前に劣後債に関して書いたところ、質問がありました。
1 三井住友の米ドル建ての債権などを日本で買えないのかどうか。
2 ヘッジとしてFXを使えば10%程度の利回りが期待できるのではないか。
とのご質問です。
1 日本で買えるかどうかの確認は取引のある証券会社に聞いてみてください。世界中の会社が何種類もの債権を出しており、中には買い手を限定しているものもあるわけです(例に出した三井住友の米ドル建永久優先出資証券もそうです)。
日本で買えるかどうかという事も二つの意味があると思います。日本の証券会社で買えるのかどうかということと、日本在住者で買えるのかどうか。日本の証券会社で扱っていなくても、シンガポールなど海外の証券会社や銀行で多くの債権を扱っているところがありますので、そういうところに日本在住者でも口座を開けば、買えるのではないでしょうか。
2 外貨投資で悩まされるのは為替の変動だと思うのですが、これのヘッジは私は簡単だとは考えていません。例えばオーストラリアドル、ニュージーランドドルでも良いですが、日本円を売ってそれらの外貨債権を買った場合、円高になったら困るわけですね。
で、FXや先物でヘッジをすればいいじゃないかということですが、ではFXで豪ドルを債権と同じ金額だけ売るとします。その後豪ドルが下落して債権の為替差損が出ても、FXでは売っていますのでそちらで利益が出てチャラになるという考え方。逆に、豪ドルが上がった場合は債権で為替差益がでるけれど、FXでは損がでるので最終損益は変わらずという理屈。
ただし、金利の高い豪ドルをFXで売ればスワップの支払いが生じますよね。為替で差損が出ないにしても、債権で金利を稼いで、FXでスワップの支払いをしていたらどうなるんでしょうか。債権の利回りからスワップ分を引いたもの利益となるわけですが、妙味はなくなってしまうはずです。
先物でも同じです。先物の場合は、為替そのものに全く変化が無くても金利分が計算に入って値が変化しますので、理屈はFXと同じく、金利分のマイナスが生じてしまいます。
とは言うもののそれは一般論で、話の発端である三井住友の米ドル建劣後債はきっと今の時点でも9%程度の利回りがあるはずで、FXで米ドルを売っても支払いスワップは安く、差し引き6%、7%ぐらいになるのかもしれません。
1 三井住友の劣後債を買える証券会社を探す。
2 利回りを計算する。(多分9%ぐらい?)。
3 FXで米ドルを売った場合の支払いスワップから年換算の金利を計算する。
4 三井住友の利回り - スワップ を計算する。
もしこれが7%以上あればやっても面白いかも知れませんね。