日本人って計算は得意だと思うのですが、その根底にあるものまでは理解していない傾向が強いのを感じます。マレーシアがらみの話題の中でも、日本は金利がほとんど付かないのに、マレーシアで(リンギットで)預金すれば3%以上も付く。素晴らしい~という人が圧倒的多数。
私としてはこの現状を見て、あ~~あ、と思うわけです。
マレーシアの1000万円のコンドミニアムを見て、安い!こんなマンションだったら日本では3000万円はすると感激しているのと同じ。
考えてみると我々ってお金の勉強って全くしていない、教育を受けていないのと同じですよね。お金ほど大事なものは無いのにどうして学校で教えないんでしょう。私に言わせれば小学校時代から「常識」としてお金の話はするべきだと思うんですよ。そして義務教育を終えるころには、「金利」ってなんなのかとか「個人保証」ってどういうメリットデメリットがあるのかとか、またこういう時代ですから「為替」ってなんなのか、そして一歩突っ込んで「FX」ってなんなのか、こういう知識なしに現代で生きるのは非常に難しいし危険なのに学校では教えないってなんなんでしょうか。
これは「民衆は馬鹿の状態で放置するのが好ましい」という統治する側、民衆から利益を吸い上げて生きている側の強い要請、あるいは暗黙の了解があるような気さえします。昔、植民地があちこちにあったわけですが、植民地政策として「愚民政策」というのが普通でしたよね。民衆に教育を与えず、真実を知らせることもなく、無知・無教養のままに放置すればそれこそ動物園の動物たちを管理するのと同じで、支配者側には従順で批判することもない。そこにあるのはアメと鞭で、そして支配者は民衆を守っていると民衆に信じさせる。
これは植民地時代の過去の話のようだけれど、今もそれは脈々と続いていると私は思うのです。去年の大震災のときの政府、マスコミ、某企業の言動を思い出すといかに民衆を馬鹿にしていたかが良くわかると思うのは私だけでしょうか。
この世の中はそういうシステムがしっかり存在していて、我々はピラミッドの最下層の構成員であり、いや、支配層といえどもそのピラミッドの居場所が違うだけでピラミッドの構成員であるのには違いが無いのかもしれませんね。
まず私は自分がそういう状態に置かれているというのをしっかり自覚することが大事だと思うんですよ。だから世の中の常識は嘘で固められている可能性が高いと疑って向き合う必要があると思います。
で、金利に関してもお金そのものに対しても我々は無知の状態であるということ。でも馬鹿の壁があるとすれば、それは非常に間近にあって低い壁ですから、誰にでもそれを認識して乗り越えることができるはずなんですね。そしてそれを超えた人と、超えられない人との間には大きな違いができるってこと。
金利には「名目金利」と「実質金利」がありますよね。で、子供にでもわかりやすいのは「名目金利」。マレーシアは金利が高くて良いよ~と言っているのはこの「名目金利」のこと。
この理解のままでよいのでしょうか?
では「実質金利」とはなんなのか。これを理解するには中学生レベルの算数を理解できないと無理だと思いますが、まぁ、よっぽど幸せな頭脳を持っているんじゃない限りすぐにわかりますね。
100万円のお金があるので、それを銀行に預けるとしましょう。で、利子は破格の年間5%だとします。嬉しいですねぇ。
でも世の中の動きを見ていると、100万円で買えるものがどんどん減っていたら、あるいはいつも買うものがどんどん値上がりしていたらどうなります?
3年後に100万円プラス利子をもらったとしてもそのトータルで以前なら買えたものが買えなくなっていたらどうなんでしょうか。
どうしてそんなことが起きるのか?5%の利子が少ないから?あるいは値上がりのスピードの方が速すぎるから?
どちらにしても、インフレ率、あるいはデフレ率を無視して利息の%だけで良いの悪いのいうのは全く的外れであるというのがすぐにわかるはず。ですよね?
つまり大事なのは、見かけの5%という「名目金利」じゃなくて、そこからインフレ率を引いた、あるいはデフレ率を足した(デフレなら-X%を引くという考え方)率が本当の「実質金利」であるはず。
我々にとって一番大事なのはこの「実質金利」であって「名目金利」ではないわけです。
また実質金利の計算ですが、巷では単純に
実質金利=名目金利-インフレ率
ですが、実はこれだと誤差が出てきて上の式は近似値だという言い方がされます。
1+実質利子率=(1+名目利子率)/(1+インフレ率)
これが正しいはず。興味がある人は調べてみてください。
考え方としては簡単なのに、これを理解できない人が多いのがとっても不思議です。
名目金利が高いほうが良いというのなら、他にいくらでも高金利の通貨がありますからそれに交換して預金するのが良いってことになっちゃいます。
でもそういう国の通貨はインフレ率も高くて為替も常に下げ圧力が掛かっていて、数年後には下手をすればその金利以上に値下がっている可能性だってありますよね。面白いのは、こういう話になると「うんうん、その通り」という方が多い。でもマレーシアは3%以上付くから良いのだとわけのわからんことを言うのはなぜなんでしょう。
多分、その通貨に替えて、また後で元に戻さずにその通貨をそのまま使うというところで何か勘違いをしているのだろうと思います。
とにかく、他通貨は他通貨なんですから、いつまでも日本と、そして日本円を頭において比べるのではなくて、その通貨での金利、インフレ率を考慮しなければならないってこと。
さて、日本はデフレですが、マレーシアはどうです?物価は安定しています?5年前と今と比べてどうです?
それでも3%は凄いと思う幸せな人はどうぞそのまま幸せ感を維持できるようにしたほうがいいでしょう。
いやいや、そんなことはわかってるワイ。でも日本円で持っていたら金利は付かないし、しょうがないじゃんという答えが返ってくるのでしょう。
でももし日本のデフレが間違いないのであれば、それは回りまわって円高が進みますから、結果的に使うのはマレーシアリンギットだとしても後にマレーシアリンギットに交換したら以前より多くのリンギットを手にすることができるんじゃないですか?そして近年まさにその通りに動いているんじゃないですか?
マレーシアマレーシアという声が聞こえるのはこの数年ですし、どれだけ多くの日本人が今マレーシアに向かっているにしても過去10年20年の動きを知っている人は決して多くは無いと思います。では日本ではデフレがどんどん進んでいたこの10年20年ですが、マレーシアはどうなっていたのでしょう。自分の目で見なくてもそれはいくらでも統計がありますし、また地元の人の話を聞くなり、昔のマレーシアを知っている人に聞けば簡単にわかりますよね。
それでもなお、3%は凄いって思うんでしょうか。
私の考え方を書きますが、では3%がまだ低いのであればもっと高率の通貨にしたほうが良いというのではありません。3%が決して高くないのと同じに、オーストラリアドルで5%に回ろうが、ブラジルレアルで9%に回ろうが理屈は同じで、その名目金利の高さって何の意味も無いってことです。
じゃぁどうするんだよ~~、って話ですが、結局高金利を求めて他通貨に換えても「実質金利」ってのはさほど変わらないというのが私の考え方で、どこかに甘い水があるんじゃないかと探しても結果は見えていると思うんです。
じゃぁ、マレーシアに渡るんだから、どうせ他通貨も同じならリンギットで良いってことになるだろう?
それはその通りだと思います。リンギットでよいと私は思います。
お前は一体何を言いたいんだ?と頭がウニになりそうな人がいそうですね。(笑)
要は、マレーシアリンギットの3%では「実質金利」を考えた場合、たいした妙味は無いってこと。そして他通貨を探しても「実質金利」ではどこも似たり寄ったり。つまりですね、実質金利そのものをあげる努力をしない限り、どうあがいたところで意味が無いってことなんですよ。
「金利の高い通貨を追い求めることにそもそも間違いの本質がある」ってことではないでしょうか。
じゃぁどうすればいいの?ってことですが、答えは簡単ではありません。
マレーシアリンギットだとすれば5%以上を狙うってこと。豪ドルだとしたら7%以上を狙う。ブラジルレアルなら12%以上を狙うてこと。
そんなの無理だ~~~~~。って思いますよね。私もかなり難しいと思います。
つまり、金利生活ってのは簡単じゃないってこと。それだけのことなんですね。金利が高いと金利生活ができるような「気」がするだけ。
結局、我々が底辺を構成している世の中のピラミッドがそういう風にできているってことで、どうあがいても遊んで暮らすなんてことはできないように出来ている。まぁ、当たり前といえば当たり前で、我々底辺の人間たちが優雅に遊ぶようになったら支配層はどうなるんでしょう。というかピラミッドが、経済が、世の中そのものが機能しないってことでしょう。
こういう話を書いていると私は非常にイライラしてきます。読んでる方にもそれが伝わっているでしょうが、私が腹が立つのはわけのわかっていない人たちに対してではなくて、そういう世の中、ピラミッド、その存在そのものに腹が立つのです。
収入が少ない中から税金も払い、保険料も払い、そしてやっと年金をもらえるようになっても決して十分じゃないし、本来ならもう遊びに集中しても良い様な年代になってもまだ働かなくてはならない人が世の中の大半。これって政治が悪いのか、でもそうだとすれば政治家を選ぶ、あるいは育てる役割の我々が馬鹿なのか。広い世界には「ゆりかごから墓場まで」の高福祉政策で成功している国もあるのに、一体我が日本はどうなっているのか。それなのに世界でも珍しいぐらいの政府の借金って一体今まで何をしていたのか、腹立たしいことばかりですが、一体この苛立ちをどこにぶつけていいのかもわからない。
でもま、いつも書きますが、動物の世界では自分で食べられなくなったら死を意味しますし、私はそれがやっぱり人間の原点でもあると思っています。働かなくては食えない。食わなければ死んでしまう。こんな何十万年だか何百万年だか知りませんが、どれだけ人間が頑張って経済もテクノロジーを発達させても、働かずに食う、食わずに生きることには成功していない。それどころか働いても食えない人がいまだに存在するってのが不思議で仕方がありません。
これは世の中ってそういう風に出来ているのか、そういうピラミッドが作られたのか、どうなっているのかはわかりませんが、私としては文明なんてインチキだとしか思えないんです。
だからもしそのピラミッドに自分が組み込まれているとしたらそこから抜け出たいし、世の中の常識として我々が信じさせられているのとは違う世界があるのならそういう世界に行ってみたいと思うわけ。
金利にしても、結局はピラミッドの中に組み込まれた状態で、どの通貨がいいとかわるいとか考えても絶対に良い方法なんか見つからないと思うんです。
じゃぁ、どうするか。やっぱりチャレンジするしかない。自分で稼ぐこと(上乗せすること)を考えない限り無理だというのが私の結論。
でも具体的にどうするか考えたときに、本屋に並んでいるような書籍、あるいはテレビでやっているような特集、コンサルタントの講演、そんなのを聞いて勉強してもそこには答えがないと思っています。いや、本物もあるでしょうが、それと出会うのはかなり難しいと思います。
少なくとも、マレーシアの金利は高いとか、不動産を買えとか、日本は破綻するとか、そういう陳腐なキャッチフレーズを言う人からは距離を置いたほうがいいと私は思っています。そんなところに我々が求める答えはないし、それどころかそういう人たちが言っている内容はまさにピラミッドの中にいるカモ状態の我々向けのノウハウでしかなく、ピラミッドから抜け出て自分の足で歩こうとしている者に取ってはほとんど意味の無い内容であると思います。
具体的にこういうことだ、ここが違うのだと明確に書けない馬鹿な私であるのが非常に残念だし申し訳ないのですが、言わんとしていることが通じませんでしょうか。相場にしても同じで、本屋に並んでいる「私はこうしてX億稼いだ」式のノウハウ本を読んで成功した人が多くいるのでしょうか。それ以上に、そういう書籍は業界寄りで、カモを呼び寄せる役目をしているケースが多いのが見えませんでしょうか。健康食品もそうで今年はこの線で行こうと流行を作るファッション業界と全く同じ。
この世の中にはそういうマヤカシが多すぎると思うのです。これに関しては、皆さんは何十年も生きてきてプロである分野が必ずあるはずですが、その分野の書籍や話を聞いて、これって嘘だって思うことっていくらでもあるでしょ?我々はそういうものに囲まれているという事実。本当に怖いと思います。
最近目に付くのが、前にも書きましたが「日本は資産課税を強化しようとしている」とまことしやかに言うプロもいます。だから海外に出ろ、資産を海外に出せ、マレーシアはいいぞ、リンギットで預金すれば3%以上付くし、不動産を買うのも良い選択だという。本当にそれを信じて言っているプロがいるのかもしれませんが、どうしてそういうインチキを言うプロが存在できるのかが私には不思議です。
そもそも、資産課税を強化するも何も資産課税の制度そのものが今存在するんでしょうか?私が知っている限り、固定資産税ぐらいしかありません。日本がやろうとしていることは「資産課税強化」じゃなくて「課税強化」でしかないですよね?
この課税は、収入があれば税金を払ってくださいという当たり前の税金の話で、強化も何も払うのが当たり前じゃないですか。何も持っているお金そのものから税金を徴収するなんて話が一度たりとも出たことがありますか?聞いたことがありますか?
でも資産課税強化だといつの間にか話が飛躍して、またそれを聞いて、大変だと慌てるおっちょこちょいも出てくる始末。
海外資産が5千万を超える場合はその内容を申告しなければならないというのも、収入が2000万以上ある人は確定申告と共に同じような書類を出さなければならないのは昔からあることですよね。で、5千万云々もそれの延長だと考えれば、そして海外が脱税の温床となっているとするならばそれぐらいの提出義務は当たり前。それどころか、日本の一般的な納税者でもまともな仕事をしてまともにお金を持っている人たちは、どの銀行のどの口座にいくら入っているかまで税務署が把握しているなんてのは珍しい話じゃないんですね。
日本政府は、海外に資産を出して、そこから生まれる所得を隠さないでくださいよという当たり前のことを言っているだけ。もしこのことに何か感じる人がいるとしたら、その人は海外での所得を申告しないで逃げようとたくらんでいる人ぐらいじゃないでしょうか。そしてもしかしたら海外での所得を申告しない人の方が多いと思っているのでしょうか。
このブログでもたまに書きますが、当局を馬鹿にするべきじゃないし、また法律は法律。特に税金を払うのは国民としての第一番目の義務でしょ?そしてごまかそうなんて素人が考えてもそう簡単にはいかないと思って良いと思います。だから危ないことをすることなく、ちゃんと税法に従って税金を払わないでよい方法があるのだから、それをすればいいだけのことですよね。
このブログでは私の経験上で知った税金に関することも結構書いているつもりですが、でも、「うまくやっちゃおうぜ」「黙っていればわからない」的なことは私は一切書くつもりもないし、そういう考え方は排除したいし、是非読者の方々にもそういう考え方はもって欲しくはないのです。
袖刷りあうも他生の縁といいますが、私はたとえ交流がなくてもこのブログを読みにきている方々とは何かの縁があるのだろうと思うのです。また実際にこのブログが縁で交流が始まった方々もいらっしゃる。そういう中で、一体何を大事にするのか考えたときに、うまくやっちゃおうぜとか、黙っていればわからない的な発想をする人たちと私はまもとなお付き合いが出来るとは到底思えないのです。
世の中にはろくな情報がなく、貴方のためですと言いながら近寄ってくるインチキ商法も数限りなくある。銀行の外貨預金もそうだし、企業向けに売り出して問題が出ている為替のデリバティブもそうですよね。銀行でさえそういうのを平気で売る時代。不動産屋もコンサルタントも信用できません。つまり我々が我々の力を結集させて向かわないとならない相手が多くいるわけで、力を合わせようとする時に泥棒根性を持っているような人とどうして手を結べますか?どうやって情報交換します?
私は世の中のピラミッドの底辺を構成する平民として、好きでそうなったわけでもないし、本当の自由を手に入れるために確かな情報と知識とノウハウを手に入れたいし、共有したいと考えています。
平民の逆襲。どうしてもこれを成し遂げたいです。
ところでもし日本が資産課税を始めても全く問題ないですね。私たちはマレーシアに渡ると一致した目標があってここにいるわけですが、日本を離れ、マレーシアの居住者となれば日本の当局は我々の資産に一切タッチできなくなります。資産内容目録を出せなんてことも言われません。当然、課税なんかできない。安心でしょ?
だからわけのわからんコンサルタントが「これから資産課税が強化される」なんて馬鹿みたいなことをギャーギャー言い出してもそんな話に耳を傾ける必要さえないわけです。
このお国替えって面白いんですね。
たとえば日本にお金持ちの外人が居住者として入ってきたとしますが、その時に、そのお金はどうやって稼いだんですか?とは聞かれないんですね。私たちがマレーシアに渡っても同じ。アメリカでもオーストラリアでもそんな余計なことは聞きません。もし10歳の子供が10億円持っていても、「ようこそいらっしゃいました」で終わり。
つまり海外に10年いて、そして大金を持って日本に帰ったところで、そのお金はどうしたんですか?とは聞かれないってこと。逆に10年後に、持って出た額の10分の1しか持って帰らなかったらどうなるのか?全額同行した子供の名義にしてしまったら?これも何ら聞かれることもないと解釈しています。
さて、ここからどんなことをイメージできますでしょうか?どんなストーリー展開が考えられます?
私は悪いことが出来ると言っているんじゃないんです。法律に沿って行動しつついろいろできるってことです。だから脱税とか馬鹿なことを考える必要なんか無い。ましてやマレーシアは我々にとってはタックスヘイブンと同じなんですから。
最後にこのブログに何度も書いていることですが、これを知らない方が多いのでまた書いておきます。
相続税、贈与税ですが、これも日本の居住者でなくなれば申告の義務もなく、居住している国の法律に従うだけ。当たり前ですよね。
ただし、日本を出てから5年間は、日本での申告・納税が義務付けられるように変更になっています。
つまり、マレーシアで旦那が女房に定期の名義を変えたり、一緒に同行した子供の名義で家を買ったり、あるいは不幸なことに相続が発生したらそれを日本に申告・納税する義務があるってこと。まぁ、相続税はかなり大きな非課税分がありますが、贈与は税率も高いですから注意しないと大変。じゃぁ、名義は元に戻しますなんてことも通用しませんから。
それとこれも何度も書きますが、日本には183日ルールはありません。つまり184日海外に居住すれば自動的に非居住者になるということはないということ。これは単なるひとつの目安で、法律的には「居所がどこにあるか」というかなりいい加減などうにでも取れるような基準しかありません。183日ルールを持っている国は多く、マレーシアもオーストラリアもそうです。いかなる理由があろうと183日以上滞在したら税務上の居住者となります。
では、マレーシアの税務上の居住者になれば日本の非居住者となるのかってことですが、そうはならないので注意。この部分を勘違いする人が多いってことですね。つまり、マレーシアやオーストラリアでは納税義務が生じて、なおかつ日本にも納税義務があるという状態がありうるってことです。
じゃぁ、二重課税防止のための租税条約はなんなのかって話になりますが、あれは片方で納税すればもう一方で納税義務がなくなるということではなくて、第一課税権がどこにあるかというのを決める条約だと考えたほうが良いと思います。実際には多国間、両方で納税するというケースは非常に多いですね。ただ、この条約によって、30%と25%の税率だとすれば両方に納税して合計の55%という二重にはならないってこと。そういう意味での二重課税防止。実際には他国で納税した分は税額控除される。もちろん他国でたくさん払っても税率が低いほうではその分返してくれることはありえない。つまり、合計ではどちらか高いほうの税率になると考えれば間違いが無いんじゃないでしょうか。
こういうことも知らない人がいくらでもいますから注意が必要です。こういうことは誰かに聞いたり、また私のブログも含めてネットで検索して、へーー、そうなんだぁ、なるほどぉ、なんて絶対に考えないこと。自分でちゃんとプロに相談して確認してください。また、資格の無い者がああじゃこうじゃとアドバイスすること自体法律違反であるということも頭にいれておくべきだと思います。私が書いているのは一般的な知識、自分の解釈として書いているのであってアドバイスでも何でもありません。
毎度のことで話が長くなりましたが、ネットの中を見ていると特に若い人たちの中に早く1億ためて早期退職をして金利生活したいとか、そのときは海外に住みたいとか夢を持っている人が多く見受けられますが、実際にはそう簡単にはいきませんよという話です。ましてや家族がいて子供の養育じゃなんだとなったらそんな金額を定期預金にする程度じゃどうにもならないのが現状です。理解できますよね?
たとえば1億って大金だし、それを定期に入れて、ましてや高金利の通貨だったらどうにかなるような「気」がするでしょ?でもそれってそういう「気」がするだけで実現はかなり難しい。これは試算すればすぐわかる。税金だって掛かるのが普通ですし。でも1億を投資に回して生活している人はいくらでもいる。と、同時に投資に失敗して元も子もなくした人もとんでもない数いるってことですね。
やっぱり大事なのは資産の額じゃなくて「どんな世でも稼ぐ力」が大事。これに尽きると思います。そういう意味で、年金も稼ぐ能力のひとつですよね。長い間掛け金を払い込んで得た稼ぐ能力。寝たきりになろうが障害を持とうが収入を確保できる。素晴らしいと思うし、逆にこれが無いっていうのは大きなディスアドバンテージでしょう。
逆にある程度の蓄えがあれば大丈夫だろうと、平気で金利を使ってしまう高齢者って結構綱渡りの老後になると思ってます。