昨日のガイアの夜明け、おもしろかった。金融クライシスから一年経って今何が起きてるかという内容。
リーマンブラザーズが持っていたという株式のコンピューター売買システムもちょっと紹介されていた。一秒間に200-300回の売買を行うシステムで、どういう事をするのかはわからないけれど、誰よりも早く動きを察知して玉を建てて転売を繰り返すシステムだろうとは思う。これだけで年間100億円ぐらいはたたき出すとの事。損失が出る日はほとんどないと。(このコンピュータープログラムのソースコードが社外に流出してインターネット上に出たという話も以前聞いた事があったっけ)
それと、イギリスのバークレー社がリーマンブラザーズを2000億で引き取ったわけだけれど、1万人の元リーマンの従業員と共に凄い収益をたたき出しているらしい。かつてのリーマンの方針が問題であったのであって、リーマンが持っていた人材、ノウハウそのものは凄いものがあるんだろうと思った。
で、見ていてイライラして頭に来たのが日本の一般投資家達。不動産投資ファンドを買って、90%以上も損をしたという人達。かつて豊田商事なんてのもあったし、その後の詐偽まがいの商品はいくらでもあるのに、多くの人達はなんら学習してないのね。リスクを自分で考えようとしないのが不思議でしょうが無い。でもこの番組でやっていたケースは、販売者がリスクの危険性をまるで説明しなかったとのことだし、投資方法自体に投資家を後回しにするシステムである事の説明もなかったということで、これは裁判では投資家は勝てると思った。
このリスク説明があったとかなかったとか、その辺が裁判の焦点になるんだろうけれど、この辺の説明責任を問う法律も手ぬるいってのが日本の役所も酷いと思う。消費者保護なんて真剣に考えていないと思った。すべては自己責任だというのは当たり前として、でもそれを言うだけであとは知らん顔というのは駄目だね。自己責任意識を即すためにも販売者側の説明責任をもしっかり義務づけるのが当たり前だね。
リスク商品がいくらでもある海外ではその辺は徹底していて、この前買ったBRICSだけに投資するファンドの申込書は、このリスクに関するページだけでA4で11枚もあった。で、1ページ1ページ読んだという確認のサインが必要で、一番最後には全てを理解しましたとサインしなくてはならない。儲かるだけではなく、元本さえも減る危険性がかなりしつこく書かれている。商品によっては元本以上の損失(追い証、マージンコール)が生じるものもあるわけで、そういう商品の場合は投資家本人がどういう経験があるのか、どの程度の理解を持っているのかそれを調べるアンケートまでついていて、とんちんかんな人には売らないようにもなってる。こういう手厚い説明があって、そしてそれを義務づける法律があってこそ、投資は自己責任ですよ、っていえるわけだよね。で、全てのリスクはその契約書に明記されていなければならず、書いていないリスクが生じた場合、販売者に賠償責任が生じる。こういうのがちゃんと根底にあるから世の中はどんどん回転するわけで、そういう法律も作らないで、何か起きる度に裁判をやっているようじゃ先に進めない。消費者も自分の責任は忘れて、販売者ばかり責めるという子供みたいな発想から抜けられない。
で、この番組を見ていてやっぱり感じた事は、いつもここに書いている事だけれど、我々一般大衆は資本主義世界の中ではカモでしかないってこと。で、それに気がついている大衆は意外に少ないし、気がついてもどうしたらいいのかわかっていないってこと。世の中にはメーカーがあり、問屋があり、小売店があり、一つの商品にも多くの会社や人間が関わっているわけで、我々が商品一つ買うということは、その全ての会社、すべての人達の利益も我々が負担しているっていうあたり前の事をもっとしっかり考えるべきだと思うわけです。
銀行に預金する、金融商品を買う場合も同様で、この時も我々大衆は末端であるわけで、我々に微々たる利益を提示して、それは彼らのコストとなるだけで、そこから彼らは大きな利益を手に入れている事を考えるべきだよね。彼らが一体そこからどうやって利益を出すのかまるで考えないっていうのも変。ましてや、番組でやっていたような詐偽まがいの商品もあるわけで、消費者はもっと利口にならないと駄目だと思う。
でもこういうシステムだから世の中ってうまく回転して、みんなが食えるわけで、カモがカモである事に気がついて、カモである事を止めたら世界は崩壊する。でも私はカモでありたくない。
でも考えてもわからないし、どうしたらいいのかわからないと言う人が大半。まさにそれこそ我々がカモになるために、そしてカモであり続けるような作戦に乗っているってことで、ここからの脱却を模索しない限り、末端消費者って奴隷でありカモであり、搾取されるだけの存在であるぐらいに考えた方が良いと思うわけです。
お金に関しては、日本が金持ちになってからの歴史って浅いと思うんだけれど、それが故にお金をどう動かすかというノウハウの蓄積が全くないのね。これは大衆だけではなくて企業や銀行も意外とマヌケで、バブルの頃バカな投資をして大損して、海外のハゲタカを儲けさせただけだったなんて事が起きる。
ものつくりが中心だった日本は、ものつくりが一番だという考え方を必要以上に尊重する考え方が存在する。そして国民も食べるためのお金を稼ぐ事しかしたことがなかったから、お金が貯まりだしたときにそれをどうしたらいいのかという知識が無く、一杯お年玉をもらった子供と同じレベル。まして、お金の運用をマネーゲームと称して蔑視するから余計その方面のノウハウがたまらない。これもまた企業銀行も同様で、金融の世界では日本は世界に全く太刀打ちできない状態。海外では当たり前の部門さえ企業の中に存在しなかったりする。ヘッジファンドしかり、日本のヘッジファンドは聞いた事もない。
ものつくりという言葉は額に汗して働くという言葉と同じに美化されているわけだけれど、だからといって金融の世界を軽視するのはものつくりしか出来ない、額に汗するしかできない労働者の自画自賛でしかないと思う。
私がいつも思うのは、ものつくりも金融も車の両輪と考えるべきで、本来それが両方うまく回ったらこれ以上凄い事はないはずで、それが出来る可能性があるのは、世界を見渡しても日本ぐらいしかないはずなんだね。今の日本は、日本人は、自分で自分の首を絞めていると思う。
今のこの不景気、金融クライシスをバネにして一枚皮がむけたら日本は凄い国になるとおもうんだよね。個人も同じ。できない、わからないといつまでも言い続けているようじゃ進歩がない。
ふと思った。英語のこと。チャットで英語ができたらいいね、という人がいた。その人は何年、何十年それを言い続けているのかと思いましたわ。できるようになりたいならできるように頑張る。そうじゃないなら、出来たらいいねなんて思わない事、言わない事。
民主党に求めたいのも行動力。動き出せばまた問題も出てくるだろうけれど、諦めなければ解決策は見つかるはずだし、その姿が見えてくれば国民が負担をしなくてはならなくなってもみんな納得するはず。
自民党ができなかったことがたくさんある。それはできなかったんじゃなくて、やらなかったのだと私は思うわけです。それなのに言い訳ばかりしている政治家は見るに堪えない。個人も同じ。企業も同じ。諦めたら終わり。
って、自分にいつも言い聞かせているんだけれど、なかなかねぇ・・・・
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