読者からメールを貰いました。
「世界情勢は別にして、テクニカル分析的に日経平均の動きをどう読みますか?」と。
わかりません。(笑)
ま、いろいろ考えられますが意味が無いと思うんですよ。これだけ一気に落ち込めば当然自律反発はあるでしょうし、でもそれがどう動くかなんてわからない。なぜなら投資家心理はクルクル変わりますから。もちろん中国を含めて各国が黙って放置するわけもなく、実際に中国のように利下げをするとか、アメリカのリップサービスも含めてこれからいろいろ出て来るわけで、それによって投資家心理はあっちに行ったりこっちに行ったり。
そんな未来がチャート分析でわかるはずがないんですね。でもチャートを見ている投資家は多いですから、節目節目では上でも下でも伸びたり止まったり反発したりはするんでしょう。また日経平均で言うなら「ドル建て」で見る外人投資家も多いですから、我々が普通に見ている「円建て」とはその節目も変わって来ます。でもどちらにしても長期的にどうなるのかは「絶対に」わからない。「想像」はいくらでもできますが。
これが長期投資の難しさだと思います。私に言わせればそれは「神の領域」であって(笑)、「自分には絶対にわからない」と決めています。ただ普通の人達が普通に将来を考えるようなことはする程度。
結局ですね、今日本でも注目されている台風の動きを考えてみるとわかりやすいと思いますが、台風が「過去と現在」どういう動き方をしているかはだれでもわかりますよね。で、明日はどうなっているかはだいたい想像がつく。突然消えるはずもありませんから。それが「短期売買」とか「スキャルピング」の考え方なんですね。
長期投資って、フィリピン周辺の海上の「熱帯性低気圧」の発生を監視して、それがいつどのように消滅するか、あるいは発達するか、発達したとしたらどのくらいの大きさになってどの方向へ動くのか、そういうことを考えるのに似てるんですね。こういう馬鹿げているとさえ思えるようなことを「気象関係者」は実際に見て予測するわけですよ。株式市場や為替市場の専門家と同じ。
それが無駄だとは思いませんが、例えばその海域を航行するタンカーに乗っているとしたら、それらの刻々と変化する情報を元に進路も変えて動くわけですよね。ところが一般投資家って、そのタンカーだとすれば「ある時点の情報を信じて進路を決定し、その後そのまま進む」のに似てるんですね。
でもプロの航海士はそんな馬鹿なことはしないじゃないですか。当然、情報は常に入手して「手当」をするわけです。進路を変えたりスピードを変えたり、あるいは止まったり、引き返すこともあるかもしれない。でも素人にはそれが出来ない。難しい。「良し、これで行こう」と決めたら放置する。
では自分もプロの航海士のように・・って思う人も多くいて、それで成功する人もいるんでしょう。でも大半の人たちは途中で挫折する。
こんなのはアタリマエのことだと私は思いますから、長期投資には手を出さないわけです。自分にそんな難しいことは出来ないと思いますから。チャレンジするのも時間の無駄。でも実はそれに気がつくまでに数十年という月日を費やしたわけです。(笑)
でも短期投資は違うんですね。台風でも「明日の午前中にはXXXに達するでしょう」というのはそれなりの確率でわかりますから。
かなり昔ですが、「俺って才能がないなぁ・・・」と思いつつ、ぼんやりと待ちゆく人を眺めていたんですよ。あの人達は相場で泣いたり笑ったりそんな馬鹿なこととは無縁なんだろうなぁと、俺も潮時を考えないと・・と思いつつ見ていたわけです。多くの人があっちに向かいこっちに向かい歩いていますが、あの人達はどこへ行くんだろうとフト思ったわけです。もちろんそんなのはわかるはずがない。でも10秒後、30秒後はどこにいるのかは想像つきますよね。突然消えてしまうことはありませんし(笑)。で、その短時間のことなら想像できるわけだけれど、相場もそういう方法で利益を出せないだろうかと考えるようになったんです。
それが当時「日計り」と言われていたデイトレードに入るキッカケでした。やっと日経225の先物が出来て我々一般でもそれにアクセスできるようになった時代で、これのほうが遥かに「楽だ」と思いました。でもそうは簡単には問屋は卸してくれないわけで、日経225はかなり難しいんですね。取引時間が短く、間に休みが入りますし、また日にちが変わると海外の動きを反映して大きな窓が開いて動き出すのが普通。この「取引がない時間が長い」ってのは読むのが非常に難しくなるんですね。そしてかつては手数料は高いし、刻み値が10円ですからなかなか思ったように行きません。
でも今の時代はFXもあればありとあらゆる市場に簡単に参入できますし、日経225で言えば刻み値は1円で、1円抜けば手数料分は出るような商品がいくらでもあるんですね。ですからそれをやりゃぁいいじゃないかという結論です。
このブログはマレーシア関係に登録されていますが、先ほどランキングトップの常連さんである、やっぱり投資と深いつながりのある方のブログを読んで思わずニタッとしてしまいました。その主もデイトレーダーで(個別株のデイトレのはず)、世の中の人たちがアタフタして大騒ぎしている中で、サラっと自分の利益を出した様子。
相場で悩んでいる方は、こういうちょっとした書き込みの中から、利益を出している人たちって一体何をしているのかを考えるべきだと思うんです。
でもそんなデイトレなんかする時間はない。
これが多くの方の意見だろうと思います。またデイトレなんか絶対に勝てるはずがないと言い切るトレーダーもいる。では貴方の手法でどれだけの利益を出しているんですか?と私は聞きたいんですよ。あるいはその人がどれだけ稼げているのかを想像しないと駄目なんですね。理屈ばかり言う人が多いですから。
ここって大事なところで、実際に経営をしているトップの人の話と、学校出たての新人の話とごちゃまぜにして聞くのと同じようなことをしては駄目なんですね。理屈が駄目っていうんじゃないですが、やっぱり大事なのは「実績」なんですね。
今、フト7,8年前にヤフーチャットで知り合った人のことを思い出しました。その人は相場の話をする場ではないのに誰構わず「株式投資をしろ」と薦める人で、何でこんな時にそんな話をしだすんだ?と思いました。彼は「これからはああなるこうなる」と自説を展開するんですが、私もその世界をまるで知らないわけじゃありませんからいささかうんざりして、「なるほど。で、去年はどのくらい稼げました?」と聞いたんですよ。そうしたら「いやーー、私は大失敗して大損ですわ。わっはっは」ですと。
ま、この世界ってこういう人が実はかなりいるんですね。書きだすといろいろ思い出しますが、ゴールドコーストで知り合った人でもいましたよ。「私は金(ゴールド)投資しているんだけれど面白いですよ。金(ゴールド)がどう動かは私が教えますからやってみませんか?」と。ところがその時に、横から奥さんが「あんた5000万も損して何をいってんのよ」ですと。(笑)
いわゆる相場が上手いんじゃなくて「相場が好きなだけ」という人が本当に多いんです。競馬が好きとかあるいは野球でも今年はどの球団がどうなってどこが勝つとか駄目だとか、そういうのを考え、話すのが好きな人って多いじゃないですか。それと同じなんですね。これはブログでも同じで、「今、円を外貨にしたほうが良い」とか書く人は多いでしょ?こういう話を真剣に聞いては駄目なんですね。もっともらしい理屈がどれだけ並んでいても駄目。
上に書いた「台風の予想」と同じで、「その時点では正しい」かもしれません。でも刻々と状況は変化するわけで、その人はそれに対応してポジションも変えるのかもしれませんが、普通の人はそこまで出来ないんですね。
実は私も上手くないんですよ。ですから長期投資では結構泣くことが多いです。(笑)
デイトレ、スキャルピングって「小さな利を積み上げる方法」ですが、長期投資の場合は動かす額も大きくなりますよね。狙う額も当然大きくなるし、それは損失も同じ。だから私みたいな小心者はすぐビビるんですよ。フットワークが軽くないのね。こういう人は本来投資向きじゃないってこと。
勝ち負けって「読み」が重要じゃなくて、フットワークだろうと思うんですよ。普通の仕事でも同じですよね。理屈をこねまわしていても駄目で、とにかく動かないとどうにもならない。そして状況に合わせて対処する能力が大事。それと同じだと思っています。
デイトレ、スキャルピングって忙しいような感じがしますが、実は「怠け者向き」かもしれないと思っています。
つまり、今回の全世界を震え上がらせている中国の動きですが、「どう読むか?」は重要ではなくて、「そもそも俺って何?何が出来る?」と自分を掘り下げて考えることが重要なんだろうと思います。
長期投資でビクビクするぐらいなら、「ここだ!」と思うところだけ参戦して、あとは「好きにやってくれ~」と鼻くそでもほじくっているのが私には合ってると思います。また私みたいな小心者の怠けものでもどうにかなるんですから、だれでも出来るのではないかと思って「悩んでいるのならスキャルを試してみたら?」とこうやって書いているわけです。
でもそんな細かいことをしても利益なんか大したことがないだろうと思ったら大間違いで、たとえばFXではFX市場の構造上、スキャルピングで一日に何百万円も稼ぐのは難しいと思いますが、10万20万の利益は誰にでも狙えるんですね(これじゃ物足りないと思う人は先物の世界に行くべきなのはいつも書いている通り)。名前は忘れましたが、若い人でFX投資で有名な人がいたんですが、彼がネット上の対談で、「私はドル円専門で1-2ピップス抜きばかり。1日の目標は20万円です」と言っていたのが忘れられません。
おお、私と同じ考え方だと思って、その彼をちょっと注視していたんですが、あるネット上の「FX対決」がありまして、カリスマトレーダー同士がリアルタイムで勝負をしたんです。ところがですねー、彼はダウントレンドの中で「ここらで反発するはず」となんと「逆張り」をしたんです。ところが値はどんどん下がるばかりでナンピンにナンピンを重ね、最後に投げて大損。そして投げた後に値は反発するという、「素人丸出し」をネット公開する結果となりました。
私は「全然言っていることと違うじゃん」と思って見ていました。スキャルパーでもないし、トレンドを無視し、ナンピンを重ねて損切りもできない「ド素人」だと思いました。でもそんな彼でもそれなりに勝つことがあるんでしょうね。だからカリスマトレーダーと言われていたのだと思います。いや、それともFX業界が作り上げた「広告塔」なのかもしれませんが、彼の言っていた方向性は間違っていないと思いました。
結局ですね、勝ちたい人はいろいろとあちこちから情報を集めようとしますが、そんなのは無駄なんですね。それより「俺って何?」をとことん突き詰めて、「自分に何が出来るのか」「何が自分にあっているのか」、これを見つける作業を最優先するべきじゃないんでしょうか。
そもそも、私にテクニカル的にどう動くのか聞いて、私が「今が買いどきです」とか、「投げるべきです」とか書いたらどうするつもりなんです?自分が薄っすら考えていることと同じことを私が書けば、「やっぱりそうしようか・・・」って思うだけでしょ?自分が思うことと逆のことを私が書けば「いや、そんなはずはない」って思うだけ。
こんなことを繰り返していても、カモになるだけってことですね。私はそれに気が付くまで20年以上の歳月が掛かりました。(笑)
今では他人様の予想も解説も一切気にしません。ただ一般教養として、世界のトレンドを知りたいと思う程度。
なぜダボは「海外生活」のブログでこういうことをいつも書くのか?って思う人が多いと思いますが、オーストラリアにしてもマレーシアだとしてもハワイでもどこでも良いですが、その地の情報っていくらでも巷に溢れているわけで、私が今更書いて何になる?と思うんですよ。でもロングステイにしてもあるいは子連れで海外移住するにしても、やっぱり大事なのは「稼ぐ力」なんですね(資金力ではない)。で、その部分で自分に変化が起きれば、海外生活もガラっと変わるわけですよ。
逆にそこに問題があればどんなに素晴らしい夢を持っていても「必ず」挫折する。ましてや就労ビザもない、永住権もない、言語も習慣も法律もまるで違う海外で何が出来るのか?また仕事があったにしても、自分では何も決められず他人の意志で自分の将来が左右されるようなら何のための「海外脱出」なのかと思うわけです。つまり、私としては「海外情報そのもの」よりも「海外で好き勝手に生きるにはどうするのか?」という根本的なところをこのブログでは重視しようと思うわけです。
どれほど素晴らしい、面白い、興味ある海外情報も「絵に描いた餅」では全く意味がありませんから。
で、マレーシアってのは税制、滞在条件、環境において世界でもトップクラスの国だと思うわけです。香港、シンガポールも良いとは思いますが、特に資産形成を狙う人にはマレーシアが最適だと思っています。いや、マレーシアしかないかも。
でもねぇ、実は私はトレーダーって好きじゃないんですよ。非生産的で、本来いてもいなくても構わない存在だから。「俺って社会の寄生虫か?」みたいに思うこともあって(笑)、私の本音はやっぱり「ものづくり」で人生の勝負をしたかったっていつも思っています。