相変わらずマレーシアの様々なプロジェクトを調べていますが、前回いろいろ調べた中で一つ詳しく見ていなかったものがありました。それはTun Razak Exchangeと呼ばれる巨大プロジェクト。
これは今まで見てきたプロジェクトとはちょっと違った感じで、いわゆる国家プロジェクトの中心みたいな感じ。国際ファイナンスとトレードのハブにするとのこと。金融関係の大手企業がここに集まるんでしょう。Exchangeと名前が付いていますので証券取引所がここに来るのかと思いましたが、それに関しては調べてもわからず。
場所はここですが、半端じゃない広さ。70エーカーですと。名前はTun Razak Exchangeね。
ロンドンやニューヨークのような金融の中心にしようという試み。もちろんライバルは香港でありシンガポール。なおかつイスラミック金融の中心にしようという野望もある。
ここに出来るビル群はなんと25棟で中心になる超高層ビルはツインタワーには負けるものの380メートルかな。世界中の金融関係の会社に税金軽減などの優遇措置を設けて250社、スキルのある人才を4万人集めるとのこと。
またこのTun Razak Exchange(TRX)には大型の商業施設や文化関連、ホテル、そして居住区も作る。Suria KLCCより大きなまとまりになるかもしれませんね。
凄いですねぇ。出来上がるとこんな感じになる。
でもコンドはもちろんオフィスの供給過多が言われていて、こんな予想もある。
2015年第2四半期の時点でKL全体とサイバージャヤ、プトラジャヤを合わせて約266万平方フィートのオフィス・スペースがある。2016年には約2倍になり、2017年には1097万平方フィートにまで増えるとみられている。
このペースでいけば、2019年にはKL中央ビジネス地区の供給過剰はかなり大きくなると予想される。この点から、将来の供給には押し下げ圧力がはたらくとも指摘する。
これはスター新聞に出ていたみたいですが、数字が異常ですよね。今年の第二四半期で266万sfのオフィススペースが来年には2倍、再来年には更に約二倍。つまり2年で4倍近い増加。どうするんでしょうね。
日本にもしこんなプロジェクトがあったらこれ一つで大注目になるはずですが、こういう大型プロジェクトがKLだけで5つも6つも、それ以上かな、あるんですから。
国家が2020年の先進国入りを目指して力を入れていて、それに各大企業が乗って競っているんでしょうが、本当にそれだけのポテンシャルがマレーシアにあるんでしょうか。マレーシアって年率7%の成長を25年間続けてきたそうで、それの自信があるのは間違いがない。またこういう計画が作られた時には中国も恐ろしい伸びをしていた頃で、俺達もやればできるという読みがあったのでしょうか。でも今となれば中国の過剰投資、そしてなんとなくドバイが頭に浮かんできます。石油の枯渇を読んでガンガン投資してきたドバイですが本当に将来性があるのかどうか。
やっぱり大事なのは「人」であって、人を育てるにはかなりの時間がかかる。海外からExpatsを大量に呼び込んで他人の褌で相撲を取ろうとするのが国家の計画で良いのかどうか。ブミプトラ政策はどうするのか。KLの一般市民のスキルを見ると何かおかしいんじゃないかと感じますが、他人の褌で相撲を取るプロもいるわけで、勝算ありと読んでいるんでしょうねぇ。
でもやっぱりマレーシアは「皆で渡れば怖くない」「遅れてはならない」というような意識が強すぎるような気がします。これはイケイケで波に乗っているときは良いでしょうが、一度また金融危機、つまり外資が逃げるような動きになるとかなりうまくない状態じゃないですかね。昨今のリンギット安の背景にそんなものもあるような気がします。
過剰投資というとイスカンダル計画も頭に浮かんできますが、マレーシアそのものが熱病に掛かっているのかも。でもこれをどう乗り切るかで各社の命運が別れるわけで、皆勝負を掛けているんでしょうね。凄いなぁ。でもこれもまた新興国特有の動きのような気がしないでもありません。日本じゃこういうことはありえないでしょうね。というかバブルの時に痛い目にあっていますから。
バブルの頃、日本企業は世界中の不動産に投資しましたよね。ニューヨークはもちろんハワイやここゴールドコーストも同じ。そして結局はそれらを叩き売る結果になった。でも「叩き売ることが出来た」のはその地の不動産だからなわけで、自国の物件から撤退する場合は一体誰が買ってくれるのか。
でも逆に日本はパワーが無いし、縦割り行政の欠点があまりにも大きく出てきているし、新3本の矢もパッとしなくて観念的で、掛け声ばかりのような感じがします。私は田中角栄がきらいじゃないのですが、彼だったらなにをするだろうか、そんなことが気になります。
しかしま、マレーシアは面白いですね。お手並み拝見。(笑)