マレーシア、オーストラリアの在留邦人統計をロングステイ視点で見てみる

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先日、ジョホールバルのことを書きましたが、実際に今現在、在留邦人がどの程度いるのか調べてみました。

この統計は日本の外務省のページでPDF版、エクセル版、また過去のデータも見られるようになっています。

海外在留邦人数調査統計 統計表一覧 | 外務省

まず大雑把に世界的な邦人数推移を見てみます。「長期滞在者」には駐在、留学、ロングステイが含まれ、短期旅行は含まれません。「永住」は永住者。またこれは「在留届」のデータですので、在留届を出していなければもちろん数字には出ませんが、在留届を出していないケースも多々あると聞いています。また永住の中には日系人は入っておらず、現地の国籍をとった日系人の数は数百万人。アメリカだけでも200万人近いと聞いています。

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次に国別の数字を見ます。近年の動向を知りたいのですが、見やすいグラフは上位7位までしかありませんでした。絶対数も大事ですが、増減で傾向が見えます。

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個別の数字を見ますが、この統計は「大使館、領事館ごと」の数値で、地域別の把握はできません。

まずは世界の中での順位、増減を事務所別に見てみます。赤枠はマレーシア、黄色がオーストラリア。

1位~25位。平成24年のマレーシア大使館(KLの数字)の伸び率が目立ちます。オーストラリアではシドニーの伸びが悪く、地方都市が伸びてきている。マレーシアではリーマンショック時にかなり減ったようですが、それが戻ってきた。また中国から移ってきた数字が多いと聞いています。

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26位~50位。

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51位~75位。

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76位~100位。ジョホールバル、コタキナバルはまだ出てきません。

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101位~125位。ジョホールバルが一気に伸びてきました。

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それぞれの内訳を見ていきます。まずはマレーシア。

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留学もロングステイ(MM2H)も長期滞在の中に分類されていますので、その数字を見ていきます。ロングステイは「その他」に分類されます。この数字で見る限り、ジョホールバルへの留学、ロングステイが多いとは言えませんが、ジョホールバルは男性より女性の世帯主が多いのが面白いと思います。

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年齢別の比率。これでいろいろ見えてきますね。

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オーストラリアはどうなっているのか。ゴールドコーストの数字はブリスベンの中に入ります。永住者の方が長期滞在者より多いのは意外でした。一年で2700人も永住者が増えているのも驚き。これ、国際結婚が多いのかな?

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長期滞在者の内訳。

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年齢別。この数字を見るとロングステイはかなり少なく見えますが、永住権を持つケースが多いと考えられます。

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ま、大雑把に見るとこんな感じ。オーストラリアの内訳を見るのは久しぶりですが、数字と体感とはまるで違うのが面白いと思いました。

またどの土地も、そこで日本人向けサービスが充実しているかどうかは永住者やロングステイヤーの数ではなくて駐在員がどれだけいるかが一番の要素で、駐在員の数と日本向サービスの数や質は比例していると思います。そういう意味で、マレーシアとオーストラリアを比較した場合、駐在員、このデータで言うと「民間企業関係者」ですが、マレーシアは15000人いるのに対し、オーストラリアはたったの2100人しかおりません。7分の1以下です。この差が日本食材、日本料理店、病院、その他サービスの充実度にも出ていると思います。

在留邦人数としてはオーストラリアはマレーシアの3倍ですが、駐在組が7分の1しかおらず、日本人向けサービスや店舗は非常に少ない。マレーシアのように「英語もマレー語もわからないけど生活できる」ということはオーストラリアではあり得ないってことでしょう。

そういう点から言っても、ロングステイヤーがマレーシアを選んだ場合、「日本的なもの」との関わりがありますから、生活はしやすいと言って良いと思います。そして物価はオーストラリアから見れば「3分の1説」はまだ有効。(笑)

気候、治安、制度など大事な項目はいろいろありますが、マレーシアがロングステイに向いているのは間違いがないという結論がこの統計からもはっきり見えたような気がします。

外務省のこのデータはいろいろ見ることが出来て面白いと思います。ここから地域の特色も見えてきますし、現地のデータを照らし合わせることによってより深く知ることが出来るはず。

データの中でびっくりしたものがあります。それは日本企業の数字。どこの国にどのくらいあって、どういう変化があるか。

インドの伸び率が異常なくらい。またインドネシア、フィリピンの伸びも凄い。

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日本企業が増え、駐在員の数も増えればロングステイヤーにとっても住みやすくなるはずで、今後、このへんが注目されるようになる可能性は高いと思います。ただ駐在員と言っても家族で行くケースと単身で行くケースが国別によってかなり違いますから、簡単には言えないと思うものの、またビザがなければどうにもなりませんが、いつの日か、ロングステイでインドが注目される日も来るかもしれませんね。物価も安いですし、日本人ロングステイヤーに合う地方、地域もあるかもしれず。

またマレーシアから他の国に移動する場合もこういうデータは参考になるんじゃないでしょうか。

また子育ての点で、へーと思ったのがこれ。現地校へ通わせる傾向がかなり強くなっています。

小学生。

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中学生。

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ただこれは統計の取り方でこういう風になる部分もあると思います。永住権を取って家族で海外に出る人が増えて、駐在は単身赴任が増えれば当然こういう推移になるはずです。(この数値は「長期滞在者」の数値ですから永住者は入っていません。)駐在期間も昔に比べて長くなっていますし、現地での教育を考える人が増えてきたのかもしれませんね。そして日本の教育の問題、グローバル化社会への対応を考える親が増えたのでしょう。

ただ補習校へ通う生徒が減っているのは見逃してはならないポイントだと思います。我が家の息子たちは補習校が現地校より好きだったくらいですが、補習校と現地校の両方の勉強をするのはかなり大変なんですね。息子たちの時代も、上に学年が上がれば上がるほど人数が減ってきましたし、完全なピラミッド型の人数比でした。また聞くところによりますと、まともな日本語教育に着いていけない子の方が多く、中学のクラスで小学校低学年の教科書を使うようになったなんて話も聞こえてきます。またオージーと結婚した人が多く、ハーフの子どもたちがかなりの率を占めているとのこと。

こうなりますと「日本語の勉強内容」に対するニーズも変わってきますし、「日本に帰っても、学校の勉強に置いていかれないように」というレベルとは大違いなのでしょう。言葉が悪いかもしれませんが、「補習校の劣化」が進んでいるのかもしれない。

子連れで移住する場合、この辺は気をつけないとならないと思います。家だけで日本語、日本の勉強を教えるのは簡単ではなくて、仲間のいる学校で楽しく勉強する環境がないと、どんどん子供は現地化し、日本から離れていくと思います。皆で遊び勉強するという環境って非常に大事で、塾や通信教育だけで勉強させようとすると、親が一番聞きたくない「なんで日本語も日本も関係ないのに、勉強しなくちゃならないの?現地校の成績が下がっても良いってことね?」と子供が言い出す可能性が高くなる。

私達の頃は、親も学校もそういう危険があるのをはっきり理解していましたので、「いかに学校を好きにさせるか」に焦点をおいていました。これがうまくいくと、補習校でも良い成績を取りたい。現地校は休んでも補習校は行きたいと思うようになる。この辺は我が家の息子たちはうまく騙せたと思ってます。(笑)

外務省のデータですが、お暇な方はちょっと見てみたら面白いと思います。へーー、へーーと思うことが随所にあります。

 
 
 

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