イポーの「もやしチキン(Tauge Ayam)」が美味しかった

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火曜日の朝9時頃に家を出ましてイポーのもやし&チキンの有名店「Lou Wong Tauge Ayam Kuetiau 老黄芽菜鸡沙河粉」に直行しました。

途中で休憩を入れましたので到着は11時半頃でしょうか。

ところが・・・・・

水曜日は休みなのか・・・。さてどうしよう。(T_T)

たしかすぐ隣、対面にもある「安记芽菜鸡沙河粉 Onn Kee Restaurant」が姉妹店とか聞いたような気がしますし、店名を見るとわかるように「XX芽菜鸡沙河粉」の部分が同じ。これって芽菜=タウげ=もやし、鸡沙=アヤム=鶏、河粉=クェチャオ=米平麺ですから、似たようなものを主にしているのは間違いがない。ということで隣の安记芽菜鸡沙河粉 Onn Kee Restaurantへ入りました。

満席ではなくて助かりました。席に座りますと注文を取りに来ますが言葉がまるでわからず。でも「Bean sprout & Chicken」と言いました所、わかったわかったという顔をしましたので大丈夫なんでしょう。

壁にあるメニューを発見。

クェチャオが店名にあるくらいですから、クェチャオと御飯(油飯)を注文。

ま、茹で鶏ですが、いい感じでした。美味しい。美味しい理由として「地鶏」であるってところがポイントじゃないですかね。痩せていてアスリートみたいでブロイラーみたいにブヨブヨしていないのね。だから茹で鶏にしてもベチャッとしない。味付けは、ま、よくあるちょい甘の醤油味。調理法としてはいつもこのブログに書いている「低温調理」なのは間違いがないと思います。真似しようと思って普通に茹でたり蒸しても絶対にこうはならないのね。ただ私の使う低温調理機みたいなものを使っているわけじゃないのは確か。(笑)

それともやしも美味しかった。

味付けは鶏と同じですが、炒め方がうまいんでしょうね~。シャキシャキしてていくらでも食べたい美味しさ。

この美味しさの理由はもちろん調理法が一番だとは思いますが、「特殊な【もやし】」にあるんでしょう。上の写真を見るとわかるように、

◯ 短い
◯ 太い
◯ 根が殆ど無い

これって「カイワレ、もやし」オタクの私に言わせると「奇形」でしかないのですが、もやしの理想的な形状だと思います。このもやしなら一般家庭でも美味しく作れそう。

ただこのもやしの美味しさを「イポーの水が美味しいから」とか紹介しているサイトがありましたが、私はそれはただの「観光の為のマーケティング手法に乗せられているだけ」でしかなくて、これは「人為的にこの形状に作っている」もやしだと断定します。その件に関してはまた別に詳しく書こうと思います。

そもそもイポーの水は良いと言いますが、また「石灰質の土壌を通ったおいしい水」みたいな紹介もみましたが、これも眉唾だと思いました。そりゃ他の地域、特にクアラルンプールの水に比べれば間違いなく綺麗なんでしょう。でもあの地域一帯が石灰岩だらけで、もしそこから湧き出る水だとすれば半端じゃない石灰質の量で、硬度も高いなんてもんじゃないでしょう。

それが健康に良いのか、料理に向いているのかと言えば、私は逆だと思うわけで、いかにも日本的な「富士山麓に湧き出るおいしい水」「清流のせせらぎに育つ山葵」みたいのを連想したらまるで違うと思いました。また地下水をどこでも使っているなんてことはないはずで、「イポーの水は美味しいから・・」というのは私は幻想だと思いました。(ただアルカリ性の水は料理に向いているはずだけれど、石灰が・・・)

そもそも「水が美味しい」と「料理も美味しい」って理屈はないはずなんです。でも確かにおいしい水が出るところでは美味しい清酒もできるし、水によって左右されることはある。お茶やコーヒーも水でかなり味が変わる。出汁も同じ。でも伏見の水は美味しいから伏見の料理は美味しいって言わないでしょう。大阪の水はまずいから美味しい店もない?そんなことは誰でも関係ないってわかっているのに、どこそこの水は美味しいからXXXが美味しいなんて言われると、なぜかその気になる。これってご当地宣伝の常套句なんですね。イポーは水が良いから美味しいものが多くて、水が良くない、それどころか汚い水道水しかでないクアラルンプールでは美味しいものはないのか。まるで関係ないじゃないですか。

あのイポーの特殊な奇形に育てたもやしも、なんだか水が良いとああいうもやしになるような気がしちゃうし、そう思うようにご当地紹介ではわざと仕掛けるんですね。あのもやしはエチレンガスを多めに使ってああいう形にしただけでしょう。99%間違いがないと思います。ちなみに日本でももやしを作るのにエチレンガスを使って、理想の形に育てるのが普通。でもイポーのもやしほどにはやらない。それだけのことだと思います。本来のもやしは「もやしっ子」と言われるように、もっとひょろひょろして根も長い。日本のもやしも本来の形とは随分違うんですね。でも業界そのものがエチレンガスで「見た目」「食感」を変えて「売れるもの」を作る。

ま、美味しければいいじゃないか。

まさにその通りで、水が良いからとか余計なこと、嘘や誇張を紹介する必要はないんですね。それをするから私みたいなのがいろいろ書くことになる。(笑)

それと近所の店を見て驚いたのが、中華料理の店がゴマンとありますが、殆どの店が同じメニューを持っているのね。そしてイポーの名物とされている、「エッグタルト」もありとあらゆる店に置いてある。あとで買うことになりますが「ソルトチキン」も同じ。

当初は「あるお店の出し物」が逸脱した美味しさで有名になったんでしょう。それをメディアも推しますから客が集中し大繁盛店となり、他の店も真似をするようになる。

さて、どこが一番美味しいのか。他に美味しいものはないのか。

そんなことが気になってきます。このもやしチキン、エッグタルトのはやり方を見ると、日本の観光地を連想するわけで、なおかつ「名物にうまいもの無し」みたいな格言も頭に浮かんできます。

おいしい料理が注目され、それを大々的に宣伝したら大当たりで、他の店も追従して、「イポーの名物となった」ってことなんでしょうが、あらためて考えてみますと有名なのは「鶏」「もやし」「エッグタルト」でしかありませんから、他の美味しいもの、美味しい店が逆に埋もれることになっているんじゃないかと気になります。混んでいる店が数店舗に集中していて、暇な店はガラガラでそれが大半。シャッターが降りたままの店も結構あるのが気になりました。

でも目指した店は休みでしたが、隣の(多分)姉妹店は十分に美味しかったので、それで良いんでしょう。でも他の店が気になります。他の料理も。

ああ、クェチャオですが、まぁまぁ美味しかった。でも私らが苦手なズブズブの柔らかさ。

文句ばかり言っているように感じたら私の書き方が悪いんでしょう。美味しいのには間違いがなくて、こんな店が家の近所にあったら蒸鶏大好きですから週に一度は行くだろうと思う。

時間があったら他の店もいろいろ行ってみたいです。イポーって中華のレベルが高いのかもしれない。それはそこに住む人達が長い長い年月をかけて作り上げたもののはずで、それを「水が美味しいから」なんてまとめちゃったら失礼だと私は思う。(笑)

店主 「うちの料理は美味しいでしょ~?」

客 「凄く美味しい。イポーの水が美味しいからですね~?」

店主 「あのね~、隣の暇な店も同じ水つかってるわよっ!!」

ってなもんでしょう。

 
 
 

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