いつも日本の食材が欲しいと思っていますが、それは「マレーシアには無い、高い、美味しくない」とかそういうことだけじゃなくて、【不況でも頑張っている日本の生産者を応援したい】と思うから。
これは他の商品、電化製品も同じで、どうせ買うなら日本製を買いたい。日本の製造業を応援したい。
そして海外に住んでいても「日系の企業から買う、日系のサービスを使う」というのを我が家は1991年に日本を出てから心がけています。
考え方はいろいろですが、私自身、オーストラリアでは小さなビジネスをしていましたし、同じ様な日本人は結構いたのね。「儲かってウハウハ」なんてことは少なくて結構、皆、苦戦するわけで、そして家族付き合いをするような日本人家族も多いから、おのずと「助け合う」のが普通になってくる。
どうせ買うなら「知り合いから買う」「日系の会社やお店から買う」という考え方。
当然、内容も悪くて高いものを買おうとは思わないけれど、皆、ローカルの人と同じ様に商売をしているわけだから「内容が大きく違うということはない」のね。中には「日本人には割引サービスがある」なんてのもあるし。
こういう考え方ってやっぱり年寄りくさいというか、かつて日本人が多く海外に移民として出て、そこでどうやって助け合って生きてきたかとかそういうのを知っているからだと思う。だから「海外で助け合って生き延びる」なんて事を全く考えたことも見たこともない若者はそういう「助け合い精神」って薄いような気がする。と言いつつ、私も40代、50代だったわけで、年寄りってほどでもなかった。
最近の日本を見ていると、仕事も順調に伸びているとか好景気って少なくて、私の趣味もあって魚関係は漁師のユーチューブも見ているから「厳しい現状」がよくわかる。それは「肉類の生産者も同じ」。
「地産地消」という言葉があるけれど、これを広げて「海外の日本人が日本産、日本製を買う」という考えがあってもいいし、それを私は実践したいと思う。
私はかつて貿易関係もしていたし、オーストラリア時代は中古車の輸入が主だったけれど、海産物の輸出も何度かやろうとしたことはあって、また「日本からの食材の輸入」もやろうと思えば出来たのね。父の実家は築地魚河岸の仲買人で、親族が魚河岸には結構いるし。だからマレーシアでも「やろうか」という思いは常にあったんですよ。ただマレーシアって「ブミプトラ政策」の関係か「ある筋を通さないと商売できない」みたいなのがあって、それは「許可」とか「認可」を取る必要があるとか、「必ずある会社を通さないと駄目」みたいな古いしきたりがある。中古自動車の輸入も同じ。
どうしてこんな調子で環太平洋パートナーシップ(TPP)に参加できるのか不思議なんだけれど、会社などの設立は簡単でも「事業を開始する」には結構あちこちにハードルがあるような気がしています。ま、やる気があって詳しく調べたわけでもないのですが・・。
だから日本から和食材を輸入するのもやろうと思えば出来るけれど、見えないハードルが高い感じ。
ま、マレーシアには日本人が多いと言っても、やっぱり私は少ないと思っていて、「COOP」「生活協同組合(生協)」みたいのを立ち上げようと思っても無理かもね。
それはゴールドコースト時代も同じだったけれど、私みたいな考え方の日本人は結構いて「有志が集まって共同で購入する」なんてことは結構やっていました。
それも大人数集まらないと駄目みたいなことはなくて、生産者や卸業者から直接買うにしても「販売ロットが大きい」だけで、そこさえクリアできれば共同購入は可能だったのね。でもマグロは一尾単位だし、タコは10キロ単位とか。
でもそれって5,6人~10人集まればどうにかなっちゃうわけで、どうにかやっていたのだけれど、マレーシアではそういう仲間もいない。一人もいない。(笑)
本当に残念だと思います。
ま、私も若くてやる気満々で知り合いも多ければ話は別なんだろうと思うけれど、商売としてやる人は多くても「生活協同組合(生協)」的な発想でやる人を私は知らない。
また「日本産のものが欲しい」という需要もないのだろうと思う。欲しいとは思っても思うだけとか。(笑)
日本の第一次産業の人たちと組んだり、あるいは日本の卸業界の会社と組めば面白いことが出来るのになぁと思う。
こんなニュースがあっても、見ているだけ。
マレーシアでも台湾産だか中国産だか、サンマなんてどこでも売っているだろうよと言われそうですが、そういうことじゃないのね。
また日本の漁師もいろいろで、「定期的に安く様々な魚を直接消費者に送る」なんてことをやっているケースも結構多い。お米で言う直売みたいなもの。そしてそれは「肉類」も同じで、「和牛は高い」というけれど生産現場ではいろいろあるわけで、ある程度まとまれば「良いものを安く買う方法」っていくらでもあるのね。
それをマレーシアまで送ってもらうことも可能なんだけれど・・・。
でも考えてみると、そういう事ができるのにやらないのは日本国内も同じですよね。
そういうことが出来ても「皆で分かち合おう」ではなくて、「これで一発儲けてやろう」という発想にしかならないのだろうと思う。
今はSNSの時代だから、SNSで声をかければ賛同者もすぐに集まりそうで、10人20人集まるだけで「共同仕入れ」は簡単で、普通、手に入らないものや何でも安く仕入れられると思うんですけどね~。
たったそれだけの購買力でさえ、是非、協力させてくれという中小零細の生産者はいくらでも出てくるはず。
実はマレーシアで、そういう構想を持ったこともあったんですよ。
う~む、ま、それに関しては書かなくてもいっか。
でもま、なんだかマレーシアの日本人って「一体感」を私は全く感じないし、「生活協同組合(生協)」的な仕事だとしても、会員や客層として「駐在組」、それも若かったり、あるいはMM2Hの年寄りって私が思うほどの需要、盛り上がりはないかもね。当然、ローカルへの販売も視野に入れないと駄目なのは普通の輸入卸と同じだけれど、所詮「道楽」の域を出られないとしたらやらないほうが良いのかもしれない。
でも本当に「仲間は手をつなぎ、力を合わさないと生き残れない時代」になったと私は思うし、「流通」の世界は時代とともにどんどん変化するだろうけれど、第一次産業って変わるのは大変だし、どうにか頑張る人たちの手助けをしたいと思う。
それは善意とかそんなものでもなくて、私は「先人たちが長い月日を掛けて築き上げたものが廃れて消えていく」のがどうしても我慢出来ないのね。私には漁業も農業も、牧畜業もかな~~り厳しい状況にあるように見える。それはまさに「日本そのもの」のような気がしてくるんですよ。
若くてやる気も才能もある人たちや新しい分野を切り開いていく経営者も良いけれど、彼らは皆、前を、将来を見て突き進んでいて、「後ろを見ていない」「古いものは切り捨てても良いと考えている」様に思えるんですよ。でも私は「取り残されて消えていく運命にある日本の良いもの」をどうにかして守りたいと思う。
前にも書いた、もし私が若ければこれからもっと進歩するAIとロボトロニクスを持ち込んで「日本の伝統やとんでもない長い年数をかけて育てた日本の職人の技術を守りたい」と思うのと同じ。
日本の農業、コメ産業を絶対に守らなければならないと思うのと同じ。
ま、年寄りの戯言なんでしょうが・・・。