豚の角煮リベンジは成功・・・・かな?

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まぁ、本当に豚の角煮には悩まされ続け、料理の科学をかじってああじゃこうじゃと理屈を振り回しての実験も見事に失敗し、もうこれが最後のチャレンジと心に決めてトライしました。

買ってきたのはいつもとは違う板状のバラ肉。今までは短冊に切られたものを使っていました。

スーパーで普通に売られている肉で、キロ18.99ドル。グラムで言えば180円ぐらいか。重量は868グラムで16ドル48セント。1500円ぐらい?

かなり薄っぺらな野郎で(笑)、普通の短冊状で売られているものとは全く違う。想像するに、これはお腹の真下。多分、おヘソの上か下かその辺じゃなかろうか。皮も非常に軟らかい。短冊状で売られているものは皮もしっかり分厚く固いし、肉厚もある。あれってきっと豚の脇腹か背中に近いあたりじゃなかろうか。

私が今までこれがバラ肉だと信じて使っていた短冊状に切られて売られているバラ肉です。火を通してからの写真ですが、厚さがまるで違うのがわかりますでしょうか。またこれの皮はとんでもなく厚く固く、普通は食べられないと思います。

今回の薄っぺらい板状のバラ肉を切ってみるとこんな感じ。

これをどうしたかというと、もうこれが最後のトライと思い、メチャクチャやってみました。肉が柔らかくなると評判の3種類を全て投入し、練り込み、そして丸一日漬け込みました。その3種とは、重曹、キーウィ、そしてヨーグルト。(笑)

これを綺麗に水で洗い、蒸しました。3時間ぐらい。様子を見ながら蒸しましたが、2時間過ぎてからはほとんど変わらない感じ。そして脂は落ちて脂身はフルフルの感じですが、肉は決して軟らかいとは言えない固さ。

何だぁ、前と同じじゃんかとちょっとがっかりしながら次は超弱火で煮込みました。オイスターソース、砂糖、そして中国黒酢。煮ること1時間。若干、まだ脂がでましたが、煮上がりはバッチリの感じ。プロの大西さんがコメントで書いていた、煮て膨らませるってこれのことかと思いましたが、なかなか良い感じです。

鍋から出そうと箸で掴みましたが、脂身の部分は掴み様がありません。そのまま箸がスーッと通ってしまうくらいのフルフル。かと言って肉のところだけ層と平行に掴もうとしても、持ち上げると脂身と肉の層がバラバラになって落ちてしまう。しょうがないので、脂身が崩れるのを覚悟で層と直角に持ってそ~~っと取り出したのがこれ。

脂身は出来立ての軟らかい豆腐みたいで箸では掴めません。で、肉は・・・うーーむ、私が理想とするのは「箸でも掴めないくらいの柔らかさ」だったのですが、そこまでは柔らかくない。でも口に入れると噛みごたえがないくらいには柔らかい。今までのような、繊維を感じることはなし。

ま、100点とは言えませんし、私が昔好きで食べていた五反田の上海園の (東坡肉 トンポーロー)には及びませんが、今までとはまるで違う出来上がりですので、これで良しとしましょう。

しかし、なんで今までと違った柔らかさなのか、その理由ははっきりわからず。今までとは同じバラ肉でも部位が違うのは間違いがないし、柔らかくなるという重曹、キーウィ、ヨーグルトを全部使うという馬鹿なこともしましたし、それも丸一日漬け込んじゃいましたから、どれが効いているのかもわからず。ただ、重曹を使うと苦味が残るとか言われていますが、それは全く感じませんでした。またキーウィやヨーグルトを使ったなんてのは食べても全くわかりません。

成功というより、やっぱり偶然できちゃったってことですね。私の頭の中にある調理科学で今までとの差が説明できませんから。ただ、この板状のバラ肉が一番のポイントじゃないかと思うのは、前に作ったパンチェッタもこの板状のものだったのですが、皮も歯に当たる感じもなく食べられましたし、肉もしっとり仕上がりましたから。またかなり昔ですが、サーファーズに「海」という大きな居酒屋があったころ、そこのチャーシューが柔らかくしっとりして美味しくて塊で売ってもらっていたことがあります。で、そのチャーシューもこの板状のものを巻いて作ったチャーシューのはず。

もし今回の成功が単にバラ肉の選び方の違いだとしたら、バカみたいですよねぇ。

ああああ、この角煮、皮が付いているのにそれが全くわかりません。皮がないみたい。短冊に切ってあるバラ肉でこういう経験は皆無です。

しかしまぁ、長い戦いでした。今まで一体何をやっていたんでしょう。

でもこちらの板前連中に何度も聞かされた、こっちの豚肉で角煮は無理という神話は壊すことが出来たかもしれません。

この角煮はお皿に盛って出されても、不用意に箸で持とうとしたら簡単に崩れるはず。長男に試食させてびっくりさせてみましょう。

上の写真の角煮を長男に食べさせてみました。

「オヤジ~~、完璧じゃ~ん」ですとさ。

でもアイツは親の喜ばせ方を知っているから信用できず。(笑)

なんでも私のやることには文句をつけるヨメサンにあとで食べさせてみよう。

しかし、諦めなくて良かった~~~~~~~。

当分、いささか角煮は食べたくないですが、次に作る時には同じ部位の皮が柔らかい板状のバラ肉を使って、昔から何度も繰り返した圧力鍋で作ってみようと思います。

それで成功したら、単にバラ肉の部位が違ったからというのがはっきりしますね。

そういえば、前に真似しようとして紹介した安全ちゃんという可愛い女性のレシピですが、彼女も板状のバラ肉を使っていましたっけ。考えてみると、短冊状に切って売っているバラ肉ってかなり厚みがありますから、板状となるとかなりずっしりする大きな塊になりますよね。安全ちゃんが使った豚バラも私の今回のと同じに薄くて皮が柔らかいバラ肉かもしれない。

安全ちゃんのプルプル角煮のレシピ  ← クリック

安全ちゃんのサイトの写真を見ると、やっぱり薄っぺらいバラ肉ですわ。

世の中には角煮がうまく出来なくて悩んでいる人がごっそりいますが、豚肉の選び方に問題があるのかもですね。

実は私も悩んだ挙句、豚の解体のビデオまで見ていろいろ研究しました。(笑)

それでバラ肉と言っても、かなり広い範囲に渡っているのがわかります。もしかするとこの板になっている薄いバラ肉はBacon Bellyと呼ばれる部位かもしれません。肉がしっかりついて厚い部分をFlesh Belly(Fleshとは肉の意味)として区別している人のビデオがありましたから。ですから、薄っぺらいBacon Bellyと呼ばれる部位のバラ肉なら柔らかく仕上がるのかもしれません。

また、スーパーでバラ肉(Belly)として売られている短冊切りしてある肉は、もしかしたらBellyというより、ショルダーの下の部分、つまり肋骨の上の方(胸)の肉の可能性があると思います。この部分も三枚肉ですが肉の部分が厚いですから。多分、間違いがないと思います。また下の動画ではこの部位をショルダー部分のPicnicと呼んでいて、Bellyとは区別しています。

ショルダーの部位を整形しているときの画像。この厚みはまさにこちらでBellyとして短冊切りして売っている部分と同じ。

彼女がBacon Bellyと読んでいる肋骨が細く短くなって無くなる辺りの肉。肉はかなり薄く、これが板状で売られている部分で、精肉業界でBellyと呼ばれている部位でしょう。(注:カットの仕方、部位の名称は各国で違う)

つまり、この動画でみると、オーストラリアでBellyとして売られている短冊状の肉は、本当はバラ肉(Belly)ではないということになりますね。部位としてはショルダー(笑)。きっと肋骨周辺の肉を一般的にBellyと呼び、胸に近い方は肉厚があり皮も厚く、短冊状にカットする。そして腹の方は肉厚が薄くなり皮も薄くなり、それは板状で売るってことですかね。そして角煮に合うBellyはその薄い方なのでしょう。

実は板状のものでも種類がありまして、皮がブヨブヨとたるんでいるものがあります。これはどこかというと肋骨もなくなる下腹のほうで(たるむのは豚も人間も同じですね)、乳が並んでいる辺り。この部分ってなんだかブヨブヨして気持ち悪いので買う気がしませんでしたが、彼女がFlesh Bellyと呼ぶ部分で、本当はここが一番柔らかいかもしれませんね。いつかこれも試してみます。

この女性(Farmer)の豚の解体で豚の部位を研究しました。この動画は3部作のうちの1番め。アメリカでは豚のどの部位をどういう風に料理するのかもこれで良くわかります。

この知識って、豚をバラして売っているようなマレーシアでも有用かもしれませんね。日本って「XXX用」として売っていますが、実際にどの部位だか良くわからないし、肉の塊を見せられても何がなんだかわからないのが一般的だと思います。少なくとも私はそうでした。でもこういう知識を得てから肉売り場に行くと今までの肉が違って見えてきますし、様々な調理のアイデアが湧いてくるような気がします。

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