節税はフェアか?

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私は脱税は絶対に良くないと考える性格なのは何度も書いていますが、って当たり前ですよね。多少は構わないとか、見つからなければ良いなんて公言するバカはいませんから。でも本当に脱税は良くないと思っています。これは、俺は聖人君子だと言ってるのじゃなくて脱税って割りに合わないと思うんです。これは昨今、経済界を賑わしているオリンパスの所得飛ばしもそうだしインチキはやっぱりいろんな意味で駄目だと思うんです。自分の得にもならない。

節税方法っていろいろあるわけですから、それをやれば良いだけのことですよね。ましてや今マレーシアに渡る、あるいは海外に出るという前提で考えると、タックスヘイブンの利用が出来るわけですから汚い手を使う必要はないと思うんです。

では節税はフェアかと考えてみると、そうでもないような気がしてくるから困る。(笑)

マレーシアはタックスヘイブンと呼んで良いと思っています。これはマレーシア国外で収入のある人、あるいは金融資産の運用で利益を出す人(マレーシア人を含む)に取っては、という意味です。

金利生活なり投資で食べている人はマレーシアに渡ったら無税。凄いですよね。

こういう国や地域は結構あって、香港やシンガポールも同じ(のはず)。昔から有名なモナコがそうですよね。昔は香港やシンガポールなんてアジアの辺境でしかありませんでしたが、今では金融の中心地で社会的基盤もしっかりしていて発展度合いで言えばヨーロッパの国々を圧倒する凄さがあるわけで、昔のモナコって今の香港シンガポールと考えて良いかもしれないぐらい。

で、マレーシアもそうだということ。

マレーシアというと物価も安くて老後に住むには良いねとか、あそこを中心にアジア探訪が出来るねとか、ビザも簡単に取れるから良いとか、そういう見方が多いと思うのですが、私はそんなこと以上に、マレーシアがタックスヘイブンだということが何よりも重要なポイントだと思っています。

海外での収入(年金含む)、金融資産から生まれる収入(金利とか)には税金が掛からないわけですから、我々のような退職者はほぼ全員、収入に関わらず無税と考えて良いわけです。凄いですよね~~。

と、同時に、贈与・相続税もない。

そんなの関係ないねっていう人も多いでしょうが、一生を掛けてどうにか貯めたものを子供に譲るのに税金が課されるというのがどうにも我慢できない人もいると思います。で、世界に目を向けると相続・贈与税がない国もある。オーストラリアがそうですしアメリカでさえつい最近まで相続税がかからないという時限立法があったくらい。

贈与・相続に関しては贈る方、もらう方それぞれがマレーシアに渡る必要があるのと、その資産も日本から出す必要があるわけで、面倒だといえば面倒ですがそれをするだけで贈与・相続税を払わないで良い(居住地の税法に従う)のは良いと思います。

ただこれも日本には「属地主義」という税法の基本があって、納税義務者=居住者という考え方です。だから居住者でなければたとえ日本人でも納税義務がない。そんなの当たり前だと思うかもしれませんが、そうじゃない国もあって、その代表はアメリカ。アメリカは「属人主義」ですからどこに住んでいようとアメリカ人である限りアメリカに対する納税義務がなくならない。フィリピンも同じのはずです。だから、海外にたくさんあるタックスヘイブンを利用しようにも意味がないことになる。

だから我々は恵まれているということが出来るかもしれません。

でも資産はキャッシュだけじゃなくて不動産もある場合どうするんだ?という疑問を誰しもが持つはず。自分達は海外に出ても資産を日本に残しておいたらそれは課税対象になりますから。

かなり昔はこんな手を使う人がいました。山林って課税方法が違うことを利用する人がいたんです。山や畑って相続した場合、普通の財産と同じような税率を掛けられたら払えないというケースが多いわけですよね。広大な山林を持っているけれど、そこから収入は生まれないどころか維持経費が掛かるだけみたいな地主はいくらでもいるでしょう。だから、自分の資産を山林に変えてしまうという手がかつてはあったんですね。で、相続が終わったらそれを売却する。中には裏で買い戻し契約を結んで山林を買うなんてのもあった。

まぁ、昔からあの手この手を考える人がいくらでもいるわけですが、資産をキャッシュに変えて海外に出てしまえばどうにかなるなんて、これは節税のホームランみたいな気がします。武富士の息子ですが、香港在住で2000億円からの資産を贈与されましたが、これに対して日本に贈与税は払っていません(裁判で二転三転して最高裁での決定)。

まぁ、相続・贈与税を払わなくても良いというか、海外に居住しているのだからその地の税制に従うという当たり前のことをしているだけなんですよね。もし香港にその手の贈与に税金が掛かればそれを納税するのが当たり前の話。でも香港ではたまたま納税する必要が無いというだけのこと。マレーシアも同じです。

だからそれを利用すれば良いとは思うんですが、でももしみんながそんなことをしだしたらどうなるのかな、なんて心配になってきます。海外に出られる人は出ちゃえば簡単ですが、海外に出ることは出来ない、そんなノウハウも知らない人のほうが世の中には多いわけです。

これは他の節税も同じで、知ってる人はやる。知らない人はやれない。あるいはやろうと思ってもその手は利用できないケースもあるはず。

これって平等なんですかね。フェアなんでしょうか。

私は共産主義が良いとは思っていなくて、それぞれの才能、技量、努力が加味されている上での平等は大事だと思います。誰でも彼でも同じってのはおかしいし、それこそが不平等だと思います。怠け者を食わす必要なんかないわけでしょ?

でもねぇ、怠け者が食えなくて死にそうでも放っておいて良いのか?って話なんですよ。あるいは才能が無い人間は稼ぎが無くても当たり前か?努力が足りないと切り捨てて良いのか?これは健常者じゃない場合も含めて、どうにもならないケースだっていくらでもある。

世の中は才能もあって、努力もして、チャンスにも恵まれている人はどんどん大きくなって稼ぎも大きい。そして税金をいっぱい払ってくれるならそれで世の中の平等を保てるわけですが、そういう人に限って節税はうまい。海外を利用して利益飛ばし、利益隠しをしたり、挙句の果てはタックスヘイブンに出て行ってしまったなんてね。じゃぁ、残された人たちはどうなるんだ?って話です。

家族の中にもそれがありますよね。頑張る兄弟もいれば、どうしようもないのもいる。じゃぁどうしようもないやつは放って置けるかというとやっぱりそんなことは出来ない。病気を抱えている者も同じ。外に出て頑張れと言っても無理。

共産主義は駄目で、それぞれの才能において平等であるべきだとは思うものの、じゃぁ才能やチャンスがそもそも誰にでも与えられているのか、努力すればどうにかなるのか、そうじゃないでしょ?というのを私は感じるわけですよ。

私は神は存在していると思ってます。でも宗教上の何教かとか宗派は何だという話じゃなくて、単に存在していると感じるんです。で、その神は人々を平等には作らなかったと思っています。でも助け合うという力を与えた。平等というのは不安定なもので、見方、考え方でどうにでも変るいい加減なものだと思うのです。だからそうしようとしても無理。でもそれぞれの差は助け合うという力によって埋めることができる。そして神は人間にその能力を与えた。草木のように、すぐ隣の草木を乗り越えて自分が育てば良いというようには作らなかった。

だから稼げる人はそれも神が与えた能力であって、それは弱者の為に使うものだと私は思うんですよ。これは俺が稼いだ俺の金だ、なんてそういうもんじゃないと思うんです。金は天下の回り物でたまたま自分のところに止まったら、それはそれを使うチャンスが与えられたってことじゃないんですかね。

で、話は元に戻って節税ですが、それとて誰にでも平等にできるわけじゃなくて、フェアでないと言えばフェアでない。だからそれによって得た収穫は皆で分かち合うべきものかもしれない。そんな気がするんです。

税金というシステムが出来て、弱者は政府が救えば良いという考え方がどんどん強くなったと思います。これはある意味正解で、稼げる人はそれに集中できる環境を作って、その代わり税金という形で一部分を出してもらってそれを再配分する。この基本的な考え方は全くもって正しいと思います。でももう税金がそういうふうに機能する時代じゃなくなったんじゃないでしょうか。

弱者が救われない恐ろしい時代になったような気がするんです。だからどんどん格差は広がるばかり。強者は強くなるばかり。本来ここで税金という機能が働いていればどうにかなったのが国際間の競争や、新自由主義、自己責任、グローバリズム、そんな強者に都合の良い思想が今の時代当たり前になってしまった。でもその中でどうにか生きていくしかないわけだけれど、そういう競争に満ち溢れた社会って異常だと私は思うわけで、人間が殺伐とし、助け合うことも忘れ、己の利益追求に走る社会なだけ。

「平民の逆襲」をやりたい私としてはこういう社会も面白くないわけです。大企業やあるいはそれに動かされる政治家を含む支配層は好きなことをやりちらかして、結局はこのザマでしょ。バカヤローと言いたい。

だから私としてはそういう世界の常識から離れて、今我々はそれぞれの人間の存在、尊厳を尊重しながら、どうお互いに関わりあって、食い合うのではなくて共存をどう目指すか、それを考えないとならない時代に入ってきてると思うんです。そして考える、望むだけじゃなくて「実行」しなくてはならないですね。世界各地にNGOやNPOが立ち上がって自分達の力で世界を変えようとする動きがありますが、まさにそういう力を結集しなければどうにもならない時代に入っていると思います。東日本大震災時のボランティアもそう。

私がこのブログでいろいろやろうとしているのも思想的には全く同じで、マレーシアに渡って無税になるからと言ってそれを全て自分だけで享受しようとは思わないし、どうにか「平民の逆襲」を通して自分の考える理想社会をまず自分の周りに作ってみたいなんて思ってます。

人間も命あるもの全てがフェアに生きられる世界。そんな遠い未来を夢見ています。その鍵を握るのはやっぱり我々人間であって、それがどう進化するのかで地球の未来が決定するわけで、目の前の利益ばかり追求していたら地球の破滅はすぐ来るって事だと思います。

そんなことはわかっているけど・・・・・。わかっているけど何なんでしょう?そんな暇はないと良く言いますが、その暇さえも自分で作るもんですよね。

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