感想はこの日記(クリック)に書きましたが、かなりアバウトな調理器具です。低温調理がどうじゃとか、ローストビーフをロゼで・・とか、温泉卵を作るとか、そういうのには向きません。
ではスロークッカーとしてはどうか。
これは使えるかもしれません。ただ、内鍋がペラペラで熱源は底にありますし、食材を周りからじっくり囲むようにして温めるタイプではないので、スロークッカーの専用機には劣ると思います。
残念でした。
ただ、蒸し器としてはかなり使えると思います。この器具自体はたいして大きくはなく、深さが足りないと私は感じますが、その代わり開口部はそれなりに大きいんですね。ですから蒸し料理の場合、普通の鍋を使って蒸しているような我が家としてはこの器具を使ったほうが便利。
なんだそれだけか・・と思うかもしれませんが、開口部が大きいってのはかなり意味があって、魚をまるごと蒸すとかそういうことも出来るってことなんですね。4人分のシュウマイや肉まんを一回で蒸せますし、大きな皿に素材を入れたままの蒸しも出来る。
でも大きめのセイロがあればフライパンを使えば良いだけのことで、わざわざこの調理器を買う必要はないと思います。我が家にはセイロがありませんのでちょっと心残りではありますが。(笑)
ま、これはこれで置いといても良かったのですが、思ったほど使い道がないのでこれを嫁に出し、これとは別の気になっていたスロークッカー&Sous Vide(低温調理)の両方が出来るハイブリッドを買おうと思っています。もしそれがちゃんと使えるのであれば、今使っているスロークッカーを嫁に出すことも出来て、狭い我が家としては非常に助かります。
でもその調理器具は低温調理機としてはアバウト(設定は一度単位で出来てもその通りの温度を維持するのは構造上難しい)なのがわかっていますし、スロークッカーとしては内鍋がペラペラなこともあって、これまた中途半端な調理器具かもしれないと思っています。でも、温度設定はアバウトで構わない「蒸し煮」あるいは「ブレゼ」、「沸騰させずに70-80度で延々煮込む料理」ならこれで出来るはずで(低温調理機は湯煎なのでそれが難しい)、ましてやスロークッカー(LowでもHighでも数時間後には沸騰点に達してしまうので沸騰させたくない料理には使えない。温度調節は不可能な機種が一般的)として使えれば、普通の煮込み料理にはバッチリでそれなりに意味があると思っています。
それはこれ。
MU4000 Duos™ Sous Vide & Slow Cooker ←クリック
こういう低温調理機としての宣伝を見ると使えそうですが、1-2度で出来上がりがまるで変わるステーキやローストビーフに拘るタイプには不向き。
低温調理機としての完璧さを求めるのであればこの手の器具が必要だと思います。私が愛用しているのはこれ。
Anova Precision Cooker ← クリック
私が考える「低温調理器具のあるべき機能」は全て揃っています。
○ そのものが発熱する
○ 温度管理が精密であること
○ 上と関係しますが、水流がしっかりあること
○ 熱量がそこそこであること
あるいはこれとか。Nomiku。
Nomiku ← クリック
この様に温度管理がちゃんとしている器具でないと、結局はアバウトな出来上がりにしかならないと思います。
それと非常に大事なことですが、温度計ってかなり誤差があるんですね。1-2度違うとまるで出来上がりが違う料理もありますから、自分の調理器の温度計ってどのぐらいの誤差があるのかを知るのは重要だと思います。当然、キャリブレーション機能、つまり「誤差を調節する機能付き」を選ぶことも重要。
是非ともちゃんとした器具を使って、「いつでも」「誰でも」「量が変わっても」「形がいびつでも」「一定の品質で」「自分の狙い通りに」「失敗すること無く」作れる楽しさを多くの方に味わって頂きたいと思います。
---------(後記)-----------
つい先程ヨメさんに、「この前買った調理器具だけれど、XXXX(息子の友達)にあげたよ」と言ったんですよ。するとヨメさんは
「嬉しそうな顔をしなかったでしょ。」ですと。
どうしてそういうのがわかるの?
私だったら「何か新しいもの」「変わっているもの」なら喜んじゃうんだけれど(あとでがっかりするにしても)。
やっぱり私ってどこかネジが外れているんでしょうかねぇ。