二人だけの結婚記念日。長男はメルボルンに遊びに行っていますので二人だけですが、どこかに食事に行こうと計画をしていました。
でもねぇ、ここはゴールドコースト。美味しいと思う店って本当に少ないんですよ。和食や中華はそこそこのがありますが、記念日に行くという感じでもなく、どこにしようか迷っていました。
ヨメさんの親友でグルメがいるのですが、彼女のお薦めの店に行くことにしました。バーリーヘッズのThe Fish Houseという海産物のお店。イタリア系かなぁ。
「ちょっとお値段は張るけれどかなり美味しい」と聞いていました。でも豪華でもないし気取った店でもなく、しかし良い雰囲気で(昼なら)見晴らしも良い海岸沿いにある店。またウェイター、ウェイトレスが完璧。ってかこれが当たり前なんでしょうが、フレンドリーなだけで適当な店とは大違いでした。
まずはお決まりのビールで乾杯ですが、いつも飲む一般的なビールがありません。拘った地元のビールと輸入物。イタリアのペローニとやらを頼みましたが、これは結構美味しかった。
でもねぇ、メニューを見てびっくり。聞いてはいましたが、かなり高め。
オントレがこんな感じ。
メインはこんな感じ。海産物だけしかないお店。
メガネを掛けているくせに、見えない見えないと文句を言いつつ真剣にメニューに見入るヨメさん。(笑)
結構時間を掛けてメニューを選んでいたのですが、スターターで出てきたパンがしっとりしていてヒジョー-に美味しいのにびっくり。これをちぎってオリーブオイルにつけて摘んでいたのですが、このオイルも只者じゃない。美味しい~~。こんなオイルどこで売っているんだろうか。
やっとメニューを決めて、まずはカルパッチョみたいな刺身風のオントレ。ウェイターはカルパッチョではなくて刺身風だと言っていましたが、どう見てもこれはカルパッチョで、量が少ないなんてもんじゃなし。これほど薄く切れるのかというくらい薄い。フグの鉄刺しと良い勝負。(笑)
左からキングフィッシュ(ヒラマサ)、タスマニアサーモン、ホタテ(北海道産)。これが美味しいなんてもんじゃなくて、なにこれ?とびっくり。要はカルパッチョみたいなんですが、薄っすら付いたオイル、塩、フェンネル、そして「何か」の味のコンビネーションが完璧。これはこの薄さにも意味があると思いました。日本の刺し身の厚さだとまた違う感じがするはず。
カルパッチョ風でこれほど美味しいものを食べたのは初めてです。しかし量が少ない。
次もオントレですが、私の大好きなスキャンピー(テナガエビ)のフライ。小さいのが2匹で32ドル。(笑)
ホタテのフライパンで焼いたもの。
まぁ、量が少ないですが、3種類を二人で分けて食べればこんな量のほうが良いんでしょう。でももう一皿欲しい感じでした。
そしてメイン。私はジョンドーリー(マトウダイ)を頼みましたが、見てびっくりしました。これで44ドル?
しかしですねぇ、魚臭さが全くなくて、皮の焼き具合、身の火の入り具合、日本の腕の良い板前が焼いたみたい。でも味はイタリアン。下のソースがこれまた美味しくて、ちょっとパンに浸けて食べたら「こんな旨いものがあるのか?」みたいな味。
ヨメさんのはバグ(ウチワエビ)のスパゲティ。見よ、この量の少なさ! (笑)
でも本当に美味しい。手が込んでいる美味しさというより、素材の選び方と調味料の使い方が上手いって感じがしました。
付け合せの野菜ですが、これって本当に我々が普通に食べている野菜と同じ?と思うくらい美味しい。
特にびっくりしたのがこのジャガイモで、茹でて揚げてあるのでしょうが、ヨメさんに「こういうの作れる?」と聞いた所、「作り方はわかるけれど・・」という料理自慢のヨメさんらしからぬ自信のない返事。(笑)
きっと似たような物が作れるとしたらこれぐらいか。(笑)
こんな小さなサラダですが、不思議に美味しいんですよ。ちょっと塩っぱ目なんですが、塩とかオイルが特別に美味しいのかなぁと思いました。
ああ、それとですね。オントレのスキャンピーとホタテにつけて食べたタルタルソースなんですが、どうやったらこんな美味しいものが作れるんだ?というほど美味しい。こんなのは奇跡でも起きない限り自分には(きっとヨメさんにも)作れない。
どれ一つとっても「これはちょっと・・」というのが無くて、ほぼ完璧。まさにそれぞれのプロが集まったオーケストラみたいなもんで、一つ一つも良くて、全体のバランスも良い。
こんな美味しいと思うものって、我が人生でも数えるぐらいしか無いし、ゴールドコーストでは24年間食べたことがない味でした。やっぱりプロって凄いんですねぇ。良い素材が集まらないゴールドコーストですが、これだけのものが出来るってやっぱり凄いと思いました。材料がないってのは言い訳にならないんでしょうね。
この店は海鮮専門ですし、オーストラリア、ニュージーランドから良い物を入れているのだろうと思ったのですが、店の中にショーウインドウがあってその中に魚が並んでいるんですよ。写真は撮りませんでしたが、正直な所、これを見て驚きました。お目目の真っ赤な魚が並んでいる。乾いているような魚も・・・・。
この店は素材もまるで違うのだろうと思いましたが、ぱっと見た目ではそこらの魚屋に並んでいる様な、それもちょっと疲れた感じのする魚ばかりでした。もしこの魚が店の玄関のところに並んでいて、外から見れるようになっていたら、まずこの店には入らないだろうね、とヨメさんと話をしたぐらい。
不思議です。やっぱり腕なんでしょうねぇ。
そもそも私のベロの性能ってあまりよくないのですが、かなり味には五月蝿いヨメさんも美味しい美味しいを連発していましたから、美味しいのは間違いがないにしても、どうしてこういう味が他の店では出せないのかが本当に不思議。もちろん我が家でも「絶対に」無理ですが。(笑)
この店はやっぱり高いと思います。ワインも一番安いのが55ドルぐらいで100ドル以上のがずらーーっと並んでいます。ですから食べ物だけで一人80~、飲み物を入れたら二人で200ドル以内で抑えるのはかなり難しい店。でも一人150ドルを覚悟すればそこそこ幸せになれるはず。幸せいっぱいになるには一人200ドル程度は必要かも。
私達は5時半に予約を入れて一番乗りでしたが、段々と客が入ってきて私達が帰る頃(まだ7時)には半分ぐらいはいっぱいになりました。多分ウィークエンドには予約がないと駄目かもしれない。子連れもいてワインを何本も開けているテーブルもあるし、もうオーストラリアって我々レベルが「良い思い」を出来る国じゃなくなったと痛感しました。
でもこの店は高いけれど美味しいから良いと思います。値段だけは立派な店はいくらでもありますから。
ゴールドコーストに来て24年。こんなに美味しい洋食を食べたのは初めてです。こういう店はいっぱいあるんだろうか。でもおいそれと行けないからそういう店がいっぱいあっても意味が無いか。(笑)
ああ、それとですね。ここのパンがしっとりしていて美味しかった。普通のゴールドコーストのパンはパサパサしてて美味しくないのですが、きっとこのパンはこの店で焼いているんだろうねぇ、なんてヨメさんと話しをしていました。ところが、ウエイターが何度もテーブルに来て水やワインをついでくれたりするときに、パンのことを話してみました。
「このパンは非常に美味しいけれど、店で焼いているの?」と。答えは「ノー」でパン屋から買っていると。ここで普通は聞けないことを聞いてみました。「そのパン屋ってどこのなんていうパン屋か聞いてもいいかなぁ?」と。
するとウエイターは「もちろん」と言って、店の名前を書いて渡してくれました。
「Panya Bakery」Currunbin Creek Rd., Currunbin だそうです。ベトナム人の兄弟がやっている店で、前にはマーメイドウォータにあったらしい。
絶対に行ってみようと思います。
The Fish Houseはバーリーヘッズにあります。またいつか行ってみようと思います。
姉妹店でギリシャ料理の店もあるそうで、そこも行ってみようと思います。
それとこの店は年中無休でランチもやっているとのこと。目の前は海岸ですから見晴らしも良いはずで、今度ランチに来ようかと思って、「ランチのメニューを見せてくれる?」と聞いたんですよ。
すると「ランチもディナーもメニューは同じです」とさ。が~~~~ん。 (@_@;)
我が家では普段使いに出来るようなお店ではありませんが、お客が来た時にはここに連れて行くのは良いと思いました。ゴールドコーストってお客が来ると本当に困るんですよ。ですから日本から客が来た場合は、(どでかいステーキみたいな)ボリュームで勝負したり、日本では普段食べられないような中華の海産物(マッドクラブとか)で誤魔化したり。でも味にうるさい人の場合はヒヤヒヤもんですが、ここなら大丈夫かもしれません。