キャッチーな表題ですが、これはあのちょっと変わった経済アナリストの森永卓郎氏の話し。
彼のことは私は昔から好きで、「とんでもない発言」をいつもしますが、彼の主張の中には「光るものがある」と思うんですよ。
またかつて彼が「年収が300万円時代が来る」と主張し、書籍も出しましたが、「またやってるわ~」と私は全く気にしなかったのが、実際にそんな時代になったし、やっぱり彼の言う事を無視してはならないと思っています。
でもそのまま信じるわけもなく、「警鐘」として「それも起きるかもしれない」という【想定】を私はいつもしています。そういう意味で、彼が言ってくれないとそういう想定もしないかもしれなくて、インパクトのある言い方をする森永卓郎氏は私に取って貴重な人です。
近年、彼の主張もどんどん酷く(?)なって、「財務省はカルト宗教だ」なんていうもんだから、今は地上波から一切お呼びがかからなくなったらしい。(笑)
ま、世の中にはいろいろな人がいるし、彼の主張をそのまま受け取ってしまう人もいるだろうからテレビ番組には呼ばないのは当然だと思いますが、彼の主張と「高橋洋一教授の主張」とは表現のしかたが違うだけで、かなり近いものがあるのを感じています。
で、その彼が「株式市場は大暴落し、為替は1ドル70円になる」と言い出した。
私も「世界はこのまま平和で経済も安定して進む」なんて全く考えていませんから、彼の言わんとすることもわかるんですよ。
そしてそれは我が家にとっては深刻な問題だと思っていて、最近は「大きな変化にどう対処するか。準備するか」ばかり考えている毎日です。
きっと彼の主張を聞くと「また馬鹿なことを言い出した」と思う方が多いと思いますが、そうして彼を馬鹿にしていると「あえてその手の話は聞きたくない」と思ってしまうことが何よりも恐ろしいと思います。
かつてのブラックマンデーだって、日本のバブルの崩壊も、911NYテロもリーマンショックも、「そんなことは絶対に起きない」と考えていた人が世界の大半で、それは「コロナショック」も同じ。
だからそれが起きたら「対処ができずに右往左往するだけ」になるんだろうと思います。
これは「地震と津波」も同じで、やっぱり【備えあれば憂いなし】でしょう。
じゃ、株価は大暴落、ドル円は1ドル70円になるのか?
そんなことは誰にもわからないことですが、「もし起きたらどうするべきか」を考えるのは無駄にはならない。
ここでまず間違いがないことは「一日でその様に激変することはない」ということだと思っています。ただし、天変地異や突然の大事件、戦争勃発の様な場合はたった一日で世界が大きく変わるのは、私達は何度も経験してきた。
でも少なくとも、「それが起きたらどうするべきか」を考えておくのは良いと思っています。
不可抗力ってあるわけですが、避けることは出来ないにしてもそれが起きたらどうするかを決めておくことは可能。
で、その「どうするか」にはそれなりのスキルと準備が必要で、平穏な時期にそれを蓄えるという考え方で我が家はやっていますし、最近、FXやNasdaqの先物を中心にトレードをするようになったのも理由は同じ。
また暗号通貨も「インフレ対策の一面がある」のは専門家も言い出したし、国家として多く保持することをアメリカも言い出したわけで、我が家としては「今、持つことはしない」にしても、常に値動きは追っていますし、「多く持とうと思えば持てる状態」を維持することにして、暗号通貨をトレードする口座にもそこそこ大きな資金を投入しました。
それは暗号通貨のデイトレにハマっている次男の口座で、資金を多く保持しているだけで「馬鹿にできない売買手数料が最終的には85%引きになる」ので、その資金は決して死金にはならないとの判断です。
為替が大きく動く時が来ても、総資産をヘッジすることは不可能ですが、そこそこの資金でのトレードができる状態を維持していますから、大きな変動が突然来ても「時間を掛けて取り戻す」ことは可能な状態にしました。
でも何が起きるのかは「事前にはわからない」から、今の時点で、「インフレヘッジになる資産を買う」とか「株式は売っておく」「米ドルも売る」というようなことはしません。
それはギャンブルそのものになりますし、「何も起こらない」「逆に動く」事が起きたら、それこそ大きな損失が出てしまうから。
物事には、そして値動きには「予兆がある」のが普通で、まずはそれを見逃さないようにしようと思っています。
また株式市場の暴落があるにしても「予兆はある」のが普通ですから、【それが見えたら逃げる】だけで十分だと思うし、それは「ドルの崩壊」も同じで、一夜にしてそれが起きるとは考えづらく、【トレンドとして見えるようになってから行動を開始する】だけで十分だと考えています。
この辺の考え方を理解できない方も多いと思いますが、やっぱり「チャートを見る」ことが重要で、たとえば8月の日経平均の暴落時も、「ちゃんとチャートを見て、トレンドを把握」していれば【逃げることは可能】なのね。
それが簡単だとは言いませんが、私のようなトレーダーだったら、そして「逆張りをしない」トレーダーなら十分逃げられたはずですし、空売り、あるいは先物を売って「利益を出した人」も決して少なくないはず。
下に出した例はかなり大雑把な見方ですが、チャートの見方の基本がわかっていると「今、どういう状態か、どうするべきか」がおぼろげながら見えるはずなのね。
【将来を読むのではなくて、過去、現在、どう動いてきたか、今、動きはどちらを向いて、どのくらいの強さで動いているかを見る】のがチャートで、ここから将来を読むのは不可能だと思ったほうが良いと思います。でも「今の動きはすぐには変わらない。でもいつかは変わる」という【習性】を利用して売買するわけです。
また投資判断で「ファンダメンタルズを重視する」投資家は非常に多く、それが主流と言っても良いと思いますが、「ファンダメンタルズの変化は必ずチャートにも出てくる」のを忘れてはならないし、プロも「ファンダメンタルズで売買の方向を決めて、タイミングはチャートで見る」人も多い。
つまり「チャート」とは自動車のカーナビみたいなもので、それがなくても良い人は多いにしても、チャート分析のイロハがわかるだけで大きな違いは出ると思います。
日経平均
アメリカのS&P500も同じで、簡単なチャート設定でもいろいろ見えてきませんかね。
S&P500 日足
トレーダーってデイトレーダーにしてもこういうチャートに様々なインジケータをつけて、様々な方面から「値動きを細かく、より正確に分析する」のが普通で、だからといって常勝できることはないのだけれど、「ガチホすればOK」とか「安くなったら買い増しすれば良い」なんてあまりにも単純すぎることを考える事はありえない。
長期投資で持ち続けるにしても、「過去の例」を見れば、【大きく長い下げは必ず来る】わけで「日本では元の値に戻るのに34年掛かった」とか、アメリカでも「ITバブルの崩壊後に元の値に戻るのに17年掛かった」なんてこともあるわけで、「保持し続ける」のが基本だとしても、「お金が必要な時に元本割れしていたらどうするか」なんてことも考える必要があると思います。
ETFにしても「値が下げたら利益が出るように設定されたETFがある」わけですし、もし「下げトレンドが見えたらそのETFに乗り換える」ぐらいの腹づもりがあっても良いと思います。
でもそれをする人は少ない。理由は簡単で「自分には値動きがわからない。想像は出来ても行動に移すのが怖い」からなのね。だから「ガチホで持ち続ける」「それで良いのだという理由を探す」方向に心理が動く。また「安値は拾う」という人も多いけれど、「値が下げてきた場合、どこで下げ止まるのかわかる」んですかね。「安いと思って買ったら、もっと下げて後に投げざるを得なくなった」なんてのが【誰でも必ず経験する】ことで、それで勝ち続けた投資家はいない。でも長いチャートを見ると、「安値で拾えば良いだけじゃないか」と勘違いするのね。「後に見るからわかるけれど、その時にはわからない」のに。
そして市場は私達の思いに関係なく上下に動いていく。だったら「その時、その時の流れに乗るしか無い」と私は思うんですけどね~。
相場の格言に「高値は買い上がれ、安値は売り叩け」というのがあります。これって実際にやるのはかなり難しいし恐怖が半端じゃないのですが、要は「トレンドに乗れ」ということなのね。誰も「どこまで上がるか、どこまで下がるかわからない」のですから。
「未来永劫、何十年でも持ち続けて、売ることはしない」と決めているならそれはそれで良いのでしょうが。
ま、そんなこんなで「森永卓郎氏が言うようなことが起きる」にしても、【予兆は見える】のが普通だから、「トレンドに乗る」というのを長期投資、ガチホの人でも考えたほうが良いと思います。
そして「予兆が見えなければ、何もしない」で良いわけで、「天気予報では晴れ。実際に晴天のときに傘をさす人はいない」し、でも「天気予報では降水確率が上がり、曇天だとしたら傘を持って出かける」し、そして「実際に雨が降ったら傘をさせば良い」だけのことで、「私の投資はガチホだ!」と多くの人は言うけれど、「雨が降っても傘をささない人なのかなぁ」と私は気になるわけです。
「様子がおかしければ傘を持って出かけ、雨が降ったら傘をさし、雨がやんだら傘はささない」のが普通で、私は投資もトレードもそれと全く同じだと思っています。
森永卓郎氏ですが、ステージ4の癌を患っていますが、まだまだこれからも頑張って私達に「気付き」を与えて欲しいと願っています。