私が早期退職をしたこともあってこのブログには早期退職に興味を持つ若い読者もいらっしゃいます。で、今回そういう方々を念頭において書こうと思いました。
内容としては非常に書きづらい内容で、またどうしても誤解を招くような表現にしかならないとは思うのですが、書いておいたほうが良いと思うので書くことにしました。
こういう内容の話って意外に世の中にはないんですね。ある程度歳を取ってちょっと早めの退職とかってのは結構ありますが、若いうちからがんじがらめの枠を飛び出して早期退職を願う若者が多い割にはそのことに関して書いたものって少ないと思います。
私自身、10代の頃から早期退職を夢見ていてそれに関する情報を集めていましたが正直なところこれだと思うようなものに出会ったことがありません。ただ中学生からの親友の親父さんが40歳で早期退職し、家族でフランスへ渡ってしまったのを見ていてこれだ!と思いましたし、その親父さんにはかわいがってもらいましたのでいろいろと教えてもらった程度。
まず結論からいうと、早期退職は不可能であると決め付けたいと思います。
まぁ、早期退職ってそもそもどういう意味なのかってところを決めないと話しにならないのですが、ごく一般的に言われる、ちょっとお金を貯めて、早いうちに仕事をやめてしまおうというのを早期退職だと仮定します。
これって夢でしかなく、実現はかなり難しいと思います。
いや、ある程度お金があれば・・・と思う方も多いと思いますが、どういう金額を想定して、どんな生活を考えているのかわかりませんが、俗に言う「遊んで暮らす」ってのは半端じゃない金額が必要だと私は思うのです。よく若い方のブログを見ますと、早く1億円ためて早期退職をしたいなんて書いてありますが、そういう金額では甚だ難しいと思います。
子育ても終わった老い先短い年寄りは別ですし、年寄りには年金があるケースが多い。ましてや今、年金をもらっている人たちはかなり恵まれている方々で、そういう人たちの生活ぶりを見て、自分も早期退職してなんて考えたらとんでもないと思います。企業年金も含めて毎月30万以上の年金をもらって暮らしている方々も多くいますが、まずその年金の年収360万円って資産としたらいくらの価値があるでしょうか。今、1億円のキャッシュがあってもそこから360万稼ぐのは難しいでしょ。ましてやこれからの時代、なおかつ早期退職したら年金らしい年金はないわけですから、それだけでもどれだけの早期退職用資金を上乗せしないとならないのか考えれば簡単に想像がつきますよね。ましてや若くて子供がいたらとんでもないお金が掛かるのと共に、自分もこれから40年50年生きることを考えたらちょっとやそっとの金でどうにかなる話じゃないわけです。
早期退職に関して相談を受けることもあるのですが、話を聞いていて共通点があるのがわかります。
1 税金を考えていない。
2 インフレを考慮していない。
3 時とともに生活レベルが向上することを考慮していない。
4 想定外のことは文字とおり想定していない。(笑)
番外 子供に資産を残すことはせずに自分で使い切る計算が多い。
おまけ 高利回りで運用することを簡単に考えているフシがある。(これって小額だからできることで、多額の資産のほとんどをリスクにさらすことがいかに難しいか、無謀か考えるべきですよね)
これらをいちいち説明する必要はないと思いますが、しっかりこれを計算に入れて計画を練ることが大切ですよね。これから5年は大丈夫でも10年後20年後、そしてその後を想定して考えるとどれだけの資産が必要か簡単に試算できると思います。
でもそこで出た金額を見て無理だと思ってしまう。でも人間の心理って面白いもんで、早期退職したいという気持ちが勝つんですね。どうにかなるだろうと思う人がほとんど。まぁ、私もそういう一人でした。(笑)
将来のことってわかりませんから、本当は試算の額よりか多くなければならないはずなのに、その額に達しないのに「将来のことはわからない。どうにかなる。」と逆のことを考える人がいるのも面白いと思います。
要はちょっとやそっと金があってもそれで食うなんてことは無理だと思うべきで、ではどうするか?答えは簡単。稼ぎ続けるしかないってこと。
稼ぎ続けるなら退職にならないじゃないかって話になりますが、そのとおり。だから早期退職は無理だってこと。つまり私も早期退職したようで、実は早期退職はしておらず、いまだに働き続けているってことです。
考え方を変えるべきだと思うんです。サラリーマンをしている、あるいは家業を継いでいる、あるいは自営業をやっているとして、それを止めるのは止めるで良いけれど、稼ぐ代替案を見つけなければならないってことだけなんですね。
つまり早期退職じゃなくて、転職したと考えるべきでしょう。遊んで暮らすなんて無理だし、そういう人っていそうでいないんですね。遊んでいるように見えるけれど実はなんらかの仕事、主に投資業ですがそういうことをやっているから生きていられるってことだと思います。周りからみると遊んでいるように見えるけれど遊んでいるわけじゃない。また定期預金なんてのは本当に無力で、税金を払い、インフレに勝ち、世界の発展と共に自分の生活レベルも上げ、なおかつその金利で食うなんて数十億あるならいざしらず、たとえサマージャンボの前後賞を当ててもそれでの金利生活は不可能だと断言したいです。
ここを勘違いする人が非常に多くいるように感じます。
ところがですね、逆を返せば食える腕があるのなら資産は全くいらないと言って良いことになります。
投資で食う人のパターンとして、まずは普通にサラリーマンなり自営業なりやってて小遣いをためる。それを投資する。そこで損したり儲けたりすったもんだしているうちに人生終わりなんてケースが多いのですが、中には錬金術を見つけることが出来る人もいるわけですね。このブログの読者にもそういう方々がいらっしゃいます。
で、本業と副業としての投資をしているうちに、副業の利益の方が大きくなってくる。まぁ、普通、早期退職を考えるのはこの瞬間じゃないでしょうか。
ただ、投資って一職人と同じで、もし自分に何かあったらもうアウトなわけですね。自分が動けなくなったら稼ぎようがありません。だから稼ぐ能力はそれはそれで良いとして、資産もある程度になるまで稼ぎ続けるのが普通。
結局、遊んで暮らしているように見える人でもそういう段階を経ているわけですから、単に○億あれば大丈夫だと思ったらまるで見当違いだということになります。でも稼ぐ力があれば1千万円でも十分足りるってこと。
あるいは、中には親の遺産をごっそり受け継いだという人もいます。この手の金持ち日本人ってハワイとかアメリカ本土にかなりの数いるようですが、私の知っている限りでは不動産経営をしているのがほとんど。
でも相場だろうが不動産経営だろうが、それらはちゃんとした仕事であって遊び半分でできることじゃないし、誰にでも出来ることじゃないわけです。ちょっと小金を貯めて早期退職しようというのとはかなりの隔たりがあるのがわかるはず。
これが現実なんですね。
だからもし早期退職を願う若者がいたとしたら、仕事を止めることを考える前に、自分がもっと稼げる自分になるようにもっともっともっと勉強して苦労をしなくちゃならないってこと。(笑)
諦めましょう~~~~
なんていうのは何も面白くないわけで、でもどうにか頑張って早期退職したいと願う方がいらっしゃるのなら、私も出来る限りの応援はしたいと思っています。
来年の今日、どこで何をしているのか自分で決められる人生。これって素晴らしいと思うし、是非それにチャレンジして欲しいです。サバイバル術ってあるはずで、やる気さえあればどうにかなる。これも断言したいところです。