一体どうしたんですかね。暴騰・暴落というより「クラッシュ」と言ったほうが良い動き。これほどの動きは近年見た覚えがありません。
米ドル・円の日足。
もっと短い足で見ても、この動きって異常。
一分足。日本時間の1月3日07:35の一分間だけでこれだけの動き。
一体何が起きたのか調べてみましたが、なんだかイマイチよくわからず。アップルがどうしたって?これでなるほどって思います?
この急激な動きは、ある時間帯を「故意に狙った」動きだと思います。上のニュースの中ではこう書かれている。「ニューヨーク市場での取引が終わり日本市場が休場となる中で、売買が【非常に薄く一方通行的な市場】になった」と。
つまり「世界のビッグプレイヤー」がいないときに、世界的にとんでもないことが起きたわけでもないのに、誰かが「仕掛けた」としか言いようがないんじゃないですかね。
ここで思うのは「日本人トレーダー」をターゲットとしたハゲタカ戦法。
上のニュースにも書かれていますが、昔から日本人トレーダーって「豪ドル・円」を好んでトレードするんですね。今はそうではないものの「かつての豪ドルの金利が高い時代」は「豪ドルを買って放置する」だけで「スワップ」という金利が受け取れた。だから「豪ドルを買う日本人トレーダー」が多かったのね。
そういう日本人を「ミセス・ワタナベ」と揶揄して、彼らをターゲットとしてカモる行動が見られることがありました。
今回もそれじゃないかなぁ。
豪ドル・円の日足を見てみましょう。
NY市場は閉まっていて、東京市場も空いていない。それも正月の3日。市場は閑散としているのにそんな時間帯にトレードを頑張る日本人トレーダーなんていないに等しいでしょう。
でも豪ドルを買っていた場合、「損切り注文を入れておく」のが普通。その値になったら「成り行きで売る」という注文です。そうでなければ底なし沼にはまりますから。
そしてもしその注文が入っていないにしろ、多くのトレーダーはレバレッジを掛けてトレードしている(要は借金と同じ)から、ある程度の値になると「証拠金が不足」して「強制的に売られる」ことが起きる。
まさに今回の動きはそれで、これだけ大きく動いたらかなりの多くのトレーダーが「証拠金不足」になって「強制的に売られたはず」。
損切り注文を入れていたとしても、また強制的に売られたにしろ、一気に、しかも大量に売り浴びせられたら市場は売り一色で「なかなか値がつかない」ことが起きる。つまりまさかの値でも「約定するまで下がり続ける」わけです。
大勢がパニックになって売るでしょうし、上に書いたように「自動的」に売られるわけですから、値はどんどん下る。
そしてあるところを見計らって「刈り取る」わけです。
NY市場は閉まっている。東京市場は休み。東京時間の朝の7時半。狙うには最高の時間帯じゃないですかね。取引が閑散としているから、小さな資金で大きく動かせる。
でも逆に、正月早々、とんでもなく大きな「お年玉」をもらった人たちも多いんじゃないでしょうか。
もう一度、米ドル・円の日足を見てください。すでに下げトレンドに入っているところでの急落ですよね。
豪ドルの下げが半端じゃない。つまり今回の下げは主に豪ドルを売り浴びせたんじゃないですかね。(しかし去年、豪ドル主体だった金融資産をすべて米ドルに替えたのは大正解でした。もしそれをしていなかったら正月早々寝込んでいたかもしれない 笑)
豪ドル・米ドルの日足。
だから真面目な(?)トレーダーなら、ここで「買い玉はない」のが普通で、積極的に「ドル売り・円買い」をするのがセオリー通り。そんな人達はまさかのお年玉をもらったことになります。
これからも「逆張りはしないほうが良い」というのがおわかりになるんじゃないですかね。そしてトレンドをしっかり見て、「トレンドと逆の行動はしない」ということ。これは「トレンドと逆の建玉を持ってはいけない」という意味でもあるわけです。
それを守っていた人たちは、今回の動きは「対岸の火事」でしかなかったはず。
先月ですが、「日経225はどうでしょう?」という質問を受けました。日経225が大きく下げている時の話です。私はその時に、「そもそも、今の時点で株を持っている方がおかしい」としか答えようがありませんでした。
「長期投資だから、長期で持つのだ。上がっても下がってもジタバタしない」というのも一つの考え方だと思いますが、それって自己満足、孤高の人としか言いようがないと思うんですよ。でも大手の機関投資家、大企業はそうやっているじゃないかと思うかもしれませんが、彼らは「長期投資しかできない」んですよ。短期間に莫大な資金を動かしたら、それだけで値は上下に動いてしまうんですから。また彼らはヘッジをしたり先物やオプションを使ってやりくりするんですね。「大手の真似をするのも良いけれど、大事なところは真似しない」のが一般的な投資家じゃないですかね。
またスワップ狙いの長期投資は「値上がり(値下がり)で利益を出すのではなくて、スワップ(金利)をもらって稼ぐのだ」なんて考えていると、トレンドを無視しがちだし、安くなると「もっと買い足そうか」と考えてしまう。つまり「トレンドを無視して、でも逆張りはする」という非常に危険なことをしてしまうのね。
これも「儲けたい」という思いが強い人に良くある傾向。やっぱり、たとえ「スワップ狙い」だとしてもトレンドが下を向いたら「一時撤退」を考えないと駄目ですよね。
正月の3日の朝からFXのデイトレをしているひとがどれだけいるかわかりませんが、そのトレーダーはびっくりするほど利益がでたでしょうね。
5分足でも、「完全な下げトレンド」に入っていて、普通なら(米ドルを)ショートする(売る)でしょう。買いから入るトレーダーはかなりのへそ曲がりか、ド素人かギャンブラーか。
5分足。この動きを見ると、仕掛けたハゲタカ連中は、最初チョロチョロ売ってみて、「買い勢力の様子を伺っていた」のが見えるようです。そして強力な買い手が出てこないのを確かめて、一気に攻撃を仕掛けたんじゃないですかね。そんなストーリーが見えるような気がします。また日足でも円高トレンドだったわけですが、もしも円安トレンドだとしたら、ここで仕掛けて来なかったかもしれませんね。
売っているトレーダーは「利益が出てきた・・」と思った瞬間、とんでもない大きさのお年玉だからびっくりしたでしょうね。
でも「そろそろ(米ドルが)上がるだろう」なんて逆張りをしてドルを買って入った人は「即死」に近いんじゃないですかね。大損したのは間違いがないはず。今頃、頭をかきむしって自分を罵倒しているはず。かなりの安値で強制売買させられて、そしてその後、値は半分ぐらい戻ったわけですから、どうにもやりきれないでしょう。まさか自殺者が出ないと良いのですが、市場が大きく動く時って、一攫千金になった人と、その逆もいて、死を選ぶ人は決して少なくないかもしれません。値が元に戻ったところで、自分の建玉は安いところで自動的に強制売買されて大きな損失をだしたとしたら、それを証券会社に払わないとなりませんし、額によっては・・・・。
前にも書きましたが、株でもなんでも同じで、「安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)」のが利益を出す方法ですが、これを間違えて覚えると「逆張りをしてしまう」んですね。安くなったんだから買いだと単純に考えてしまう人はかなり多い。でも市場は非情で「トレンドが示す方向にもっと大きく動く」ことがあるわけです。ギャンブル好きな人はこれをやる傾向が非常に強いんですね。当たるとこれほど気持ちの良いことはありませんから。でも逆張りを続けていると「いつかは退場することになる」と私は断言します。
では一切逆張りは駄目なのかというと決してそういうことではないのですが、下手くそがそんなことを考えても駄目なわけですよ。だから「逆張りはしない」と決めたほうが私はうまくいくと思うし、「逆張りをうまくなりたい」なんてのは「イチローみたいになりたい・・・」というのと似ていると思います。
でも「安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)」ことは間違いないわけで、これに「トレンドに沿って」というのを付け加えて考えればそれでOKなんですね。つまり買いだとすれば、「上げトレンドの中で【安く買って高く売る」ということ。
相場の格言に「安い時には叩き売れ、高い時には買い上がれ」というのがあるくらい。それだけ「トレンドは重要」だということ。
買い時、売り時もトレンドが一番大事ですが、「トレンドが下がっているときに【買い玉を持っている】」というのも駄目だということです。
要はそれだけ「長期投資は難しい」わけで、それなのになぜか「短期投資は難しい」と信じている人は非常に多い。これって業界の人達に刷り込まれた「間違えた印象」だと私は思っていて、この業界ってのは「常に新しいカモがお金を持って参入してくる」ように皆で動くわけですよ。証券会社も同じ、評論家やアナリストも同じだと思ったほうが良いくらい。
「負ける人がいないと、勝てる人もいない」ってことに気がつくべきですね。だから新しく入ってくる人には負けてもらわないとその業界の人間としては困るわけですよ。
これはトレーダーも同じと言って良いかもしれない。「あいつバカだなぁ。飛んで火に入る夏の虫」なんて思いながらニヤニヤしているトレーダーって結構多いのかもしれない。
ここに気がつくだけで、自分の投資方法も変わってくるんじゃないですかね。
しかし、今回のドルの急落(円高)で、海外の日経225も急落しましたが、今はもとに戻っている。為替の方はどうなるんでしょうねぇ。