種明かしを一つ 種子の発芽を揃える方法

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興味をもつ方がちょっとずつ増えてきたので嬉しいです。

カイワレ大根を育てる簡単で安全な方法を書きましたが、その中で種を植えて次の日には芽が出ていたのも書きました。これを不思議に思う方がいらっしゃって、日にちを間違えたのではないか、何か特別なことをしたのかと聞かれました。

実はこれは書かないほうが良いかと思っていたことなのですが、逆に推奨するプロもいますので種明かしをします。

過酸化水素水を使っています。英語ではhydrogen peroxideですが、いわゆるオキシフル、オキシドールなどの消毒液がありますよね。種を一晩水につけるときにその過酸化水素水をスポイトでほんの一滴だけ混ぜています。何のためかですが、まずひとつは消毒のため。かつてカイワレ大根でO157が広まりましたが、種子がどんな病気を持っているのかわからないですから、やっぱり消毒をしたいと思います。

それと種子って冬眠をするんですね。どういう時に冬眠してどうなると起きるのか、詳しいことは調べてもらうことにして、その冬眠を覚ます方法として過酸化水素を使うという手があります(非常に一般的)。ただし、冬眠していない種子にそれを使うと逆に発芽が遅れるという報告も見た覚えがありますが、今まで、というか10年ほど前に水耕栽培にハマっていた頃も過酸化水素を使っていましたが、結果は良いと思っています。ただ、使った時と使わない時の比較検証はしていません。気休め、勘違いかもしれません。

使う理由の3つ目は酸素の補給に良いのじゃないかということ。発芽するときには酸素が大きな役目をするようで、もしかしたら過酸化水素を使うと発芽が良いのもそれが理由かもしれません。過酸化水素は化学式ではH2O2ですね。これが何かと反応した時にH2OとO2つまり水と酸素が発生します。オキシドールを傷口に塗ると白い泡が出ますが、あれが酸素。

そして一般論として、水耕栽培では酸素の補給が常に大きな問題となります。カイワレの育て方もそうですが、これは基本的には容器の底に溜まっている溶液を毛細管現象によって上に揚げる、あるいはその溶液の中に根を張らす方法を底面給水方というケースが多いようですが、この場合、溶液の酸素濃度が問題になるんですね。まぁ、毛細管現象で吸い上げる分には常に下から新しい溶液が届きますし、空気との接触も十分にありますから問題はないと思いますが、発芽時には酸素が一つのキーになるということが一つ。

そして溶液に根を浸しているような場合は、間違いなく酸素不足になるんですね。それが根腐れの大きな原因の一つでもあります。ですから数ヶ月間育てる場合には、必ずその溶液の中に魚を育てる水槽で使うブクブクを入れて酸素濃度を高めるのが常識です。つまり、植物を育てるにはなんといっても水が大切ですが、実はそれと同じように酸素も大切だということです(意外に知らない人は多い。二酸化炭素だけが大事だと思ったり)。そしてマニアがたまに使う手ですが、植物の元気が無いように見えた場合、人間が病院で点滴を受けるがごとく、溶液にこの過酸化水素水をガツンと投入する人もいて、これはかなり効くようです。ですから播種の前処理として水に一晩漬ける時に過酸化水素を使うのはかなり良いんじゃないかと勝手に想像しています。またそうしている人は多い。

また、どんな栽培システムでも藻や苔が生えたり、あるいはバクテリアの繁殖の危険性がありますから(ヌルヌルしてくることは良くあること)、それをやっつけるためにも過酸化水素水はかなり有効なんですね。ですから過酸化水素水は水耕栽培をやる人たちには必需品かもしれないし、結構使う場面が多いと言って良いかもしれません。

ただ、難しいこともわからずに使いまくるの良くないはずで、溶液中のPHが変わったり、化学反応を起こしてある成分が無効化したりすることもあるんじゃないかと思います。また反応でいらん物質ができるかもしれない。そして過酸化水素とはまさに活性酸素そのものですから、これがまわり回って人間に入ってくることも考えないとならないかもしれません(これとは逆に過酸化水素水を飲むと健康によいと言う人もいる)。

詳しいことは私にはわかりませんが、過酸化水素を実際に使ってみて良いように感じることと、使うにしてもそれこそスポイトで数滴ですし、またそもそも過酸化水素水は紫外線などによってすぐ分解して水と酸素になってしまって、長期に有効性を保つのが難しいくらいで(投入後有効なのは3-4日)、農薬のような心配は私は無いと思っています。

ま、そんな感じで、是非これを使うべきだと言えるものじゃないので、またこれの有効性が私に証明できるわけでもありませんから、あえてこれは書くまいと思っていました。

おまじないと同じかもしれませんが、私はこれは効いていると思います。間違いなく栽培システムの消毒、クリーンな状態に保つには最適ですし、植物には大きな負担があるどころか酸素供給という仕事をしてくれますし、私はこれが無いと不安でしかたがありません。(笑)

興味のある方は是非使ってみてください。薬局で簡単に手に入るはずです。英語ではhydrogen peroxideです。私は水耕栽培用のものを入手しました(安定させるために硝酸銀が入っている)。また普通に我々が買えるのは濃度が5-6%程度のものですが(薬事法で各国決まりがある)、プロが使う濃度の濃いものを売ってくれると(法的に必要な手続きがあるのが普通)言われても使わないほうが良いと思います。東南アジアでは気を利かせてそんなのを売ってくれちゃうかも知れませんが(必要な手続きをせずに手を入れたい人は多いらしい)(笑)、取り扱いは危険でペットボトルみたいなものでしたら爆発(酸素の急激な発生)するようなこともあるそうです。また脱色にも使う薬品ですから洋服につけば色は落ちちゃうし(髪の毛の脱色にも使う)、皮膚に付いても白くなったり、ただの水だと思うとうまくはないようです。特に、目に入ると失明の危険もあるそうで、取り扱いは十分な注意が必要。ただ我々が普通に手に入れることができる低濃度のものならその心配はないかもしれませんが、気軽に考えるとまずいと思います。だからといって、濃度が高いものを扱うときのように手袋やメガネ、マスクをするほど神経質になる必要はないと思います。

ま、そんなことで、カイワレ大根の発芽が早く、揃っているのは私は過酸化水素の働きだと思ってはいるのですが、では今まではどうだったかというと、過酸化水素を買ってきたのは今週の初めで、それより前の種子にはつかっていませんから今回の一連の実験の結果としての比較はできません。私としてはこのカイワレ大根の種子が日本からものであるからという方が大きな理由だろうとも思っていて、海外のユーザーって、日本人みたいに細かいことをガタガタ言わないし、芽が出ないの、発芽がそろわないのと文句をいう人もいないのでしょう。また種苗屋も日本人みたいに、発芽率の高いものを探し求めるとか、開発するとか、そんなこともしないんじゃないかと思っています。やっぱり日本人の探究心、責任感、プロ根性って凄い。

ま、過酸化水素水は隠し味ってことでしょうか。(笑)

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