子どもたちの躾と変な癖

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今回の自宅売却で私物を整理しましたが、古い写真がごっそり出てきました。ダンボールに3つ。(笑)

これをこのままマレーシアに持っていくわけにも行きませんし、整理をしつつ懐かしい思い出が蘇ってくるのでいろいろ考えていました。

子どもたちをオーストラリアで育てるのに一番気にしたのが「日本的礼儀作法」です。海外の子供達を昔から見ていて感じたことは、ここぞというときにデレデレしているんですね。また日本人には当たり前の「気をつけ」とか「礼」もできないし「直立不動」なんてありえない。そんな子供には絶対にしたくありませんでしたので、お辞儀も三歳の頃から徹底的に仕込みまして、お辞儀の角度、背筋は曲げない、顎は出さないとか。これも躾ということじゃなくて遊び感覚でやりましたからすんなり覚えてくれました。

子どもたちがまだ小学校低学年の頃ですが、学校の帰りにサーファーズパラダイスに遊びに行くことが良くありました。当時は日本人観光客も凄くて日本人相手のお土産物屋がたくさんありましたし、知り合いも多くいました。こちらで偶然わかった「私の父の従兄弟」も商売をしていましてので、サーファーズパラダイスに行くとそこは日本みたいな感じ。

私は日本人会の理事もしていましたし、日本人会の催し物の話や協力要請とかありましたので、あちこちの日本人の店にも顔を出していました。そんな時に息子たちも後をくっついてくるわけですよ。日本人の店と言ってもどこにもウルサイ年寄りもいて(今の私よりは若いか 笑)、彼らが私の子供を可愛がってくれて子どもたちにとっても知り合いばかり。

サーファーズパラダイスに行きますと、子供が率先して「おばちゃんに挨拶してくるね」なんてサーファーズパラダイスでは超有名な怖くてウルサイオバサンの店に行って「こんにちわ」と日本式の最敬礼をするわけです。こういう子供って珍しくて(多くの子供は怖がってそのオバサンには近寄らない 笑)、その半端じゃなくウルサイオバサンにも可愛がれていました。子供のくせに敬語を使うし行って挨拶する(日本ではアタリマエのこと)と「良い子だねぇ、これ、持っていきなさい」なんてお菓子をくれるのが子どもたちのお目当てだったのでしょう。お小遣いをもらったこともあったはず。

子供達の躾がちゃんとしているとよく言われるようになって、これは親としては非常に嬉しいし、子どもたちも義務というよりそれが当たり前だと思っていたのは有難いです。その分、親がデレデレしていても一目置かれるなんてこともあったくらい。

誰の子供でも褒めるときは皆でしっかり褒めるなんてのは親や年寄りのお約束で、また悪い時にはガツンと他人の子でも言うような、そんな昔の下町の雰囲気がサーファーズパラダイスの日本人の中にあったのは面白いと思います。今では日本人がやってる土産物店なんかあるのか?みたいな悲惨な状態ですので、かなり寂しいと感じます。

こういう子どもたちの癖がつくとそれがずーっと続くんですね。大人になってからももちろん何を言わなくてもご飯の食べ方は綺麗ですし、洋食を食べるときにナイフとフォークを使いながら背筋を伸ばして一切背を丸めること無く食べる姿は親でも「こいつすげーな」と思うくらい。私のほうが食べ方はだらしがない。

大人になって彼らが自分たちの世界を作るようになっても、その「態度が良い」だけで好かれるんですね。敬語も完璧に使いますから年上の人たちにも可愛がられるし、次男坊は仕事柄(監査)日本人クライアントや日本支社のお偉いさんに会うことが多いようですが、良く褒められるとのこと。そして「本当にオーストラリア育ち?」とよく聞かれるらしい。

こういうのを聞くと、ああ良かった、シメシメと思うわけですが、でもやっぱりちょっと変なんですよ。

たまに私に敬語を使う。(笑)

家族で食事に行って店を出た後に、必ず(お金を払った)私に背筋を伸ばして最敬礼をして「ご馳走様でした」と言う。(笑)

あいつらはそれが普通だと思っている様で、オーストラリア育ちらしく親にでもああじゃこうじゃとタメ口で偉そうに自分の意見をはっきり言う連中ですが、突然、敬語が出てきたり最敬礼をされると親としては慌てるし、それっておかしいことだと教えるべきなのか・・・。

でもこのまま放っておこうかと思ったり。でもあいつらがいつか自分の子供を持った時に、何をどう教えるのかが気になります。オジーチャンオバーチャンにちゃんと挨拶もできないようなガキならぶっ飛ばしてやろうと思っていますが、どこの何様でもあるまいし、家の中でも敬語を使うような子供ってやっぱり変。

でもよーーく彼らを観察していると、しっかり挨拶し、相手を立てながら敬語も使いますから相手を尊敬しているのか?と思うとそうでもないみたいなんですね。

単なる儀式、形式だと思っている様子。生きるためのノウハウ。

それがちょっと気になるんですが、実は私もそうだったからこれで良いのかと思ったり。(笑)

息子たちの友人を見てもちゃんとしている子どもたちがほとんどなのですが、小さい子供にそれを感じることは稀で、あのまま育っちゃって大丈夫なのかと気になります。「ここはオーストラリアだから・・」で良いのか。「そういうことをすると怒られるわよ?」と意味不明の叱り方をする親は多い。

子どもたちが大好きだった日本語補習校に用があったので私一人で行った時ですが、恐ろしい場面に出くわしました。補習校の先生たちはみんな良い先生ばかりで、昔懐かしい「鬼」みたいな先生もいるんですね。でもかつてはその先生の優しさも子どもたちに伝わっていて、良い雰囲気だったのです。

ところが私がびっくりしたのは、その「鬼先生」が宿題をやってこなかった子供を叱っていたんですよ。「お前、今度また宿題をしてこなかったら殺すぞ」と。この言葉をそのまま聞くとゾッとしますが、もちろん冗談で笑いながら言っているし、昔なら子どもたちは笑いながら「キャーーーー」とか言って逃げていたんです。いろいろな先生がいますが、子どもたちと先生とはちゃんと絆ができていたんですね。その「鬼先生」なんて人気者で、今でも子どもたちはその先生のことを「良い先生だった。懐かしい・・」というくらい。

でも私が見た光景ですが、その「殺すぞ」と言った先生に対して、小学生4年生ぐらいでしょうか。ヤンキーみたいな顔をして「え?なんだって?やってみろよ」と応えていたんです。

こういう教師と子供のやり取りって私は初めて見たので、本当にびっくり。時代が変わったんですね。

私が中学の頃を思い出しますが、「ペンチ」ってあだ名の先生がいたんですよ。その先生も怖いのですが良い先生なのは皆がわかっていて、その先生が子供を叱る時は「おい、お前、前に出てこい」と黒板の前まで呼ぶんです。そして皆の見ている前で、ペンチでお尻をつねるんですわ。これが痛いのなんの半端じゃ無くてその生徒は「ぎゃーーー」と声を出して涙目になる。これを見ていた他の生徒は大笑いで大喝采。それどころか次は俺の番だなんて雰囲気があって、その先生に怒られるような事をわざとするような常連もいた。(笑)

でも今はそういう先生もいないんでしょうね。そんなことをしたら大変なことになるんでしょう。

私の子どもたちが小さい頃は、補習校の先生たちに「悪いことをしたらぶっ飛ばしてください。体罰は大いに結構」ってお願いしていたくらいなんですが、今はそういう時代じゃないんでしょうね。

もちろん子どもたちを大事にしてくれる先生たちだからそれが言えたのですが、現地校の先生にはそんなことは一切言いませんでした。子どもたちが行っていた現地校はやっぱり今風で、校則は厳しいのですが子供は子供、教師は教師でそれぞれのやるべきことをやるだけで、心のなかには入り込まないお約束があるように感じます。

教師と子供、親と子もそうですが、お互いの心のなかに入り込むから強い絆とお互いを敬う気持ちが育つと思うんですが・・・

私の子供の頃はイジメも全くありませんでした。そんなことをしたらイジメっ子が袋叩きに合うような世界。(笑)

私達の世代が大切にしたものは子どもたちに伝えたいし、せめて孫や私達の子孫には「世の中がどう変化しようと」大事なことを伝えて欲しい。

そんなことを昔の懐かしい写真を整理しながら考えていました。

 
 
 

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