「ビットコインの取引量が急減、人気低下の表れか-弱気相場入りも」というニュースがありました。
(Bloomberg) — 仮想通貨ビットコインは今年初めに急落し、最高値から約60%安となったが、同時に取引件数も急減少していた。
ニュースの中にもそれを示す画像が出ていますが、これに間違いはない。
他のチャートを見てもそれはすぐにわかる。
またニュース内にはこんなことも。
しかし説明がつきにくいのは、2月5日の安値から価格が50%上昇する中でも取引量が回復していないことだ。ビットコインの人気が低下しているのではないかと一部投資家が懸念する理由になっている。
これも事実だけれど、これから「ビットコインの人気が低下しているのではないか」と結びつけるのはおかしいんじゃないですかね。
ま、私はいつも書いているとおりビットコインが仮想通貨として使われるようにはならないと考えていますし、去年のあの暴騰はバブルとしか思いませんが、だからといって人気が低下しているとは思いません。
なぜか。
それはFXや先物の存在なんです。
そもそもビットコインにしても他のアルトコインにしても「現物を買う」しかなかったわけで、これに多くの金亡者が殺到した。でもその多くの人達は「価格の上昇」に一番の興味があるだけで「現物を持つことに価値を見いて出しているのではない」と私は思うんですよ。もちろん全部が全部じゃないしても「儲かるから買う」という人が多かったのは間違いがありませんから。
ということは現物を持つことそのものには大した意味がないわけで、FXだろうが先物だろうが「価値が上がれば儲かる」のは同じで、そしてFXや先物にはアドバンテージがある。
◯ レバレッジが効く。
◯ 手数料が安く、スプレッドが小さい。
◯ ヘッジが出来る。
◯ 下落局面でも利益が出せる。
先物は限月があるから「持ち続けることはできない」にしても、FXは期限なしですから、何ヶ月でも何年でも持ち続けられる。
「値上がり分を儲ける」という考え方が基本だとすれば、私は先物やFXに移行していくのは当たり前だと思うんですよ。
通貨で言えば例えば「これからはカナダドルが上がる」と世界中がフィーバーしたところで、「カナダドルそのもの」を買う人って限られているわけで、値上がり期待であるなら、FXや先物を買うのが普通ですよね。
あるいは「これからは金(ゴールド)だ」という話になっても、金塊を買う人って少ないんじゃない?先物、FX、あるいはファンド、ETFといろいろあるわけで「自分が現物を保有する必要はない」わけですから。
ビットコインだって全く同じで、「現物から先物、FXへ移行する人が増えた」のが現物の取引高が減っている理由かもしれない。
当然、ある時期、熱病にかかっていた人たちが冷静になってきたのも間違いがなくて、「ビットコイン投資はやめた」という人も多いはず。
でもここで「そうか、ビットコイン(や暗号通貨)はもうだめなのか」と思って、保有しているものを売りに出したり、「下落に賭けてショートする」なんてことはやめたほうが良いと思うんです。
将来的にどうなるかは私は全く考えないし予想もしませんが、「【現物の取引高が減った】からもう終わりだろう」なんてのはあまりにも短絡的じゃないですかね。
ただし、そもそも株式で言う空売りや先物のショートの「存在理由」ってのがあるわけで、値が高くなれば「空売りやショートが増える」わけで、当然、逆も同じで、それがあるから【値が安定する】という利点があるんですね。
だから「現物売買しか存在しない場合」は上げも下げも大きくなるのが、空売りのシステムや先物ものがあると動きは落ち着くのね。逆に現物を持っていないのに「大掛かりな売り仕掛け」が起きたり、レバレッジが効くから少ない資金で大きく売買できるから、なんらかの思惑を持つ人達が出てくる可能性はあるものの、一般論から言えば、「現物しか無い時よりかは値動きは緩慢となる」のが普通で、爆上げ、爆下げの動きは減る。
結構多くの方が今でもビットコイン(やアルトコイン)投資を考えているようですし、このブログの読者にも実際に売買している方、いまだにどうしようか考えている方がいらっしゃる(笑)ので今日はこんなことを書きましたが、
こんなニュースで値動きの方向性を考えるのは「飛んで火に入る夏の虫」かもしれない。
私がビットコイン等の投資を推奨しているわけではないのは読者の方はご存知だと思います。それどころかこういうもので一攫千金を狙うのはただのギャンブラーでしか無いし、投資やトレードを真剣に考えるのならばこういうものに心を奪われてはならないと思っているのはいつも書いているとおり。
単に他の金融商品と同じように値動きを追って利益を出そうという考え方は良いと思うのですが、「宝くじを当てたい」みたいな意識が自分の中にあるとそれがいつも「自分の足を引っ張る」ことになるのお忘れなきよう・・・。