円安もとうとう162円台を付けましたね。ここまで行くとは私も思わなかったし、数年前から1ドル150円、140円台もあるだろうとヒヤヒヤしていたのが嘘の様。
世の中は「益々輸入品が高くなる」から大変だ~~~という声が多い。確かにエネルギー価格もそうだし、食料品もそうで、「物価は上がり、庶民の生活は圧迫される」のは間違いがないんでしょう。
ところが「日本」としては【円安で儲かる】し、税収も増えて良いことずくめ。輸出産業は「この世の春」じゃないですかね。
でもそれを口に出せば叩かれるわけで、静かに黙ってニヤニヤするだけなんでしょう。
円安は本当に悪いことなのか。
これは「視点をどこに置くか」で違うはずで、ほぼ全ての国家は「自国通貨が安いほうが輸出も伸びて良い」と考えているはずで、トランプははっきり「ドル安に誘導したい」のが見えますし、中国も「元が高くなる」ことだけは絶対に阻止しようとしている。
中国製品が売れまくるのは「安い」からと言って良くて、もし中国元が高くなったら「競争力が落ちる」わけで、だからこそ他国は「元が安すぎる」「デフレの輸出をしている」と中国を叩く。
中国製品の「関税」を上げる動きはあちこちに見えますが、「中国元が3割高くなる」としたら、全世界が中国製品に30%の関税をかけるのと同じ事が起きるわけで、アメリカと中国の攻防戦の「ポイント」は為替にあると私は考えています。
日本は円安で「大変だ~」と大騒ぎですが、これは「日本国内の問題」で、海外から見ると「もう円安は勘弁してくれ~」というのが本音。つまり「円安は他国にとってはマイナスで、日本に取ってはプラス」と考えているということ。
これは「通貨安によって近隣諸国は窮乏化する」という事実があるから。経済理論としても確立された事実だそう。
確かにそれは間違いのない事実だと私は思っていて、かつての「日本の高度成長」だけれど、「日本人が皆、頑張った」のではなくて【長い間、円安が続いたから】というのが経済学的には説明がつくと、あの高橋洋一教授は言う。
戦前の日本円は「1ドル2円」というとんでもない「円高」だったのが、戦後、1米ドル360円に固定された(1949年~1971年)。これが「ブレトンウッズ体制」で、これの恩恵を日本は目一杯受けて、日本の戦後復興と高度成長を支えた。
でも日本は稼ぎすぎてアメリカの凋落が見えて「アメリカが動いた」わけで、それがあの「ニクソンショック」で、変動相場制へと移行。それでもまだ日本は強く、一人あたりのGDPは「実質的な世界一、アメリカよりも上」だったこともあるけれど、バブルの崩壊で日本の快進撃も止まった。
円高だけではなくて、アメリカは円高になっても強い日本に対し、「日米構造協議」「年次改革要望書」で変革を迫り、結局は輸出産業が大打撃を受けて、生産拠点を海外に移す動きに拍車がかかり、「日本は空洞化に悩むことになった」という歴史があると私は解釈しています。
あの当時の「日本叩き」は凄まじく、「貿易摩擦」という言葉が毎日のように語られ、私が「日本もだらしがない」と思ったのは「日本製の自動車の輸出」に関して。普通、(アメリカの輸入超過だとすれば)、「関税を上げる」「数量規制をする」のが普通ですが、日本は「自主規制」までしたのね。これは「完全なる敗北」だと思ったし、そこまでアメリカに気を使わなければ日本は生きていけないのかと本当にがっかりしたのを思い出します。
その頃からじゃないですかね。「アメリカが日本に金を出せと言えば日本は金を出す」様になって、「日本は世界のATM」だと言われるようになったし、1991年の湾岸戦争(イラクがクェートに侵攻)では「日本は後方支援をする」ということで、自民党幹事長だった小沢一郎は、多国籍軍への支援として総額約1兆3000億円(約130億ドル)の財政拠出を決めた。
このときも忘れられないのは、湾岸戦争ではイラクを叩き、クェート、多国籍軍の勝利となったけれど、戦後のクェートの「協力国に対するお礼」の中に【日本の名は無かった】のね。まぁ、「金だけ出す」のは協力じゃないというのもわかるわけで、他の協力国は自国民の「命」も賭けて協力したわけだし。
日本の長いデフレ不況も、圧力による「円高」「ATM化」があったからだと私は思うわけで、「円安誘導をした安倍元首相」は叩かれるものの、日本の景気は回復したのは間違いがない。
ところがアメリカの懐事情は最悪なわけで、また「ルール変更」をしようとしていて、それが「米ドル安」にしようとする動きで、1985年の「ドル安に向けた各国協力」の【プラザ合意】の再来が起きるのではないかと言われていましたよね。
それだけ、他国から見ると「円安は許せない」ということで、ここのところアメリカのベッセント財務長官が日本に来たり、会合も何度か開かれていて【円高圧力】を掛けているのは間違いがないし、それに従わざるを得ない日本は「円安の動きには積極的に対処する」と片山さつき財務大臣は何度も公言している。ま、それが「ドル買い介入」であるし「金利を上げる方向性」ってことなんでしょう。
金利を上げれば理論的には「円高になる」にしても、「金利を上げる動きがあるのに円安のまま」「今まで以上に円安に進む」ってなんなんですかね。
金利を上げるのは「インフレを抑える」という大義名分があるにしても、私は今の日本のインフレは「コストプッシュインフレ」であって、「需要が増えたことによるインフレではない」と思うから、【利上げこそが庶民の生活、日本経済に大打撃を与える】はずだと思うのね。
でもアメリカ始め、他国は「日本の経済」なんてどうでも良いわけで、【円高誘導をしろ】ということなんでしょう。
私としては、なぜここまで円安になるのかわからないし、「インフレ抑制」という建前の「本音は円高にしたい」という【利上げ】であるとしたら、また日本は不景気の波に飲み込まれるような気がしてならないんですよ。だから前に高市さんが「利上げ?アホちゃう?」と言ったのも的を得てると思う。
また日本政府の本音として、本当に「円高にしたいのか」もわからなくて、政府も「円安のほうが日本経済に取っては良い」のはわかっているはず。でも「輸入品が高くなる」事による「庶民の生活が脅かされる」となると、「円高に持っていかないと支持率も下がる」と考えるだろうし、どうなるんですかね。
私としては「円安は今の状態を維持」、「金利は上げない」「庶民の生活は(収入増の政府が)補助金で補う」のがベストだと思うのだけれど、そうも行かないんでしょうねぇ。
ま、どちらにしても「円安、円高」「金利」「インフレ」も私たちが変える事はできないし、どうなるのが良いのかわからないし、「庶民の要望だけを聞くわけにもいかない」し、「円安をどうにかしないとアメリカらの圧力は増す」だろうし、ホルムズ海峡がどうなるかも「まだわからない」し、高市政権も前途多難だと思いますわ。
わかることはただ一つで、それは「生活防衛」は自助努力、自己責任でどうにかするしか無いということ。
それはどんな時代、どんな経済状況、どんな政策が出ても同じだと思う。
あえて言えば、無理やり「円高に持っていく」「利上げをする」のだけは止めてもらいたいってことですかね。
「インフレ対策」と言っても「世界の大きな流れ」「お金を刷りまくる状態」が変わるとは思えないし。
私は「高橋洋一教授」の解説は正しいと思っていて、それで「物価高にあえぐ国民を助けられるとは思わない」けれど、これは【事実】として皆が受け止めるべきことだと思うし、下手に政府に圧力をかけるとそれが「日本にとっての悪手となる」可能性が気になっています。
「生き方を状況に合わせて変える」のは簡単ではないけれど、やっぱり「人生は自分で切り開くしかない」と思うなぁ。
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