SEALDsという若者たちが中心になって安保法案に反対しているのはみなさんご存の通り。
彼らが真剣になって政治を考えようとする姿勢は私は良いと思っていて、誰しもが自由に思うことを言える世界であって欲しいと考えていました。
でも先の国会前(自称)10万人デモに参加した若者の考えを聞いて、こりゃやっぱりかなりまずいと思ったんですよ。
マイクを持って壇上に出て意見を述べたのですから、それなりにSEALDsの意見を代表する者として我々は聞くわけですが、なんと言ったかご存じですか?
そんなに中国が戦争を仕掛けてくるというのであれば、そんなに韓国と外交がうまくいかないのであれば、アジアの玄関口に住む僕が、韓国人や中国人と話して、遊んで、酒を飲み交わし、もっともっと仲良くなってやります。僕自身が抑止力になってやります。
私はこの青年を悪く言うつもりは全く無くて、こういう若者たちに向かって「反対なら反対として筋道を建てた話をしない野党」に腹が立ったんです。感情論ばっかり。この青年の全文を聞いてもそこにあるのは「戦争反対」というのが基本にある。
もしこれが安保法案と関係のない「これから日本が始めようとする戦争に反対する集会」であるなら、私も賛成する部分がありますが、その「戦争の原因が安保法案にある」というところにヒジョーーに大きな違和感を感じます。でもこういう感情的に動きやすい若者たちを「感情的に扇動した方が効果がある」という作戦を建てた連中がいるってことですよね。彼らはこの安保法案がどうして「戦争に向かわせる法案」なのか、そこを論理的に話すことはないんですね。ただ「日本はアメリカ従属だからアメリカのいうことを聞くようになる」という仮定があるだけ。でも確かに「政権に白紙委任状を渡す」ような部分があるのは私も感じていたし、彼らの心配がわからないではないのだけれど、では「アメリカに従属しないためにはどうするべきか」という議論は出てこなかった。
これは国会を見てもわかるように、感情論に終始するばかりで、大事なところを一つ一つ詰めていこうという姿勢を私は野党に感じなかったし、彼らが本当に「感情」で政治をやっているとは思えないんですよ。これは彼らの作戦だったろうと思うわけで、もしそうではなかったとしたら・・・違う意味でかなり危ない人たちだと思います。
今日は大詰めの大詰めで、自公民と野党三党が合意に達した。その三党とは「次世代の党」「日本を元気にする会」「新党改革」。合意の「自衛隊派遣時の国会の関与を強化する」というところが重要だと思います。つまり「政権の勝手にはやらせない」ってことでしょう。これって「政権に白紙委任状を出す」のと似ていたものから大きく変わる内容だし、私は良く安倍さんが譲歩したと思うくらい。
本来ならこういう問題点を一つ一つ詰めて議論するべきだったのに、民主党にはそれが出来なかった。しなかった。そして感情論で攻めるばかりで「国民にはわかりずらい」様にしたのは民主党の責任もかなり大きいと思うんですよ。書いてもいない、誰も言わない「徴兵制」みたいなことで騒いだり。そしてそういう感情論に若者が乗せられた。そりゃ「戦争反対」なのは誰だって当たり前なんですから、戦争になると思えば反対しますわ。
前の日記にリベラル派の動画を出しましたが、せめてああいう方向性で安倍さんを攻めて行くべきだったし、そのやり取りの中で国民も初めて「判断」が出来るんじゃないんですかね。またそうすることによって安保法案の内容も変わっていっただろうし、切るところは切り、付け足すところは付け足して良い物が出来たのかもしれない。
戦争反対だと騒ぐ人たちに、本来民主党が「誰も戦争なんかしたくないのだから、そういう極論は言わずに詳細を見ていこう」というべきだと思うのだけれど、彼らは純粋な若者を利用した。
結局、もしかしたらもっと良い法案になったかもしれないのをぶっ壊したのが私は民主党だと思うんですよ。
感情論で押すばかりだから、結局は「彼らの頭は大丈夫か?」と冷静な人たちは民主党をバカにする傾向が増えたし、実際に安倍さんの支持率は下がっても民主党の支持率は上がらない。民主党もしっかりやっていれば今回紹介した若者も「若さ=馬鹿さ」みたいな評価をされることもなかったはず。
でもその動きを安倍さんはきっちり見ていて、左派は墓穴を掘るだろうと思っていたんじゃないですかね。
そして今日の今日、他の野党三党は安倍さんに譲歩させて安保法案賛成で合意した。これで採決をしても「与党の強行採決とはいえない」状態になった。
一体、民主党は何をやっていたの?ってことになりませんかね。
私は福島の事故がある前までは枝野さんは結構好きな政治家だったんですよ。でも福島の件で彼がいろいろ話している間に、彼の顔つきが変わったのに気が付きました。これは疲れているんじゃなくて「自分を捨てた顔」だと思いました。いわゆる「政府としてモノを言う」と彼は心を鬼にしたんだろうと。それから彼の「ウソ」が始まった。
今の枝野さんはそれの延長線上にあるように私は感じるのですが、最近の言動は狂っているとしか思えません。
それに関してよく分かるのがこれ。
今は「強行採決はありとあらゆる手を使って阻止する」と言い出す始末。
こういう騒ぎを聞いていると、議会制民主主義ってなんなのかと思うわけです。自分の意見が通らないかぎりなんでもする。この感情論が若者にも伝播して「安倍は人間ではない」「安倍を切る」みたいなことを公衆の面前で普通にいうようになってきた。ヘイストスピーチって一体何なのかとここでも思うわけで、自分の場合はそれが許されて、他人のは駄目という論理。もしここで安倍さんが刺されるようなことがあればきっと犯人は英雄となり、伊藤博文を暗殺した安重根が讃えられるのと同じような形になりそう。表立って「良くやった」とは誰も言わないでしょうが腹の中はわからない。
今回の動きを総して「民主党の完敗」だと保守系バリバリの潮匡人氏がいうけれど、私はその通りだと思います。
私はこの潮匡人氏って結構好きで、かなりの理論派でわかりやすい。私はこういう人とリベラル派が面と向かって延々議論する姿を国民に見せるべきだったと思うんですわ。私も是非聞いてみたい。そういう意味で、真のリベラル派は今回の動きには落胆しているんじゃないですかね。
しかし、中国や韓国と酒を酌み交わし一緒に遊んで絆を作れば戦争は防げるなんて、どうしてそんなことを最近の若者は考えるのか。中国は自国の学生たちでさえも天安門で戦車で轢き殺したのを知らないのだろうか。
彼らは「安保法案賛成派」と一緒に飲まないのだろうか。
こんな論理破綻もわからない学生は一体何を大学で学んでいるんだろうか。
不思議だ・・・・。