いや~~、しかしカメラ業界にどんどん新製品が出てきて面白いことになってますね。
三つ巴というか四つ五つ入り乱れて大混戦の様子。今までこんなことがあったでしょうか。
しかしどのメーカーも素晴らしいカメラを出して来ていますが、カメラの世界が大きく前進する時期のような気がします。どれを選ぶべきか悩みますが、どれを選んでも良さそうに見えます。
でもそれって、原始人が突然東京のど真ん中に来て目を白黒させているのと同じで、カメラの進歩に自分が追いついていないってことなんだろうと思います。まともな寿司を食べていない私が日本に行って、何を食べても美味しいと思うのと同じかも。(笑)
そう思うと、本当に良いものと、良く見えるものとが混在しているのだろうし、そこはきっちり見抜かなくてはならないはずだけれど、それだけの能力がないのだからどうしようもないか。
今日一日だけで、またいくつかの新機種の発表がありました。
まず、オリンパスのE-M5。これも良いわ~~。私はこの数年、マイクロフォーサーズを主に使っていましたが、そのマイクロフォーサーズとしては最高のカメラが出た。
若干の紹介動画が出てきていますが、これが一番どんなカメラかわかりやすいかも。
これが結構大きく見えるけれど、実はかなりの小型で軽量。私がカメラに望むことはほぼ全てこのカメラは備えています。ただ一つだけ。今までやっぱり気になっているセンサーの小ささから来るボケの少なさ。こればかりは物理的にどうしようもないことですが、それを除けば、このカメラが私にとっては多分一番の選択となるはず。
ところがですね。本日、突然シグマが新しいカメラを発表。シグマってマニアにはなんとも言えず嬉しいカメラを出しているメーカーで、ほとんどの人はレンズ屋でしょ?なんて言いますが、私はこの会社そのものに惚れていますし、彼らが注力するフォビオンというちょっと変ったセンサーも捨てがたい物があります。
というか、このシグマのDP2というちっちゃなコンデジを買ったことから私の写真を見る目がガラっと変ったといっても良いくらいで、もしかしたら私が本当に欲しい、あるいは私にとって良いカメラはシグマのカメラかもしれないんです。
そのシグマが待望のSD1というレンズ交換型一眼レフで、なおかつフォビオンセンサーの新型を搭載して新機種を出したのが去年。これを待ちに待っておりまして、買おうと思ったら、なんと70万円という恐ろしい価格。一気にやる気が失せましたっけ。でも今思うとそれでよかったような気がします。このフォビオンセンサーって写りは最高なんですが、オールマイティではないというか、私みたいな下手糞が使うと、それこそ宝くじを買ったのと同じようなもので、ちゃんとした写真が撮れるのか撮れないのかが撮ってみないと良くわからないんです。
非常に難しいというか気ままというか、使いこなすには難しいカメラ。これはコンデジのDPシリーズも同じで、シャッターを押せばどうにかなるなんてことが全くないカメラでした。そしてメカニカルな点で問題の多いカメラ。これはシグマという会社がそもそもカメラ屋としては弱小で、開発力もないのだろうと思っています。メカが何世代も前みたいな感じなんですわ。
だから買わないというか、高くて買えなくて結果的に良かった。
ところがですねぇ、そのシグマがその70万もするSD1というカメラの製造工程を吟味して、低価格化に成功したって言うんですね。20万円だそうです。3分の1以下。こうなると話は別で、寝ていた子がまたムクムクと起き上がってくるわけです。
でもこのシグマという会社。やっぱり良い会社だと思います。
普通このように3分の1の価格で提供できるようになりました、となれば、安くなるのを待っていた人は喜ぶけれど、高いのを泣く泣く買った人は怒り心頭なわけですよ。冗談じゃないって思いますよね。でも低価格化に成功したのだから、それは良くやったと賞賛されるべきことであって文句を言われる筋合いはない。
でもねぇ、このシグマって会社は、その高いカメラを買った客に対して、大変申し訳ないという考え方を持つんですね。そしてなんと、その客に対して、40万円相当分の商品券をだすことに決めた。
この新価格を発表したときの社長の弁。
「一方で、すでに現行のSIGMA SD1をお買い上げいただいたお客さまには、大きな期待と決断をもってお求めくださったカメラとまったく同じ仕様の製品が、1年後に大幅な価格改訂のもとで発売されることについて、いかなる理由があろうともご納得いただけるものではないという点についても、重々承知しております。
何よりも、万難排してSIGMA SD1をお買い上げくださったお客さまは、とりわけ当社にとって特別な存在であると認識してまいりました。ですから、そうしたお客さまにわずかでもご不快やご懸念を抱かせる事態を招いたとすれば、それは、当社にとってまさに痛恨の極みであるといえます。」
考えられます?
私はバカだからジーンとして目頭が熱くなってしまいます。こういう口だけってのは良くあるでしょうが、申し訳ないと40万円のポイントを既存の客には出しちゃうのだから凄い。(と書きつつ、そうしないとかなりうまくない状況になるのは見えてますね)
前にもシグマって会社が好きだという日記を書いたことがありましたが、どんな業界だとしてもお客あっての会社ですし、儲けってのはどれだけお客の笑顔を獲得するかということだと信じる私にとってはこのシグマのやり方には本当に頭が下がる思いがするんです。今時の考え方だと、あるいは欧米的な考え方だとバカな会社かもしれませんが、私は世界中の会社がこういう会社になったら素晴らしい世界になると思っています。是非、東電初め電力会社にはこういう姿勢を見習って欲しいと思うくらい。
ま、そういうことで、恐ろしく高いけれど非常に変った、面白いカメラが3分の1以下の新しい価格で売り出されるということ。
そしてもう一つ。私のカメラ観さえも変えたDP2というコンデジがあるのですが、なんとその小さなカメラにこのSD1と同じセンサーを積んだ新機種が発売される。これって嘘みたいな話です。レンズ交換型ではないのですが、二種類のレンズがありまして、DP1、DP2となっているのですが、今回、またその二機種をだすとのこと。出すというより開発を開始しましたってことですか。
この見た目は普通の小さなコンデジに、普通のベイヤー型と言われるカメラで換算すると、なんと4600万画素、4600万画素ですよ。そういうセンサーを搭載して出すというんです。
まぁ、こんなのはカメラ業界始まって以来の快挙じゃないでしょうか。
でもそれは実際に製品が出て、その値段と内容がどうなのかそれをみないとわからないわけですが、少なくとも話だけだとしてもこんな凄い計画は私は聞いたことがありません。自動車で言えば、ベンツグレードの軽自動車を出すようなものでしょうか。
正直なところ、この新しいSD1、そしていつ出るかわかりませんが新しいDP1,DP2には非常に興味がありますが、さて買うかどうかと考えると私としては及び腰になってしまいます。
良いカメラなのはわかるのだけれど、私には難しすぎる。使いこなせる気が全くしないんです。
そういうカメラだからこそ、好きな人にはたまらない魅力なんだろうと思いますが、私としてはたまに95点の写真が撮れるカメラより、ほぼ平均的に80点の写真を吐き出してくれるカメラの方を選びます。またそういうカメラでも基本性能はかなり上がっているわけで、今の私のレベルではそういうカメラでさえも使いこなせるかどうかは危ないところだと思っています。
この日記でも重箱の隅を突っつくような比較をしましたが、それはとりあえずそういう傾向があることは知っておきたいと思うだけのことで、その差でカメラを選ぶほどの違いだとは思っていないのです。自分は富士山の五合目にも行ったことがないのに、キリマンジャロとマッターホルンを比べて何か言うのと同じことなんですね。ま、最近のカメラだったら私にはどれでも十分すぎるというのが現実。
ただ、カメラって実用的な部分と持つ喜びを与えてくれる部分があるわけで、そういう意味で、良い物を持ちたいという気持ちは当然あります。でもま、それは適当なところで止めておいて、ランボルギーニやフェラーリを本当に買うつもりで一生懸命しらべるような事は私はしません。私としてはポルシェで十分です。(爆)
まぁ、あんなこんなでどんどん素晴らしい機種が発表されますが、一体キャノンは何をしているんでしょうか。他のメーカーの様子を見ながら、最後に後だしじゃんけんをするのかもしれませんが、どんなものを出してくるのか非常に興味があります。
ニコンのD800は内容も素晴らしいですが、価格も挑戦的な価格をつけて出してきている。さぁ、これをキャノンはどう迎え撃つのか。
私としては自分がよければよいわけで、私の希望としてはニコンのD800とガチにぶつかるようなことはしないで、是非とも全く想像もできないようなカメラ。フルサイズのミラーレスをぶつけてきて欲しいなぁ。もちろんフランジバックの短い新マウントで。そうじゃないと他社のレンズが使えませんから。画素としては2400万画素で十分。その代わり、常用でISO6400は確保とかね。もちろんEFマウント互換で今までのレンズは全部使えるようなカメラ。そして重さは500グラムぐらい。
あはは、無理でしょうねぇ。
でもま、ニコンのD800はソニーのセンサーということらしいですし、それをNEX-9に乗せてきてくれればそれでOK。
あれれ、ちょっと待てよ。フルサイズってことはEマウントにはならない?今までのNEXと同じマウントでフルサイズセンサーが乗るのなら良いのですが、無理じゃない?となると、あの3600万画素のセンサーを積んだカメラはNEXでは出ないってことか・・・。α99でそれがでたらどうする?うーーむ、私の食指は動かず。
残るはキャノンの出方を待つばかりか。
私はどうしてもフルサイズのボケで写真を撮ってみたいんです。それも24ミリで。初めてキャノンの24ミリ、f1.4の写りを見た時にはびっくりしました。ああ、私が求めていた物はこれだって。広角なのにボケるんですね。
所詮私が撮るのはお散歩写真ばかりなんですが、街中で24ミリの画角って使い道があると思っています。そしてなおかつ、中心の被写体は浮き上がらせて背景をぼかすことができる。もっと長いレンズを使えばいいじゃないかというかもしれませんが、長いレンズを使うと圧縮効果が出ちゃうでしょ。あれって目で見る自然とはちがうわけです。背景は広く、そしてぼかす。ここが面白いと思うんです。後は35ミリのf1.4も同じく使ってみたい。そして50ミリならf1.2。ライカのノクチラクスの写りを見ると身震いするぐらい感激します。
例えばこんな写真。これはノクチラクスじゃなくて、最近話題の香港のレンズメーカーSLRマジックのレンズです。50ミリのf0.95。私がファンでいつも見ているSteveのブログから拝借します。
元絵はここ ←クリック
50ミリの画角って人間の目に近いと思うので好きなんですが、それでいて被写体だけはしっかり浮き上がらせることが出来るのがこのレンズみたいなf0.95、f1.0なんですね。こういう写真が好きです。ピントがあっているところは切れすぎるくらいのシャープさがあって、周りはとろけて行く感じ。
24ミリ、35ミリも同じで、被写体を浮き上がらせるには50ミリレンズよりもっと近づかないとだめですが、背景のボケにはゾクゾクするようなものを感じます。で、こういうボケってセンサーの小さいマイクロフォーサーズだとどんなに明るいレンズを使っても無理。私がマイクロフォーサーズから脱皮しようとしているのはこういう理由です。そしてAPS-Cの方がまだサイズが大きいですからボケやすい。それがソニーにも目が行く理由です。でも本命はやっぱりフルサイズで、そうじゃないとやっぱり私が求める写真は手に入らないと思っています。中版カメラのペンタックスの645Dですが、それが気になるのも同じ理由です。
でもフルサイズは大きくて重い(中版はもっと凄いことになる)。ということでカメラ選びは振り出しに戻る。(笑)
だったらさっさとライカを買えってのが本当は一番の答えなのかもです。