世界経済は破綻すると思っている私

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リーマンショックで恐ろしい思いをした私は「世界経済の破綻ショック」に対する異常なほどの恐怖感を持っているのは自覚しています。あんな思いは二度としたくないですし。

でもどうもリーマンショック以上のものが来るような気がしてしょうがないんですよ。これは経済通でも何でもないボケ老人の妄想に近いかもしれませんが、「世界はまともに動いていない」と強く感じるのです。そしてどこもかしこも「嘘」で固めていると。

まず中国ですが、政府も大メディアも中国が危ないとははっきり言わないと感じています。「このままでは危険だ・・」みたいな程度に抑えている。でも数字の根拠を示して「かなり危ない状況にある」ことを主張する専門家は決して少なくないのはネットの中の情報を見ているとわかります。でも彼らはテレビには出ない、出してもらえないような人たち。でもラジオやマイナーな番組ではそれを言う。だから大手メディアには出られない。無視される。

権威主義の人は「偉い人が正しい」と考える傾向があるけれど、私にはそれは全く無くて、論理的に誰の言うことが正しいのかを見ているつもりなのですが、論理破綻しているのは大手メディアに出てくる「偉い人達」じゃないかと。当然、彼らは政府や所管庁、あるいは海外からの「圧力」を受けて発言する人たち。この構図は福島の原発事故の時と全く同じだと思っています。

でも中国の危機を煽っても世界は良くならないのは当たり前で、個別では早く逃げるのが最善策だとしても、世界としては中国を救わなければ自分のところにまで火の粉が飛んでくる。いやもうすでに飛んできているわけで、これが大火事にならないように世界は動き出していると感じます。

それが確定的だと思ったのは中国人民元のIMF準備通貨に採用されるというニュースでした。

確かに中国経済の大きさを考えれば主要通貨となっても良い、いやなるべきなのでしょうが、中国は共産主義の国。共産党一党独裁で通貨もコントロール下にあるのは誰でもが知っていること。突然切り下げてみたり、その後すぐに買い支えに向かったり。こういう通貨が主要通貨になって良いはずがないと私は考えるし、それを指摘する人は少なくない。

でもIMFは中国の言うことを聞いて準備通貨に採用する。

これって中国が持つリスクを世界に分散するのをIMFが受け入れることだと私は解釈しています。あるいは中国を西欧社会基準の中に引き込んで中国を変えていく計画があるんでしょう。そしてそれは「(中国発信の大恐慌を避けたい)世界の方針」に合致している。Too big to failの考え方で世界は動いていて、イギリスを始めEU諸国が中国寄りなのはそういう方針が建前としてあるからで、しかし海千山千の彼らは大手を振って中国を歓迎しているわけではなくて、うまい汁を吸おうとしているはず。

アジアインフラ投資銀行、インドネシアの新幹線導入にしてもそれが見え隠れしているし、イギリスの原発開発にしてもそうで、あの原発は頓挫するのが見えている(完成することはない)のに中国が乗り出して来てイギリスには全く損がないという論者もいる。

まぁ、どの国もお尻に火が付いている状態で、どうにか中国にはソフトランディングしてもらわないと困るし、無視できる国ではなくてどうにか自由主義社会の基準に変わって欲しいし、もし中国が立ち直るようなことがあれば儲けものだし、その動きの中で自国は儲けようとするしたたかさを感じます。

中国とアメリカの南シナ海のやりとりしても私は胡散臭さを感じるのです。

アメリカは「自由航行」を言うだけで「基地建設をやめろ」「基地を撤去しろ」とは言っていませんよね。でも艦船で航行するなり航空機を飛ばせばアメリカの面子は立つ。中国も抗議を続けるだけで面子が立つし、基地建設を止めようとはしない。これって茶番に思えてしかたがありません。これ以上一歩踏み込めばどちらも取り返しのつかないところまで行くのはわかりきっていますし、このままの状態が続くだけに思えます。問題の先送り。

アメリカといえば、さてアメリカの利上げがあるかどうか、これが近い将来の一番の懸念事項ですが、本当にアメリカは景気が上向きなのか?

ここが非常に疑問なわけです。本当に景気が上向きでQEを終わらせるつもりがあるのかどうか。また終わらせたらどうなるのか。今の世界の脆弱な景気動向を見ていれば、アメリカはそう簡単に利上げは出来ないと素人考えでは思うわけですが、12月中に利上げがあるという論者、専門家が増えている。

ホントなんですかねぇ。

ところがあの変人トランプ氏は「利上げは無い」と主張するんですね。この辺を調べていくと、アメリカの事情も見えてきて、結局、中国と同じような「粉飾」がまかり通っているらしいのがわかってきました。

要点を書けば、「アメリカ経済は決して良くない。ただ金融の世界ではバブルが起きていて、それを弱める必要がある。ただしそれを潰したら大ごとになる」って感じでしょうか。つまりですね、「QE(量的金融緩和政策)は止めるぞ」と【驚かす必要がある】ってことで、でも止められる状態にはないという考え方。

この辺を「世界ウォッチャー」として面白い論理展開を進める田中宇氏が説明しています。

ひどくなる経済粉飾

日本の状態も同じで、安倍さんはうまくやっていると見る人も多いけれど、実態は「バブル」が起きていてそのバブル(と円安)から恩恵を受けることが出来る人たちだけが伸びていて、一般庶民の生活は悪化している。ただ私としては失業率の低下は良いことだと思っていて、正規雇用が伸びていないにしても、まずは非正規だとしても働く場がなければどうにもならないわけで、過渡期にはあるけれど「雇用は改善している」と考えて良いと思っています。

でも働いても食えない状態が広がっているのは間違いがなくて、それの対策が見えない。なおかつ消費税増税なんてとんでもない恐ろしいことを「予定通り実行する」と安倍氏は週刊誌に書いた。私はこれは「増税派(特に財務省)」に対するブラフだと思っていて、最終的には増税をするつもりはないし、現在、軽減税率で騒いでいますが、あれもヤラセだと思うくらい。

調子が良かったドイツはドイツでフォルクスワーゲンの失態の影響はどんどん広がっているようで、難民問題も抱えてややこしい状態。

隣の韓国なんて悲惨なんてもんじゃなくて、荒波に揉まれる小舟のようでいつひっくり返ってもおかしくない状態に見えます。

そもそも私は悲観論者ですが(笑)、それにしても世界のどこを見ても良さそうには見えないのです。マレーシアも全くその通りで、前の日記に書きましたが、2020年の先進国入りに向かって突進していますが、そもそもマレーシアの経済発展モデルは「自国による自国の発展」ではなくて、海外からの流入をあてにする「賃貸不動産屋的経済」に見えるのです。

ジョホールバルのイスカンダル計画にしてもKLで進行中、建設中のいくつもの巨大プロジェクトも海外頼みで、それだけの需要が国内にあるわけでもなく、それを支える自国民のスキルも供給力も無いと私は見ています。つまり、世界がコケればマレーシアもコケる構図になっていて、マレーシアが世界経済を引っ張るようにはなっていない。

私にしてみると世界は「砂上の楼閣」「氷上を突き進んでいる」ようにしか見えないのです。そして問題は「出口がさっぱり見えない」というところ。

ですから私としては「リーマンショック以上のことが起きる」としか思えない。

このブログに自宅を叩き売ったことを書いていますが、なぜ急いで売ったのかというとそれが理由です。もし自宅を持ったまま再びリーマンショックのようなことがあると我が家は非常に困ることになります。自宅は私にしてみると「ダボバブルの遺産」「不良債権」みたいなもので維持するだけでもかなりの経費が掛かり、これの処分が出来ないと「墓守」みたいな生活が続きますし(この7年がそうだった)、ましてやリーマンショックみたいなことが再び起きたら致命傷になりますから。

そもそもゴールドコーストを脱出しようと考えたのはオーストラリアの伸びに乗れずに取り残されたからで(笑)、なおかつリーマンショックで酷いことになりましたので、もう同じ思いはしたくありません。

ここでやっと身軽になることが出来てマレーシア行きが実現しますが、世界の将来に対する私の見方は変わることはなく、「いかに世界経済の破綻に対処するか」という考え方が基本にあります。身軽って本当に嬉しい事で、借金をして不動産投資をしたり仕事をしているわけでもなく、世界の(金融緩和による)バブルが崩壊しても、デフレになろうが経済が沈滞しようが直接的な被害は起きません。

ただ為替変動がどうなるかは心配の種で、世界に何かが起きると豪ドルは売られますし、豪ドル中心に持っている私としてはヘッジを考えざるを得ません。また収入の基本である債権も利回りが低くなると考えたほうがよくて、頑張って稼ぐしか無い。

ではもし世界恐慌が起きなかったら?

それは今まで通りで良いわけですから何の問題もないんですね。世界恐慌が起きるのが前提で空売り、ショートをするってことではありませんから。ただ、もし恐慌が起きた場合に困るような資産配分はしないように考えているだけです。

気分としてはかなり楽で、相場の短期売買は波乱こそが利益を伸ばせるチャンス。波乱時の相場は荒く動きますが、それは1週間~1ヶ月の中で見ると上だ下だと大きく動くということで、一寸先は闇。ところが一日の中の動きは一方通行になることが多いですから、そこだけ見ていれば面白いチャンスはいくらでもあることになります。

リンギットを持たないリスクを回避するためにリンギットの資産を多少は持とうとは思いますが、経済が混乱しても「買い」と「売り」で利益が出せるものに集中しようと思っています。つまり、不動産のように値下がりが始まるとどうにもならないような投資はしないということ。そういう意味ではヤシ農園投資とかREITとかも程々にしたほうが良いと考えています。

このブログの読者には株式投資をなさっている方も多いようですが、逃げるときにはうまく逃げないとならないのと同じ様に、「空売りするときには空売りする」ようにしないと、もしかしてまた再び長い下落相場になった場合、その中から「上がる株はどれか」を考えるのは馬鹿げていて、「空売りで利益を出せるスキル」を身に付けることは重要だと思います。あるいは相場ものには一切手を出さない。

この辺は為替をやっていた人、あるいは長い上昇を経験したことの無い若者は上手いんですね。相場は「買うもの」という固定観念は持っておらず、買いも売りも同じようにできる人が多いですから。でも問題は私達の世代です。相場といえば株式投資で、株式投資といえば「買うもの」と考えていて、なおかつ「長期で持つ」「優良株を持つ」という信仰に近いものを持っていますから。

ウォーレン・バフェットのような神様、天才に学ぼうと思う人も多いようですが、それって野球をはじめてイチローになろうと思うようなのと同じだと私は思っています。私ならウォーレン・バフェットの投資会社に投資する方向で考えますし、それが現実的ではないでしょうか。私は「ウォーレン・バフェットに学べ」というのは過去から長い間行われてきた「王道という名の洗脳」だと思うくらいです。またウォーレン・バフェット銘柄に投資をするなんてのは競馬の予想屋に耳を傾けるのと同じで、「相場での自立」には程遠い行為。

株というのは買う人ばかりで値が右肩上がりで上がっていれば株主も会社も世の中も皆がハッピーになれるわけで、「買って長期で持て」という教育が行われてきたんですね。なおかつ「株主の心構え」まで説く専門家も決して少なくなかった。株式市場が安定していないと世界のありとあらゆる企業は資金調達も出来ず、存在自体も危うくなるわけで、そのような教育が広く行われてきたんですね。

でもそれって言葉を変えれば「カモであり続けろ」ということでもある面を忘れてはならないと思います。ま、若い人はドライですからわかっていると思いますが、年寄りはその辺をよーく考えないと相場の世界では行きていけないと思います。

私がブログに相場のことを書き続けるのは、ちょっとした考え方を切り替えるだけで勝ち組に残るのは可能な世界で、それをどうにか伝えたいと思うからです。海外生活、早期退職、海外での子育てに関しても、基本は「金」であり「収入」であり、そこがどうにかなれば多くの問題点は解決するし、逆にそこに問題があれば「幸せは簡単に壊れる」わけで、私がブログで発信できること、発信すべきことは実はそこの点であると思っています。

頭を柔らかくして、固定観念を捨て、冷静に考えればブレイクスルーは見えてくるはずなんですね。でも私達に埋め込まれた宗教のような「投資の基本と呼ばれる嘘」を乗り越えるのは簡単ではない。

人の行く 裏に道あり 花の山

 
 
 

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