「円高、ドル安」はまだ先の話か・・・

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トランプは「ドル安が良い」というし、私はドルの資産しかないし、【ドル安になるのは非常に怖い】わけです。ましてやかつて「プラザ合意」で米ドルの切り下げが起きて、日本円は円高にまっしぐら。当時小さな貿易会社を経営していた父は「もう駄目だ」と廃業しましたし、「円高」はやっぱり怖いという意識が働いて、そうなるんじゃないかという不安が増大しているような状態。

ましてや投機筋の「ドル売り」の残高は史上最高と言われるんですから。

さてさて、このチャートはUSD/JPYの日足ですが、これからどう動いていくのでしょうか。ここからは「円高の動きは小休止」に見えますが。でもまだ「下降トレンドの中の戻り」でしかない動き。

とりあえず輸入自動車への25%の関税がスタートして大騒ぎになっていますが、私は1980年代の日米貿易摩擦の頃を思い出すのは前にも書きましたが、結局「輸出国」を責めたところで「アメリカ国内産業がよくなることはなかった」のね。

今回も貿易が不均衡だというけれど、「基本中の基本である【売れるものを作る】という点でアメリカは駄目になっている」のはもう何十年も同じなわけで、関税を上げたところで「守るべき国内産業が瀕死の状態」だとしたら、結局は「国民が関税を負担して高くなった輸入品を買うしか無い」となる。

自分がしっかりやることを出来ずにいて、相手に文句をつけるのがトランプの関税政策だと思う。

だから世界では「関税を上げてけしからん」という風潮が多いけれど、困るのは輸出国ではないかもしれない。

例えば日本が「石油の輸入関税を25%アップする」としたら、サウジやUAE、オマーンみたいな輸出国が懸念するよりも、「日本国内がパニック状態になる」はずで、関税はそもそも「輸入者が支払う」もので、それで高くなると売れないから輸出者が安く輸出するなりしないとならないにしても、「関税を払うのは輸入国」であることに違いはない。

またトランプの動きもおかしくて、普通「関税を上げるぞ」と脅かした時に、「それが嫌ならああしろこうしろ」と条件をつけてくるじゃないですか。過去の貿易摩擦もおなじで、日本の自動車輸出に関して「数量規制」の圧力をかけたり、日本は日本で「自主規制をした」したじゃないですか。

でも今回、トランプは「条件をつけていない」のがおかしく感じます。

つまり、「関税という政府の歳入を増やす」のが【一番の目的である】と言えるんじゃない?

これって「資金繰りに困ったヤクザが【みかじめ料を値上げした】のと同じ」だと私は考えています。貿易不均衡じゃなんじゃいっても、それは建前で、その関税分を誰が負担しようと「関税という現金収入がアメリカ政府に入ってくる」のは間違いない。だから騒ぐべきはアメリカ国民のはずだけれど、「悪いのはあいつらだ」と責任を外国に押し付ければ良いとなる。

そもそもアメリカって建国後は「関税が主な政府の収入」で、所得税も無かった時代がある。そしてトランプはかつてのアメリカに戻りたいのは公言していて、「関税で食う政府」を狙っているのは間違いないと思うんですよ。そして「所得税減税」をして、年収2000万円程度だったか、それ以下は非課税としたいような話が聞こえてくる。

この辺のトランプが何を狙っているのかの基本を考えずに、「関税が大幅アップ」という点だけにフォーカスすると「これからのアメリカを読めない」し、「関税を安くしてもらう、あるいは撤廃してもらう」という【昔ながらの対処法】しか考え浮かばない。でもトランプの腹の中が見えれば、そのアプローチ方法は間違えているのもわかるんじゃなかろうか。

日本の政治家や高官も「しっかり日本の立場も説明する」なんて言っているけれど、トランプは「そんな事は知っている。でも関税を上げる」という本気度を前提として戦略を立てるべきで、「アメリカとの交渉を重ねます」なんていくらやる気が満々に見えても、「そこじゃないでしょう」という気もしてきます。

だから「関税を上げる」と聞くと「自国の生産を後押しする」ように思ってしまうけれど、それはアメリカにとっては「第二の目的」かもしれない。

どちらにしろ「国内産業の復活」をトランプは狙っているものの、それが【目に見えるようになる】のには年単位の月日が掛かるはずで、「関税を上げたらすぐに国内産業が息を吹き返す」なんてことは無いと思う。

でも「関税」だけにフォーカスすると、今まで世界一の経済力を持っていたアメリカが他国の状況を理解して、折れる、手助けするという動きが常識だったわけで、「それは平等ではない」とそこに変化を起こしたいというのはわかる。

主要国の関税の比較。他国がアメリカ製品を輸入する時に掛ける関税が「赤」で、アメリカが輸入品に掛ける関税が「青」で、これだけみれば、たしかに不公平に見える。

ただ「ドル安」に関しては話は別で、ドル安ならアメリカ製品は輸出競争力を持つのは間違いないにしても、その準備はまだ出来ていないと思う。

だから今、「国内産業が駄目で、積極的に輸出できるものは農産物とIT関連だけ」だとして、【輸入が非常に多い状態でドル安】になったら輸入品は値上がるわけで自分で自分の首を絞めることになる。そしてその場合、「アメリカ政府にお金が入るわけでもなく政府としてはメリットは少ない」かもしれない。

つまり本当にドルが安くならないと困るのは「輸出品に競争力も出てくるであろう将来の話」と言えるのかもしれない。

だから今、「プラザ合意の再来」が言われているけれど、今、大きなドル安になったら輸入品の値上げラッシュとなるわけで、困るのはアメリカ自身。なおかつ関税も高くなれば、当然、輸入量、輸入額も減る方向に動くだろうから、世界的にも非常にうまくない。そしてインフレ。でも景気は悪くなる。当然、株価の値上がりも期待できない。これじゃ来年の中間選挙にトランプは負けて、「恐怖の民主党のばら撒き政治の再来」となるかもしれない

つまり、今の時点では「ドル安をあまりにも心配しすぎる必要はない」かもしれない。

またそれのキッカケにもなる「日本の利上げ」は出来る限り先送りにしようと日銀は考えているかもしれない。

ま、そんな将来のことがわかれば、私でさえもビル・ゲイツ以上の大金持ちになれるわけで(笑)、妄想を広げてもしょうがないし、あまり円高になる心配はしないようにしようかと。

う~~む、そうは言っても「データから読む将来」も大事だけれど、私はやっぱり世界全体の動きを俯瞰してみている時にひらめく「勘」を重視したいし、それは野良犬が生き延びるために身に着けた「嗅覚」ともいえるわけで、意外に「大きなことを決める時」には私はそれを重視してきた過去があるし、それは「日本を脱出してオーストラリアに永住する」「オーストラリアからマレーシアに拠点を変える」また、かつて「全ての日本円を豪ドルに替えた」「全ての豪ドルを米ドルに替えた」のも同じで、【直感を重視してやってきた】のね。だからそれをはっきりした根拠がないものとして無視しようとも思えないでいます。「脳みそこそが莫大なデータを並列処理できる優れたもの」という考え方を私はいまだに持っています。私の「左脳の論理的思考」は【脳全体が働いて生み出す直感には常に負けていた】と言っても良いかもしれない。(笑)

でもま、そんな程度のことをブログにわざわざ書く必要もないのですが、このブログは情報提供と言うより「私の生き様の記録」だとすれば私の心の揺らぎとか考え方の変化は書き残しておきたいと思っています。

どうなりますかね。

私は「大井幸子氏」の言うことはあまり真剣に聞かないのだけれど(笑)、今回の話はスジが通っていると思いました。

 

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