まぁ、終わってみれば全くみんなの予想とおりだったね、という感じなのだろうけれどすっきりしません。
とりあえずどういう合意だったのかというと、
-----------
債務上限:財務省は来年2月7日まで通常通り資金の借り入れが可能となり、その後も当面はデフォルト(債務不履行)を回避する財務省の緊急柔軟性が維持されることになる。
政府機関の一部閉鎖:政府は来年1月15日までの暫定予算を得る。政府機関の就業者は仕事に戻り、報酬支払いを受ける。
予算:下院と上院の交渉担当者は12月中旬までに予算案での合意を目指す。
オバマケア(医療保険改革法):オバマケアとして知られる2010年に成立した医療保険改革法に主要な変更はない。共和党が求めるマイナーな1つの修正により、医療保険関連コストに対する政府補助金を受給する一部の人々の所得を証明する新たな手順が設けられる見込み。議会職員や政府職員およびそのスタッフに対する医療保険関連の政府補助金は削減されない。
シークエスター(連邦予算の自動削減措置):広範にわたるシークエスターの影響を軽減する一層の柔軟性を連邦政府機関に与える条項は含まれていない。複数の議会関係者は、来年1月中旬に暫定予算案が終了する際に次の段階の削減が開始されると述べている。このため、予算案での合意に達する交渉者の意欲が増すものと考えられる。
-----------
内容としては「先送り」そのもので何も解決していないのがわかります。そしてまた来年には騒ぎが始まる。
アメリカがどういうことになっているのか私には良くわかりませんが、今回の小競り合いは小競り合いでしかないような感じを受けます。アメリカが、世界が大混乱に陥るような内容じゃない。
ただその小競り合いが断崖絶壁のすぐ横で行われていて、結果によっては双方断崖絶壁から落ちてしまう様な光景が目に浮かびます。夫婦喧嘩の結末によっては世界が大恐慌に陥るような感じ。
迷惑千万としか言い様がない。
でもこういうことに寄るアメリカの権威の喪失って結構あるんじゃないでしょうかね。
アメリカがデフォルトになるなんて話はオバマ氏の初当選時には噂という形だったけれど、この2年間には現実的な話としてもう二回目。2011年の時にはS&Pが信用格付けを引き下げたけれど、今回はどうなるのか。これも素人から見ると変なもんで、デフォルト懸念が問題になり、それは実際に起こりえるというところまで来たのに、では信用格付けそのものはというと世界でもトップクラス。これっておかしくない?リーマンショック時に問題になった格付けの権威そのものが信用できない。
アメリカの失態が続くような、そんな感じも受けています。
シリアにしても、以前のアメリカなら単独で攻撃していただろうしそれもしなかった。そして盟友のイギリスがこれに乗ってこなかったのもアメリカの影響力の低下、オバマ氏の力のなさを感じます。そして結果的にロシアにうまくまとめてもらったような結末。
アジア重視、また中国包囲路線があるにもかかわらず、APECに欠席したのも異常事態のように感じます。アジアに強い影響力を持つ中国に良いチャンスを与えてやってしまった様子。
で、今回の危機が過ぎたら、オバマ氏は移民法改正に注力したいと、え?と思うようなことを言い出す。
なんだかアメリカ初の黒人大統領、チェンジや、イエスウィーキャンの合言葉にアメリカ国民が熱狂的になって選んだ、新しい時代の世界の指導者みたいなイメージがどんどん崩れて、もしかしたら無能なんじゃないかと思うことが重なる感じ。
ウォールストリートジャーナル 財政問題で薄れる米の権威 ← クリック
この記事が面白いと思いました。そして最後に書いてある文ですが、「米国は少しばかり間抜けに見える」というところに激しく同意。