豪ドルで資産運用をしている方も少なくないと思うのですが、豪ドル弱いですねぇ。困ったもんだ。
各国通貨の力関係。この約2ヶ月の動きですが、どのラインがどの通貨かは左下の拡大したところを見てください。緑が豪ドル。赤が日本円。白が米ドル。
ここのところ欧州勢は強いですね。ギリシャ危機って一体なんだったんだ?なんて思うような強さ。それにしても豪ドルは一人負け。
まぁ、オーストラリアは中国と切っても切れない仲ですから、中国が傾き始めると豪ドルも売られる。でもこれって中国に限らず、世界の動きが怪しくなるとすぐ売られるのが豪ドル。今は豪ドルも低金利時代に入っていますが、やっぱりキャリートレードも多いのでしょう。つまり金利の安い国のお金を借りて金利の高い国に投資すると言う動きが豪ドルの場合顕著で、世界に何か起こると流れ込んでいた資金が自国へ帰る、逃げるといわれていて豪ドルは売られる。リーマンショックがその良い例で、あっという間に対円で半分になった時の恐怖は一生忘れることは無いと思います。
で、崩壊が囁かれている中国経済ですが、これが表面化してくれば豪ドルの売られ方はリーマンショックどころではないかもですね。でも一気に売りが集中しなければあんな極端な値下がり(統計学的には40億年に一度の確率と聞きました)は無いのかも。
円と比べるとこんな感じ。日足。円安の円よりまだ安い。
好調の兆しがある(と言われている)米ドルと比べると酷いもんで、トレンド変換の予兆さえ全くない。
ちなみにドル円ですが、大きな流れとしてはヨコヨコで収束過程にある。
しかしまぁ、目先の動きをちょっと取るという手法を持っていても大きな変化に対するヘッジとなるとまるで考え方も違うわけで、見ているより仕方が無いというのが悲しい。これは円資産、円建て収入の多い方も同じでしょう。円安の動きにどう対処するべきか。
あるSNSでは20倍ものレバレッジを掛けて米ドルを買っているなんて人がいてびっくりしましたっけ。円資産を防衛するために、ってことはどれだけの総額になるんでしょうね。FXで儲けようか、なんていうのとはまるで違う桁の話だろうと思います。
結局ヘッジの難しさって値動きをどう読むかじゃなくて、どれくらいそれに突っ込むのかってことにポイントがあるような気がします。私もヘッジの勉強で金(ゴールド)ファンドのヘッジをCFDでやっているのはここに書いていますが、これって額としてはびっくりする額でもないわけです。でもある通貨の資産を守るためのヘッジとなったら・・・。うーむ、私には想像もつかない世界です。
額も大きくなりますが、私が気になるのはそのヘッジのためのコストなんです。まぁ、海外の証券会社を使えばレバレッジ100倍なんてことも出来るわけで、資産の100分の1でヘッジが可能となりますが、簡単に考えて1%。つまり90銭動けばその証拠金全てが飛んでしまいますから、ヘッジ玉に利益が乗ってい時には良いにしても逆の場合は追証が必要になってきてかなりややこしいことになりそう。でも上がっても下がっても理屈的には利益も損失もないわけですが、資金管理は面倒なことになるのは間違い無し。
為替の変化に悩むぐらいなら、もうそれは諦めてその通貨、私の場合は豪ドルですが「その通貨と心中するつもり」になるのが良いと思っています。だからどの国に住むにしても、お金は(私の場合は)豪ドルで計算して、自分の納得の行く範囲で使うってことになります。円の資産、収入が多い場合には、円安になればその分、使うリンギットを減らすという考え方。
海外に暮らす場合、収入や資産のある通貨を基本に考えて計算しないと駄目で、地元通貨で考えるとそんなに長くない年数の間に破綻する可能性って結構あると思います。つまり、リンギットが30%上がったとすればその分、支出を抑えて生活をするという意味で、特に新興国の場合は発展と共に通貨が強くなるのが普通ですから注意が必要なんじゃないでしょうか。
私の場合は全て豪ドルですが、この20年の間にまぁ上がったり下がったりそれが何度も何度も繰り返され、その幅は上下40%以上。つまり上値から見れば半額、下値から見れば倍になるような為替の変化でしたが、その通貨だけで生きている場合はなんてことないんですね。豪ドルが55円を下回った忘れもしない2008年10月24日ですが目の前が真っ暗になりました。でも外に出て町を見回しても何が変わることなく、普通に世の中は動いているんですね。何か不思議な気がしましたっけ。
これって日本で住んでる人も同じで、円安だろうと円高だろうと、毎日の生活に大きな変化は無いんですね。当たり前といえば当たり前ですが、他国通貨が基盤になっているとそういうわけにはいかない。で、その場合は他国通貨で計算して足りなければ減らす、余ったら貯めるってことにしないといつか泣く泣く撤退ってこともあるんでしょう。でもま、そのときはそのときという考え方のほうが人生楽しいかもしれない。(笑)
で、ヘッジは難しい問題がいろいろあるから資産の分散を考えるわけですが、リンギット建てで何か面白いものがあるのか?
今のところはREIT、あるいは最近話題にしているパーム油農園投資とか、利回りで7%程度は稼げる投資に目が行くということ。ま、不動産が得意な方はそれも良いんじゃないでしょうか(私はパスですが)。これはリンギットで儲けるというより、リンギットを持たないリスクを回避するためにリンギット建ての投資を考えるという考え方。
しかし、死ぬまでこんなことを考えながら生きるんでしょうか。
私のオヤジはもう80後半ですが、私と全く同じ。為替や世界の動向を見てはうーむ、うーむと毎日考えています。年金は国民年金しかありませんし、なけなしの資産をしっかり回して利益を出して、なおかつ減らないように防衛しないとならないのですから大変は大変。オヤジの姿を見ていると、自分の将来がそこに見えるような気がしてがっかりします。
でも姉といつも話すのですが、オヤジがあれをやめたら簡単にボケるだろうね、ってこと。
一生悩み続けるのもいいのかもしれない。(笑)