中国のバブル、特に不動産が危ないだろうと囁きだされてからそれなりの月日が経っていますが、最近、段々とその声が大きくなってきましたね。
中国関連のニュースですが、日本のマスコミは中国の真実を報道しているとは思えません。中国共産党の発表に沿っているというか従順というか、これは報道各社の都合と言いますか、多くの報道機関は中国と「日中記者交換協定」を結んでいまして、中国に都合の悪いことは基本的に報道できないはず。違反すると特派員は追い出されますから。例えば世界中の誰でもが知っている「天安門事件」でも、大規模なデモがありけが人も出て程度の報道でしょ?万単位の死傷者が出たなんてことは絶対に報道しない。(ちなみに産経新聞はその協定を結んでいない)
ですから中国関連のニュースは海外から入ってくるものか、個人が出すデータから読むしか無いんですね。でも信ぴょう性がどの程度のものかわからない。まさに中国共産党の狙い通りになっている。
いくつか気になるものがありますので、それを書きます。
まずその前に基本データを。なぜ中国の場合は不動産に注目されるかですが、中国の内需を牽引してきたのは不動産であるということ。これはリーマンショックの時を思い出しますが、中国はあの時、「中国は内需拡大を目指す」と言っていましたよね。そして不動産、建設、設備投資に注力した。これがうまく行っていたわけですが、中国のGDP構成を見てみますと、他国に比べてその割合が突出しているんですね。ですから、この分野で何か起きるとその影響は多大であるということ。アメリカの不動産暴落が世界に与えた影響なんてもんじゃないんじゃないでしょうか。
BRICsと主要国のGDP内訳(2010年)(%)
紫色の「総固定資本形成」に不動産が含まれますが、中国は47%で突出しています。各国は15~31%平均すると20%そこそこ。中国は輸出で儲けている国に思われますが、貿易の恩恵は思ったほどじゃないのもわかります。また個人消費ですが、日本は6割、アメリカは7割に達しますが、中国は35%に過ぎません。
まず今日のニュース。サーチナですが、「中国の不動産仲介大手、強く警告・・・「9月までに市場から必ず退避せよ」=中国メディア」
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中国の不動産仲介大手・中原地産の鄭叔倫総経理が10日、「広東省深セン市で9月に“誰の目にも明らかなほど”不動産価格が下落するだろう」と述べたことについて、中国メディアの経済観察網は11日、「中原地産が9月までに不動産市場から必ず撤退するよう強く警告した」と報じた。
鄭総経理は「不動産価格は現在も何とか値を保っているが、不動産の売り出し件数、成約件数、訪問客数などはすべて大きく落ち込んでいる」とし、中古住宅価格の指標として重視されている中原城市領先指数の上昇がすでに終わりを告げたと明かした。
さらに、中原地産の華南地区総裁である李耀智氏は、不動産開発業者が同社に支払うべき仲介手数料のうち、支払いが滞っている額が総額30億元(約492億円)以上に達していることを明かし、「健全に発展している業界ではあり得ないこと」と語ったことを伝えた。
記事は、「人びとが不動産市場の回復に期待を抱いているなか、不動産仲介業者は反対にますます悲観になっている」とし、中原地産が深セン市の不動産市場がすでに「氷点下」にまで落ち込んだと見ていることを伝えた。
中原地産によると、中古不動産の販売において、2013年1-3月期は訪問客38人ごとに1件売れたというが、13年10-12月では60人ごとに1件、さらに直近3週間では80人に1件しか売れないという。また、深セン市での14年1-5月の新築および中古の不動産成約面積は前年同期比42.8%減の306万平方メートルにとどまったことを伝えた。
さらに記事は、深セン市での14年1-5月の新築不動産の成約率が50%に満たず、在庫が積み上がっていることを指摘、中原地産の分析として深セン市の在庫面積は通年300万平方メートルを超える状態にあり続けると伝えた。(編集担当:村山健二)
全面的な金融危機発生の可能性60%超
中国不動産市場下落 経済に打撃
また中国関連のニュースをまとめたサイトがあります。勝又壽良の経済時評(クリック)。より詳しい内容に興味がある方はこれを読むのもよろしいかと。
さてさて、中国がひっくり返ると何が起きるのか。中国は膨大なアメリカ国債を抱えていますが、それはどうなるのか。また内政問題を外に向けるのが得意な国ですから、尖閣や南シナ海で新たな行動を起こすかもしれない。そして世界に飛び火するであろう経済的打撃はどの程度の規模であるか。私としてはリーマンショックどころじゃないと思っていますが、中国の破綻の前兆は前から言われていますから、意外に準備が出来ているのかもしれない。逆にここで一儲けを考えている連中も少なくないでしょうし、彼らが集中して売り浴びせるであろう対象はなんなのか、またその時に持っていてはまずい資産とはなんなのか、その辺をじっくり考えてみる必要があるのでしょう。
私としては「君子危うきに近寄らず」で遠くから見ていようと思っていますが、そう簡単に逃げられるのかどうか。やっぱりヘッジ、あるいは積極的に売り攻勢を掛ける必要もあるかと思ったり。ただリーマンショックのような「青天の霹靂」みたいな動きはないかもしれないと思っていて、大きな流れに乗れば良いのかも。