自分にとって「持つべき通貨」とは何か? 住むべき国は?

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自分にとって持つべき通貨とは何か?

こういう風に考える人ってどれだけいるんでしょうか。もし日本に住み、海外に出ることを全く考えていなければ「持つべき通貨」を考えないのが普通でしょう。では海外に住んだ場合、その国の通貨を持つべきなのか。

これはケースバイケースであるし、収入はどの通貨で得ているのか、資産の多くはどの通貨で持っているのかが大きく影響しますが、私は何度も書いているように、【住みたい場所があるのは人もお金も同じである】という考え方を持っていて、それが「同じ国である必要はない」のね。

例えば私達が「フィリピンが良いねぇ」と思ってフィリピンに渡る。当然、マレーシアも同じなわけですが、その時に「どの通貨を持つべき」なんですかね。

こういう時に、「日本人だし、今まで日本に住んでいたし、資産は日本円だし、収入も日本円」だとしたら、【自分が持つべき通貨とは日本円】ということに疑問を持たないのかもしれない。ただ「生活する現地の通貨を持つのも必要」なのは当たり前ですが、では「資産全てを現地通貨に替えるのかどうか」に関してはどうでしょう。

こういう人も間違いなくいるし、私みたいに「現地通貨は必要最低限しか持たない」人もいる。また「現地に投資したり資産運用をする」人もいれば、「それはない」と考える人もいる(私はそのタイプ)。

結局、【どの通貨を持てば有利なのか】ということで、ひとそれぞれ考え方が違うってことですが、私は「そもそもどの通貨を持つべきかを真剣に考える人は少ない」と思っているんですよ。

いやいや、「通貨をいくつかに分けて持っている。分散だよ分散」という人もいるんでしょう。そしてこれは「ポートフォリオの考え方」が広がっていますから、【分散しておけば安心】という【宗教に近い、もしかしたら危険思想かもしれない】と考える必要があると思っています。

分散しているということは、そもそも「持つべき通貨を決めるべきではない」という考え方のはず。

「分散すれば安心」なのは通貨だけじゃなくて、「現金、株式、不動産など」に【分散することが重要】と信じる、新興宗教だと私は思うのね。

まず「分散が必要だ」というのは何のためかと言えば、【リスクヘッジ】ですよね。

つまり「分散が重要なのではなくて、リスクヘッジが何よりも重要」なのは間違いがないじゃないですか。では【他にリスクヘッジの方法は無いのか】、ここを考える必要があると私は思っていて、【分散すれば良い】というのは「思考停止状態」「宗教にハマっている状態」だとしか思えないのね。

そもそも「分散投資」って簡単には行かない。そして「リスクを分散させる」ということは、【リスクを積極的に取りに行かない】ことを意味していて、私にしてみれば、そんな気楽な考え方で成長ができるんですか?と聞きたい。

私の信条は「リスクのないところに利益もない」ということ。

自分がサラリーマンであるとか、中心になる大きな収入源がある、資産保全が中心にある場合は、【じゃぁ、資産も通貨も分散しましょうかね】と考えるのはわかる。

でも自分で仕事を始める場合、また今よりも成長したいと考える時に、「いろいろ手を出すのが良い」と考えますかね?

これって将来のために勉強するのも同じで、「大学は経済学部、商学部、法学部、理工学部、医学部の全てを学びます」と考える人がいるんだろうか?

私はやっぱり【選択と集中】が大事だと思っていて、あちこちに手を出すのは不可能だし、それこそがリスクを増大させることにも繋がるという考え方を持っています。思いつくことになんでも手を出しても、「どれか当たる」なんてことは非常に稀であるというのが私が人生で学んだこと。

でも何をしても【リスクは常にある】わけで、それに対処しないことはありえないけれど、対処方法が「分散である」っておかしいと思うわけです。

ピンと来ない人もいると思いますが、例えば「蕎麦屋を始める」としましょう。自分の蕎麦には自信があるからそれで勝負をしようという人は多い。でも蕎麦だけって変だよねぇと誰しもが思うわけで、「うどんも扱おうか」「丼ものも売ろう」「トンカツもあったほうが良いよね」と考える。

飲み屋も同じで、うちは生ビールだけでやっていこうなんていう飲み屋で大丈夫かと思うわけで、扱う商品種を増やすのは「リスクヘッジ」だと言える。

でも飲み屋だけじゃなくて、洋服店もやろう、スマホの販売もやろう、ITの開発もやろうと考えるのは「分散ではない」と思うわけです。

私はちまたの分散投資の考え方にもそれと同じものを感じるのね。

キャッシュ、定期預金、株式、不動産、金(ゴールド)、知人の飲食店に投資とか、それって飲み屋が飲食店もやろうIT開発もやろうというのと【全く同じ】だとしか思えない。そもそもそれぞれの投資の何を自分は知っているのか。ここが問題で、分散すれば良いなんて、馬鹿げていると思いませんかね。下手な投資を広げても意味がないじゃないですか。

「素人でも分散したら何か良いことが起きる」なんてことはありえない。

通貨の話に戻って、「たとえば円、米ドル、マレーシアリンギット」に分散して持っていれば安心かもしれないけれど、それって【守りの発想】であって、成長を意識した分散には思えないわけです。

ま、お金持ちや、大きな決まった収入がある人達は、その収入を分散した資産として持たないと危ないと考えるのはよーくわかります。

でもそれは「成長戦略にはなり得ない」わけで、成長志向の人には合わないと思う。

円とドルを半分ずつ持っても、それは「その時の交換比率を固定した」だけで、利益も出なければ損も出ない状態が本当に良いのかどうか。ポートフォリオをしっかり組むのは重要だと思いますが、リスクを分散しすぎると「何の妙味もない」のが普通じゃないですかね。でも一極集中で全振りするのは自殺行為かもしれない。そしてそれは「自分は日本人だから日本円を持つのが当たり前」という考え方もそれと同じ。

「成長するよりリスク回避だ」と考える人も多いのがわかりますが、上にも書いたように「リスクヘッジが重要」であるとしても【その答えは分散しか無い】という信じ込みは駄目じゃないかと私は考えているわけです。

要は【分散も含めたヘッジの手段をいくつか持つ】のが何よりも重要で、それなくして成長はないという考え方です(分散を否定しているわけじゃない)。つまり普通、成長を考えた時には【選択と集中】を誰でもやるわけですが、これは分散とは真逆のことですし、しかし【リスクヘッジのない選択と集中】だとしたら、それって「決死の突撃隊」と同じ、「当たって砕けろ」と同じで、それが良いとは思えない。

でも他にリスクヘッジの方法を知っていれば、「選択と集中」も出来るし、「突撃」も可能となるし、まさに経済戦争の中では皆、それをやっているんじゃないですかね。本物の戦争も同じ。【選択と集中をしないと勝てない】「分散をしたら勝てない」【でもリスクヘッジ方法がなければ自殺行為となる】んじゃないですかね。ウクライナ戦争を見ていてもそう思う。

つまりですね、何よりも大事なのはリスクヘッジ技術かもしれない」という発想が重要なのではないかってことなんですよ。

言葉を変えれば、「リスクヘッジが出来るのであれば、【どんな作戦、計画でもOK】となる」と言えるかもしれない。

逆にリスクヘッジが下手であれば、分散しようが選択と集中をしようが、【常に危険と背中合わせ】ということであって、【ポートフォリオ上、分散すればOK】というのは幼稚な発想かもしれない。

またいつものように話が長くなっていますが、私が言いたいことをうまく説明できないでいて、こんな説明でわかりますかね。

「住む場所、国を決める」「持つ通貨を決める」のは【選択と集中】と同じであって、でもその選択と集中は「生まれ落ちたときからほぼ決まっていること」じゃないですか。

これって「お前は蕎麦屋の息子だから、蕎麦だけ打って、それを売れ。うどんだカツ丼だなんて考えるな」と言われているのと同じ状態。違いますかね。

私はそれって「日本人だから日本に住み、日本円を持つのは当たり前」というのと同じに感じます。

つまり、あるべき姿としては「選択と集中も自分の意志で決められることであって、決めるべきこと」じゃないかと。

その結果として「俺は蕎麦だけに集中する」「日本に住んで日本円を持つ」というのは大いに結構。でも与えられたものを引きずるだけってのはうまくない。

そしてまた「蕎麦だけじゃなくてうどんもカツ丼も扱うべき」と分散を始めたら、結局、焦点も合わず客もつかないなんてことも起きるかもしれない。

自分が選んだ選択と集中でも、やっぱり【動的に変化する選択と集中であるべき】ですよね。そしてそんなことはどんな企業でも商店でもやっていること。

それなのに、なぜ「住むのは日本」「通貨は日本円」って決めてしまうのか?それっておかしいと思うんですよ。そりゃ、「そうであることが一番幸せ」と思うのであればそれで全く問題はないと思いますが、【それしか選択肢がない】となると話は別で、本来、私達はもっと自由であると考えるのは大事だと思っています。

日本に住んでいる日本人でも「持っている主な通貨は米ドルなんですよ」なんて人が居ても良いんじゃない?

まさかぁって思いますよね?

じゃぁ、私は今マレーシアに住んでいて、でもマレーシアリンギットは必要最低限しか持たず、米ドル中心で生きていることを「まさかぁ」って思います?思わないでしょ?どうして私のケースだとまさかって思わないのか考えてみてください。

外国人だから?日本人なら日本円を持つのが当たり前?私は日本生まれの日本育ちですが、私が持つ日本円はマレーシアリンギットの額よりもーーっと少ないんですよ。そして今は米ドル中心で生きています。

つまりですね、そもそも「住みたい国」と「持つべき通貨」って【全く関係ない】ってことだと思うんですよ。そしてそれは「自分で選んでも良いこと」であって、「臨機応変に変わること」でもあるんじゃない?【日本人はこうあるべきだ】なんて決まりは無い。

そしてそれが出来るから「お仕着せではない自分の意志で幸せを追求できる」のであり、「成長戦略でもある」ってことじゃないかと。

でもここでも「何よりも大事」なのは【ヘッジ】だということ。

海外生活のヘッジとして重要なのは「永住権」だと昔から何度も何度も書き続けています。では国籍を変えるのはどうか。現地人と結婚することで国籍が取れる国も少なくない。また「永住権を取った数年後には簡単に国籍(市民権)を取れる」という国もある(オーストラリアがそれ)。でも国籍を変えてしまったら「新たなリスクが生まれる」だけで、意味がない。【日本にはいつでも帰れるという選択肢を捨ててしまうのは非常に危険】だと思いますし。二重国籍が認められるのなら話は別ですが、日本の場合は、「自分の意志で他国の国籍を取った瞬間、自動的に日本の国籍は無くなる」のが決まり。実際には「自分で抹消登録をしないと戸籍は残ったまま」ですが、法的にはもうすでに日本の国籍はない。

また「永住権もなくても良い」というのもリスクが大きく、そもそも海外で生活して「自由な就労もできない」「社会保障、住民サービスは一切ない」状態で良いのかって話です。そして食えなくなれば「国外退去しか道がない」んですから。自分だけじゃなくて、家族子供までそういう状態で良いんですかね。子供が成長しても「就労の自由はない」のに。

この辺を深く考えない人が多いので私は不思議で仕方がないのですが、ま、所詮、長期の観光旅行ぐらいにしか考えていないのだろうなと思っています。これは言い方を変えれば、「海外に住むのは分散投資の考え方」でしかなくて、「海外に選択と集中をした結果」ではないということ。いつ追い出されるかわからないのに、そんな選択と集中をしたらかなりの変わり者かもしれませんもの。

これは私達日本人が、日本に住み、日本で育ち、日本で働き、日本で老いていくなかで、もしも「自由な就労が認められない」「国民保険も社会保障、住民サービスもない」「いつ日本から出て行けと言われるかわからない」というのと同じで、もしそうだったらどう思います?

冗談じゃないですよね。

でも不思議に、それと同じ状態で海外に住む日本人は多い。だから「長期海外旅行のつもり」なんだろうなと思うわけです。

これってマレーシアやタイでも同じ状況だと思いますが、昔からアメリカ、カナダ、オーストラリアなどで暮らそうとした経験がある人達とは全く違うのね。そもそも「永住権がなければ好きなだけ住むのは不可能」ですから、皆がどうやってそれを取ろうかあの手この手を考えているのが普通。そしてその延長に、その国民とほぼ同じような権利を有し(義務も)、自由に学び、自由に働き、当然、社会保障や住民サービスも受けつつ、結局、30年住んだね、とか子供や孫たちがその地に根を張って生きるようになったり。そして「日本に帰ろうと思えばいつでも帰れる状態がキープ出来る」。

でも永住権がないと、つい昨今、マレーシアのMM2Hホルダーが体験したように、【ビザの変更で延長が出来ないかもしれない】という状態があったじゃないですか。つまり「いつまで住むか」の決定権はその国の政府が持っていることがはっきりわかったんじゃないですかね。

そもそも「一生住むつもりはない」にしても、その国の都合で「はい、来年までね。出て行ってください」となったら、その国で築き上げた生活はどうなります?その国を故郷と慕いつつ育った子どもたちはどうなる?

だからやっぱり永住権は重要という考え方を私は持っています。ま、そう思わない人はそれはそれでその人の勝手ですが、「永住権を取るのはほぼ不可能なマレーシア」に長期で住むのは【自分は長期旅行者でしか無い】という自覚は必要だと思っています。子供も長期旅行者です。ましてや成人すれば「自分でなんらかのビザを取らなければならない」わけで、それが取れなければ当然、「国外退去」。「子供は好きなところで自分の道を探せ」なんて言うのは、私は「親の義務と責任を放棄したのと同じ」だと考えます。「僕はこの国に住み続けたい」と言ったらどうします?「無理だから諦めろ」という?「点々と世界を渡り歩くのも良い」ですが、海外育ちなのに【定住できる国は国籍を持っている国のみ】って悲しくないですかね。

海外育ちの子供にとっては【日本は外国と同じ】だということを忘れてはならないと思います。ちなみに私の二人の子どもたちは日本生まれで日本の国籍を持っていますが、【日本に住む、日本で働くなんて絶対に嫌だ】と言います。そして彼らは「俺たちの故郷はゴールドコースト」という。もし彼らにオーストラリアの永住権がなかったらとんでもなく悲惨なことになるわけです。

だから「私達家族はいつか日本に帰ることになるから、そのつもりでいてくれ」と幼い頃から言い聞かせるのも一つの手。でもそれもまた、とんでもなく悲しいことだと私は思います。そしてそれって「難民と同じ」だと思います。親には故郷があっていつでも帰れる。でも子供には故郷もなく、慣れ親しんだ国に住み続けることも出来ない。

「国際人」という言葉が好きな日本人は多いですが、世界に「国際人」なんてカテゴリーもなければ、それを主張して「はい、そうですか」と受け入れてくれる国もない。

こういう状態で子供が育つと「自分のアイデンティーはどこにあるのか」と悩むようになるかもしれない。この件に関してですが、私の叔父であるシアトル生まれの日系二世が、アメリカでは差別に合い収容所にも入れられ、戦後、自分のルーツがあり憧れていた日本に来て定住してからも「変な外人」と一生言われ続け、「俺って誰?」と思う人生であったのは間違いがないのね。彼はかなり歳を取ってから「日本人に帰化した」のですが、「初めての心の平穏を得た」といっていました。でも彼は日本では何十年も外人、異人として扱われ、生まれ故郷のアメリカでも疎外され、馴染めなかったわけで、なんとまぁ、悲しい人生だったのかと思います。

そして通貨の話に戻りますが、マレーシアに住むから全ての資産をマレーシア・リンギットにしたという人は少なからずいるのね。この背景には「定期預金の利回り」があると思いますが。

また日本に住む日本人は「ほぼ全ての資産を日本円で持っている」のって面白いですよね。でも日本ではそれが常識ですから、海外に出ても「日本円重視で何年でも生活する人」は多いのでしょう。

でも逆に海外の現地の人達を見ると、「稼いだら外貨に替える」のが常識な国もある。東南アジアにもそういう国は多くて、かつては「儲けたら先進国へ移住する」なんて人がごっそりいた。ま、今でも金持ちは世界の基軸通貨に替えてしまう人は多いですね。(私が借りているコンドのオーナーは家族でオーストラリアへ移住する準備中)

だから「住む国と持つ通貨は違うのが当たり前」とも言えて、固定して考えてしまうのはただの「そうあるべき」という思い込みかもしれない。

私としては「自分が良いと思う国に住みたい」のと同じ様に「良いと思う通貨を持ちたい」と考えているし、良い通貨とは「強く、運用利回りが高い」ことを意味します。そして「どこにおくか」も重要で、「フィリピンに住んで、通貨は米ドル中心で、その米ドルはシンガポールで運用している」なんてことが普通にあってしかるべきだと私は考えています。

また「強く利回りの良い通貨を持ち」、「生活費も安く、インフレの危険が少ない国に住む」のがベストだと考えてきました。なおかつ「税制が有利である」となれば鬼に金棒だと。

だから私も米ドルが良いと思って2018年に全ての金融資産を米ドルに替えたわけで、その前は「非常に利回りが良い豪ドル」でした。これは私達がオーストラリアに住んでいたから豪ドルを持っていたということではないのです。多分、違う国に住んでいても豪ドルにしたと思う。

またその前は「日本円」でした。今の日本円からは想像ができないかもしれませんが、かつては「日本円は世界最強」と思える時代もあったのね。日本の経済も絶好調で「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と世界に評され、「アメリカをも抜けるのではないか」と多くの日本人が夢見た時代があった。

日本円も強くて、70円台をもつけた。これってチャートを見れば誰でもわかるわけですが、その当時、皆がどう考えていたか、どう感じていたかまで考えをめぐらす人は決して多くはない。

私は1ドルが360円の時代から、変動相場制になり、そして日本円がどんどん高くなる時代を生きてきましたが、「円がいくらだったのか」というより【その時の世界情勢や人々の思い】を思い出すのね。

1995年に70円台にタッチして「史上最高値」を出した時が忘れられません。この当時はすでにオーストラリアへ移民として渡っていましたが、実は日本円を主要通貨としてずーっと持っていたんですよ。理由は簡単で「円は強く、利回りも良かった」から。転換社債で7%に回る時代。

日本人の中には「とうとう俺たちの時代が来た」と有頂天な人も少なくなかった。海外に出れば何でも安いし、輸入物もなんでも買えた。でも逆に輸出産業はとんでもない大損害を出していましたが、日本そのものは「勝利に湧いた」ような感じがありました。

そしてですね、ここが重要なんですが、多くの専門家が「1ドル50円台まで上がるだろう」と言っていたんですよ。今、思えばお笑いですが、当時の日本円にはそういう【勢い】があったのね。

でも私はここは「決断をすべき時」だと思った。そして全ての日本円を豪ドルに替えました。80円台でしたが。

これも結果オーライでしか無くて、その後の円安なんて想像さえしませんでした。そして当時は米ドルを持つことも考えていなかったのね。それはオーストラリアに住んでいたからではなくて、「豪ドルの利回りが定期預金でも10%で回った時代」だったから。それだけです。

この円から豪ドルにほぼ全財産を替えるのは、じつはかなり勇気が必要でした。やっぱり自分は日本人だし、日本に帰るときも来るかもしれないし、まだ日本円は7%で回っていたわけですから、円高の真っ最中で、豪ドルに替える必要もなかった。

でもバブルが弾けた後でしたし、輸出業界は真っ青。そして日経225も安くなるばかりだったのね。つまり、日本円の歴史的最高値とは「円が強くなった~~」と喜ぶべきところではなくて、日本の空洞化は益々進み、「日本そのものが駄目になるのが決定的になった」と考えることも出来た。

だから「日本円を売るには最高のチャンスでもある」と考えたわけです。

やっぱりこれって私の人生の一番の「大決心」みたいなもので、こういうことを経験して、段々と「強くて利回りの良い通貨を持つのが当たり前」という考え方が固まって行ったわけです。だから2018年にはそれまで中心だった豪ドルを全て米ドルに乗り換えることも、結構すんなり出来ました。

やっぱり頭では考えられても実際に行動に移すのは難しいと思いますが、それは「海外に住むという決心」も同じだと思う。

やっぱり「ここぞ」というときには行動ができるようでありたいと思います。不安はマックスになりますが。(笑)

そして今、米ドルは高いですし、私としては万々歳ですが、これって1995年の日本円が史上最高値を更新した時と同じ思いがあるんですよ。

だから【高い米ドル】【安い日本円】という構図もいつまで続くかわからないと思うし、そもそも景気も株価も通貨も【常に波に乗って動いているだけ】なのは70年も生きていれば「当たり前のこと」だとしか思わないんですよ。良いことばかり続くことはないし、悪いことも続かない。

だから、もしかしたら「安い円に乗り換えるチャンスかもしれない」みたいなことも考えたり。でも問題は「日本円を持っていても良い利回りが期待できない」のね。これってとんでもなく大きな足かせになっています。

でも上に書いたように、実は【何よりも重要なのはヘッジ】だと私もいつの間にか考えるようになっていまして、【日本円への乗り換えを考える必要はない】とも思うわけです。つまり「いつか円高に大きく動く時」がくれば、安くなる米ドルをヘッジすれば良いのだと。

そもそもどんな通貨だとしても「不動産などの現地の資産」を持っていたら、違う通貨にするなんて出来ないじゃないですか。それとも自宅や事業を売ってキャッシュにして、それを他の通貨に替えますかね?

普通そこまでは出来ませんよねぇ。

でも「通貨のヘッジ」は可能なわけです。FXや先物、オプションを使うわけですが。

こういう私の考え方が基本にあると、今の「米国株に投資すれば安全」「他通貨を持つことも考えないとならないかも」なんて人たちの話を聞くと、なんとなく危ないなぁと感じるわけです。

私が何を思っているかは、このブログは私のブログですから自由に書きますが、「米国株なら安心(選択と集中)」とか「他通貨を持つべき(分散))、「米ドルを持つようにするべき(選択と集中)」とかでは激動の世界を生き抜くことは不可能だと思っているということ。

これって「日本円に固執し続けていた人」が「他の通貨にちょっと浮気しようか」、あるいは「米ドル、アメリカの株やETFに対象が変わるだけ」で【固執する考え方】には何の変化もないのね。

そうじゃなくて「いつの時代も臨機応変で柔軟な考え方とヘッジが重要」だと思うわけです。

いつの日か、日本人なのに「人民元を持つべき」という時代も来るかもしれない。でもそんなことをせずに「ヘッジをすれば良い」ってことなのね。

ヘッジが出来れば、分散だろうが選択と集中だろうが、【これだと思うことをやってみることが可能】なのね。

住む国を変えるのも同じじゃないですか。「好きなだけそこに住み、住民としての権利も(義務も)しっかり持つこと」が重要で、それは永住権を意味するし、日本のパスポートさえあれば、【いつでも帰ってこれる】じゃないですか。昔みたいに横浜から移民船に乗って【今生の別れ】なんかする必要もない。

それと同じ様に、通貨を持つのも、投資をするのも、「アメリカ株と心中する」ようなことを考える必要もなくて、【必要な場面でヘッジをする】ことが出来るようになるのが、本来は一番最初に考えるべきだと思うんですよ。

では「ヘッジは出来ない」としたら?

そう決めつけてしまうなら、移民船に乗ってブラジルで一生苦労するのも良いし、アメリカ株と一緒に天国でも地獄でも着いていけば良いんじゃないですかね。

住む国を変えるのも、通貨を変えるのも、投資をするのも、やっぱり「自分で決めて、自分でコントロールして、最終的には自己責任で生きていく」のが一番だと思っています。

これは私も40年以上も前から(今で言う)FIREを目指してきたジジーとして大事にしたいこと。

そして「自己責任で生きていくのに何よりも重要なのは【ヘッジが出来る事】である」と言いたいのです。

ヘッジが出来る能力。それなくして、自由だの海外生活だのFIREだのと言っても「いつか夢がやぶれることになるかもしれない」のが現実だと思っています。

だから私は今でも「ヘッジ能力を高める」ことに注力しています。極論を言えば「投資対象なんてなんでも好きなものに投資しても構わない」ぐらいに考えています。

もし私にその能力が全くないとしたら、「全てがギャンブルとなる」わけで、最近考えだした「ETFに投資(長期投資という意味)」を始めるなんてことは、面白そうなカジノがあるから行ってみる?というのと全く同じことになるのね。

あるいは常に「労働力としての自分」だけを考えて、【誰かに給料をもらう】か、【政府に文句を言ってカネを出させる】だけの人生になると思っています。

でも「ヘッジ能力」があれば、100歳になろうと身体と脳みそが動く限り、チャレンジは続けられる。

な~~~~~~~~~~~んて思っていてもなかなかうまく行かないのが人生なわけで、かと言って「アメリカ株に賭ける」みたいな考え方で長い人生どうにかなるなら、世界から貧乏人はいなくなるでしょう。

目先のことばかりじゃなくて、10年、20年、30年、先の世界、自分を想像しながら生きるのは重要だと思います。そして過去に起きたことは、しっかり自分が経験したように理解できるまで調べ上げるのが必要でしょう。

自分が「来年の今日、どこで何をしているのかは自分で決めたい」と思う。これがFIREですよね。

でもその為に、そして誰も頼りにせず、自分で稼ぐしかないのであれば、そこで重要なのは「将来を読む力」じゃないのね。そもそも予想なんて外れることのほうが多いんじゃないですかね。私の人生はそんな人生でした。(笑)

だからこそ「何が起きてもヘッジ、言葉を変えれば【対応】出来る能力」が重要となると思うわけで、「予想的中率を上げよう」なんて思っても無理。「一度予想が外れただけ」で人生って狂ってしまうのが現実じゃないでしょうか。

私がなぜ「不動産投資をしないのか」は、それなんですよ。ヘッジが出来ないし、不動産って下げ相場のときには利益を出す方法は無い。今日売ろうと思っても今日中に売れることはない。素人は「買う時は高く、売る時には安い」のが普通。持っているだけで経費はどんどん出ていくし、何かあった時に地面を引っ剥がして持って逃げることも出来ない。(笑)

ですから、賃貸業は別にして、不動産投資とは「金持ちの道楽」にしか私には思えないわけです。

でもヘッジが可能な対象であるのならば何でもチャレンジが出来るはずで、ヘッジ無しの決死の突撃隊みたいな生き方、予想屋みたいな考え方をしていたら「長生きはできない」のは誰にでもわかるはずなのね。

「サラリーマンは辞めて独立するぞ~~」なんて息巻いていた人たちの多くは悲惨な事になったのを多くの人が見てきたはず。「隣の芝生は青く見える」のは事実だと私は思うのだけれど、無防備で飛び出した人達はあまりにも多すぎると思います。

でもそういう「カモ」みたいな人は、この経済を維持する上で常に必要な存在でもあると思う。私は「世界はゼロサム」だと考えたほうが良いと思っていて、【損する人、負け組が常にいないと困る世界】だと思っています。

宇宙船地球号は全人類が幸せに生きるには狭すぎると思っています。

今日書いてきたことは、私みたいに何十年も掛けて体験せずともちょっと考えればわかるはずで、是非とも、せめてこのブログの読者には常に付きまとうリスクを無視すること無く、ヘッジを諦めること無く、これからの世界で頑張って飛躍して頂きたいと願っています。

どうヘッジするのかに関してですが、私が考える私の方法の基本を書いておきます。ただしこの考え方は【資産運用】【投資】【トレード】に関してで、【事業に関しては全く違う考え方】です。ちなみに私はもう歳ですし事業は半端じゃなく難しいし、自分には才能がまるでないのがわかっていますから、どうにか資産運用で頑張って「夢がある事業に、そして頑張ってもらいたい優秀な人達に出資したい(投資ではない)」と考えるタイプです。

1 ヘッジが出来ない対象に大きな投資をしないこと
2 将来の予想はせずに、「過去と現在の値動きという事実だけを見る」ことに徹する
3 トレンドを見極める練習を積む
4 トレンドのみを重視すること
5 逆張りはしないこと
6 FX、先物、出来ればオプションの売買に精通すること
7 (最重要)決めた投資対象にどう対処するのかではなくて、【自分の出来る対処方法で勝てる対象を探す】こと

これらが基本ですが、ではどうやってトレンドを見るか、その強さをどう読むか、転換点をどう見つけるか、転換したとどう判断するのか、いつ出動するのかなど、細かいことはいくらでもあって、またそこには【正解はない】のね。

また人によってまるでそれらの方法が違うのね。だから決して簡単ではないのだけれど、「予想は一切せずに、過去と今の値動きだけに注目する」と今まで見えなかったものがどんどん見えてくるようになると思います。それだけ【予想とは人間の欲望と恐怖が混ざりあって的確な判断も行動も自分には出来ない】と決めて掛かったほうが良いと思っています。

米国株なら安心。インデックスファンドをドルコスト法で積み上げるのがベスト。過去のアメリカのチャートを見れば今後もそれが続くのは明白とか、そういうことを考える人は【ヘッジ方法を知らない】から宗教に頼っていると言っても良いと思っています。

結局ですね、私達の人生って【船に乗って大海に出る】のと同じだと思うんですよ。その時に「絶対に安全な航路を探し続ける」ってそもそも無理だと思いませんかね。やっぱり私達に取って重要なのは、「海流や天候の変化にも【臨機応変に対応する】ってことだけ」かもしれない。この能力がないと、安全な航路を進んでいても、たまたま台風に遭遇したら沈没ってことになるんじゃないかろうかと。

そしてその対応能力があるからこそ「リスクをコントロールしながら自分が夢見る新天地に向かって進める」はずなのね。でも「安全だと信じる航路を進んでも、本当に未来永劫それで安全なのか、そしてどこにたどり着くのかはわからない」じゃないですか。

そして「損切り」が非常に重要なのは「進路を変更しないとならない時も必ずある」わけで、【進路変更はしない】と決めていたらどうなるのか簡単にわかるじゃないですか。

別にそれでも良いんですよ。大好きな異性に一生を捧げるのも同じで、それを否定しようなんて私も思わない。どんな生き方をしようとそれぞれの勝手だし、「なにかを信じて生きる」って大事なことだとも思うし。信じる道をひたすら走って、最終的に玉砕しても幸せかもしれない。

それとですね、相場で必ず勝つ方法を書いておきます。

それはギャンブルと同じで、【勝っている時にやめること】のみ。これしかないのね。(笑)

これはインデックスファンドだろうが、アメリカ株だろうが同じ。投資対象はなんでも同じ。

実は「勝っている時にやめる」って本当に難しいのね。もしかしたら「損切り」より難しいかもしれない。それだけ「自分の欲や恐怖をコントロールするのは難しい」ってことなのね。だから「最初から決めておく」のも大事。でも「それさえも守れなくなる」から人間の心理ってややこしい。

ただ「将来のことは誰にもわからない」とするならインデックスも【未来永劫上がり続ける】かもしれない。でもですよ、もしも何かが起きたら、それでも「頑なに信仰を守り続けるのですか?」ってことなんですよ。ヘッジをしないのも勝手ですが、では「損切り」はするのか?それを想定したことはあるのか?ってこと。

実は「一つの道に固執する」「面倒なことはしなくても大丈夫」というのは【自分の強欲と、楽をしたいという気持ちの現われでしか無い】のね。それで上手くいくことって世の中にあるんだろうか。

そのことに関して書いた日記はこれ。インデックスファンド投資ってどうなんだろうと思う人は必見かもしれない。

NISAで20年間、毎年定額つみたて投資をして儲かる値動きはどれ?

このことは(この日記)に書きました。

今日も好き勝手に書きましたが、これがベストだということではないんです。押し付けようと思っているわけでもない。人にはそれぞれベストがあるはずで、それぞれがそれを考え、点検してみるキッカケになれば良いなと願っているだけです。

ヘッジだの対応だの面倒だとは私も思いますが、それなら「余計なことは考えずに公務員になるのがベスト」かもしれない。

でもヘッジもやっている内に面白くなって来るのね。当然、技術も段々とアップする。それで一生安泰ということは無いにしてもです。

もしかしたら凝り固まっているかもしれない読者の方の脳みそをちょっとでも揺さぶることが出来たら、それだけで私は嬉しい。(笑)

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