世界の株式市場ですが凄いことになっていますね。私には【異常】としか思えず。
株式市場の上げ方が凄い
特に凄いのがアメリカのナスダック。なんと「史上最高値」に並んできた。
見やすいように「平均足」を掛けます。ナスダック先物の日足。
NYダウの日足。
そして日経225の日足。NYダウより戻りが大きい。
マレーシアのKLSEの上げも半端じゃない。
なぜこんなに上がる?
世界的な株高ですが、なぜこんなことになるんですかね。
ネットで解説を見ても「【V字回復】期待を織り込んだ世界株高」としか書いていない。
株価の現在値を見ると、もうすでに「コロナが大騒ぎになる【前の時点】」まで戻ってる。ナスダックは「コロナ以前の史上最高値」の位置。
巷で昔からよく言われることは「市場は半年先を読んでいる」ってこと。
半年先には世界経済は元に戻っちゃうんですかね。
ただ「コロナが沈静化」すれば、【急激な需要増】が各業界で起きて経済活動が活発になるであろうことは想像できる。大震災のようにインフラが破壊されたわけでもないんですから。
でも多くの企業も個人も【借金が増えている】【資産は減っている】のは間違いがないはずで、それは「コロナ以前の経済状況に戻ったところで【改善しない】」んじゃないですかね。ただし、コロナ対策で【スリムになった企業】がその状態で売上が上がるのなら収益率も良くなるんだろうとは思うけれど、それでコロナ以前のような活動を維持できるのかどうか。また企業がスリムになったままで【利益を出しやすい体質】になったとすれば、「働く人達」にそのしわ寄せは行くわけで、経済全体が元に戻るわけじゃないんじゃない?また「下請け」も同様じゃないかと。
私の頭では「今の株式市場の上げは全く理解できず」ということ。困りましたねぇ。
ファンダメンタルズを重視する人たちは、今の状態をどう説明するんだろうか。
「心理」でさえもファンダメンタルズだとするのならわかるんですよ。「すぐに元に戻るだろう」ではなくて「早く元に戻って欲しい」「コロナのことは早く忘れたい」みたいな心理はすべての人が持っているはずだから。株式市場も「早く回復して欲しい」から「回復するはずだ」と人の心理はエスカレートするはずだから。
そして「以前でも金余り」だったのにプラスされて「各国はお金をばらまいている」のは間違いがなくて、【お金の行き場がない】ということじゃないんですかね。私は多分これが【株価上昇の最大の要因】だろうとは思っているんですが・・。
今の株式市場の上げで喜んでいる人たちも少なくないけれど、これって「デフレで物価が下がって喜ぶのと似ている」と思うんですよ。
デフレって消費者からすれば「その時は嬉しい」ですよね。物もサービスも値下がりして「持っているお金の価値が上がる」わけですから。だから日本でも「デフレで大騒ぎ」している中でも年金生活者は心のなかではニタニタしていたはず。これは私もそうで、年金生活者ではないものの「収入が減らない状態」であれば、物やサービスの価格が下がるのは嬉しいに決まってる。
でもデフレが怖いのは、それが回り回って【いつか自分の収入も減る】ってことですよね。
今の株式の上げもそれに似たようなものを私は感じます。これで「安心」している人、「喜んでいる人」の思いが果たしていつまで持つのかが疑問。
いつまで続くのか?
各国が経済を支えるために様々な対策を出していて、それは実際に効くんでしょう。借金が簡単になったり、無利子の借金も出来るようになったり。あるいは(返さないで良い)補填もなくはない。
でも借金って借金なわけで、コロナの後の【New Standard】で企業も人も生活パターンも変わるであろうし、元の「売上」「収益」を確保するって簡単じゃないはずで、なおかつ「借金が増え」「内部留保、資産も減る」状態で【これからどうやって生き延びるか】に必死な状態で「早く元に戻れば良い」「V字回復するだろう」なんて生易しい話じゃないんじゃないですかね。そして「消費を支える消費者」も影響を受けているわけで、失業、収入の減りはどうなるのかもわからない。
ましてや日本の場合は、311東日本大震災と同じで、政府が出したお金を回収するために「コロナ増税」の声がもうすでに出始めているというとんでもない状況。
一般的な心情として「前を向いて頑張ってやるしか無い」のはそのとおりだと思うけれど、株式市場もそれと同じで「株を買い上がる」っておかしくないか?特定の銘柄が上がるのはわかりますが、「平均」がこれほど上がるのは全く理解の外。
ま、私としては株式投資はこの20年やってこなかったものの、今回のコロナでは「市場回復時の【上げ】には乗ろう」とスケベ根性を出し、それなりに調べたものの「みんな考えることは同じ」でなかなかチャンスも見つけられず、結局は【株への投資は見送り】となりました。だからこそ今の上げに【嫉妬】している気持ちは間違いなくある。
でも逆に「大きく下落した時」に【必ずこれはすぐに戻る】なんて読みがあったとすれば目をつぶって買い向うことも出来たのか。コロナ騒ぎの最初の暴落時には「これは人災ですぐに回復する可能性がある」なんて思ったし、そんなこともブログに書きましたが、実際には手がでなかった。それをしたらギャンブルでしか無いと思ったから。
では手を出すべきだったのだろうか、と今になって思うわけですが・・・。
そもそも「株式投資」は何を基準に考えるべきなのか?
結果論としては「買って正解」になるわけですが、株式投資を「長期投資の視点で見る」場合、チャート分析は「タイミングを見るだけ」であって、基本的な「投資するべきか否か」は【ファンダメンタルズ】で見るわけですよね。
私はファンダメンタルズ分析が得意ではないから「長期投資はしない」わけだけど、でも(上がってからの)専門家による「後講釈」を聞くと【なるほどねぇ】なんてことがある。でも今回の上げに関しては全く理解できないんですよ。「V字回復の【期待】」で株価がこれだけ大きく動くとしたら、こんな危ない投資は無いと私は思うわけです。
【期待で上がってる】なんて聞いてもなるほど~~なんて全く思わない。この世界的な株式市場の上げは、私にとっては「異常」としか思えない。
でもファンダメンタルズを無視する投資基本があるとするなら、今回の上げ相場には乗れたはず。
上がる(下がる)理由は「投資家の心理だけ」であって、その心理の元となる「ファンダメンタルズは【キッカケ】でしかない」という考え方ですから。つまり「(たとえば)良い会社だから値上がりする」わけじゃなくて「値上がりすると思う投資家が【多いか少ないか】だけが問題」なんですね。
チャート分析の基本って私はそれだと思っていて、「相場の動く方向性と力」だけを見ます。そしてそれだけが「真実」だという考え方。
だからもし、チャート分析だけで「株式の長期投資をするトレーダー」がいたとすれば、今回の上げ相場には乗れたはず。
じゃ逆に、ファンダメンタルズ分析を投資の基本とするトレーダーは、どう読んでいたのか。そして今回の上げを「どう読むのか」が私にはさっぱりわからない。投資はギャンブルと違うわけで、正当な理由のない売買ってただの気まぐれでしか無くて、それはチャートアナリストもファンダメンタリストも同じだと思うんですよ。
「上がっているから買う」のはチャート分析からいうと大正解なんだけれど、そういうトレーダーが今の世界的な株高の原動力になるなんてこともありえない。
不思議だ・・・。
でも私は「手が出なかった自分」はそれで良かったと思うんです。ファンダメンタルズをしっかり考えて投資しようと思っていたわけで、まさか【市場参加者の期待をどう読むか】なんてのはギャンブルでしか無いと思うから。
ただ「長期投資もチャート分析を基本とする」と考えていたとしたら【逃した魚は大きい】ということになる。
さてさて、長期投資って一体何を基本に考えれば良いんでしょうか。ここが私にはよくわからない、ということを再確認させられた今の市場の動き。
やっぱり私は「チャート分析」「短期売買」が良いと思う
ここでこのブログの古くからの常連さんは、私が何を考えているか気がついているはず。
「トレードは【チャート分析を元にした】【短期売買】をするしかない」
ってこと。
長期投資というのは「将来を読む投資」。短期売買は「現在を読む投資」。
私は「将来は【神の領域】」だと思っているんですよ。これを「想像」「予想」「期待」「夢見る」のは勝手。でも何が起きるのかは【絶対に誰にもわからない】のね。
でも短期売買は「誰にでもわかる【今】を基本とする」のね。つまりチャートから読み取れる【今の方向と力】だけを重視する。そして投資を決断する。もちろんその後どうなるかは誰にも絶対にわからないけれど、「物理の法則に任せる」と言うべきかもしれない。
例えばボールを投げる。ボールは必ず「放物線を描いて飛ぶ」わけで、「着地地点を予想する」るのは難しくない。あるいはボールは着地してからバウンドを繰り返すわけで、それが突然、違う方向へ飛んだりすることはありえない。「今の方向と力は【持続する】」というのが基本中の基本。
株価もそしてそれを動かす人間の心理も「今の方向と力は【持続する】」という考え方。
だからトレンドは非常に大事なわけで、これを無視できない。
でも人の心もいつか変わるのと同じで「トレンドは長続きしない」という事も起きる。でもトレンドが【瞬間的に変わることは起こり得ない】のも物理の法則と同じ。
「将来のことは誰にもわからない」にしても、「今を見て投資する」のがチャート分析だと思うんです。
そしてデイトレがなぜ面白いのかというと、「ファンダメンタルズを一切無視しても構わない」と言ってもよい動きをするから。
株でも先物でも商品でも「常に価格は変動する」わけですが、その理由は?だれでも考えることは「ファンダメンタルズが変化したから」じゃないですか?
こういう長い期間のチャートを見ると、「ここはリーマンショック」「これはFBRが利下げを決めた時」「ギリシャが破綻した時」「テロが起きた」「大震災が起きた」とそれぞれ【理由がある】と誰しもが思う。
ところがですね、このチャートは「ナスダックのある日の8時間の値動き」なんですよ。
8時間の間に「世の中にどんな変化が起きる」のでしょうか。私は「ファンダメンタルズに何の変化もない」と考えます。(というか、このチャートの時間にはファンダメンタルズの大きな変化は起きていない)
世の中は「平穏」で「何も変わったことは起きていない」にも関わらず、値はこれだけ変化する。不思議だと思いませんか?
ファンダメンタルズに変化はない。でも「人の心理は変化する」からじゃないでしょうか。
私はこれこそが「なぜ相場は動くのか」を表している真理だと思うんですよ。
そしてそれはデイトレじゃなくても中長期でも同じことだと。
なおかつ「人の心理」は「ファンダメンタルズの変化に大きな影響を受ける」し、人の心理もファンダメンタルズも【常に変化する】のは間違いがない。
長期投資が難しいのは当たり前
長期投資って、その「変化の波」をいくつもいくつも乗り越えて行くわけで、一体、いつ、どんな風になるのかを【予想することは非常に難しい】と私は思うわけです。そして「タイミングが大事」なわけですが、その「ここぞという時がいつくるのかもわからない」わけで、一度、「30年ぐらいのスパンでチャートを見る」ことをしてみたら良いと思うんですよ。それをすると「そうか、ここで買えば良いのか」なんてことを思うはずだけれど、それが30年の中でどれほどの頻度で起きるか。これは「売り時」も同じだし「何もしないほうが良い時期」も同じ。
やっぱり「一年以内に勝負がつくようにしないと駄目だろうな」なんてことを誰しもが思うはずだけれど、では次に「1年のチャート」をじっくり見てくださいよ。どこにどれだけチャンスがあります?チャンスが来なければ、投資金を抱えたまま「何ヶ月も待つ」ことをしないとならないし、そのチャンスが来るかどうかもわからない。【だから見切り発車をして負ける】のであろうことも見えてきませんか?
実はこれはデイトレでも同じで、多くのトレーダーとこのブログを通してやり取りしていて良くわかりました。デイトレって上に出したナスダックのチャートの様にチャンスは上げでも下げでもいくらでもあるのがわかりますよね。ところがその中でも「待てないトレーダー」って多いんですよ。「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」と勘違いしている人はかなり多いのね。でも「良いチャートを使って」「良いタイミングがわかる手法」ならそれでも勝てると思ってしまう。そしてそれを手に入れようと血眼になってネットの中を探す。そういう人がこのブログにも多く集まって来たのが10年もやっているとよく分かるんですよ。
でも大事なことはそこにはない、というのがわからないのね。
「良いチャートを使って」「良いタイミングがわかる手法」を探すのが無意味だと言うんじゃないんです。でも使いこなすのは簡単ではないわけで、大事なのは「自分でもわかること、できることをする」ということと、「そのチャンスが来るまで延々待つ」ことをしないと勝てないわけですよ。ギャンブルなら好きにやればいいですが。
例えばゴルゴ13を考えてください。彼が使う銃は「彼が信頼を置く銃」であるのは間違いがないし、「チャンスは一度だけ」「撃てる弾は3発」だとしましょうよ。あるいは「狙撃兵」をイメージするのも良いと思います。彼らは任務遂行のためにじっと待ち続ける。
私はトレードも同じだと思うんですよ。
でもこれもまた「性格」に依存するんでしょうね。銃を構えて突撃するのが好きな人もいる。
トレードのやり方って本当に人それぞれで、市場参加者の全てが違うと言っても良いはず。でもその中で勝ち残るのは誰か。なぜ勝ち残るのか。
そこをとことん考えるのが大事で、それなくして「どんな投資対象」を「どうやって選ぶのか」を考えても全く意味がないんじゃないですかね。逆に生き延びる術に気がつけば、どんな対象をどう選ぼうと勝てるのかもしれない。好きな対象を選べばその確率も上がる。
答えは一つではないけれど、私にとっての長期投資ってあまりにも難しすぎるというのが、今回の世界の株式市場の上げを見ていてわかること。
今回のコロナ騒ぎで、世界市場がどういう反応をするのか自分なりにいろいろ考えて来たけれど、今のようなことになるなんて全く想像することさえ出来なかった。
こんな程度の頭しかなくて株式の長期投資なんて絶対に無理。(笑)
逆に、やっぱり自分には「チャート分析しかない」のがわかったし、もし長期投資をするにしても「チャート分析を基本とする」べきなのがわかった。ファンダメンタルズ分析は「私には不可能」。
日本株に投資をするという前提で日経225の推移を見てみてもいろいろ悩むんですよ。それこそ次から次へとマイナス要因が頭に浮かぶし、そしてそのどれに重きを置くかで見方も変わってくる。また私が一番気になる経済指標としての「失業率」がどうなるかは全くの未知数だし、今の時点で「コロナ増税が必要だ」という声まで聞こえてくる。そんなことをいくら考えて想像し、データを集めて詳しく調べようとしても「自分には全く読めない、ということがわかるだけ」なのね。
ところが、これを日経225の日足チャートだと思わずに、何かの先物でもFXでも何でも良いけれど、それの1分足だとして仮定して見てみる。
どこでどうトレードするべきかかなり具体的なものが見えてきませんか?
短期で「一つの波動だけ取ろう」とデイトレ的な考え方をするといろいろ見えてくる。
いやいやこんな動きだったら先物だろうがFXだろうがデイトレは無理だと思うとしたら、多分、勝てるものって無いかもしれない。
結局、長期投資で「長期に持つ」「ファンダメンタルズが重要」とかの前提があるから見えるものも見えなくなるんじゃないですかね。ましてや長期で寝かせる場合は「投入額」も大きくなるし、失敗した時のダメージが大きいのは当たり前で、その不安を持ちながら、最初からビビりながら見てしまうということが起きる。
でもデイトレと同じ様に、「短期間の【一つの波】で勝負をつける」「勝っても負けてもせいぜい10万円」「出撃チャンスはいくらでもある」という【気軽な考え方】でチャートを見ると、全く違う世界が見えてくるはず。
きっと長期投資も「それの延長」として考えるべきで、最初から「大きなお金」を「何年間も寝かして」「利回りの良い銘柄を探す」なんて【青い鳥】を探そうとするところにそもそもの間違いがあるんでしょう。
こんなことがうまくいくはずがないのに、「コロナの暴落で買うチャンスが来た」「資産運用での利回りが下がりつつあるから困っている」「投資先が決まらないキャッシュが寝たまま」なんていう自分の事情が根底にあって「沸々と湧き上がってくる【欲望】に気が付かない」なんてことが起きる。で、こういう「欲望や恐怖」があるからトレードで失敗するのだと信じている自分でも「欲望と恐怖の罠」に引っかかるのね。
19歳の時に初めて株を買い、その後、離れたり戻ったり、株はやめて先物やオプションをやるようになり、そしてデイトレへと変わっていった。そして昼間の仕事は整理して専業トレーダーに。その後は(金利生活みたいな)資産運用で生活。ところが低金利時代になり資産運用も難しくなり、もう一花咲かせようとデイトレーダーに復帰。どうせなら税金が高いゴールドコーストではなくて税金も生活費も安いマレーシアの方が有利だと2016年に拠点を変更。そして今に至るわけだけれど、一般論として何が良くて何が駄目なのかは私にはわからないものの、少なくとも自分にとっては「これがベストの投資法」というのはわかる。でもそれでも「いろいろ試したい気持ち」は無くならず、あれやこれやと自分の理想の姿を求めてやってきたけれど、今年、67歳。そして今回のコロナ騒ぎがあったお陰で大事なことに気がついた。
「余計なことは考えず、自分にできることやるべきことを突き詰めること」
これを理解するのに随分、月日がかかりましたわ。(笑)
でも「欲望と恐怖」はトレードの大敵だけれど、自分がそれに囚われてしまっても気が付かないのね。そして同じことはまた将来もきっと起きる。困ったもんだ。