しかし食品の世界の進化って凄いと思います。
家庭で料理を作る場合は、いまだに「化学調味料を使うか使わないか」みたいなレベルで止まっていて、そりゃ「危険な添加物を使うのは駄目」にしろまだまだ「味の素は身体に悪い」と信じて使わない人はたくさんいる。何十年も前からある「味の素論争」はいまだに盛んだから面白い。
それでいて冷凍食品なり、「XXX粉」「YYYの素」の多くの商品にはごっそり添加物が入ってるものを平気で使うのね。うま味調味料(味の素など)がごっそり入っていても気が付かない。
今の時代、添加物や多くの薬品を全く使わない料理を作るなんて無理かもしれない。そもそも素材である牛肉や豚肉、鶏肉にもホルモンやら抗生剤やらは含まれているし、餌に含まれる添加物や薬品の残留物はごっそりそのまま私達の食卓に届いているはず。それは野菜も同じで「農薬ゼロ」というのはありえないかもしれない。
【認められているもの】を使うのは良いんじゃないかとは思うのだけれど、【認められているけれど危険が多い】添加物、食品なんてゴマンと存在する。その筆頭がハムやソーセージだと私は思っていて、自分でも家で作るから業界のことを調べるけれど、本当に何が入っているのかわからないようなものもある。肉の種類もそうで、まさか猫やネズミが入っているとは思わないけれど、「本来なら捨ててしまうような肉」も混ざっているという。それはそういう部位であったり品質であったり。それに加えて「何種類もの添加物」が入っているのだから恐ろしいと思う。
そもそもソーセージやハムは「肉から作られている」のに、なぜ「肉よりグラム単価が安い物が多いのか」って不思議に思いませんかね。水分が大量に含まれているのは製品の成分表を見ればわかるけれど、あの手この手で増量し、ありとあらゆる添加物でどうにか食べられるようにしているというイメージが私にはあります。そして業界を調べるとそれは事実だと思うし、国が定める基準も厳しいのはそれが理由だと思う。
また高級ソーセージやハムは「肉より高いグラム単価」けれど、私はその方が道理が通っていると思うくらい。
どちらにしてもマレーシアでは私の好みのハムやソーセージって売っていないから自分でつくろうと思う。
それでも「添加物は一切なし」なんてことは不可能で、うま味調味料も使うし、日本では「危ない」と多くの人が信じている「亜硝酸塩(キュアソルト)」も私は使う。これも面白いもんで「発がん性物質」と言われているけれど、もともとは岩塩に含まれる硝酸塩が亜硝酸塩になって、それがあるからハムやソーセージの美味しさ、発色の良さ、そして何千年も前から人類が戦ってきた「ボツリヌス菌」などの細菌を殺菌、滅菌できる。衛生概念なんてほとんどない大昔からなぜハムやソーセージが作られたかと言うと、塩もそうだし硝酸塩などが自然の中にあるからどうにかなった。
だからハムやソーセージを家で作るのが普通の国々では「亜硝酸塩(キュアソルト)」を使うのが常識で、国の機関が推奨する国もある。当然、日本でも認可されている。でも亜硝酸塩は猛毒で、耳かきいっぱいの量で人は死ぬ。なおかつ「発がん性物質だ」なんて言われて積極的に使おうと思う人はいない。
でも世の中で売られているハムやソーセージでそれを使わずに製造されているものって珍しいのかもしれない。「使わないほうが危険」という歴史があるからでしょう。中には使わないと広告宣伝する製造業者もいるけれど、「でも(亜硝酸塩が微妙に含まれている)岩塩は使う」のが普通。これってお笑いの世界と同じ。
ま、何が良くて何が駄目って良くわからないわけで、私としてはまぁよっぽど酷く恐ろしいものじゃない限り自分も使おうと思う。
でもどういう種類があってどう使うのか、どこで売っているのかもわからないのが普通。でも大概のものはどこでも売っているしアマゾンでも買える。マレーシアならShopee、Lazadaで普通に売ってる。
今回、これを書いているのは、わざわざ美味しいと言われる「たこ焼きの粉」を日本から取り寄せて焼いてみたら、宣伝通りで、素人が焼いてもたこ焼きの中が硬くなったりせずにトロンと仕上がって美味しい。さすが有名店「たこ焼き 元祖どないや」のたこ焼きの粉でも上に書いたのと似たようなことを感じたから。
「令和の虎」(通販の虎)というネット番組で取り上げられて、とんでもなく売れていると言う。虎の出演者も視聴者も、それを買った顧客も大絶賛。
この動画を見た私はぜひ欲しいと思ったし、偶然ヨメさんも息子も見ていて、日本から取り寄せようということで話は決まった。
我が家で焼いたときのエントリーはこれ。
古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください 我が家はみんなたこ焼きが好きなんです…
ただ私がそのたこ焼きを焼いて食べながら「変だな」と思ったのね。
小麦粉に山芋を混ぜようが、水の量を増やして薄い生地にしようが、素人がチンタラ焼いていたら「焼き過ぎになる」のはあたりまえで、たこ焼きの中身がトロりとしたままなんてあり得ないじゃないですか。
でもトロりとしていて美味しく焼ける。素人でも問題がない。
だから文句をつける必要もないのだけれど、私としては一体この粉には何が入っているんだろうと気になるわけですよ。「どんな焼き方をしても中身はトロリと出来上がる」ということは【トロリとなる成分、つまりキサンタンガムみたいな増粘剤が入っている】としか思えない。
で、成分表を見てみた。
ピンポーン。大正解。やっぱり【増粘剤(キサンタンガム)】と書いてある。
キサンタンガムとは?
AI による概要
キサンタンガムは、食品、化粧品、医薬品、工業製品など、水溶液にとろみや粘度を与える増粘剤や、成分を均一に保つ安定剤として幅広く使用されます。食品ではドレッシングやソース、化粧品ではジェルや化粧水、工業製品では塗料や農薬など、その優れた増粘・安定化特性と耐熱性、耐塩性が活かされています。
食品分野
増粘・とろみ付け:
あんかけやタレ、ドレッシング、冷凍食品、カスタードクリームなどに粘度と食感を与えます。
安定化・乳化:
水分が分離するのを防ぎ、油分と水分を均一に混ぜ合わせます。
保水性:
パン生地のしっとり感を保つなど、食材の水分を維持する働きがあります。
嚥下補助:
高齢者向けの介護食などで、飲み込みやすい粘度調整に使われます。化粧品分野
粘度調整:クレンジングジェル、保湿化粧水、乳液、洗顔フォームなどに配合され、テクスチャーを調整します。
安定化:成分の分離を防ぎ、製品を均一な状態に保ちます。
安全性:石油系成分よりも肌に優しい増粘剤として位置づけられています。工業分野
塗料・インク:粘度を調整し、安定した塗布を可能にします。
農薬・肥料:薬剤の分散安定や、土壌への保持を助けます。
セラミック・鋳造:釉薬や塗料の増粘剤として、粘着性や流動性を調整します。
掘削泥水:掘削泥水の増粘や安定化に利用されます。
誰が焼いてもたこ焼きの中身はトロリとなるように出来ている。というかトロリ以外にはなりようがない。
ところが消費者は「美味しいたこ焼き屋の非常に特別な粉」で、「こんな粉は他には売っていない」と思うように話が進んでいた。ここがミソ。この粉を紹介した通販の虎の出演者もこういう粉の成分なんて考えもせずに、「美味しい、凄い」と大絶賛。そしてそれが視聴者にもそのまま伝わって瀑売れ。そこには何がなんだかわからないけれど、「大発明があった」「長年の研究が成就した」ような錯覚を誰しもが持った。
美味しいと評判のラーメン屋のラーメンには「味の素が大量に入っているからかもしれない」なんてことは考えないのと同じ。
成分表に書いてある販売者アドシックスというのは「たこ焼き 元祖どないや」の運営会社。
製造者は紀陽食品で、ミックス粉、プロテインのOEM生産、業務用食品卸で、取扱商品は冷凍食品、魚介類、畜産物、油、調味料、乾物、粉類、缶詰、洗剤、包装資材とある。OEM製品のパッケージングまで請け負うと。
大阪府高槻市にあるミックス粉、プロテインのOEM製造や業務用食品の卸事業を行なっている会社です。…
なるほどねぇ。たこ焼きの粉みたいなもののOEM生産のプロですわ。
これでこのたこ焼きの粉のストーリーが見えてきましたね。
たこ焼き屋の社長がこの会社にアプローチしたのか、あるいはこの製造者が話を持ちかけたのか、あるいはこういうことをコーディネートする業者もいるのかもしれない。
また私は業界の常識から考えると、お店でもそういう配合の粉を使っているとは思えないんですよ。禁じ手じゃないかなぁ。でもオーナーが食品業界の人でこういう粉を使えば勝てると新規参入したのかもしれないけれど、そういう種類のたこ焼きってプロや本当に好きな人は「なんか変だ」と気がつくんじゃないですかね。で、噂はすぐに広まる。
たこ焼き屋としては「これならOK」という粉を製造者と相談しつつ作り上げた。でも成分を見ればこういう食品製造業者は普通に使うものばかりで「秘密」「秘伝」「製造特許」を含めて珍しいものはない。ただただ、「美味しいたこ焼き屋の主人の要望に近づけた配合で作った」ということだと思うなぁ。
「その配合を見つけたことが素晴らしいことなんだよ」と関係者は言うでしょうが、私としては「はいはい、そのとおりですね。わかっております」と言うしか無い。
この話がこれで終わらないのは、この製品をどう売るかと考えた時に、「通販の虎」というネットの中では名も通っていてヒット商品をいくつも出している番組を使おうとしたのね。で、上に出した動画のように、採用された。そして通販が決まり、瀑売れ。大好評で大成功。
私はこの流れを一体誰が立案して進めのたのかが気になります。大したもんだと思う。
そんなことをなぜダボは気になるのかですが、まさに中小零細企業、街の小売店、小さな飲食店が「大きな売上を上げる」「大きく育つ」にはこういうことをやるしかないってことなのね。どうやって売上を上げるかなんて皆が寝ずに考えていることだけれど、なかなかブレイクスルーには出あえないし、新たな作戦なんて思いつかない。
でも諦めずにトライするものだけが報われる。何度失敗してもまたチャレンジするものだけが生き残る。
それの成功例がこの「たこ焼きの粉」であり、「たこ焼き 元祖 どないや」ということ。
そしてこういう手法は「誰にでも出来る」ということだと思うんですよ。ここが重要なポイントで何か特別なものがあるようには、私には全く思えない。
いかに「ストーリーを組み上げて、話題にするか」が焦点で、このたこ焼き粉そのものが凄いってことはないと私は思う。製造者に相談すれば、「どういう物を作りたいのか教えていただければ、それに近いものを作ることは出来ます」というのが普通じゃないんですかね。どんな素材にどんな添加物を足したらどうなるかなんてのは簡単にわかるプロなんですから。そして使う成分もありきたりのものばかり。
しかしもし
◯ この製造者が独自で同じようなたこ焼きの粉を作っても「簡単には売れない」。
◯ いくら繁盛店のたこ焼き屋でも「自社が使う粉をそのままで販売しようとしても簡単には行かない」。
◯「特別配合の家庭用の良い粉」が完成しても、売るのは難しい。
◯「通販の虎」も同じで、「普通のたこ焼きの粉」を売ろうとしても消費者の興味は引かないはず。
でも「たこ焼きを家で焼くのは難しい」という世の中の常識に目をつけて、【誰にでも外はカリッとして、中はトロトロ】に焼けるように「新しく粉を作り、どうやって売るか」の全ストーリーを組み立てた人がいる。誰なんだろう、どんな人なんだろうと思う。
このストーリーの登場人物は「美味しいたこ焼き店」であり、「どんな粉でも配合して作ってくれる製造業者」であり、そして「良いものなら積極的に売ろうとしてくれる通販の虎」。そして背景には「美味しいたこ焼きを家で焼くのは難しいという現状」があり、「外はカリっと中はトロリと焼ける粉は市場になかった」ということ。これに気がついた人がいたってことですね。でもキサンタンガムという増粘剤を入れると中はトロリとするのは常識でもあって、私でさえも「キサンタンガムみたいな増粘剤が配合されているんじゃないか」と自分で焼いた時に気がつく様な、決して特別な凄いことでもなんでもない。
そのストーリーを考えた人の思考回路、ビジネス構築手法、そういうのを真似ることは誰にでも出来ることだと思うんですよ。またそういうコーディネーターを見つけるだけでも世の中の中小零細企業、小さな飲食店には大きな飛躍のチャンスになり得るということでしょう。
美味しいたこ焼き屋もこういう食品製造業者も世の中には星の数ほどあるわけで、でも大きく伸びることもなく毎日の仕事に追われるだけみたいななのが世の中の常識。
でもフト、こんなアイデアが閃くだけで、大きな飛躍が出来るということの証明だと思うのね。
私の実家も飲食店でしたが、支店を出す、フランチャイズにするなんてことも全く考えることもなかった。テイクアウェイも対応していないし、通販もなかった。
でもアイデアひとつで大化けするってことでしょう。
面白くてワクワクしてきます。
私が興味があるのは「このビジネスモデル」であって、たこ焼きの粉はどうでも良いっちゃどうでも良い。(笑)
でも「あのたこ焼きの粉を買ってみたいなぁ」と思ったところから、このビジネスモデルと出会えた。そして感動した。
良い勉強をさせてもらいました~~~。
で、たこ焼きだけれど、適当に配合して真似て作ってみましょうかね。
我が家にもキサンタンガムはあるし(何に使うために手に入れたのかは忘れた 笑)、スキムミルクパウダーもあるし、この際、同じような粉を自分でつくりましょうかね。それならわざわざこの商品を買う必要もないし、日本からの高いEMS料金を払う必要もないから。
ということで他の成分も調べてみました。それはいつものAIの手も借りたのだけれど、誰にでも手に入れられる一般的なものの配合で理論上は同じ様になるとのこと。
基本配合案(The Alchemist’s Formula)
まず、基準となる100gあたりの配合を提示します。これをベースに、微調整を加えてください。
材料 | 配合量 (100gあたり) | 役割(なぜ、これを入れるのか?) |
---|---|---|
薄力粉 (Low Gluten Flour) | 80g | 生地の骨格。グルテンが少ないため、重くならず、軽い食感のベースとなる。 |
片栗粉 or コーンスターチ | 10g | 食感の補強。デンプンによる、外側のカリッと感と、内側のトロみを補助する。 |
スキムミルク (Skim Milk Powder) | 5g | 【最重要】カゼインNaの代替。牛乳のタンパク質「カゼイン」の供給源。乳化を助け、生地にコクと焼き色を与える。 |
和風だしの素 (顆粒) | 3g | 旨味の核。かつお節や昆布の風味原料を、手軽に再現する。 |
砂糖 (Sugar) | 1.5g | 味の調整と焼き色。味に奥行きを出し、メイラード反応を促進して香ばしい焼き色を付ける。 |
ベーキングパウダー | 0.5g | 軽さの演出。ごく少量加えることで、生地が重くなるのを防ぎ、ふっくら感を出す。 |
【最重要】キサンタンガム | 0.5g〜1.0g | 【最重要】究極の保水。生地の水分を強制的に保持し、「失敗しない」トロトロ感を生み出す、この配合の心臓部。 |
これも配合次第で大きく変わるだろうし簡単ではないと思うけれど、AIに進捗状況や問題点を伝えるとAIは、ああしてみたら?こうしてみたら?分量はXグラムにしたらこうなるはずと、かなり細かく、いつまでもこちらの要望に付き合ってくれるのが普通だから楽に進むと思う。
実際のたこ焼きの粉も、たこ焼き屋の社長と製造会社の製造担当と度重なる会合と試作+試食のくりかえしで作られたはずだけど、秘密の製法とか長年の研究の末にやっと出来たというような特殊なものとは思えない。当然、製法特許のようなものも存在しない。だから同じようなものは誰にでも作れるし、全く同じ配合の粉を模倣して売り出しても何の問題にもならない。
もしかしたら「販売チャンネル」を持っている人や企業だったら似たような「魔法のたこ焼き粉」なるものをOEMで作ってもらって「二番煎じ」でも売れるかもね。(でも粉ものは基本的に単価が安いから大きな利益を得るのは難しいだろうとも思う)
でも今回のビジネスプランのキモは、その販売方法は「(なにか珍しくて売れるものを常時探している)通販の虎を使う」ことを計画したところにある。そうではなくて既存の販売チャンネルだとしたら競合他社の製品の中に埋もれるだけじゃないんですかね。売れても【瀑売れ】ということはないと思う。
「考え方」「ビジネスモデルの作り方」という点で、今回の「たこ焼きの粉」は参考になると思う。
私が前から注目している「ボディトレイナー」がいるんですよ。本人はマッチョのボディビルダーなんだけれど、彼もある時、「私が自信を持ってオススメできるプロテインを開発しました」なんて数年前に売り出したけれど、彼も今回みたいな製造業者に頼んだのでしょうね。上にも書きましたがこの業者は「粉もの、プロテインのOEM製造」が主力と書いてありますから。
こういう「一個人」でさえも、興味を引くストーリーが組み立てられば自分の商品を作り、それを売り、売上を期待できる時代になった。
面白いですよね~。そりゃ売れるか売れないかは別の話だけれど、こういうことが一個人にさえも出来て、場合によっては知名度がある商品より売れることもありうる時代になったから面白い。
で、どんな成分をどのくらい加えたらどうなるかはAIと相談するのも良いんじゃないですかね。トライアンドエラーは自分なり仲間に頼ることも出来るし、良いものが作れるかもね。
実はもう40年以上前のことですが、まだ日本にマルチバイタミンや横文字の健康食品が出回っていない頃、私はアメリカ経由でマルチバイタミンと「粉末大豆レシチン」を自分のために手に入れていました。特にレシチンって凄いと思っていて、ある皮膚病に悩んでいた父に勧めたんですよ。そして飲み始めたらなんとかなり強い薬を飲んでいた父のその皮膚病があっという間に治ったのね。
驚いたのは父で、なんと大豆顆粒レシチンを売りたい。これなら絶対に売れる。多くの人が助かると言い出した。
で、アメリカからドラム缶入りの大豆顆粒レシチンを大量に輸入して、日本でパッキングして製品として売り出したのね。でもしっかり広告宣伝をしなければ売れるわけもなくて、ましてやレシチンの知名度は低いし(当時)、そこで私に泣きついてきて、私もそれの販売を手伝ったり。そんな過去があったのを思い出します。この時に、健康食品って「コストの5倍以上で売らないと経費が大きくて儲からない」「安くても逆に売れない」というのにも気がついた。(笑)
でも今の時代は通販の時代。そしてSNSの時代。アイデア一つ、そして誰とどうコラボするかで大化けする時代。インフルエンサーも独自の商品を作って売るのがあちこちで起きてますよね。で、有名インフルエンサーの化粧品じゃ衣類じゃが「億単位で売れている」というから凄い時代になったもんだと思う。
でもそれのマネをして在庫を抱えて泣いているインフルエンサーもいる。アイデア一つで動く世界だけれど、当然、ノウハウが必要。
面白い時代になりましたね~~~~。営業企画畑を長年歩いてきた私としては、世の中の変化を見ているだけで面白くてしょうがない。
でも今の私はデイトレのほうがはるかに面白いし、あらゆる意味で効率も良くて、デイトレに勝るものはないと思っていますが。(笑)
もし親族や知り合いに「たこ焼き屋」をやっているのがいたら、この手の粉を作って売ってみるのを勧めてみたいと思う。「多少の売上アップに貢献する」と思う。【ド素人の下手くそでも必ず、絶対に外はカリッと中はトロトロのたこ焼きが焼ける】と断言しても大丈夫。だってそういうふうにしかならないような成分で作ってあるのだから。「私は中がトロッとしていない方が好き」な人はどうにもならない粉。(笑)
あるいは真正面から同じ様な商品で勝負をかけるのもおもしろいかもね。
食品業界に近い人なら、本家の粉とほぼ同じ材料でそっくりなものを作るのは難しくないんじゃなかろうか。またこの業界って、「サンプルとしてこういう粉を渡す」と【何を配合しているのか明らかにしてくれる】サービスがある。冷凍食品やXXの素、カップラーメンやカレールーでもそういう分析をしてくれるらしい。皆さん熾烈な戦いをしてるのね。
でも大事なのは「どういう商品を作って売るか」じゃなくて、どういうリソースを集め、組み合わせて、ストーリーを作って売るというビジネスモデルが構築できるかどうかが重要なんだろうと思う。商品は一つのコマでしかない。今の時代はテレビのCMの時代は終わってインフルエンサーとのコラボで大きな売上げが作れる時代になったのは、まさにこのたこ焼きの粉も同じだと思う。大企業も中小零細企業も関係なく戦えるのが凄いと思うし、泣かず飛ばずの小さな町工場が「自社製品のちょっと変わったフライパンを作り」SNSを通して売ったら瀑売れして、生産が追いつかなくて2年待ちとか。
飲食業界のコンサルタントが言っていたのを思い出します。客は「ストーリーを買いに来ているんだ」と。だから「美味しい、安い」だけで勝負しても勝てないと。
そう言えばホリエモンがあちこちの業種に手を伸ばしているけれど、彼の商売も同じですよね。「Wagyu Mafia」なんて和牛を提供する店もなんだか変な店で料金は高いし何なんだと思うけれど、まさにホリエモンは「客は思い出を買いに来ている」と言っていたっけ。やっぱりホリエモンは目の付け所が違う。
おもしろいよね~。
また近年SNSの影響って半端じゃないようだけれど、ユーチューブの料理関係の「リュウジのバズレシピ」ってご存知ですか?
彼とコラボすると爆発的に売れるようになって「味の素」や大手の企業が集まってきている。料理のプロでもなんでもない一介の自称料理研究家が、今ではユーチューブからと企業案件の収入(売上)で年間8億円ぐらいはあるらしい。でも彼のお陰で大会社でも喜ぶような売上アップがあるということなわけで、彼と一度コラボするだけでも数千万円を支払うのは安いのかもしれない。テレビのCMにとんでもないお金を使うのと比較してもそれ以上の費用対効果があるんでしょう。
名も無い中小零細企業の製品でも彼が取り上げて「こりゃ凄い」なんていうと爆発的に売れてしまう。そしてそれは今回のたこ焼きの粉も同じで、「令和の虎」でこれは凄いなんてことになると爆発的に売れる。私も取り上げられた商品をいくつか買ったけれど。(笑)
私は長年零細企業として生きてきて、大企業はもちろん誰も考えつかない競合もない様な「ニッチの世界を探して生きてきた」と前に書きましたが、そんな生き方をしてきたからこういうことが面白くて仕方がない。零細企業には凄い商品を生産する能力も開発する能力もない。販売能力もない。でもアイデアひとつで「既存のもの、リソースを組み合わせるだけ」で【売れる商品】が出来たりする。そういう事を常に考えて仕掛けるわけです。
私の場合は「大当たりすることは一度たりともなかった」のが問題だけど。(笑)
実は私のトレード手法も基本は同じで、古くから誰もがやっている手法を組みわせて、ちょっといじって変則的な使い方をしているだけのこと。
でも世の中って面白くて、そういうアイデアひとつでガラッと変わることに気が付かない人のほうが圧倒的に多い。「他人と同じことをやっていたら駄目」なのはわかっていても「自分の道を自分で切り拓いて歩いて行くのが怖い」のかもね。
チャレンジしてみれば良いのにね~~。