家庭菜園

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私は家庭菜園が趣味。いや、ちょっと違うか。ハイドロポニックスが趣味と言う方があたっているかも。

ハイドロポニックスっていわゆる土を使わない、また養分の入った水を与え、あるいは人工光を使って栽培するのですが、これが面白いんですよ。日本では一般的に水耕栽培っていう様ですが、水耕栽培は養液栽培というべきでハイドロポニックスの一つの手法でしかないんです。

で、何が面白いかっていうと、まず土。土はどこにでもあるし、野菜でも何でも栽培するのにまず土が必要。でも、土って何?と問われたらそれにちゃんと答えられる人って少ないと思うんです。よくよく考えてみると土っていわゆるブラックボックスで中身がはっきりわからない。その中には栄養素から微生物から、砂、砂利、粘土、あるいは腐葉土といわれる草木のなれの果て、そんな物が一杯詰まってるのを総称して土と呼ぶわけで、これが土だという定義ってないんじゃないかと思うんです。

これは光も同じで、光には波長がありますね。では、野菜の生長に必要な波長って何かってことになって、それがわかるとその光だけを与えれば良いということになる。これは温度もそうだし、栄養素も同じ。

で、野菜を育てるのに何が必要で何が不要なのかを考えると、別に土が無くてもいいじゃないか、太陽光もいらないねと話は進んでくるわけで、必要な物は与えて、不必要な物は排除することが出来る。すると非常に効率が良くなる。で、育ちも早いし、病気にも強い、場所を選ばず、その延長線上に宇宙時代の栽培方法も見えてくるわけです。

土もブラックボックス、光もブラックボックス、温度や日照時間、栄養素、これって一体なんなのさという答えは長年掛けて人類が経験で知った知識に頼る部分が非常に大きい。でも科学の進歩でかなり細かいことがわかってきてるんですね。それを最大限に利用しようというのがハイドロポニックスで、大げさに言うと植物の生命の根源に触れる楽しさがあるんです。

いや、そういう面倒なことはない方が面白い、って方もいるでしょう。でも私みたいな調べ魔からすると、当たり前だと思っていたことなのに実はその内容を全く知らなかったわけで、それを知る喜び、そしてそれをコントロールすることによって普通では考えられない栽培ができる喜びが大きいんです。これは常識に対する挑戦であって、普通のことが嫌いな人間にはこれほどおもしろいことはないです。

まず、土に種をまいて水をやると、いつか芽が出て大きく育ちそれを収穫できるというごくごく当たり前のことですが、どの過程で一体何が起きているのかがハイドロポニックスをやることによってわかるんです。これって大宇宙の起源、ビッグバンをこの目でみるのと同じ様な、大宇宙の秘密をとうとう知ることが出来たみたいなインパクトが私にはあります。

偉そうなことを書きつつも実は本格的にそれをやっていたのは数年前までで、今ではやっていません。なぜか?とにかくお金が掛かるんです。いや、それは私のやり方だとそうなるということで、私は地下室で育てていましたので人工光が必要でした。600ワットクラスの電球を並べて夜中でもそれらを付けていましたので、電気代が怖ろしいことになりました。計算するとキュウリ一本、トマト一個が何百円になる計算。(笑)

それが理由で止めたのですが、今ではLEDが使われるようになりました。それも成長に必要な波長(色)を調節することもできるし、電気代が劇的に減るようになった。と、時を同じくしてテレビのニュースを見ても、都市のビルの中に農場が出来たなんて話しも飛び込んで来るようになりましたし、極寒の地域、冬場は白夜の地域などでどんどん普及している。これってSFの世界に似ていて、近い将来、町工場が野菜工場に変わる時代も来るんじゃないかと思ってます。

で、マレーシアに渡ったときのことを考えた場合、こちらでもそうですが、どうしても欲しい野菜がある。でも売ってない。あるいは買うと高い。例えばそれはシソであり、ミツバであり、細かいことを言い出すとポリポリイボイボのスーヨーキュウリが欲しいとか、小さなモロキュウ用の高級キュウリが欲しいとか、京都の壬生菜も良いねとか、ナスも水ナスが欲しいとか際限なく欲望は広がってきますし、それに応えてくれるのがハイドロポニックスだと思うんです。

もちろん普通の土、庭や農園で作っても良いのですが、それらは間違いなくその土地の気候に左右されるわけで、季節に関係なく育てたい、周年栽培をしたい、気候的に無理な野菜を育てたい場合にはまず不可能となります。でもハイドロポニックスならそういう問題から「ほぼ」開放されます。

今のところ考えているのは、シソ、三つ葉、これらは絶対に周年栽培しようと思ってます。KLは常夏ですので、それらの生育には良いはずですが、たとえばシソは日照時間に敏感で、電照菊と同じように、光を調節することによって開花のコントロールが出来るんです。つまり、シソは穂がつき始めると葉っぱがアウトになりますが、まだ秋じゃないよ~~、初夏だよ~~と人工光を使って日照時間を延ばすことによってしっかり騙せるわけです。シソは、おかしいなぁ、秋が来ないなぁ、と悩みながら穂を付けることなく伸び続ける。(笑)

これって農家も間違いなくやっているはずで、シソ畑に電球をいくつか設置して収穫期間を延ばしているはず。

で、土を使いませんから汚れないんです。だから家の中でもできるし、セットを小綺麗にまとめれば観葉植物みたいな感じで野菜を育てられる。ミニトマトなんてそれの代表で、見ていても綺麗だし、そして常に完熟トマトを食べられる。これもハイドロポニックスのやり方一つで、たったの一株で何百個も取れるように出来る。これは土ではかなり難しいはず。

台所に三つ葉の根の生えた物をコップに入れて置いておくだけで育ちますよね。あれと同じで、それこそペットボトルをいくつも並べ何種類も育てられるし、それも間違いなくハイドロポニックス。

また、ベランダ農園でもハイドロポニックスと合体させるとかなり効率よく育てられるんです。たとえば成長が早いカブですが、途中までハイドロポニックスで密集させて育てて、途中からプランターに植え替えるだけで数週間で収穫できちゃう。つまりグループをたとえば3つ作ってローテンションするだけで工場で作る様にどんどん収穫できちゃう。密集栽培もかなりいけるので、畑に種をまいて作るより早く、一年間の面積当たりの収穫高は4倍ぐらいにできるんじゃなかろうか。

ま、そんなことをマレーシアへ渡ったらやってみるつもりで、今からいろいろ考えています。特に楽しみなのはシソで、どういうわけかマレーシアでは育てるのが難しいと言われているようです。シソは小さなコップのようなポットで10センチぐらいまで育てれば、あとは問題なく育つだろうし、そんなのを作って知り合いの人に定期的にお分けするなんてこともやりながらみんなで楽しもうと思っています。

ただ、ハイドロポニックスは良いことばかりじゃなくて、実は美味しくないと思うものも少なくなかったんです。

これは育て方に問題があると思っていて、とにかく早く育てたいという気持ちが大きすぎて、水、栄養、光を充分に与えるとかなり早く育つのですが、その分、味はイマイチになるような気がしています。促成栽培のデメリットってこれじゃないでしょうか。見た目は同じでも味がまるで違う。ただそれは育て方の違いがあって、やっぱり太陽で育てないと美味しくないんだよね、というのは先入観でしかない。ハイドロポニックスの方が美味しく、栄養分も豊富な物を作れるという農家もいます。

私が思うに、自然の世界ってうまい具合に出来ていて、私たちが美味しいと思う要素って、野菜にしてみると苦境の中でしっかり育つために自分の中に溜め込んだ要素なんだろうと思うのです。あるいは美味しい「何か」を溜め込むにはそれなりの時間が掛かるのかもしれない。だから、マレーシアに行ったら、とりあえず早く育てる物はそれとして、別グループは水や養分を抑えたり、わざと塩分を入れてみたり、時間をたっぷり掛けてじっくり苛め抜いて育てることもやってみようと思っています。多分、その苛め方も効率の良し悪しがあるはずで、興味は尽きません。

巷ではこんな製品も出ています。数年前、世界的に大流行しました。

植物工場に関するテレビ。

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