インターネットって情報盛りだくさんで良いのだけれど・・・

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本当にインターネットの普及って凄くて、ありとあらゆる情報が入るのは良いのだけれど、私の頭はもうパンク状態。特に私が興味があって調べていることはあの戦争のことであり、アジアを中心にした近現代史。そして世界の動きの中で日本がどう翻弄されていたのか。そして現実のものとして気になるのはアベノミクス。これが一体どう日本に影響して、日本はどうなると読むのか。

ちょっと身の回りのことを調べるのはまったく問題がないのだけれど、史実や思想、経済の話となると正解ってそもそも無いんじゃないかと思うのだけれど、聞いたことも無いような評論家や専門家がうじゃうじゃいて、彼らの言うことで自分が気に入った部分を抜き出してそこを強調して拡散するネット住民がこれまたごっそりいて、一体何が本当やらわけがわからなくなって来ています。

じゃぁ、自分も自分が欲しい情報だけ集めればいいじゃないかと思うこともあるのだけれど、それって結論が先にあって、それに誘導する、あるいは正当化するための情報収集になっちゃうのね。でも結論は横に置いといて、真実はどこにあるのかを冷静に見ようとすると大きな渦の中で溺れてしまう。

特に保守派の動きに関してはちょっと行き過ぎじゃないかと思うことが多くて、何も知らないうちは、へー、そんなことがあったのか、今まで語られてきた事は嘘だったのかと思って、どんどん興味が沸いてくるのだけれど、それもある程度わかってくると、それを誇張した動きがあるのも見えてくるのね。

これは戦術としては私も理解できるんですよ。あまりにも左派的な考え方が主流だったから、それを真ん中に戻すためにはかなり強烈にアピールしないとならないし、そうするケースが多いのもわかる。ところがその強烈な極端な言い方、考え方を真に受けてそれをそのまま発信しているネットユーザーがどんどん増えてきて、これを右傾化と呼ばずしてなんと呼ぶのかという言い方も理解できてしまう。

書籍で多少はまともに調べようと思っても、その情報もネットで調べるわけで、内容は重複しているし、では「権威ある」ものを求めると自虐史観に固まっているという事実がある。そもそも核武装論を口に出すことさえタブーな日本で「権威ある」ものに真実を求めても無駄。そういう意味ではやっぱりネットの自由な発言って革命的ではあると思うのだけれど、玉石混同。

特に気になるのは、あの戦争は「侵略ではなかった」とはっきり断定する人が増えてきたこと。

私としてはどうしてもそれを受け入れることが出来ないんですよ。私が調べた史実、また実際にグアム、フィリピン、韓国に自分が行って見聞きしてきたこととは随分かけ離れていると感じるわけです。

日本に「侵略の意図は無かった」とか「侵略そのものが目的ではなかった」という言い方なら、私も妥協できる点はあるのだけれど、侵略そのものが無かったという言い方には全く賛同できません。また日本が侵略と思っていなくても相手に取っては侵略以外の何物でもない行為の場合はそれをなんと呼ぶべきか。あるいは現代の常識で言えば侵略だけれど、当時の世界常識では侵略ではないのなら、今、侵略ではないと主張して何も問題がないのかどうか。

これってセクハラと非常に似ていて、昔だと、若い従業員のお尻をサラっと触っちゃうなんてことが女性の多い職場では良くあって、スケベな上司だと言われるにしても大きな問題になることはなかった。でも今はそんなことをしたら大変。またパワハラもそうだけれど、やった方にそのつもりが無くてもやられたほうがハラスメントだと感じれば、それはハラスメントとなる。

過去の話を今話す難しさがあるわけで、当時はそれは罪ではないとするなら、今それを罪だと言い出すのはナンセンス。事後法で(あるいは現代の常識で)それを裁くことは出来ないし、当時と今の違いがあるのを前提に話すべきなのは常識。ま、日本としては東京裁判みたいな裁判とは言えない押し付けをされて、世界ではそれを正しい行為、結果として認める中でどうするべきか、このまま放置していいのかと言う難題があるにしても、では当時は罪ではなかったからあれは侵略ではないという論理展開がまかり通るほど、日本は潔癖であったとは思わないわけです。

少なくとも「侵略ではなかった」ではなくて「侵略の意思は無かった」というならまだ理解は出来ます。でも結果的に侵略といわれてもしょうがないことは起きた。これは天皇陛下のお言葉である「悲しい歴史があった」に私はそれが集約されていると思うし、それ以下でもそれ以上でもなかったと思っています。

ところが、最近の保守派の中には「フィリピンを独立させてやった」とか「日韓併合は彼らの要望」と断定するような論調が普通にでまわるようになってしまった。これは戦術としてのそういう言い方はわかるのだけれど、それを真実だと捉える人が増えるのはどうかと思うわけです。南京大虐殺も同じで、私は「幕府山事件」をどう見るかで南京大虐殺があったかないかの考え方が変わると思っています。捕虜の移送中、数万(数ははっきりしない)の中国人を殺戮したのは事実で、それが合法であったかどうかに「南京大虐殺は無かった派」は固執しているように見えるわけですが、私としては「捕虜を大量に殺した」事実に変わりは無いと思っています。だから私は「南京大虐殺はあった派」です。ただ、中国がいうように誰でも彼でも殺して、総数は30万人だなんていう話は馬鹿げている。

韓国にしても、日本を歓迎した人たちもいる。でも生きることに精一杯で時代に流されるだけの民衆も多く、当然、それに反対して決起した民族独立派もいる。当然、国の英雄である民族独立派は日本から言えば国賊で討伐するのは当たり前だけれど、今は独立した国から見れば日本は許しがたいことをしたと見るのが妥当。創氏改名にしても、決して強制ではなかったにしても、生きていくためにそれを嫌々やるのも普通のことで、好きで改名したんでしょ?とひょーひょーと言う歴史家が出てきたのは私は異常だとしか言いようがありません。これは台湾でも似たようなことがあって、改名しないとまともな職、特に公務員などの職に就けないから変えたという人が非常に多い。

フィリピンも同じで、日本を解放軍と見た人、あるいはそういう時代もあったのだろうけれど、たった4年の戦争の間に日本軍もフィリッピンもどんどん変化したわけですよね。またアメリカを敵と見たフィリピン人もいれば、日本軍と戦ったフィリピン人も多く、多面性がある事象のどこを、だれを見るかでまるで判断が変わる。フィリピンは日本に感謝しているという人が多いけれど、実際にフィリピンに行って年寄りでも誰にでも実際に話を聞いてみたらよくわかると思います。

グアムも同じだと前に書きました。当初は海軍が多かったようで、隣のサイパンの日本統治の歴史は長く、それの繋がりもあるんでしょう。親日派は多かった。ところがグアムを占領後、段々と戦況が悪化していく中で日本も彼らに対する態度が変わってくるんですね。グアム人を斬首刑にしたり、横暴な振る舞いが増えてきた。だからグアムで聞いても日本軍の話は悪い話ばかり。もちろん侵略だと多くの人が考えているし、日本軍を解放軍だなんて言ったら大騒ぎになるはず。

でも私は実際に話しを聞いたことがありませんが、インドネシアとかベトナム、ミャンマーはまた違うようですね。戦後、多くの日本兵が残って彼らの独立を助けた事実があって、結構受けは良い。でもインドもそうですが、敵の敵は味方でしかなくて真の解放軍と呼ぶには無理があると私は考えています。

ただ民衆の考え方にどの程度重きを置くべきかと言う視点も非常に大事であって、多くの日本国民も「戦禍の火種を持ち込む者は全て悪」と考える風潮があって、国の行く末を考える人たち、政治家や思想家たちは全く違う考え方を持ってるはずなんですね。そしてまた、彼らは彼らの損得でものを言うし、国民の顔色も常に見ている。だから真実はどこにあるのかを見るのは非常に難しいと思います。

ここで台湾を考えてみるとこれまた難しい点が出てくるんですね。私は台湾には何度も行っていますし、好きだから昔のことを根掘り葉掘り聞くわけですが、かなり日本人には好意的だし、尊敬しているとか、昔のほうが良かったという人さえ少なくないのはびっくりしました。今じゃ考えられませんが歳よりはほぼ全員日本語を話すし(韓国もそう)、良く来た良く来たと歓迎されました。歴史的に彼らに尊敬される日本人も少なくないし、台湾と日本は友好国であるのははっきりしていると思います。

では台湾統治は善であったのか。ここは私にはわからないところです。つい最近、NHKが集団訴訟で負けたのは大ニュースだと思うのですが、その問題の番組の中で、NHKは台湾統治は悪であるというイメージ操作、またイギリスの万博に文化を見せるために渡った原住民を「人間動物園」として日本が見世物にしたとNHKは断定し、その原住民のお子さんはNHKに侮辱されたと訴訟にも参加し、100万円の賠償を勝ち取りました。また日本軍として戦った老人たちが「日本に文句を言う」ところを強調し、日本は悪いことをしたのだからそれの反省を踏まえて上で今後どうのこうのというフランス人評論家の意見をまとめにして番組を終了した。

これはどう見ても意図的にどういう結論に結びつけるかが取材の時点で決まっていたという点を高裁が認めた、非常に意義のある裁判だったと思います。台湾統治は侵略で悪かったというNHKの主張に、台湾人自身がそれに怒ったという一面が強調されるのはまた行き過ぎのような感じはするのですが、私としては偏向報道が多いNHKには反省してもらいたいところ大だと思います。

では台湾統治は良かったのかどうか。日本を愛する台湾人が実際にいるわけですが、それをもって台湾統治を善として良いのかどうか。ここが非常に難しいところで私には結論が出せないでいます。もしこれが善であるならば、では日韓併合はなんなのか。統治がうまく行ったから善で、失敗したら悪なのか。台湾に関しては、当初から統治がうまく行ったわけでもなくて、紆余曲折の内に、良い感じで終わることが出来たと私は想像するし、朝鮮半島はもう一息のところで終わってしまったから失敗したと考えることも出来てしまうことに、自分でも違和感があります。

つまり、沖縄を考えてみればわかるように、年月は人を変えるんですよね。今、沖縄の人を外国人だと思う日本人はいないし、沖縄人も自らが日本人だと思っているはず。でも他国を吸収したり統治したりするのが悪であると断定できるのであれば、私たちは沖縄に独立してくださいといわなければならなくなる。でもそれを言わないとするならば、中国がチベットやウィグルに対してやっていることに文句を言えなくなる。

でもそれは時代が違うのだ、あの頃は帝国主義が大国の常識で、侵略は普通の国家としての行動であったというのなら、それを中国や韓国に声を大にして言えば良い。

結局、真実とか本来ある道って探せばあるはずだと思うのだけれど、現実はあっち立てればこっち立たずで、また過去の歴史や今の時代でさえも、視点を変えると全く違う見え方がするわけで、さて、自分としてはどこにどういう結論を見出せばよいのか、調べれば調べるほどわからなくなることばかりなり。

だからこそ、過去のことは過去のこととして白黒つけずに、でも「悲しい歴史があった」というのが事実であるという天皇陛下の言葉通りに将来に向けて手を取り合って明るい未来を築こうという考え方が大事なんでしょうね。

でも歴史に白黒つけようと息巻いている、そして正義は自分にあると確信している、それも国のトップが世界中でそれを言って回る非常に変わっている国とどう向き合えば良いんでしょうね。言われたら言い返してやればよいというのはあの国の国民性を無視した強がりでしかないし、それじゃ子供の喧嘩と同じになる。でも今までがそうであったように黙っていたりヘラヘラするのはもっとまずいし。

良い悪いという評価や思いは出さず、日本が言いたい「これが真実だ」というのは常に出してくのが良いと私は思うんですが。

どうにでもやってくれ、俺には関係ないと思える性格なら楽なんだろうなぁ・・・・ (笑)

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