読者の方から、そろそろカメラを変える時期なのでブログに写真を載せるのに適したカメラを入手しようと思う。どんなカメラがお薦めかというご質問を頂きました。
う~~む。これに答えるのは難しいですね。それぞれどんな写真を主に載せるのか、どんな写りが好きなのか、千差万別ですからこれが良いって言えないんじゃないでしょうか。
私はカメラ、写真の初心者を50年近く続けていますが(笑)、そういうレベルを対象にした基本的なことを書きます。
もし気に入っているブログがあって「このブログの写真みたいな写真を撮りたい」というのがあれば、それを教えて下さい。どんなカメラ、レンズで撮っているのか想像は難しくないので、同じようなタイプのカメラ、レンズを揃えることは可能だと思います。逆に、どんなカメラでも似たように撮れるんじゃ無いかと思うのは大間違いで、カメラ、レンズの限界とか適性とかあるんですね。
ただ大雑把に言って、きれいな写真を載せているブログのほとんどは一番レフを使っているケースが多いと思います。いわゆるキャノンやニコンのアレです。これらのカメラのセンサーの大きさはAPS-Cサイズでコンデジとはまるで違います。で、センサーが大きいということは
○ ボケを得やすい
○ 高感度に強い
と一般的に考えることが出来ますので、オールマイティと言って良いと思います。ソニーのNEXシリーズのようなミラーレスはAPS-Cサイズのセンサーですから同じことが言えるんじゃないでしょうか。そしてこのクラスならキットで付いてくるズームレンズでもどうにかなるかも。(動きが多い被写体の場合は無理かも)
ただこの辺は微妙だと私は思っていて、写真が綺麗なブログの場合、交換レンズを使っていることが多いと思います。
風景が多い場合は、レンズの焦点距離で(35ミリ換算で)24ミリは最低必要だと私は思っていますが、広角側が24ミリスタートのキットで付いてくるズームレンズって少ないんですね。大体28ミリから。たった4ミリの差と思うかもしれませんが、風景を撮る場合のこの差って大きいと思います。だから広角レンズは必需品。
またズームレンズは暗いのが普通ですから、ボケに弱い、暗いシチュエーションに弱いということがあります。ただ、暗いシチュエーションに関しては、最近のカメラは高感度に強いですからどうにかなるのかも。でも暗いレンズで(絞りを絞っても同じ)大きなボケを得ることは無理なんですね。ましてやセンサーサイズの小さなコンデジでは写し方を考えないとボケは期待できません。特に室内や夜の写真が多い場合は一般的なコンデジで良い写真を期待するのは難しいはず。
マレーシア関連の日本人のブログで綺麗な写真を使ってるかたもいらっしゃいます(食べ物が多い)が、その方はカメラに関して詳しいことは何も書いていませんが、文中に「大きなカメラ」というのがありまして、やっぱり一眼レフを使っているのだろうと思ったり。またマレーシアの食関連のブログで私の好きなブログがあります。
A Whiff of Lemongrass ← クリック
写真を見ると彼女が使っているカメラも一眼レフのようです。そしてレンズですが多分50ミリのF1.4~1.8程度の単焦点レンズとズームレンズ(キットでついてくるようなもの)の併用だと思います。マイクロフォーサーズ+20ミリF1.7もたまに使っているようですが。こういう感じの写真は普通のコンデジでは絶対に撮れないんですね。私が近年気に入っているソニーのRX100やFujiのX10でも無理。
(追記:彼女のカメラ、レンズのリストを見つけました。
Canon EOS400D ←一眼レフ
Canon EOS500D ←一眼レフ
Canon EOS1D Mark II ←一眼レフ
Panasonic Lumix FZ5 ←ネオ一眼
Panasonic Lumix GF1 ←マイクロフォーサーズ
Sony Cybershot T90 ←コンデジ
Lenses include 50mm f1.8, 90mm f2.8, 17-50mm f2.8 and 20mm f1.7.)
ただし、ソニーのNEXのような一般的一眼レフと同じ大きさのセンサーを積んでいるカメラならOK。キットレンズに50ミリの単焦点交換レンズでもあればOK。35ミリF1.8も良いと思います。あるいは、マイクロフォーサーズのカメラでも20ミリF1.7とか持っていれば良いと思います。ただ、マイクロフォーサーズの場合、キットで付いてくるズームレンズで一眼っぽい写真を取るのは難しいかも。
大きさや価格を考慮するとソニーのNEXみたいなミラーレス+交換レンズ1本でどうにかなるかも。マイクロフォーサーズだとレンズにお金が掛かるかも。
間違いがないのは「小さいカメラで良い写り」を期待してもまず不可能だってことだと思います。問題はレンズなんですね。こればかりは小さくするにも限度がありますから。ですから大きさ重さに拘って、小さくそして軽くないと駄目なのなら、私が使っているようなソニーのRX100とかFujiのX10で妥協するしかありません。でももう一回り大きくても良いとなると、かなり良い写真が撮れるってこと。
意外に使えるかもしれないと思ったのはペンタックスが出しているQシリーズの小さなカメラ。交換レンズが何本も出ていますが、ズームプラス主要交換レンズを2本程度揃えるとどうにかなるかも。カメラとレンズ3本でも片手の手のひらに乗るくらいの小ささです。ただし、中身がコンデジなんですね。私が持っているのは初期型ですが、ホワイトバランスがおかしかったり、高感度では色が乗らなかったり(暗い所って意味)、ちょっとオモチャみたいな感じがしないでもありませんが、画質に過度の期待を持たなければ結構使えるかもしれません。ブログに載せる写真としては十分かも。
この比較の一番左が私がよく使っているソニーのRX100。左から二番目がペンタックスQとプライム1というレンズ。このカメラを含み、右のカメラ(全てレンズ交換式)ならボケ味も出る写真が撮れます。真ん中はマイクロフォーサーズと20ミリF1.7、その右がソニーNEX-5Tと50ミリF1.8、一番右が一眼レフのキャノンの普及型一眼レフ+50ミリF1.8。この画像を見ても、私がマイクロフォーサーズを捨てきれない理由がわかると思います。小型だけれど(交換レンズによって)良い写真が撮れますから。逆に一番右のような一眼レフ(これでも小さい方)とはもうオサラバです(私は長年ペンタックス派でした)。(もし動きの多い子供やペット、スポーツ関係の写真を中心に撮るのならやっぱり大きな一眼じゃないと無理だと思うべき)
逆にボケはいらないという考え方もあるんですね。食べ物の写真もそうですが、私のようにボケが好きな撮り方もあれば、商業写真の様にボケない撮り方も大事なわけで、そういう風に割りきってしまえば、最近売っている各社のコンデジで十分なはず。でもボケが出せないカメラ、レンズって私は物足りないものを感じてしまいます。特に人物を写す時にそれを感じますが、被写体と背景と両方にピントがあっていると、何を写したいのかわけわからない写真になるんですね。スマホの写真と同じでいわゆる記念写真、記録写真になっちゃう。ボケは被写体に近ければ近いほど出やすいですが、ある程度距離があると、大きなセンサー、明るいレンズ、あるいは焦点距離が長いレンズがないとボケが出ない。いわゆる奥行きを感じる写真にならないってこと。(画質の違い、カメラの機能に関してはここでは無視)
ただし、上にも書きましたが、動きの多い子供(運動会など)、ペット、あるいはスポーツ関連の写真が多いとしたら、大きな一眼レフじゃないとかなり難しいと思います。大きな筐体の中に無駄な物が入っているわけでもなく(笑)、特に動きのあるものに追従するオートフォーカスに大きな違いがあります。コンデジや小型のミラーレスカメラの多くは、動きのあるものを撮るとボケ写真の大量生産になると考えたほうが良いかもしれません。
こういう写真が好き。こういう写真を撮りたいというのがあれば、それを教えて下さい。どういうカメラ、レンズが必要かわかると思います。