HSBCが発行している債券の話ではなくて、HSBCマレーシア、HSBCシンガポールからどういう債券を購入することが出来るのかという話です。
前の日記に書いたように、HSBCの両支店に口座を持っているので聞いていました。
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○ 豪ドル建てのBNP Paribasの債券があるのかどうか。償還日は2015か2016。あるとしたらその詳細を希望。
○ 一般論として債券投資に必要な資金はどのくらいか。
○ 豪ドル建ての債券を紹介して欲しい。
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以上の3点です。
答えは一緒かと思いましたが全く違う内容。どちらにも共通していることは BNP Paribas の債券は無いということ。
HSBCマレーシア
○ 債券投資に必要な最低額は5万ドルから10万ドル。
○ お奨めの豪ドル建て債券は以下の5件。
発行者 NATIONAL AUSTRALIA BANK
ムーディーズ格付け Aa2 | AA-
通貨 AUD
クーポン 6.2500%
利払い Semi-annual
償還日 2013-Apr-01
残存期間 1Y 2M
リスクレベル 2
参考価格(ask) 102.6920
利回り 3.7737%
最低購入額 50,000
購入単位 50,000
参考価格(bid) 101.4355
NATIONAL AUSTRALIA BANK
Aaa | AAA
AUD
5.7500%
Semi-annual
2013-Dec-19
1Y 10M
2
103.4600
3.7811%
50,000
50,000
102.0675
RABOBANK NEDERLAND AU
Aaa | AA
AUD
6.7500%
Semi-annual
2014-Jul-03
2Y 5M
2
104.4210
4.7593%
100,000
100,000
102.5345
NATIONAL AUSTRALIA BANK
Aa2 | AA-
AUD
6.7500%
Semi-annual
2014-Sep-16
2Y 7M
2
104.9410
4.6919%
50,000
50,000
103.0175
HSBC BANK PLC
Aa2 | AA-
AUD
6.7500%
Semi-annual
2015-Mar-12
3Y 1M
2
104.7800
5.0474%
100,000
100,000
102.7255
HSBCシンガポール
○ お奨めの豪ドル建ての債券は以下の二件。
1. AUD LLOYDS 7.25% 2013 @ 102.541 -> YTM 5.7% [A1/A/AA- M/S/F] 2. AUD RBS 7.25% 2014 @ 102.5 -> YTM 5.94% [A2/A/A M/S/F]
○ 購入の最低額はAUD20万ドル。
その他、Franklin Templeton社の Templeton Global Bond Fundを薦めてきました。
う~~~~む、ですねぇ。まぁ、妥当な線というところでしょうか。
普通に聞くとこんな感じなのでしょう。しかし私としてはマレーシアもシンガポールも顧客に何を薦めるか決めるヘッドクォーターは同じ部署だと思っていたのですが、違うのですかね。(面白いのが同じ会社であるのに、メールに書いてある債券の内容のフォーマットが違うこと。これって違う端末を見ているのか?HSBCシンガポールの方は、いかにも検索でヒットした物をそのまま貼り付けたという感じ)
でも私が想像するに、彼らは多くの持ち玉があって、その内のどれを投げるかは担当者が顧客のレベル、傾向を見ながら決めるのではないかと思っています。では彼らの持ち玉には何があるのか。
この辺が交渉力となるのでしょうが、難しそうですね。全部見せてくれよ~、なんてわけにはいかないのか。(笑)
ただ、前回、と言っても3,4年前ですが、HSBCシンガポールに三井住友の米ドル建て劣後債があるかと聞いたらあるとの返事だったし、彼らが探す気になればあるのだろうと思います。
HSBCマレーシアにメールを書いたところ、1時間もしないうちに返事が返ってきて、上記の5つの豪ドル建て債券を勧められたわけですが、これは担当者がすでに持っているものをそのまま出しただけかもしれませんね。つまり、彼らは債券売買の部署にはあえて私の問い合わせは伝えていない、要はちゃんと調べていない可能性が大だろうと想像しています。
ああいう銀行がどういう内部システムを持っているのかなんてわかるわけもありませんが、担当者というのは銀行組織の末端でしかないし、その担当者が勝手に市場に出回っている商品を選んで(彼らの端末に出てくる販売可能商品は限られているはず)顧客に売ることが認められているとは考えられません。
ですから、個別の債券を買いたい場合、このように聞いて、答えは「No」だとしてもそこで諦めては駄目だというのが簡単に想像できますね。
例えば靴を買いに行ったとします。そしてこういうやりとりって結構あると思うのですが、
客 「このタイプで色は茶。サイズは7。ありますか?」
店員 「(調べようともせずに)ありません。」
客 「ちょっと在庫を確認してきてくれないかなぁ。」
店員 「(在庫を確認しに行ってから)やっぱりありません。」
客 「他の支店にはあるんじゃないの?」
店員 「(面倒くさそうに)他の支店ですかぁ?少々お待ちを。」
客 「・・・・・・・・・」
店員 「本店にあるのがわかりました。」
客 「じゃぁ、それを取り寄せてくれる?」
店員 「承知しました。」
私としては銀行もこれと似たようなものではないかと思うのです。そして上に書いたように、担当者が勝手に何でも販売することは許されていないはず。
だから押し方一つで彼らの対応は変ってくると思うのですが、どうでしょうか。
ただ、言えることは、前にも書きましたが、シンガポールのシティバンクでは思うような債券が買えずに口座を閉めた経験がありますが、それと同じように銀行は銀行のポリシー、狙う方向がそれぞれあるはずで、彼らは単なる仲買人とは違って、顧客のアドバイザーでもあるという自負があるはずなんですね。だから変なものは売れない。
変なのものとは?あるいは確実なものとは?
これが難しいところで、銀行、担当、そして我々顧客が考える内容にかなり差があるんじゃないでしょうか。
フト思い出すのは、銀行選びでも我々の中に差があるってこと。マレーシアでMM2Hビザを取るにあたり、決まった額の定期を作らなくてはなりません。そして当然、それ以上の生活資金をマレーシアに送らなければならないわけですが、さて、どこの銀行にするのか?
これはマレーシアにわたる全ての人が考えるわけですが、私がびっくりしたのは、銀行選びの時に、私としてはサービス内容を重視したいと思うのですが、中には
「HSBCって大丈夫なの?」
という人が結構居たということ。私は最初、この大丈夫?の意味が良くわからなかったのですが、要は、破綻する可能性のことを言っているんですね。それと政府の預金保証のことを心配する人が少なからずいるということ。
まぁ、それはそれで良いのですが、天下のHSBCの破綻を心配する人が、同じように、利回りの良い投資ってないかしら?と考えるんですね。
これが非常に滑稽であると思いました。まぁ、人間の心理としては理解できますが、これでは投資なんかできませんよね。欲望と恐怖がごちゃまぜになっていて、リスクとプロフィットの関係も全く考えられないだろうと思うんです。
で、それが大半であるということだろうと思います。実は私だってそう。
そういう客を持っている銀行としては、薦める商品もかなり吟味しているはずなんですね。市場にある商品なんでもお好きな物を選んでくださいというはずがない。もしも客に薦めた(売った)債券がデフォルトでもしようものなら大騒ぎになるはずで、彼らは絶対にそのリスクは取らない。客が欲しがったから・・なんてのは言い訳にもなりませんよね。ましてやHSBCならプレミアとかVIP待遇のような顧客囲い込みをやっているわけで、安心安全、そして効率の良さが彼らの売りなんですから。
我々の日常生活で考える「妥当な利回り」というのがあると思います。それを超える投資をしたいけれどそれにはどれほどのリスクがつきまとうのかというのが全くわからない。そんな我々トーシロに何でも買わせるどころか、見せることさえしたくないという考え方が彼らにはあると思うんです。
彼らは名の通った「老舗百貨店の外商」と思えば良いのかもしれませんね。そこらのスーパーや小売店、安売り屋じゃないんだという考え方を彼らは持っている。
それがはっきりしているのが日本の銀行や証券会社。まだ昔からの「消費者保護」の考え方が強く、ある意味、責任感があるとも言えるのですが、我々に完全な選択肢を与えようとはしないんですね。また余計な物を見せると五月蝿くなるから、利回りは良くても(これは誰にでもすぐ見える)リスクのあるもの(これを理解できる人は少ない)の存在さえ教えないのでしょう。また、国を挙げて日本の国債を買い支えるという大事な仕事がありますから、他のおもしろそうな投資案件は見せたくないのが本音ではないでしょうか。
ただ海外では競争が激しいし、自己責任の考え方は広まっているし、日本とは比べられないぐらいの選択肢が我々素人の前にも広がっていると私は考えています。でもそれは海外だからあるんじゃなくて、同じ世界に存在しているわけですから、当然、日本からでもアクセスしようとすればできるはずで、顧客の意向で動いてくれる金融機関が存在すれば問題は無いかもしれませんね。それが前の日記で紹介した方が書いてくれた内容だと思うのです。
ま、我々にどこまでできるのかはわかりませんが、とりあえずどういう風にこの業界がなっていて、今、自分がどういう状況にあるのか、それを理解すれば向かうべき方向はわかるわけで、これからを楽しみにしたいと思います。
今の時点ではこれ以上HSBCをプッシュしようとは思いませんが、私はプッシュすれば、上に書いた靴屋の店員ではないですが、上司に相談し、OKが出ればどんな商品でも買えるのではないかと想像しています。
とにかく、受身でいては我々は常に彼らのコントロール下にあって、そしていつもうまい具合にカモられる立場から脱却できないと思っています。彼らを使うとはどういうことなのか、そういうことも考えて行きたいと思います。
彼らも売り側としてのリスクはあるわけですが、金銭的なリスクは買い手である我々が取るわけですから、どういうリスクのどういう商品があるのか、それを全て見せて欲しいですよね。自分のことは自分でコントロールしたい。でもそれってFX投資をやりましょうというのと同じで、一般的に言えば本来進むべき道ではないのかもしれないし、こういうブログで書くことでもないのかもしれませんね。
どうしましょう。適当なところで止めた方がいいのかなぁ・・・・