アメリカ株が下げだしてからの動きは「軟調」ですねぇ。これから「大きな動き」が来るのかどうか。
S&P500の先物の日足ですが、これを見ている限り、まだ「大きな下げになるようには見えない」。
これっていくら考えても無駄で、過去の大きな下げの時も「最初は小さな下げから始まる」わけで、それがとんでもない大きな下げトレンドとなったのが日本の株式市場で、バブルが弾けてから「安くなれば買う。安くなれば買う」を続けていた投資家は地獄まで連れて行かれたのね。なんせ高値から5分の1まで下がったんですから。
それでも我慢し続けて34年後、バブルの高値に戻った。
これはアメリカでも同じようなことが起きて、2000年のITバブル(ドットコムバブル)が弾けてから、元値に戻るまでに17年の月日が必要だった。
ま、そもそも相場の世界はそんなもので、小さな波、中ぐらいの波、大きな波が長い歴史の中では繰り返される。
どうしたら良いんですかね~。
もし多くの人が投資の神様だと崇めるウォーレンバフェットを追うとするなら、この辺で手仕舞いして「現金比率を上げる」べきなんでしょう。そして「次の買い場が来るまで待つ」ということ。
この考え方って、私は基本中の基本だと思っていて、そもそも株式投資は「安く買って高く売る」しか利益の出しようがない。(空売りは一般的ではないのでここでは考えない)
そして今は「空前の高値」でバブルと言っても良い状態なのは多くの指標が表しているわけで、少なくとも「利食い、撤退を考える場所」であって「今から参入するべきときではない」のは明らかだと思っています。
でも相場って「これ以上は上がらないだろう」なんて思うところから「もっと上がる」のが普通で、逆に「この辺で下げ止まるだろう」というところから「もっと下げる」のが普通。
だから相場の格言で、利益を出すには「上がったら買い上がれ」「下がったら叩き売れ」ということが言われるし、また、「もうはまだなり、まだはもうなり」なんてのもある。
つまり「誰にも将来はわからない」ってことでしかなくて、でも多くの人は「自分勝手に予想してそれに賭ける」のね。私はそれはギャンブルであって投資ではないと思う。
ではどうするのか。
私は「二択しかない」と思っていて、一つは私がそうであるように「株式の長期投資はしない」と決める。もう一つは「相場の動きに合わせてこまめにポジションを変える」ということ。これを突き詰めると「デイトレ」になるのね。
私が思う「株式の長期投資でうまく利益を上げた人たち」は【流れを見ながらそれに乗った人たち】だと思っていて、けっして「運に任せたわけじゃない」のね。でも「運良く大儲けした人たち」はいつの世にも大勢いて、その人達が目立つし、その後に続こうと考える人が非常に多い。
これは私は株式投資の「ダークサイド」で、株式市場を「カジノ」と同じ様に考える人達がいかに多いかってことだと思っています。
でも真髄は「流れに乗る」しかなくて、それはどんな商売、仕事、あるいはスポーツも同じで、「この線で行くぞ!」と決め打ちしてうまくいくことが多いとは全く思えない。戦争も同じで、「攻撃ばかり」ではなくて、積極的に守る、積極的に撤退するのも必要。「ガチ保」とか「ドルコスト平均法」は私は戦略だとは思っていなくて、「状況判断も出来ず、戦略がない人」にも投資をさせるために考えた「便法」としか思えず。それがベストなら、大企業も機関投資家もその方法を取るはず。ウォーレン・バフェットも「今、キャッシュポジションを多くしている」なんてことはしないはず。
でもそういう人たちがいるから株式市場も成り立っているのは間違いがなくて、そういう「一攫千金を夢見る人たち」「勝てると信じている人たち」が【常に流入する世界】でないと困るわけです。相場の世界は「ゼロサムの世界」と言って良くて、それはFX、先物、CFDも同じ。「誰かが損してくれないと勝つ人もいない」世界。
株式の場合は「市場が大きくなる」ことによって【皆が利益を出せる世界】だけれど、それは上昇トレンドに乗っているときだけの話で、下降トレンドに入ったら【皆が損をする世界】とも言える。
そういう【原点】があるわけで、それを理解したうえで自分の行動原理を決めないと、【カモになるだけ】なのは歴史を見ればすぐに分かることなのね。
そして市場は「常にカモが必要」だから「まだまだ買えば儲かる」と煽るのが普通。株式の世界の面白いところは【万年、強気】なのね。
でもそれを知らない新規参入者は、「そうか、今はまだ買いどきなのか」と思ってしまう。
これって商店が「特別大割引中」という宣伝広告を「一年中出しているのと同じ」なのね。でもその広告が一年中出ているのを知らない消費者は「買うチャンスだ」と思ってしまう。これと同じなのが「株式市場」。
私達が知るべきことは、「客の立場で考えては駄目」ということであって、「売る側」、つまり株式市場で言えば「カモを食い物にする側」に立って、市場を見渡すべきだということじゃないかと。
でも誰もそんな事は言わないのは、専門家も同じで、「あの広告は嘘だ」なんて言わない。
ところが、「注意したほうが良いんじゃないですかね~」と注意すべきだと匂わす専門家も多い。
いつもこのブログで紹介する「石原順氏」もそのうちの一人。
多くの人は「今は買い?売り?上がるの?下がるの?」とそういうことばかり気にするのね。
私も過去に色々なセミナー(高額なのも含む)を受けましたが、どこでも同じ傾向があることに気がついた。
そういうセミナーは「投資家としてどうするべきか」のセミナーだけれど、出席者の多くはそんなことより「今は買い?買ったら良い銘柄は何?」とそんなことのほうが気になるのね。それはどのセミナーでも最後に「質疑応答」があるのだけれど、必ずと言って良いほど出てくる質問が「日経平均の今後の動きをどう読むべきですか?」「買ったら良いオススメの銘柄は?」というような質問。
おもしろいでしょ。「そういう読み方を学ぶためのセミナー」なのに。
でも講師はちゃんとそういう質問にも答えるのだけれど、その時、ほぼ全員のセミナー参加者が真剣になって、身を乗り出して「聞き逃すまい」となるのがビシビシ伝わってくる。
私は「どうしようもない人たちだな」と思いましたが、【これは良いことだ】とも思ったんですよ。
だって多くの人は「真面目に学ぼう」なんて考えて無くて、「今、どうやったら儲かるのか」ばかり考えているということ。つまり「売買は下手くそなままで、大金を注ぎ込もうとする人たちが大勢いる」ということだから。
実はこれってSNSの世界も同じなのね。
こういうブログでも「上がるのか、下がるのか」「何を買うべきか、売るべきか」を知りたいだけの読者が非常に多いのね。自分で学ぼうなんて人は極々、極々少数派でしかない。何年か前にチャートの見方に必要なインジケータとテンプレートの配布をしたことがあるのだけれど、こんな小さなブログなのに100人以上の全く知らない人たちがそれを欲しいと連絡してきたのね。
でも95%以上の人が「これ、どうやって使うのですか?」「どうやってインストールするのですか?」という人たちばかりで、【自ら学ぼうとしているのが見える人】って皆無と言ってよいほどだったのね。
だから時間の無駄だと思ってそれはすぐに止めたのですが、でも中には真剣に取り組む人もほんの少数だけれどいた。でも結局はそういう人たちもいつのまにか途中で消えていった。
きっと「自分の手法も開発してきっちり儲けを出しているんだろう」と思いたいけれど、トレードそのものをやっているのかさえも私にはわからない状態。
でもそれで良いと思うようになってきました。つまり、世の中には意外に「競争相手は少ない」ことを意味するわけだから。また私の場合は「デイトレード」という全体から見ればニッチな分野だし、最近はスキャルとデイトレの融合みたいな手法になってきたし、それをブログに細かく書いても「誰も得をすることはない」と思うようになってきました。
ただ、やっぱり世の中には「ネギを背負ったカモがウジャウジャいる状態」なのは変わっていないのがわかるし、そしてまた日本では「新NISA」なるものが出来て、「あああ、これでまた被害者が増えるのだろう」としか私には思えないのね。
それは新NISAが悪いわけじゃなくて、「それをちゃんと利用できるように投資をきっちり学ぶ人が少ない」という意味です。
実際に、「新NISAに乗って大金を失った」なんて人は世の中にはごっそりいるようで、去年の8月に日銀の植田総裁の利上げ発言で、そのタイミングが悪かったこともあるけれど、「日経平均は大きく下げた」のね。一瞬だけでしたが。
でもあんな程度の下げでも「大損した」人は大量に出た様子で、前にも書きましたが「青汁王子」も破産しそうだと大騒ぎだったし、「退職金を大幅に減らしてしまった」なんて話は今でもYahooニュースに時々出てくる。
こんな下げで大損するようなら、将来どうなるのかなんて簡単に想像できてしまう。
でも中には「ぎょえ~~」なんて慌てているうちに「値が戻ってホッとした」なんて人も多いはずで、中には「そうか、やっぱり安いところは買えば良いんだ」なんて納得してる人も多いのかもしれない。
でもそんな調子でやっていると、長い間にはとんでもないことが起きるのが相場の世界なのは歴史が証明している。
そりゃ「持っていればよかった」のは間違いがないにしろ、「高値を買って34年も待てるんですか?」という話。
また「安値は買えば良い」というけれど、「どこまで下がるかがわかるんですか?」と問いたい。
まさに「安値は買えば良い」と日経平均が安いところを買い向かった人たちの多くは、「途中で力尽きて消えていった」のね。また、もしもレバレッジを掛けていたらどうなったのかなんて簡単にわかるはず。そしてこれはアメリカ株とて似たようなことは何度も起きた。
最近の若い人たちも「新NISA」で頑張るのは良いことだと思うけれど、リーマン・ショック後の日本、アメリカの値動きしか見ていないように思うし、あのリーマンショック時に、「投資家の多くはどんな状態で何を考え、何をしたのか」まではわからない様子。
「安くなれば買えば良い」なんてのは絵空事で、暴落が起きた時には「買いたくても買えない」事が起きるのね。
そもそも自分の会社も倒産するか?なんてことになるし、自分のその時と将来を考えたら「株どころじゃない」のね。そして「恐怖に襲われる」と【もっとひどくなるんじゃないか】と考えるのが普通。そして「金回りも悪くなる」から「株を買うどころか、持ってる株を売らなければならない状況になる」のも普通。だからこそ「大きく下げる」わけで、そこで買い向かうのはプロでもむずかしいんじゃないですかね。
こういうことって経験しないとわからないことかもしれないけれど、多くの若者はそういう想像さえしていないように感じています。
過去チャートを見ることぐらいは誰でもすると思いますが、その時に「へ~、価格推移はこんなだったのか」なんて見方をしているのだったら「何も見ていないのと同じ」で、なぜそういう変化が起きたのか、市場参加者はどういう状態で、何を考え、どう行動したのかというところに注目することが大事。
でもま、そんなことも考えずに「ガチで保持する」と決めるのも良いと思います。そういう投資家がごっそりいないと「株式市場は成り立たない」し、「プロや機関投資家も逃げるべき時に逃げられない」わけですから。そういう「株式市場の肥やしとなる人達」がいるから経済の基盤である株式市場も成り立っている。
でも、私と何の縁があるのかわかりませんが、このブログの読者には「そういう意味での社会貢献をしてほしくない」と思うのね。
「カモを見つけたら、しっかり彼らから利益を出せ」とは言わないけれど、皆が神様だと思うウォーレン・バフェットだって、どうしてああやって莫大な資産を築いたのかと考えれば、「皆がボーっとしている時に株を買い始め」て、「皆がまだまだ上がるぞ~」と舞い上がっている時に「利確した」からに他ならないじゃないですか。
そもそもウォーレン・バフェットの発言を注意深く聞いてみるとわかることがあるのね。彼は「言う事とやっていることが違う」ってこと。
じゃぁ、どうすればよいのか、どう考えればよいのか。
それは上に書いたように、「今、売るべき、買うべき」とかそういうことの前に「知るべきこと」「考えるべきこと」があるんじゃないかってことなんです。
その「知るべきこと、考えるべきこと」を常に言っているのが「石原順氏」で、彼の言う事を理解するのが「始めの一歩」であり、「忘れてはならないこと」だと思うから、いつも紹介するわけです。
今回のこの解説も的を得ていると思う。
でも石原順氏と私とは「やり方」がまるで違うのね。
石原順氏はこの動画を見てもわかるように、「常に流れに乗れ」というけれど、「どう乗るのか」は常に悩み続けないとならないのね。そのためのツールを彼は紹介しているけれど、チャートアナリシスオタクの私としてはそのチャートが良いとは思えないのだけれど、「初心者にはこの程度しか使いこなせない」と彼は考えているのだろうと思うし、実際に彼が使っているものが同じかどうかはわからない。
私は「長期投資」をした場合の「やるべきこと、考えるべきこと」は私なりに理解しているけれど、「額が大きくなるとそれも簡単には行かない」のが経験上わかっているわけです。
だから私は「長期投資で悩むことを止める」という結論を出したわけです。夜もぐっすり眠りたいし、長期で遊びに行くこともしたいし、世の中でなにか起きた時にビクビクしたくないから。
そんなこともこの動画の中で石原順氏は喋っています。
彼の知人で「土日になにか起きるか想像すると怖くて仕方がない」と考え、その彼がどうしているかというと、「金曜日には手仕舞いして週明けの月曜日に買い戻す」とのこと。
ばかみたいだと思いますが、株式投資も真剣にやりだして、【投資額も大きくなる】とそうしたいと思う気持ちは私にはよくわかります。
でも私は「そうなってしまう株式の長期投資はしない」という道を選びました。
その代わり、長期投資に関しては「定期預金に毛が生えたみたいな社債投資」にしたわけです。これが良いとか悪いとかの話じゃなくて、私の債券投資は「償還日まで持つのが基本」ですから、定期預金がそうであるように「毎日悩むことはありえない」のね。そして「それなりのリスクを取る」ようにすれば、年利で7%ぐらいで回すことは可能な世界。かつては10%で何年も回っていた時代もありました。
でも「爪を伸ばす」ようなことをすると「債券はゼロの価値になる」なんて経験もクレディ・スイスのAT1債で経験し、人生最大の損失をだしたこともある。でもま、それもまた「リスクの取り方の問題」であり、「ポートフォリオの組み方」でどうにか乗り越える事ができる問題。
でもそういう長期投資だけだと「それなりのアドバンテージはある」けれど、どちらかというと「資産保全、資産運用」という考え方であって、債券投資による【積極的な資産形成】は私には難しいと感じています。つまり「税金、生活費、そしてインフレ」を考慮すると、うまく行って「財産保全」であって、「資産形成にはほど遠い」という【現実】があるのね。だから私は今、「所得税はゼロ、生活費は安いマレーシア」に住んでいるわけで、そのアドバンテージ、爆発力はかなり大きいのは誰でもちょっと試算してみればすぐにわかるはず。
こんなことを書くと「ずるい」と反応する読者も出てくるのですが、これは「居住する国の法律に従っている」わけで、ずるいと言われる筋合いは無いと思っています。その代わりと言ってはなんですが、日本で治療を受けても全額自費ですし、頂戴できる年金も受給していません。少なくとも日本に迷惑を掛けたくないし、若い人たちに負担を掛けたくないから。
そしてデイトレという「毎日の仕事で小さな利益を積み上げる」ことをやって「車の両輪」として、私の場合は成り立つようにしているだけのこと。
これは多くの方々が「通常の仕事をやりながら、新NISAで頑張る」というのと全く同じで、「どちらか片方だけでこれからを生き抜くのは難しい」と考えています。
多くの方々は「株式やETFでの資産形成、資産運用」を考えていると思いますが、是非とも、是非とも、いつも紹介している「石原順氏」の考え方を取り入れて欲しいと願っています。
当然、それでどうにかなるって話ではなくて、彼の考え方は「初めの一歩」でしかないのね。
でもそれさえも知らない、考えないで「株式市場に足を踏み入れる」のはあまりにも無謀だし、「特攻隊と同じ」だと思っています。
そしてそれは「こういう業界で生きている人たち」から見れば「ネギを背負ったカモ」でしかないということ。
でも中にはうまく逃げ延びて大きく育つ「カモ」もいるわけで、それを狙うならどうぞ、お好きなようにとしか言いようがない。
「儲けている自分を想像する」のは大事ですが、「頭を抱えて、命を絶とうかと考える自分」も同じ様に想像してみるのも大事だと思います。
普通は「そういうことさえも実際に経験していろいろ学ぶ」わけですが、長期投資をしているというのが非常に重要な点で、長期ですから「ああ、大損したのはこういうことなのか」とわかるのが50、60過ぎだったらどうする?って話。「嫌な経験」、「しかし必要な経験」は早いうちにしてしまったほうが良いのは間違いないと思う。
だからアメリカの株式、ETFにしても、「もし今年50%下落したら自分はどうするべきか」を想定してみることが重要ってことですね。
大地震も大津波も来るか来ないかわからない。でも「来たらどうする?」と多くの日本人は想定して生きているはずで、長期投資もそれと全く同じだと思っています。
もしそういうことが起きなかったら「起きなくてラッキーだったね」って笑って終わるだけのこと。想定して損することはありえない。
くれぐれも忘れないで頂きたいのは、上に書いたことでもありますが、「この株式市場とは【常に強気である】という事実」です。「買え」とは言っても「もう買うな、売れ」とは言わないのがこの世界の常識だということ。
そういう意味では「カジノ」「賭場」と同じで、「ここに来て、賭けずにどうするのさ?」という世界。
でも面白いのはカジノと同じで「必勝法」ってあるのね。
それは「勝っているうちに止めること」。
勝つにはそれしか方法がない。
長期投資とは「勝ち負けの結果を先送りする投資」だと考えるのも良いはずで、やっぱり「長期投資」とは言え、「勝ちを積み重ねること」が重要だと思います。
もし「ガチ保」だと決めて、10年、20年後にでも「大きな暴落が来て、含み損が出て、なおかつ下げトレンドが10年、20年続いたらどうします?」って話し。
そりゃそんなことは起きないかもしれない。
でも過去には何度もそんなことが普通に起きているわけで、「それが起きたらアウト」という将来設計はあまりにも無謀だと思うわけです。
投資金額が小さいうちはそんなことも気にならないはずですが、「自分は1億借金して投資をしている」と想定して自分の考え方、やり方をチェックしてみたらすぐに問題点はわかるはず。
だから「1億借金してもこの方法なら大丈夫だろう」という方法を考えて、「借金はせずにそれを実行する」わけですよ。私は若い頃からそんなクセを付けてやってきました。
だから今、大成していないのでしょう。(笑)
でも私の理想は「大成することじゃない」のね。
「大失敗せずに生き延びること」が常に最優先。