BBQ baby back pork ribs

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バーベキューをやる時にポークといえばこのBaby back pork ribsを焼くのがお決まりじゃないでしょうか。いわゆる骨が何本も並んだ板状のリブ。これってパーティでも良いし、人数が集まる時には一つの目玉になるのね。でも家庭でわざわざ焼くってことはあまりないんじゃないでしょうか。

でもやってみました。というか、Coco’sの肉屋で「私を食べて~~」と語りかけてきたので思わず買ってしまいました。(笑)

最近いろいろ考えていることとして、ま、中心はまだまだ低温調理なのですが、しっかり焼くものでも低温調理がどこまで有効か試してみたくなっています。その代表がローストであって、大きな肉の塊を焼く前段階として低温調理で熟成させ、美味しく(素人としては)完璧な火を入れ、そして後で焼くというプロセスになるわけですが、その考え方を他にも使ってみたいのです。

この骨が並んだリブはベーベキュー、つまり焼き物の代表みたいなもので、それをまずは低温調理をしてみる、あるいは蒸す、煮るでも良いのですが、それの実験です。

いつもの低温調理ですと真空パックにする必要がありますが、肋骨の板状の肉では真空パックに出来るわけもなく、蒸すか煮るか考えたのですが、簡単な煮る方法を取りました。

まずは鍋に十分なお湯を入れ(ギリギリの量)沸騰させ、そこに肉を放り込みます。いくら小さな豚といえども肋は長いので半分に割り、2つありましたので合計4枚を鍋に投入。これは私の決め事で、低温調理をするからこそ殺菌、滅菌には気をつけるべきだと思っていて、できることなら熱湯で殺菌すると決めています。で、数十秒たってからぬるま湯を入れてお湯の温度を下げます。

温度は計りませんでしたが、多分75度前後だろうと思います。長時間煮ること無く、その温度で40分。

それがこれ。

写真を見るとわかりますが、骨側(裏側)についている薄い膜はそのままにあえてしました。まさにこれが旨味の流出を抑えてくれるような気がしますし、そのまま焼いても薄い紙がついているように感じるだけで邪魔にはなりませんから。ただ、客に出したり、あるいはレストランではこの薄皮は剥いてしまうのが普通かも。キッチンペイパーなどで肉を抑え、薄皮を指で引っ張れば簡単に剥がれます。

これを冷水に浸けて冷やし、流水で洗います。スープは結構出汁が出ているようで(ということは煮るのは失敗といえるかも)、他に十分流用が出来ると思いましたが、全て捨てました。そして肉の水気をキッチンペイパーで拭き、冷蔵庫へ。本来なら、ここでソースを塗ったくって一晩寝かすべきなのでしょうが、時間も遅かったので、ま、いっかと。

本日、冷蔵庫から出して冷たい内にソースを塗りたくって室温になるまで放置したのですが、このソースが問題。焼きながら何度も塗るのが普通ですが、アメリカ人もオーストラリア人も恐ろしい量の砂糖(ブラウンシュガー)を使うのが普通。でも私は現在糖質制限中ですので、彼らのレシピは使えず、糖質制限食を売っている店で買ってきたバーベキューソースを使うことにしました。あまり美味しくないのですが、このソースを使う良い機会ですので使ってみました。(それにインチキスモークフレーバーを付けるリキッドを少々入れる。今回はヒッコリー。)

焼き上がりはこれ。途中でひっくり返したり、ソースが乾いて来た時に何度かソースを上塗りしました。で、いかにもバーベキューみたいにちょっと焦がし目で焼きました。

焼き上がりの段階としては全く問題がないと思いましたが、これってこのまま齧るわけにもいかず、必ず骨に沿って切るんですね。つまり切り目にはソースが付いていない。

これが問題のように思いました。つけダレが無いと味がちょっと弱いのね。前日に漬け込まなかったのも影響していると思います。

ということで、後の半分は全て切ってから焼くことにしました。切り目にもたっぷりソースを塗ったくって。

焼き上がりはこれ。見た目は悪いですがこの方が美味しかったです。

このスペアリブはどうしたって手が汚れる食べ物ですが、やっぱり切ってあるほうが簡単に食べられますし、味も十分つきますし、ちゃんと焼けている歯ごたえがはっきりするのでこれの方が良いかも。ただ、そもそも事前に茹でたり蒸したりする必要があるのかというと疑問。あまりにも肉が薄いですから。ただ、肉が薄いものをダラダラ焼いているとそれこそパサパサになりやすいですから、茹でたり蒸したりした状態のものを一気に焼き目をつけるという考え方はアリかもしれません。このリブをオーブンで焼く場合、最初は低温で4時間焼くというレシピもありましたし(その後高温で焼き目をつける)、考え方は同じだろうと思います。

ソースそのものを舐めてみると「なんだかなぁ」というソースですが、焼けてみるとバーベキューそのもので、返ってこの味は日本的でなくて良いと思いました。どうしても自分で作ると日本風味になってしまいますから。

しかしまぁ、肉屋の腕が良いのかどうだか知りませんが、骨にくっついてる肉の量が非常に少なく、鶏のネックを食べている感じです。あるいはトウモロコシを食べているみたいと言いますか、骨についている肉の厚さは5ミリ程度ですから食べた気がしません。私が昨日下ろしたアジみたいに、骨に肉が一杯くっついていれば良いのに。(笑)

もしこれに1センチ以上の厚さの肉が付いていたら、かなり面白い料理になりそうです。アメリカではわざとそういうふうにカットしたものがあるようで「XXXXXスタイル」と呼ばれているらしい。カンサスシティスタイルだったかなぁ。セントルイスカットなるものもあるみたいですが、それはbackではないribs。

でも煮たせいもありますが、さっぱり系です。豚~~~~という感じはなくて、それがこのBaby back ribsの良さかもしれませんね。脂がどうしたってシツコイ三枚肉とはまるで違う。ちなみに腹側のbackではないribsは脂質が多くジューシーとのこと。

でも食べた気がしないんですわ。

私みたいなシツコクて肉食系だとポークよりビーフのほうが良いかもですね。まさにカルビであるし、骨の間の肉は「中落ちカルビ」ですから美味しいはず。

ポークのリブは意外にしつこくないというのは、骨の周りについている筋がしつこくないってことだと思いました。あの骨付きカルビの骨についてる部分はよく焼かないとネチョネチョして噛みきれませんし、しかししっかり焼くと最高に美味しいですよね。でも豚の場合はああいう筋らしい筋がないように感じました。

でもこのあっさり感がBaby back pork ribsの良さなんでしょう。同じように骨が付いている板状のものでも普通にPork ribsと呼ばれる部分は腹の部分だそうです。横腹から下というべきでしょうか。でもback ribsというのはback、つまり背中というか横腹から上の部分なんですね。だから脂の乗り方も違う。魚で言う腹と背中の関係みたいなものでしょうか。

我々は豚バラは豚バラで一緒にしてしまいますが、豚バラ肉でも部位にいろいろあるのはブログでも何度か話題にしていますし、この骨付きの板状のものでも同じなんですね。で、あっさり好きはbackを選び、コッテリ派はbackではない方(ただribsと呼ばれる)のを選ぶんでしょう。

そんなことも知らなかったのか、なんて言われそうですが、肉屋に行ってもあの部分、この部分といろいろ並んでいるわけでもありませんし、日本では豚でも牛でも部位に関しては多くは語られませんから、肉食人種なら常識でも私には全くわからない世界です。

でも凝りだしていろいろやっている内に、肉の部位にも関心が出てきますし、知識が増えるのも面白いです。

実は、私は最近まで「中落ちカルビ」という言葉は知っていましたが、ではそれがどの部位かというのは全く知りませんでした。まぁ、肋骨周辺であろうことはカルビという名前からはわかりますが、「中落ち」という言葉から私が想像していたのはなぜか「切り落とし」的な、ちょっと半端な、あるいは端っこの肉みたいに認識していました。

ところが「中落ち」ってまさに中落ちで、魚を三枚に下ろした時に骨にくっついている肉をスプーンで落としたりしますよね。あれがまさに中落ちで、肉の場合も全く同じであることを最近になって知りました。つまり、肋骨の中間にある肉なんですね。こちらの肉屋ではFinger ribと呼ぶことが多いみたいですが、では肉屋で見たことがあるかというと一度もありません。でも中国人の肉屋では売っていたので数度買ったことはあります。最初はフィンガーなんとかって書いてあって、まさに指みたいに見えてなんだこれは?と思いましたっけ(笑)。これをしっかり焼いてからカレーに入れたら絶品でした。

いやいや、骨が付いている状態で売っていることはありますね。ビーフスペアリブがまさにそれだし(一度茹でてから骨を外して使うことも時々ありますが)、Short ribというのもそれ。焼き肉で言う「骨付きカルビ」ですね。でも骨付きじゃないものは普通の店で見た覚えがありません。韓国系の店で売っている、肋骨に対して直角に切られて骨がところどころに見えるやつもそれ。でもあの肉の部分だけって売ってないのね。自分で骨からはずせってか(笑)?でも冗談じゃなくてあの肉を薄切りにしない状態で買ってきて、肉に沿って切ればまるで違う料理ができますよね。中村さんのところに頼めば手に入るかな?

しかし肉は本当にややこしいと思います。肉の解体、カットの仕方が国によって違うんですね。で、部位の呼び方も違う。日本みたいに細かく分ける国もあれば、大雑把なところもある様子。

しかし、肉屋で我々が見る肉って実はほんの一部の部位だけなんですね。他の部位は一体どこへ行くんでしょう。それが本当に不思議。

ああ、牛の「中落ちカルビ」ですが、日本ではコストコとかでガンガン売りに出しているみたいですね。フィンガーリブという名称。アメリカ産、オーストラリア産があるらしい。

良いなぁ、なんでこっちの肉屋では売っていないんだろうか。「XXXXの部位が欲しい」と言えばどうにかなるのかな?しかしスーパーで並んでいるものばかり買うようじゃいつになっても巡りあうことはないかもですね。前はたまに「ハラミ」(横隔膜)が売っていたのですが、最近は全く見ないし、一体どこへ行くんでしょうか。

Coco’sの肉屋ですが、こんなフレンドリーな肉屋があるのかっていう位フレンドリーで話がしやすいですから、今度、あそこで注文してみますかね。あるいは中村さんところに頼むか。中村さんの所は間違いなく「中落ちカルビ」を売っていますから、あれを薄切りしていない状態で欲しいと言えば大丈夫かもね。

    

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