文明論から見た今回の災害

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文明論から見た今回の災害と、日本がどうあるべきか、これからどういう方向に行くべきか、それを考えさせられる動画がありました。

そもそもこの人は保守バリバリの人ですから私がこの手の考え方に賛同するのは当たり前。ただ、私としてはそういう考え方が良いとか悪いとかの判断はもうしたくないぐらいで、その自己チェックを放棄するのはいけないことなのかもしれませんが、私の心が望む、こうであって欲しい日本とはこれだ!と今、声を大にして言いたいです。

今になって再び脳裏に浮かんでくる石原都知事の「天罰」発言。この災害、事故が、「日本人よ、目を覚ませ」と言っているような気がして仕方がありません。

地震、津波は間違いなく天災だと思います。しかし原発の事故は紛れも無い人災だと思うのです。またその対応を見ていても人災が今もなお引き続き起きているとしか思えないのです。

ではその人災の原因はなんなのか。政府・東電は舞台に立っているわけですが決して彼らだけが悪いのではなく、実は我々もその舞台に乗って彼らを見ているだけだと思うのです。この人災の根底にあるもの。これを今回しっかり把握し、理解し、そしてどうするべきか、どうあるべきか、それを是非とも子供の世界に残し、伝えたいと思います。

自由主義と自由貿易主義、改革、市場主義、規制緩和など、これが現代の流行り言葉であって、それを信じて走ってきた我々に大きな責任があると思うのです。TPPを私が反対し続けるのも同じ理由です。

私は自分の子供達に伝えたい。自由に好きなように金儲けに走り、環境を壊し、人の心を踏みにじり、それでも「己」が生きるために全力を尽くす。そんな人間になるなと。そんな日本にするなと。そんな世界の方向を許すなと。

でもそれを作ってきたのが我々であり、ここは反省すべきところは反省し、子供達に謝らなければならず、そしてそれを元に戻すことも彼らに委ねるしかない自分の罪、それをしっかり受け止めたいと思うのです。

フト三島由紀夫を思い出しました。彼の言ったことは正しいと思います(天皇万歳という意味ではなくて)。でも私は彼を卑怯者だとも思えるのです。言いたいことを行って自分は去ってしまった。でも彼の死によって彼の思いを心に留めた人は決して少なくないだろうし、結局、私の世代も彼と同じく何もせずにこの世を去るしかないのだろうけれど、この美しい日本を是非守って欲しい。日本に生まれた良かったと思えるような、そして日本人として誇りを持てるような世界にして欲しいと切に願います。

特にTPPはもう目の前に迫っています。是非ともこれを阻止しないと日本が日本としての息の根を止められると思うのです。その後も間違いなく日本は存在するでしょう。しかし、今以上に利益追求型の、合理化という美名の下に弱者切捨ては加速し、なりふり構わず「己」が生きることを善とする世界になることは明白だと思うのです。もうこれ以上アメリカの理屈を受け入れて欲しくありません。

今の世界では自由貿易主義が善として疑われない風潮があると思いますが、それは本当にそうなのか、今ヨーロッパでも沸きあがってきている「保護思想(主義ではない)」には一理もないのか。また西部氏が言う歴史が繰り返されているという1930年代に一体何が起きたのか。

歴史を振り返ると共に、今我々が善だと信じるものを今一度疑ってみる必要があるのでは無いか、そのように私は考えます。

TPPにしても今の政治にしても、おかしな事ばかり起きているなぁと思う気持ちは今回の災害で絶頂に達しました。特に原発事故。これは決して天災では無いし、悪いのは政府と東電でもないし、我々の中に巣食っている「善」とされたものが光だとすれば今回の事故はその影の現れであって、その一枚の紙の裏表でしかない「光」と「影」の片方だけ消す事が出来るとは思えず、その紙そのもの、裏表含めたそれ自体を放棄し、違う価値観を持つべきだと思うのです。

「万機公論に決すべし」。好きな言葉ですが、そんな言葉はこの紙の裏にも表にも書いていない。

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