今、人生に悩んでいる人がいる。
細かいことはわからないけれど、どうにか立ち直って欲しいし、新たに進むべき道をしっかり見出して欲しい。
「人は自分のためだけに生きられるほど強くない」
これって真実だと思うのだけれど、私がこういう言い方を知ったのは三島由紀夫のあるインタビューの動画だった。これを聞いた時は自分のもやもやした生きることの悩みが氷解したような気さえしたもんです。
小さい頃から誰しも言われて育ってきたのは「自分のことばかり考えるな」ってこと。そりゃそうだと思う。そうじゃなければ家族もコミュニティも国家も世界も成立しないんだから。でも人間って自分のことしか考えていないと思うような経験は嫌というほどするわけで、自分の心のなかにもそういう図々しさがあるのは簡単に気がつく。
でもそれは本能なんだろうと納得して、自分のことばかり考えるのも仕方がないと思ってしまうところもある。そして、自分の行動を正当化してしまう。これって恐ろしい考え方で、これが出てくると家庭さえも崩壊してしまうことがあるはず。だから自分以外のことも考えなくちゃダメだなんて思ったり。
でも違うんですよね。それは真実じゃない。
人は自分のためだけに生きるなんてことは出来ないように出来ている。
三島由紀夫の動画。48秒ぐらいからの話に注目。
人間には欲望があって、それが満たされるから幸福感を感じるのだという、1プラス1は2みたいな絶対的な常識があると思います。またもしそれで幸福感を得られたとしたら、たまには他のことも考えましょうねというのが世の中の常識。だから人は自分や家族のために一生懸命働くし、余裕ができればボランティア、チャリティなどにも興味が出てくる。それが世の中の常識でしょ。
でも三島は違うという。
私としては、人は自分のために生きるのは簡単で、でもそれだけを追い求めては駄目だ、たまには他人のことを考えろ、程度の単純な考え方を持っていました。でも三島が言うのは逆なんですね。自分のためだけに生きることは難しいと逆のことを言っている。それで幸せを感じるようには出来ていない。そう生きれるほど人は強くないと。
また「人間は自分のためだけに生きることにはすぐ飽きてしまう」という言葉も印象的でした。
こういう考え方って凄いと私は感激しましたしその通りだと思いました。せめて家族の中ではお互いの事をしっかり見つめ合って、何が起きてもそれぞれの幸せを第一に考えて困難に立ち向かって行くべきなんでしょう。
でも言うは易し行うは難し。ちょっとしたことで夫婦仲も崩壊するし、子供たちにも愛想をつかれるなんてことが簡単に起きてしまう。他人なら尚更で、信じていた友人でも背を向けて去って行くなんてことが普通に起きる。
それでもやっぱり相手のことを思って、たとえ理不尽な他人の理屈も受け入れて解決策を見つけないとならないのが長の役目なんでしょうね。
プライドなんて私はいらないと思って生きています。面白いでしょ?下手なプライドは持たないのが私のプライドと言っても良いくらいで、頭を下げてどうにかなる問題なら頭を下げて、たとえ足で踏みつけられても、それで解決するならそれでOK。負けるが勝ち。巻き返しは後からじっくり考えれば良いんじゃない?リベンジできるチャンスは必ず来る。
この際、リセットして、ゼロからやり直そうという考え方は危険だと思います。そんなことをしていたら、何か起きるたびにリセットする人生になるだけじゃない?
(動画の中で三島由紀夫が言っているのは、私がここに書いたようなこととは違うのだけれど、彼の言葉の意味は我々の普通の生活の中でも同じだと思うので引用しています)
ちなみに、三島由紀夫が何を考えていたのかに関しては、この動画の方がわかりやすい。上の動画はこの同じインタビューからの抜粋です。これはこれで、彼は今の日本の問題点をしっかり見ていたのだろうと思います。