ダボ流小籠包の作り方【備忘録】

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前に、小籠包餃子を作ったと日記を書きましたが、それに頂戴したコメントを読んで、私が今までどう小籠包を作るか書いていなかったことに気が付きました。

ですのでちょっとまとめて置こうと思います。

小籠包はなんと言ってもあのジュワっと出てくるスープが命ですが(本当は皮の方が大事だと思うけれど・・)、どうやってあんなスープを小さな肉まんみたいな中に入れることが出来るのか?

これは簡単で「ゼラチンで固めたスープを餡に混ぜる」ことで出来るわけです。スープは水分ですがそれをゼラチンで固めてゼリー状にしてしまえば扱いは簡単になるということ。そうじゃなければ餡を皮で包めませんよね。

じゃ、そのスープはそもそもどう作るのか?ですが、私が調べた限りでは「豚の皮」を煮出します。これは豚の皮じゃないと駄目ってことじゃなくて、要は豚の皮に含まれているゼラチンが大量に出るからってことじゃないですかね。前に豚足からスープを取るレシピを見たことがありますが、豚足を煮たことがある人はちょっと・・って思いますよね。強烈な動物臭はない綺麗に掃除され、何度も茹でこぼしをした豚足でもやっぱり独特な味があると私は思います。

だから豚の皮を使うのが調度良いんじゃないですかね。豚スープのそこそこの味とたっぷりのゼラチンがでますから、それを肉まんの餡みたいなものに混ぜて作れば、蒸した熱でゼラチンが溶けて美味しいスープが出てくる。

この本式(?)の作り方がわかりやすい動画があります。私のだーーーい好きな女性がユーチューブで様々なレシピを出しています。素人ですが、なんとも上品で優しそうな女性。(笑)

でも作るのはなんでも結構本格的で押さえるところは押さえていると思っています。

豚の皮からスープを取って、それを煮詰めて冷蔵庫で冷やして、このようなゼラチンを作るわけです。

これを細かく刻んで、餡に混ぜて包む。餡の中にゼラチンの細かくしたものが見えますよね。

私も最初はこのようなレシピを真似して作っていたんですよ。まぁ面倒くさいなんてもんじゃないし、このゼラチンの細切れが曲者で、これがあるとうまく包めない。

包むときには左手で皮を持って(右利きの場合)、左手の親指で餡を中に押し込みながら包むじゃないですか。これは肉まんでも同じですが、この時にですね、ゼラチンがブヨンブヨンですからうまく押し込めないんですよ。で、いじくり回している内にゼラチンや餡が皮にくっつくとその部分は皮同士でくっつかなくなりますから、本当にイライラしてきます。そうこうしている内に温度も上がってくるとなんだかゼラチンも柔らかくなってきてますます包みづらくなる。

でも私はこの細切れのゼラチンをしっかり餡に練り込んではいけないと思っていたんですわ。理由は簡単で「練り込むものではないと信じていた」から。(笑)

ところがですね、ある時、上海の有名なお店の小籠包の作り方動画を見ていた時に、ゼラチンが完全に餡に練りこまれていたのを発見。その時の動画はどれだかわからなくなっていますが、このレシピでもそうです。わざわざ冷やしてゼラチンを作っていますが、その後、完全に餡と混ぜて練り込んでいます。ただしこのゼラチンは「鳥の脚」から作ったゼラチン。私だってそのぐらいの中国語はわかるのだ。<( ̄^ ̄)>エッヘン

この動画です。(ここにエンベッド出来ないのでクリックしてみてください)

なんだぁ、しっかり混ぜ込んじゃっても良いのか、なんて思ったわけです。(笑)

で、それからはしっかり餡に混ぜ込むようにしたのですが、これなら簡単に包める。ちょっと餡が柔らかい程度ですから。ただし、餡はしっかり冷蔵庫で冷やさないと柔らか過ぎるのね。しかし、これなら良いかと思っていたものの、やっぱり豚の皮からいちいちスープを取ってられるか~~~~、って思うわけですよ。鳥の脚だって同じで面倒くさい。

でも世の中にはゼラチンの粉とか板状のものがあるわけで、それを使えば良いんじゃね?と思うわけです。でもスープそのものには凝りたいですし、これが美味しくなかったら何のための小籠包かとお思うじゃないですか。だから鶏ガラスープストックを使ってみたり、豚肉で取ったスープを使ってみたり、そのうち、大好きなウェイパー(味覇)とかスープ出汁の素を使ってみたり手抜きも始まった。(笑)

結果としては、小籠包のスープの味を決めるのは、そのように別個に作ったスープが問題なのではないというのがわかってきたんです。結局ですね、「餡そのものがどういう味なのか」、全てはここに掛かっているんですね。ですからその後は、別個に作るスープはそこそこの味をつければ良いと思うようになったのです。私の場合は「干し椎茸の戻し汁」を使って、少量のオイスターソース、ウェイパー(味覇)でスープを作り、それにゼラチンを入れて固めていました。

ところがですねぇ、これだって面倒なわけですよ。そもそも小籠包って皮作りが難しいと私は思っていて、当然一々小麦粉を練って作るわけですよ。これだけでもウンザリするのにゼラチンまで作って・・・なんて考えると作る気が段々と失せちゃう。こんな面倒なことをするなら外で食べれば良いじゃんかって思いますよね。

ところが~~~~、ゴールドコーストには美味しい小籠包がない。小籠包という名の小さな肉まんを出す店はいくつかあります。皮が厚くてスープが入っていないとか。(笑)

やっぱり、自分で作るしか無い・・・(T_T) ってなるわけですよ。

でも手抜きもしたい。

ということである日、閃いたのが、「餡の水分を多くして、そこにゼラチンの粉を混ぜるだけ」という方法を思いつきました。これって極限の手抜きですが、はたして粉を混ぜるだけで大丈夫なのか。そこでネットを検索してお菓子用に使うゼラチンだったかなぁ、非常に溶けやすいという豚由来のゼラチンでフランス製のを日本で売っていたのでそれを取寄せて作ってみました。やってみてびっくり。全く違いがわからないんですよ。いや、グルメの人ならわかるのかもしれませんが、私には全くわからない。そして後に、なんてことは無い、スーパーで売っているゼラチンパウダーでも全く問題がないのがわかった。実験の順序がちがいますよねぇ。(笑)(きっと板状の昔からあるやつでも細かく切って入れれば大丈夫かもしれない)

じゃ、これで行くべとなったのが今の私の手抜き小籠包です。(^_^)v

ゼラチンを冷蔵庫で固めて、それを細かくして餡に混ぜて、それを包むのだと信じ込んでいる人は是非この動画を見てください。天下の「鼎泰豊」がどういう餡を使っているのか。

上に紹介した動画のように、「餡の中にゼラチンが見えるかどうか」を見てください。4分過ぎに餡が出てきます。

その画像はこれ。完全に混ぜ込んでありますよね。なおかつ餡が柔らかそうには見えない。これってかなり冷やしてあるんじゃないですかね。

で、私が思ったのは鼎泰豊もスープ+ゼラチンの粉を使っているかもしれない・・・ってこと。(笑)

ま、そんなことはどうでもよいのですが、こうやってしっかり混ぜ込んでしまうのなら、多目の水分、あるいは美味しいスープを足して、ゼラチンの粉を混ぜるだけでOKというのが私の結論です。

ただし、

◯ 餡は必ず冷蔵庫でキンキンに冷やしてから包む。
◯ ゼラチンは粉状で良質のものを使う。(スーパーで売っているゼラチンパウダーを今は使っています)
◯ 餡は練って練って練まくって、「必ず乳化させる」。

私が調理実験をするようになって、へーーと思ったのがこの「練り方」なんです。上に紹介した私の好きな女性のレシピですが、この女性は非常に上品で、餡を練るのもスパチュラーでちょっと混ぜるだけなんですね。この人はなんでもこんな感じなんですが、餡はしっかり混ぜて、プロは練って練って練りまくるのが普通なんですね。手とかボウルに白い膜(マヨネーズみたいな)が出来るまでしっかり混ぜる。

それと混ぜないと肉が水分をちゃんと吸い込まないのね。肉って凄くて、ほぼ自重と同じ重さの水分を吸い込むんですね。そもそもこれが柔らかさでありジューシーさに繋がる。

このプロはしっかり混ぜるってのは上の2番めに紹介した動画もそうですし、ほとんどのプロは同じ。上の鼎泰豊の餡も想像していたものとは随分違うでしょ?グジャグジャに練ってあるのがわかります。でも不思議なのは素人。オバちゃん料理人は「しつこく練ろ」という人も多いけれど、特に若い奥様のレシピだと、上の動画のように「ちょっと混ぜるだけ」というのが多い。これは日本のレシピも同じで、「混ぜ方、練り方」が重要だといういう人は非常に少ないのが面白いと思います。(ただしハンバーグは練りこまない)

この肉団子の餡の練り方を見て下さいよ。親の敵か?みたいに練る。プロってここまで練るんですね。ま、どれが正しいとかってことじゃなくて、練り方で仕上がりが違うのは間違いがなくて、自分の狙ったものが自分の作り方で出来るのかどうか。

これってソーセージも同じなんですよね。かなりしつこく練って乳化(エマルジョン)させる。それをしないとボソボソで「ハンバーグ」みたいなソーセージになる。またこれは温度も非常に大切で、ソーセージの場合は特に温度には気を使うのね。10度以下を保てというレシピも結構ある。

この感覚って素人にはない感覚だと私は思っていて、ソーセージの餡を動画レシピで見た時には「なんだこれ?」って思うことがよくありました。それこそ白っぽくてネットリした変な物体に見えるのね。(笑)

マクドナルドのチキンナゲットを作る動画を見たことあります?あれも気持ち悪いですよ。デロデロの白っぽいアンコみたいな。上の動画の練り上がりも気持ち悪い。(笑)

ソーセージはそうやって初めてプリっとした出来上がりになるんですが、私はそういうソーセージではなくてまさにボソボソしていて中に入っているいろいろなものが分かるようなのが好きです。イタリアンはそういうソーセージを結構作るようですが、ドイツ人のソーセージのレシピをみていると練りすぎで気持ちが悪くなるくらい(笑)。でもまさにウインナーがウインナーであるのはあの練り方が大事なんでしょうね。

とにかく「肉を練る」場合のキーワードはエマルジョン(乳化)であって、それをどうコントロールするかで全く違うものが出来る。面白いですね~~。

ま、そんなこんなでどんどんダボ流小籠包は手抜きになって行ったのですが、皮が大変なんですね。私は小籠包の一番大事なのはこの皮だと思っていて、極限まで薄く、そして絶対に破けないように包み蒸し上げるのは簡単ではない。マレーシアのマリオットホテルの上海の小籠包なんて芸術的だと思うくらいで、やっぱり作るならああいうのを作りたい。でも無理。(笑)

KLマリオットホテル上海の小籠包。多分これって普通の強力粉でも駄目で、ウィートスターチを足してしっかり練りこんで、生地を伸ばして指でつついても破けないで伸びるような生地にしないと駄目なのかなと思ったり。

ということで次の手抜きとしてやったのが、先日書いた「食べれば小籠包」です。皮は市販の「薄手のワンタンの皮」を使います。ま、満足度は決して高くありませんが、これはこれで料理として使えるんじゃないかと思っています。

小籠包を作った。激ウマ!大成功! | Dabo_gc

ま、そんなこんなで、ダボ流小籠包の作り方でした。

 
 
 

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